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2023-01-25 23:00 | カテゴリ:ミュージカル・コンサート
ルカス・ペルマンとマジャーン・シャキ主催でライムント劇場で行われたチャリティーコンサートGemeinsam für Kinder in Not(和訳「助けを必要としている子供たちのために一緒に」)に行ってきました!去年のウクライナコンサートの形式に似ていて、アンプラグドで、出演者がテーマに即した、もしくは歌いたい歌を持ち寄った、手作り感のあるコンサート。

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13年前に始まり、9回目のマジャーン&ルカス主催チャリティーコンサート。多分私は全部見てるwいろんな形式や出演者があり、本当に毎回心が温かくなる素敵なコンサートです。おまけに今回は、二人が双子を8月に出産した直後。今回のテーマを考えているときに子供たちが目に入り、「この世界を少しでも良いものにして子供たちに渡したい」と思ったことがきっかけになっているとのこと。

マジャーンとルカスの子供って、7歳、3歳と今年生まれた双子(今年の8月時点)なので、上の二人の子がうちの下の二人と年が近いんだよね。なんか家の中のカオスっぷりが想像できる上、双子の赤子が加わるとか!実際今回は、舞台裏でマジャーンは抱っこ紐で子供たちを抱っこして、授乳もしてたんだとか(マジャーンの出番の時はBarbaraが抱っこ紐してたんだって!)。

なんかもう、私が独身時代から見てるスターである二人が、こうして子供を産み育て、やった人にしかわからないあの筆舌に尽くしがたい経験を自分と同時進行でしてるかと思うと、もうそれだけで泣けてくるのよ。。夫と二人でゆっくり話し合う時間を持つことがどれだけ難しいか。二人は、コンサートの相談や歌の練習も、必死で時間を見つけてやってるんだろう。

出演者は、主にレベッカとノートルダムの鐘からですが、DrewやCarinさん、MilicaやWietske, Barbara Obermeierも駆けつけてくれて、とっても豪華で濃いメンバーでした♪やっぱりルカスやマジャーンの人脈や、それに賛同する人たちが来てくれたのもあるし、チャリティーコンサートなら必ず行く!っていう観客が、満席になるほど沢山いるのは、本当に素晴らしいこと!

●選曲

選曲は、ミュージカルとポップス半々くらい。前回のウクライナコンサートだと大体歌の前に一言「なぜ選んだか」というトークがあったけど、今回は曲の紹介が全くなかったので、特にミュージカル曲は、なんでこれ選んだ?っていうのが混じってて、ちょっと笑ってしまったw逆にポップスは、歌詞の意味を考えて選んであって、私は特にジーンと来た良い曲が多かった。

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・ポップス系

私が今回の選曲で特に印象に残ったのは、「人生に疲れた系の歌」。日々忙殺される日常に押しつぶされそうな人がふと見せた人間的深み(CarinさんのOnly love matters in the end)、ベンチに座る旧友二人(Drew&Noah Old Friends)、自分を大切にするための励まし(BarbaraとMarjanのHey)、人間の矛盾する二面性の魅力(WillemijnのShe used to be mine)、全盛期を過ぎ惰性で歌うスターの独白(Aris SasのIf I never sing another song)。

どれもよくあるラブソングや夢や希望にあふれた歌ではなく、人生に疲れた時、自分が空っぽに感じる時に聞くと、「こういうときもあるよね」「人生いい時もそうでないときもある」「色々回り道や足踏みしてるようだけど、ちゃんと積み上げてる」って思う歌たち。こういう曲が集まったのは偶然かもしれないけど、「子供」をテーマにした時、こういう歌が出てくるのは、ある意味親世代に刺さる選曲。

・ミュージカル系(Andreas LichtenbergerとかFlorian Fetterleとか)

逆にミュージカル選曲がもうカオスで、まずIch war noch niemals in NYからEin Ehrenwertes Haus。これを、この舞台でパパ役やってたAndreas Lichtenbergerが歌うとは!いやもう最高ですよAndreas ww もう一人はクロパン役の人ね。そして、Ehrenwertes Hausはどこを指すか考えるだけで最高!!背景がマンダレイなんですよw マンダレイに来たゲイカップルw そしてメタ的には、ライムント劇場をも指してるかも!二重解釈レベル高すぎ!

