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2005-06-13 15:46 | カテゴリ:ロミオとジュリエット Romeo&Julia
●全体の感想

R&Jの一番の見所は、ダンス!ダンス!ダンス!若いダンサーのパワーが舞台上で炸裂!!いやあ、よくこんなに踊れる人を集めたもんだ。

歌も最高!歌うますぎ!!これはウィーンではどこでもだけど、よくこんなに歌える人を集めるなあと感動!!

音楽も超かっこいい!けど、ちょっとワンパターンの感じが否めないけどね。。まあ、このあたりは詳しい音楽の感想で書かせてもらいます。。

演技は、どうかなあ。後で詳しく書くけど、ダンスと歌の後回しにされてた気がする。。なんか、ばたばたしてた気がした。大人キャラはもうちょっとおちついてもよかたのでは?

舞台装置もちょっとワンパターンで3種類くらいしかなかった。。仮面舞踏会のシーンのセットは最近のクラブ系でかっこよかったけど。

このミュージカルは、オリジナルはフランスバージョンなんだけど、昔どこかで、「フランス人はミュージカルが作れない」と言われていましたが、なんか、ちょっと納得した気が。。オーストリア人のミュージカルメイキングのすばらしさから言うと、R&Jはもうちょっとがんばれる気がしました。

っていうか、多分、フランスのミュージカルで重点を置いてるところt、ウィーンミュージカルのポイントが全然違うんだろうなあ。。フランスミュージカルはショー、レビュー、歌ー、みたいな感じだけど、ウィーンミュージカルはもっとストーリーや舞台装置に深みや芸術性を求める感じがする。劇場サイズも断然違うし。

●音楽

ドイツ語版CDを購入したのが3日前。フランス語版は持ってて、歌かっこいいーと思っていたものの、歌詞を吟味しながら読んだのは今回が始めて。勉強の合間に必死で歌詞チェック。

確かに歌かっこいいー。んだけど、何か物足りないものが。。なんかね、曲を5曲くらい聴いたら、もう十分聞いた!という気がするの。曲のバリエーションが足りないというか、名曲2,3曲を除いて、ほとんど全部同じ曲に聞こえる。。

普通、ミュージカルって、笑える曲、ハイテンポな曲、ワルツ、ロックなど、いろいろと混ぜるでしょ?それが、ほとんどの曲が4拍子でいち、に、さん、しって感じでどれも感情をフルに入れ込んで、盛り上がるぜーーって感じの曲なの。

「世界が終わる夜のように♪」とか「オール・アイ・アスク・オブ・ユー♪」がひたすらかかってるって感じ。名曲なんだけど、何度も聴いてると、もうそろそろ「ビー・アワ・ゲスト♪」や「キッチュ♪」が聞きたくなるでしょ。

前もいったけど、ラブストーリーオンリーの展開って、私は苦手で、R&Jでこれをどこまでラブラブ以外の要素で見せるかが私的にはポイントだったんだけど、結果的にラブラブモード全開のままつっぱしってしまいましたって感じかな。

あ、ラブラブモードといったけど、正確にはテーマは「愛と憎しみ」なので、曲は「愛」がテーマか「憎しみ」がテーマかどちらかしかない。それも、曲のワンパターン化の理由かも。いくらロミジュリが有名なラブストーリーとはいえ、全曲シリアスでいかれると、ちょっと疲れてしまって。。たとえば、悲しい曲の前か後ろにあほな曲やギャグのシーンを入れると、悲しみが強調されるでしょ?(ビー・アワ・ゲスト」の後で「愛せぬならば♪」を入れるとか。)そんな効果を期待したんだけど、シリアスに次ぐシリアスなので息抜きができなくて困ったよ。

