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2009-04-23 06:54 | カテゴリ:ミュージカル系雑談

アウシュヴィッツ・ビルケナウとの関連で、帰りの車の中でよく考えていると、私のユダヤ人に関する知識を深めてくれているのは、ミュージカルのおかげな気がしてきたので、ユダヤ人を扱ったミュージカルをリストアップしてみた。

・アナテフカ(屋根の上のバイオリン弾き)

 

これは帝政ロシアの寒村に住むユダヤ人のお話。いきなりツァーリの命令で村を追い出され、亡命することになる。ユダヤ人の食生活、結婚式、非ユダヤ人への対応など、風習がよくわかる。

・プロデューサーズ

 

反ナチの映画だが、製作のメルブルックスはポーランド系ユダヤ人で、主人公のマックス・ピアリストクも名前で同じくポーランド系ユダヤ人とわかる。映画では省略されたKing of Broadway♪の曲は、音楽もダンスもイーディッシュ(北方系ユダヤ人)。

・キャバレー

 

舞台版では、おじいさんとおばあさんの恋愛が、おじいさんがユダヤ人であることでだめになる。(映画版では若いカップルで、女性がユダヤ人)MCも最後はアウシュヴィッツで銃殺される。(ユダヤ人だからか、同性愛者だからかは語られない)

・エリザベート

 

アンティセミスト(反ユダヤ主義者)のデモのシーン(Hass!)がある。ハインリヒ・ハイネもユダヤ人。

・ルドルフ

 

ルドルフは自由主義者。ツェップスはユダヤ系急進的自由主義者で、ルドルフの仲間。また、原作のフレデリック・モートンはユダヤ系アメリカ人。テレビ映画版では、ルドルフがユダヤ人の娘と恋に落ちるエピソードがある。マリー・ヴェッツェラがユダヤ人という噂はソースが取れない。。

・Joseph

 

エジプトのファラオに奴隷に取られたユダヤ人のお話。ユダヤ人問題をあまり政治的には扱っていない。

・JCS

 

思いっきりそのまま、ユダヤ教、キリスト教徒のお話。カヤパはユダヤ司祭。

・レント

 

マークがユダヤ人。こちらも、アメリカに住むユダヤ人を代表しているだけで、歴史的問題を扱っているわけではない。

・ヘドウィグ・アンド・ザ・アングリーインチ

 

イツハクのがクロアチアにいた頃の元の芸名はクリスタル・ナハト(クリスタルの夜)。1938年、ドイツにおけるユダヤ人迫害の有名な夜の意味。イツハクは自称「バルカン半島最後のユダヤ人」で、名前も典型的なユダヤ系。他のバンドメンバーも、ヘドウィグを含め、東欧出身。

 

・ダンス・オブ・ヴァンパイヤ

 

原作の映画を作ったロマン・ポランスキーはユダヤ人的に壮絶。本人もユダヤ人ゲットー経験者。父がゲットーの金網に穴をあけて、子供だったポランスキーを逃がしてくれた。父は戦争が終わるまで強制労働。母はアウシュヴィッツで死亡(母親やユダヤ人と結婚しただけで、本人はカトリックだったのに。。)。その後も、ポランスキーはユダヤ人狩りにおびえて暮らしていた。作品にはその影響がよく出ている。

 

あと、作曲のジム・スタインマンもユダヤ人。NY在住でアシュケナジー系。まあ、この人の作品にはユダヤ人っぽさが反映されることはあまりないみたいだけど。

 

というわけで、TdVもユダヤ人要素いっぱい。サラ親子(パパのシャガールも)は普通にユダヤ人だよね。っていうか、あの村全部ユダヤ人だってば。

 

ウィーン版の演出で顕著にわかるのは、家が回るシーンでレベッカ(サラの母)がユダヤのロウソク持って立ってるのと、その横でキパをかぶった男が祈っているところくらいかな。あとシャガールのヒゲと髪型が一目瞭然だし、最初のシーンでバイオリン持ってるのが、「屋根の上のバイオリン弾き」のオマージュ。

 

この辺りを見てウィーン人は「ふむふむ。ルーマニア系ユダヤ人集落か」って気が付いてるから、「俺はユダヤ人のヴァンパイヤなので、十字架は効かない」っていうところで爆笑になるのねー。

 

まあ、だからって、せっかくユダヤ人一家の話なのに、あまりこの設定がストーリーの全体に影響する伏線となってるわけじゃないんだよね。けど、ユダヤ人的コンテキストで考えたら、ユダヤ人のサラがふらっとあらわれた(たぶん非ユダヤ人の)アルフレートとラブラブになったら、そりゃあパパが困るわけで、あの「娘が大事」みたいな歌は、それなりにユダヤ人の悲哀でもあるのかなあ、と深読みしてしまうわけですよ。まあ、ヴァンパイヤに好かれる方がもっと問題なんですが(笑)

 



しかし、こうやって見てると、ユダヤ人ってなんだろうね、って思うよね。私もものすごい仲のいい友達で、ユダヤ系アメリカ人がいるし(彼がイスラエルに留学していた時に遊びに行った。ちなみに、その後ゲイ。)、イスラエル人の友達はウィーンでもいる。

ものすごい個人的な見解なんですが、イスラエル人の友達はみんなすごいフレンドリーで社交的で、友達が多いパーティー好きが多い。一緒にいて楽しいし、別にユダヤユダヤしてない。ハヌカを祝うけど、クリスマスはメリークリスマスと普通に言ってくれる。イスラエル人であるというアイデンティティが既にあるので、ユダヤ教徒であることを不自然に協調しなくてもいいみたい。

それに対して、イスラエル以外に住んでいるユダヤ人(私が知ってるのはアメリカ、ラテンアメリカ)は、ものすごいユダヤ人であることを前面に押し出してくる。ユダヤ人だから、キリストは認めないので、クリスマスなんて言語道断。メリークリスマスはタブーだ!ハッピーホリデイだ!と言い出すのも、決まってこういう海外在住ユダヤ人。別に、日本人も仏教徒かもしれないけど、クリスマスは楽しいので一緒に楽しむじゃない?ユダヤ人、頑な過ぎやしませんか?と思うんだけどね。

ユダヤ人は特別な方法で殺された肉しか食べないので、他の宗教の人たちと食卓をともにしない。食事って、コミュニケーションの一番大事な場でしょ?それを、身内で固まってしかしないんだから、閉鎖的と思われても仕方がない気がする。ヨーロッパ人のユダヤ人へのむかーーーーしからの差別の根源は、この閉鎖性、他の文化を頑なに拒否してグループを作ってしまい、中で何をやってるのかわからない、というのが原因じゃないかな。周りの人と協調しないので、生産的な仕事(農業など)が制限される。結果として、金融業を営むようになり、お金は入るが孤立する。

けど、これは既にいい悪いの問題ではなく、政治的に落としどころがないくらいこんがらがっちゃった問題なので、どうしようもないんだけどね。。けど、少なくとも私は色々調べて、ユダヤ人が何でこうなっちゃったのか、歴史、考え方、宗教を学んで、少しでも何とかなればいいと思ってるんだけどね。そういえば、ユダヤ人の友達と食卓を共にしたのは2回。2回目はユダヤ教の大事なお祭りで、何で私が呼ばれたのか覚えてないけど、ものすごく貴重な体験だったと思う。こうやって個人レベルで勉強していくことしかできないけど、やっぱり心のバランスって大事だと思います。

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