2017-07-31 16:00 | カテゴリ:交通

近頃、ドイツ、フランクフルトの空港で、ヨーロッパに中長期滞在目的で来た日本人が、入国拒否されるというケースが多発しています。

 

シェンゲン協定域内国への長期滞在における注意喚起 : 在デュッセルドルフ日本国総領事館

 

入国拒否ということは、ドイツの空港に到着したのに、そのまま次のフライトで日本にとんぼ返りということになります。

 

この「ヨーロッパ中長期滞在予定者がドイツで入国拒否され追い返される」件について、色々な側面から書いてみました。この記事は五回連載の4つ目です。他の記事も合わせてお読みください。


 


<もくじ>


オーストリアでの中長期滞在前に入国拒否されないために(交通カテゴリ)


①現状と用語解説
②入国審査の目的
③ケース別対応法
④不法滞在の危険性
⑤入国する立場、される立場

 

(この一連の記事は、私の個人的な知識と、公式に発表されている文書を元に推測した内容です。以下の方法を全て準備しても100%大丈夫と言うわけではありませんので、あくまで自分で公式サイトを熟読し、自己責任でお願いします)

 

●4-6か月目のオーストリア滞在とヨーロッパ旅行

 

日本人が合法的にオーストリアに滞在できるのは最大6か月ですが、他のシェンゲンの国(ドイツなど)は最大3か月です。

 

つまり、ウィーン留学4か月目の人は、オーストリアでは合法滞在ですが、ドイツ旅行すれば違法滞在ということになります。実際には、4か月目にドイツ旅行したところで、国境でパスポートコントロールがあるわけでもないので、余程犯罪を犯してドイツで警察に捕まらない限り、ドイツでの合法滞在期間が過ぎていることはバレないかもしれず、これは非常にグレーなエリアです。

 

例えば難民流入などで急遽シェンゲン内でもパスポートコントロールが一時的に再開されることもありますし、どこでテロなどに巻き込まれるかもわかりません。そのため、オーストリアに無査証で4-6ヶ月間滞在している人は、できるだけオーストリアから出ない方が安全です。

 

また、3か月を過ぎて日本に帰国する時も同じく、ドイツを経由したら無知な入国審査官に「お前は合法に滞在できる期間を過ぎているじゃないか」と疑われ、困ったことになりかねません。この場合のトラブルを避けるためにも、こちら(在オーストリア日本国大使館 | 領事サービス | オーストリアへの渡航・滞在にあたって | 無査証での滞在)にあるように、帰国便の経由地も、シェンゲンではない国(ドバイとか)が良いようです。

 

また、昔は、観光客として無査証で合法的に滞在できる期間が過ぎる前に一旦シェンゲンを出て、また入国スタンプを押してもらって、無査証期間をリセットする、というこれまたグレーな力技を使うといいという噂もありました。

 

そのため、例えば3か月ごとにオーストリアから隣国ハンガリーやスロバキアに行き、オーストリアに戻る時に国境で「シェンゲン入国スタンプ」を押して、本当は既に3か月オーストリアにいるのに、あたかも今来たばかりと装うことができました。

 

しかしこれも今は二重の意味でできなくなっています。まず、ハンガリーやスロバキアなどのオーストリアから簡単に行ける隣国は全てシェンゲンに入ってしまいましたので、国境でハンコは押してもらえなくなりました。

 

また、「2013年10月18日から、ビザ無しで滞在できる期間を『あらゆる180日の期間内で最大90日間』とし、過去180日以内の滞在日数をすべて滞在期間として算入することとなりました。」(在オーストリア日本国大使館 | 領事サービス | オーストリアへの渡航・滞在にあたって | 無査証での滞在)とあるように、一旦シェンゲンを出てまたすぐに入ると滞在期間はリセットされる、と言う裏技は効かなくなりました。

 

●ビザが切れてしまったらどうなる?

 

観光ビザ(無査証)の場合、オーストリアでは6か月を超える滞在は「不法滞在」になります。また、学生ビザや就労ビザなども、滞在許可カードに書かれている期限を越えて滞在した場合は同じく「不法滞在」です。

 

許可なく国に居座られることを、オーストリアは(どこの国でもそうですが)非常に嫌がります。それでは、不法滞在はバレるのでしょうか?そして、バレたらどうなるのでしょうか?

 

答えを先に言うと、不法滞在はバレます。そして、警察が探しに来ます。

 

これは私の個人的な経験なんですが、私は学生ビザが切れた後、3か月の無査証期間を経て、就労ビザを取得しました。これは、卒業後雇用されるまでの間3か月間を空けなくてはいけないという決まりが職場にあったためで、私はこの期間は合法的に3か月間観光ビザでオーストリアに滞在しているという理解でした。

 

(2013年よりずっと前の話ですので、当時はちょっとシェンゲンを出てハンコをもらって滞在期間をリセットすると言った裏技も今より緩かった時代です。おまけに、学生ビザ→3か月の観光ビザ(無査証期間)→就労ビザの流れは、滞在期間をリセットしなくても、当時は合法で問題はないはずでした)

 

ところが、この3か月の期間中に、自宅に警察が来ました。「学生ビザは切れているのに、住民票はまだ残っているのはどういうことか」と言うことでした。オーストリアに中長期滞在する場合には、到着後すぐにMeldezettelと言う住民票を役所に提出するのですが、この住民票が学生ビザが切れた後も残っている、つまり、ビザが切れたけど滞在していると理解され、不法滞在の疑いがかかったんです。

 

私の方は理論武装も完璧で、おまけに次の就労ビザ取得のための書類も揃っていたので、全くやましいところはなかったのですが、それでも、警察が学生ビザと住民票を照らし合わせ、抜き打ち訪問を仕掛けて来るなんてビックリでした。

 

その時は、次の就労契約の契約書を見せた上、偶然その1週間後に日本に一時帰国の予定だったので、そのフライトのチケットを見せると、警察官は笑顔を見せ、帰って行きました。(元々とてもフレンドリーで、気のいい二人組みの兄ちゃんでした。ちゃんとした大学に留学していた日本人と言うことで、多分そこまで怪しまれていなかったんだと思いますが。。)

 

それにしても、滞在許可と住民票がシステム上で紐づいていて、不法滞在は比較的簡単に見つけ出すことができる仕組みが出来上がっていることは、今回の件で証明されたわけです。なるべくグレーな動きは避け、やましいところのない合法的な滞在を心がけようと、心に誓ったのでした。

 



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