ちょっと言い方が悪いかもしれないけど、2時間の長ーい一曲の曲を聴いたって感じだったかな。

●ダンス

しょっぱなから愚痴っちゃったけど、このミュージカルの一番の見所はダンス!!もう、ダンサーが若い!パワー!俺!アクション!ばばん!って感じ。そりゃ、ダンスシーンはものすごいお見事です。モンタギュー家(ロミオ側)、キャピュレット家(ジュリエット側)共、ロミオとジュリエットを除いて若者はそれぞれ男女六名ずつ。まず、衣装がかっこいい!これはウィーン版のために新たにデザインしたらしいんだけど、モン家の皆さんはブルー、キャピュ家は赤で統一。けんかのシーンは、それはすごい!!空中を飛びながら顔面パンチあり、女のダンサーが男のダンサーに腕を引っつかまれて持ち上げられて、そのままぐるぐる回されたり、アクロバティックなダンスが次から次へと!そりゃ、ダンスシーンはすごかった。。

私のお気に入りは、モンタギュー家のアンサンブルの男3人(モンタギュー家の男は、ロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオの三人以外は名前がないダンサー)。この名前のない三人のダンサー(袖なしで腕をむき出しにした衣装が共通点なので、腕見せダンサーズと呼ばせていただきます)が、そりゃもうすごい!空中を飛ぶわ、振り回すわ、人の上に飛び乗るわ、ブレイクダンスばりの片手逆立ちをするわ、ありえない動き続出です。エリザ見てたらやっぱりダンサーはいないもんね。。久々に目の保養になりました。。

あと、決闘のシーンでは主要キャラ以外の男ダンサーズが全員上半身脱ぐ!!そりゃ、「けんかだぜ!気合だぜ!」と言う勢いで脱ぐんでしょうが、こう、ばさっと衣装を脱ぐ様子がかっこいい!それも、みんな、そりゃムキムキで!ダンサーって美しいよね!それも、けんかしてるし!筋肉の動きが逐一見れるのがいいね!オペラグラス持ってきたらよかったよと激しく後悔。

でもね、ソロでいい歌を歌ってるときにダンサーが周りで小道具的な意味を込めて悲しみのダンスを踊ったりするのはちょっと、気が散ったような気がした。ダンスシーンが盛り上がるのは、ダンスなしのシーンがあるからなんだけど、ダンサーが始終舞台上にいたら、ダンスシーンの貴重さが薄れてしまう気がして。。私たちは「不安な気持ち」の象徴のダンサーですーみたいな人たちが、「不安 die Angst」という歌に合わせて踊ったりするんだけど、ロミオは歌が十分うまいんだし、この際、ロミオ一人に舞台を任せちゃってもいいのでは?と思った。

●歌

歌!すげーすげー!!!!!ウィーンでミュージカルを見て、歌で不満に思ったことは一度もない!!!!すごいレベルの高さだ!!!!

ロミオ役のルーカス君(昔エリザでルドルフ役をやっていたハンサムなアイドル風の子ね)は、もう、歌は文句なし!!!こんなに若いのにこんなに歌えるなんてすごいよ。何がすごいって、ロミオは舞台上に出まくり&ソロの歌が5曲くらい+ジュリエットとのデュエットが3曲くらいあるので、多分私が今まで見たミュージカルでは、一人が歌ってる時間的には一番長いと思う。こんなにロミオに負担がかかる構成にして大丈夫なのか?っていうかどうせ歌が似てるんだし、3曲くらいおまけしてあげてもいい気がするけど。。と思ったけど、それをすばらしい正確さと感情で歌いきるルーカス君は尊敬に値する!!顔は好みじゃないけど一般的に言うとスーパーハンサムだし、これは、ツボにはまった人はR&J=ルーカス君コンサート状態になるのでは。。

ジュリエット役のMarjan。実年齢は知らないけど、かわいいし若い!!歌がうまい!うまい!!えっとねえ、コゼット声というよりエポニーヌ声だね。あと、キム(ミスサイゴンの)とかの声に近い。普通の人なら裏声で歌うところも地声で歌うのですごい迫力!!!そりゃ、ものすごい掘り出し物です。けど、ジュリエットもソロが多くて大変なので、2曲くらい削ってあげてもいいくらい。こんなに若い子達を搾取するとかわいそうな気がするよ。

ベンヴォーリオ(ロミオの友達、優しいほう)が、私的には好み。歌が深くてよい!ロミオがマリウス声とすれば、ベンヴォーリオはアンジョ声ね。ものすごい歌が安心して聴ける。2幕に彼のソロがあるのが楽しみだったけど、ほんとにうまかった!!何であんなに安定して歌えるんだ!