Florian Fetterle(今レベッカでジャイルズやってる)の選曲がもうぶっ飛んでたw 頭おかしいストーカーの歌(Ich liebe dich wirklich)と、唯一メイクバリバリの長身ムキムキリアルレザー衣装で臨んだSweet Transvestite wwwどっちも爆笑なんだけど、なんで子供のためのコンサートでこの曲選んだwwwww

Sweet Transvestiteはもうみんな大好きなので、みんなanticipationが待ちきれず、客席から「ペイション!」もシャウトがww(その前から私は掛け声全部言ってたけどw)意味不明選曲でも、Sweet Transvestiteを聞けただけで幸せwFlorianまじめなイメージあったけど、こんなにぶっ飛んでたのかw

・ミュージカル系(DrewとかBorisとかAnaさんとかDominikとかマークとか)

今回はまたDrewファンママ友さんと行ったんだけど、もうDrew的にも最高だった。。「子供」がテーマということで、Drewの息子さんのNoah(Drewより背が高い長髪ティーネイジャー)と二曲とも歌ったんだけど、「次世代としてどんな世界になってほしい?」という質問のNoah君がすごく緊張しながら「よりよい環境と、寛容と受容(Toleranz und Akzeptanz)」って言ってて、その緊張する様子を見守るDrewが、最初は心配げに、次に笑顔で、最後にNoah君が「みんながちょっとずつFreundlicherになってほしい」って言った時の、激しいうなずき!!!!!

いやもう、Drewのパパとしての顔、そして自分自身が深く社会のことを考えて行動しているその心を息子が理解してくれていたという喜びの顔!彼や奥さんのAnnaさんががどれだけ色々活動してるか知ってるので、こうやって息子さんの口からこういう言葉が聞けて(そしてこれこそがVBWが共有する価値観でもあるし)、歴史を知ってるだけに、本当にうれしかった。

Noah君はDrewとギターデュエットをしたんだけど、声がめっちゃDrewに似てる!!!たまにDrewの声かと思ったらNoah君の声だったりする。歌めちゃくちゃ上手い。もう今すぐ舞台に立っても問題ないレベル。デュエット中のDrewの見守る様な、励ますような表情と、Drewの高音ハモリ!!もうあまりに濃い幸せな時間でした。。

Drew&Noahの二曲目は、プログラムのWSSのSomewhereではなく(これも聞きたかったけど)、なんとDrew上演中のHedwig and the Angry InchからWicked Little Townでした!!!!わーーーい!!!先週Hedwigで二回(Hedwigバージョンとトミーバージョン)聞いたやつー!!今日はDrewバージョンで聞けたーー!!最高ーーー!!!!!!!!

そして、イツハクのアーアアアーの高音ハモリ、奥さんのAnnaさんじゃなくて、息子のNoah君が入れるバージョン!!それも信じられないくらい美しくて正確な高音。。。Drewガッツリかっこいいスーツ着てるのに、爪真っ赤っかww Stadthalleじゃなくてライムント劇場だけど、これHedwig本人が聞いてるトミーなんじゃwって、物語に入り込んでしまったw

他のミュージカル曲も、Boris PfeifferのI, Don Quixhote(ラマンチャ)とかDominik HeesのDies ist die Stunde(ジキハイ)とか、Ana Milva Gomesの「星の定め」(アイーダ)とかメジャー曲で、なんでそれ選んだ?って思ったけど、やっぱり名曲は聴くだけでうれしくなるねw Borisのドン・キホーテは、本人がフォルクスオーパーでサンチョパンサしてたしね。

マークは、レミゼラブルのBring him homeを歌ってました。これは「戦争に関する歌」と選曲理由を説明してたし、「次世代」に関する歌でもある。高音はベルトも裏声もマークらしく美声で歌ってたし、オリジナルロンドン版のあの歌い方再現してる!っていうのもあったけど、If I die, let me dieの所が美しすぎて、ここはガラっと雰囲気変えて、ガツンと来てほしかった気もするな。。
後半へ続く)
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ウィーンミュージカル専門店Wien Musical Worldやってます。

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