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2007-12-22 00:15 | カテゴリ:オペラ
ううむ。先に昨日のワルキューレレポを書くつもりだったんだけど、ちょっと、昨日と今日の差が激しすぎたので、先に今日の文のレポを書いて吐き出してしまってから、のんびりとワルキューレの余韻に浸りたいなあ、と思って、先にボリスレポ行きます。

BORIS GODUNOW
(11. Aufführung in dieser Inszenierung)

Dirigent: Sebastian Weigle
Inszenierung
und Ausstattung: Yannis Kokkos
Chorleitung: Thomas Lang

Boris Godunow: Ferruccio Furlanetto
Fjodor: Roxana Constantinescu
Xenia: Laura Tatulescu
Amme: Zoryana Kushpler
Schuiskij: Jorma Silvasti
Andreej Schtschelkalow: Eijiro Kai
Pimen: Robert Holl
Grigori Otrepjew: Marian Talaba
Marina Mnischek: Elisabeth Kulman
Warlaam: Janusz Monarcha
Missail: Peter Jelosits
Schenkenwirtin: Aura Twarowska
Hauptmann: Alfred Šramek
Rangoni: Boaz Daniel
Gottesnarr: Heinz Zednik
Nikititsch: Alexandru Moisiuc
Leibbojar:
Lowitzki: Marcus Pelz
Tschernjakowski: Alfred Šramek
Chruschtschow:
Mitjuch: Clemens Unterreiner


チケット入手経路はワルキューレと同じなので、ワルキューレレポ参照。今回はもとは157ユーロチケットで、Parkett2列目9番。オケに手が届きそう。昨日よりもおしゃれしてロングドレスなど着て行ったんですが、カテゴリーB公演ということで、お客さんのおしゃれ度は絶対昨日の方が高かった!!!!カテゴリーによってドレスコードも微妙に違うのか!

さて、聞いたこともないオペラだったんですが、プーシキンの戯曲を下にロシア人作曲家Modest Mussorgskiが作曲した作品で、読み方はボリス・ゴドゥノフ。4幕物で休憩は間1回。上演時間は3時間半で、全ロシア語。ロシア語オペラって始めてだわー。正直ロシアのツァーリの話?くらいしか知らなかったんですが、あらすじはこんな感じ。

http://www.petits-pois.com/Opera/opera_godunov.php

●あらすじ

皇帝イワンが死に、無政府状態だったロシア。皇帝候補者のボリスが帝位に付くが、ボリスはイワンの息子で皇太子のディミートリを12歳の時に暗殺した疑惑がかかっている。このことを年代記に記したロシア正教の老僧ピーメンは、若き修道僧グリゴリーに自分が目撃した暗殺について語る。グリゴリーは暗殺された皇太子が生きていたら自分と同い年であることを聞いて衝撃を受け、そのまま修道院を脱走し、リトアニアに逃げる(このとき、仲間を逮捕させようとしたり、結構ずるいこともするし。。)。

ボリスは帝位に付いたものの過去の自分の行いに苦しめられている。政敵シュイスキーが現れ、ポーランドで殺されたはずのディミートリが反乱を起こし、ボリスを廃位するつもりだと主張していることを告げる。ボリスは自分の過去の亡霊に取り付かれ、取り乱す。

ポーランドでは、貴族の娘マリーナとディミートリを騙るグレゴリーがダークなラブラブを繰り広げている。野心的なマリーナは、とっととツァーリになりな!皇帝になる男じゃないと興味はないわ!と言い放ち、グレゴリーは「おう!そんなに権力者に興味があるなら、俺が皇帝になってからお前が許しを乞いに来ても無視してやる!そうなっては遅いからな!」とかいって、愛してるんだかなんだか分からない会話に。結局最後は抱き合ったので、和解したんでしょう。ちなみに、ポーランドはカトリックなので僧ランゴニーがディミートリを抱きこんでロシアをカトリック化しようとたくらんでいる。(ロシア正教の老僧が賢者なのに対してカトリックの僧ランゴニーはめちゃめちゃ世俗的。。)

一方、自分が殺したはずのディミートリが攻めてきていると知ったボリスは錯乱し、息子のフョードルに皇位を譲って息絶える。ディミートリがロシアに攻め込み、ツァーリになる。

実は、ボリスが死ぬ前に、「聖愚者」という登場人物が現れて、ボリスが子供のディミートリを暗殺したことをみんなの前で暴くシーンがあるはずなんですが、なぜか私が見たバージョンではこのシーンが完全にカットされてました。正直、この「聖愚者」を見てみたかったので、このシーンがカットされてるのはショックだった。。。どうやらロシア的考えでは、知能の低い人にこそ神が宿るらしく、「聖愚者」の発言は真実を告げていると考えられているらしいです。この「聖愚者」らしき人物は最後の最後にちょろっと出てきますが、物足りなさ過ぎる。。

●全体の感想

さて、前置きが長かったですが、感想は。。。。ううむ。。。。昨日のワルキューレがすばらしすぎて、今日のボリスは普段どおりっていうか、普通すぎた。。。まず、馬鹿長い上に、台詞に繰り返しが多くて、長くしてる意味ないし。。ワルキューレは更に長いけど、台詞一つ一つの意味が深いし、削る台詞がないほど内容が濃いんだよー。でも、普通のオペラって字幕チラッと見たら当分舞台見てられるくらい内容薄いよね?ほんと、一場一場長くて疲れた。。。