マキューシオ(ロミオの友達、乱暴なほう。WSSではリフ)は、CD版のオリジナルキャストじゃなくて2番手だったけど、歌はうまかったです。うーん。キャストチェックする前からこの人は多分セカンドキャストだろうな。。と思ったのは、ちょっと頭が薄めだったからいうのは内緒にしておきます。声量もロミオやベンヴォーリオに比べてちょっと劣ってたけど、それより、俺はアグレッシブ!戦う男!というオーラが、髪型によってちょっと弱められていたことは否めないかも。。でも、がんばってたので文句はないです。(ごめんね、マキュ。。)

ティボルト(キャピュ家、ジュリエットに片思い、乱暴者。WSSではベルナルド)は、長髪で立ち姿もかっこいいし、赤地に金ぴかの衣装もかっこいい!!!歌もうまいし、言うことないです。衣装の前をはだける様がセクシー♪

乳母(ジュリエットの乳母、一番の理解者。WSSではアニタ)は、2番手だったけど歌ウマ!!!!!ファーストかと思った!!!コーラスの中で自分のソロがあっても、周りの声を切り裂いて歌声が聞こえてくる!すごいうまい!特に彼女のソロ「ごらんあの子は恋をしているsiehe da, sie liebt」は碧玉。名曲だし。ただね、乳母って、若者の馬鹿さ加減を知っている、年上の女の役なのに、ちょっとトーンが高い気がした。(ソロの曲は、ジュリエットのトーンと結構かぶってた。。)これは役者のせいじゃなくて、全体の構成なんだけど、「一歩はなれた大人の女」という役の人は、もうちょっと低音のうおーって言う歌のほうがいい気がした。たとえばね、Mozart!の「空から降る星♪」や、「I dreamed a dream♪」、ミセス・ポットの「美女と野獣♪」など、やっぱり、大人の女は低い声でしょう。

ロレンツォ神父(ロミオとジュリエットを結婚させてくれようとする神父。WSSではドク)は、まあまあ、普通くらいです。でも、この人も、若者や家同士のけんかから一歩はなれた役なので、あまり感情的にならないほうがいい気がする。。ドクみたいな「お前、あんまり有頂天になるなよ」とか言いながらもお金貸してくれる、みたいな一歩引いた親切さがあればいいなと思ったんだけど、結構振り回されてます。。でも、ロミジュリが死んだ後の「なぜ Warum」というソロはものすごかった。。すごい血気迫る歌でした。すげー。こんなに歌えるのにソロ一曲!?もったいなーい!

そして最後は私の大のお気に入り、ヴェローナの領主。両家のいさかいを諌めようとはするけど、エスカレートしてしまうのを止められない人です。 WSSでは町の警察っぽい役割かな。私が見たときは2番手だったけど、関係ない!かっこよすぎ!渋すぎ!やっぱり、そろそろ私は若者ではなくておじ様に恋する季節なのかしら?歌うまいし!深い声で、大人だし!演技も一番うまかった!一番初めの「ヴェローナへようこそ♪」という歌と、2幕のどうやってもけんかが収まらない様子を苦悩する歌が絶品!(CDにはいってないのが残念すぎる!)

というわけで、歌は文句ありません。ウィーン万歳。ドイツ語圏の歌手万歳です。


●演技

なんか、歌える人&踊れる人を集めただけあって、演技はちょっと微妙でした。どう考えても、一目ぼれなんて無理があるし、「明日結婚します!」って言ったって、現代の観客からしたら納得できないよねえ。それを納得させるだけの演技力が足りなかった気がする。客席からも「明日結婚します!」って言った瞬間、失笑が。。。

第一、一目ぼれなんて実際はあまり起きないし、でも、舞台上ではしょっちゅうおきてるし、その辺をどう納得させるかが重要だよね。ほかのと比べてみると、典型的な一目ぼれ、フランツヨーゼフVSシシーは、番狂わせ♪の歌で思いっきりおちょくられてるし、その後のラブソング「嵐も怖くはない♪」では、ラブソングのはずなのにフランツヨーゼフは「皇帝の勤めは。。」とか説教しだすし(笑)シシーはシシーで高い宝石もらって「とても重い♪」とか文句言うし。はっきり言って、一目ぼれ自体がおちょくられてるんですよ。

別の例を引くと、コゼットVSマリウスでは、確かに「あふれる愛♪」で美しく愛が歌われますが、次の「赤と黒♪」でマリウスは友達に激しく「まるでオーペラー♪」って馬鹿にされるし。やっぱり、一目ぼれ自体に無理があるからこそ、ストーリー内で「馬鹿だなあ」的な雰囲気を出して、逆に観客に受け入れられやすくすると言うテクニックがあることはあるのです。

けどね、R&Jだと、みんな普通に受け入れるし!有名なバルコニーのシーンの後、ロミオはロレンツォ神父のところに行くんだけど、神父は「お前、あほなこと言わずに目を覚ませよ!」とか言わずに(ちょっとは言うけど)結局は「結婚させてあげよう」って。ほんとにロミオのことを考えてあげてるなら、止めるのが大人ってもんだろう!私なら止めるって!それに、もう一人の大人、乳母も結婚の片棒担ぐし。こう、ジュリエットを諌めるとかそういうことをちょっとはしたほうが納得できると思うんだけどなあ。

この、一目ぼれの例だけでなく、演技はダンスと歌のために後回しになってた気がする。そのせいで、歌がいきなり始まる!という、ミュージカルの欠点が見えてきた気がする。ミュージカル慣れした私でさえ、歌がちょっといきなりすぎるよなあ。と言う気がした。。歌と歌との間にせりふがない形のミュージカルだと、せりふを歌みたいにしてしゃべる部分がないといけないんだけど、それがなくて次の歌に入るので、ストーリーの間が埋まらない。。仮面舞踏会のシーンからいきなり「俺は悪くない」って歌が歌われても、何?っておもうでしょ?そういう気が随所でしました。。それぞれのキャラがあまり立っていないというか、例えば、ベンヴォーリオとマキューシオは、本来はやさしい人&喧嘩っ早い人というキャラの違いがあるのに結構どっちがどっちでもいいやって感じがしたかな。

と、まあ、全体の感想はこんな感じかな。R&Jを見てエリザへの愛を確信したってことは、やっぱりエリザほどはよくなかったってことかな。でも、ルーカス君ががんばってるのを見るのは壮快だし。こんなに歌える若者がちゃんと抜擢されてるのはうれしいもんだね。あと、ダンサーの動きが細かいので、もしリピーターになるなら、腕見せダンサーズの誰かをマークして一挙手一投足を見守るっていう見方もあるよね。(リピーターするかどうか微妙だけど。。)あと、ムキムキチェックのためのオペラグラスは必須ね。

歌のバリエーションがないのと、舞台セットが単調なのが弱点と言えば弱点だけど、まあ、それは、役者さんたちには関係ないので、合格点にしておきます。

Romeo: Lukas Permann
Julia: Marjan Shaki,
Benvolio: Matthias Edenborn,
Mercutio: Peter Lasiak,
Tybalt: Mark Seibert,
Lord Capulet: Paul Vaes,
Lady Caplet: Anette Wimmer,
Die Amme: Natasha Cecillia Hill,
Lady Montague: Zuzanna Maurery,
Der Fuerst: Kai Peterson,
Pater Lorenzo: Charlie Serrano,
Paris: Thomas Muellner

席:Rang2 links(上手立ち見)(舞台はほぼ丸見え!)
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