長くて冗長でも、演出が見所があったり、ストーリーや音楽が楽しかったりしたら飽きずに見れるんですが、今回は演出がもう現代的で一番私が苦手なタイプ。。あの、ナブコタイプのモノトーンでセットもいったいどこだか分からないようなやつで。。せっかくロシアのお話なんだから、コサックとかロシアっぽい衣装にして欲しかったのに、みんな背広だしさ。。。つまんねーーーー!!!!!!!!そして、ストーリーも音楽もひたすら暗い。。。男ばっかりだからソプラノも聞けないし、みんな悩みまくってるし、竹を割ったような性格のヤツなんていないし、もう、お前ら悩んでないて恋でもしてろ!!!って感じなんですがねえ。。。女キャラが一人しかいないんじゃ無理だよねえ。。。

あ、でも、くすっと笑って面白かったのはディミートリ(グリゴリー)とマリーナの真っ黒ラブソングだね。もう、腹黒すぎる。特にマリーナが。。。皇帝にならないんだったら結婚しない!とか言ってさ。。で、腹黒すぎて捨てられかけるといきなり「愛してる」とか言い出すし、ディミートリのほうも好きだとか言ってたくせに「俺が皇帝になったらお前は奴隷扱いして馬鹿にしてやる!」とか言い放題。よう結婚する前からこんなに言いたい放題できるねえ。。で、裏でカトリック布教してやれ、とほくそえむ僧がまた悪いやつでさ。。いいやつはいないのか、このストーリーは。。昨日はワルキューレで皆さんの実直さに心洗われたのに、ボリスはみんな腹黒すぎる。。。

さて、ここまで結構散々書いて来ましたが、一つだけこの作品ですばらしいことが!!!!!!!タイトルロールのボリス役のFerruccio Furlanettoがもう、熱演!!!!!主役がバスってあまりないんだけど、(ロシア人はバス歌手をよく出しているため)、この作品は珍しくバスが主役。それもFerruccio Furlanettoさんは声もものすごく通るし、何より演技がすばらしいーーー!!!!!!!!もう、取り乱したり錯乱したり大変な役なんですが、もうすごいのーーー!!!!!この人見るためだけに前の席でよかったーー!!!って思ったーーー!!!

確かに、キャストはそんなに悪くなかったんだよー。ボリスがめちゃめちゃよかったけど、二番面重要なディミートリ(グリゴリー)のテノールも非常に高音がよく通ってたし、腹黒ヒロインマリーナのソプラノも演技もよかったーー!!あと、ロシア正教の老僧のバスがオールドデュトロノミーみたいでまたよかった。

ただ、ほんと、これだけは許せなかったのが、せっかく前から2列目なのに、席の運が悪すぎたこと。。隣のおばちゃんがMarika Lichter風で、もう、鼻息がうるさいうるさい!!!!1幕の間中すぴーすぴー言ってるの!!!!!!!もう、こんなに誰かの息の根を止めたいと思ったことはなかったね。。相当うるさかったらしく、私の周りの人もみんなしきりに本人に気づかせようとしてるんだけど、鈍感なおばちゃんは全然自分の鼻息が迷惑だってことに気が付いてないし。。私ももう、あからさまに左の耳は指で耳栓してました。何でオペラ見に来て耳ふさがなあかんねん。。。(涙)後半は同行のおばさんが注意したらしく、ちゃんと鼻かんですぴーすぴーは静かになってましたが、時々、こういう音楽を楽しめない人がオペラに来てるって言うのは残念だよね。。

さて、最後に、2列目の音響ですが、一番上の立ち見より音量が大きくなるのが当然と思ってたんですが、思ったより違いはなくてびっくり。なんで2列目と一番上で音が変わらないんだろうー?そういう設計なの???ほんと、音響的には上の立ち見の方が実は好きかも。やっぱり2列目だとオケに近いので、楽器にかき消されて歌手の声が届いてこないことがある。立ち見だと声も楽器の音も交じり合って聞こえてくるから耳に心地いいかも。けど、うまい歌手はオケが大音量だろうがなんだろうがしっかり突き抜けて聞こえてくるので、今回のボリス役の歌手のうまさは際立ってたわ。。。

オケや指揮者も近かったのでちょくちょく見てたんですが、こういうのはやっぱり近い席がいいねえー。チェロのお兄ちゃんが二人で暇な時に目配せして遊んでたり、チューバの人がほとんど出番なくて、端っこで暇そうにしてたりして、見てて面白かったよ。でも、やっぱり昨日のワルキューレの完璧さから比べると、今回はオケと歌手がずれたりとか結構あったなあ。っていうか、普段は結構このボリスくらいのレベルで作品を見ることが多いので(ウィーンとはいえ作品によってレベルの差は結構あるのです)、そう考えると、昨日のワルキューレの完成度の高さがやっぱりぴか一だったんだわ。。。。

というわけで、地味目にボリスレポでした。
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