2017-07-29 16:00 | カテゴリ:交通

近頃、ドイツ、フランクフルトの空港で、ヨーロッパに中長期滞在目的で来た日本人が、入国拒否されるというケースが多発しています。

 

シェンゲン協定域内国への長期滞在における注意喚起 : 在デュッセルドルフ日本国総領事館

 

入国拒否ということは、ドイツの空港に到着したのに、そのまま次のフライトで日本にとんぼ返りということになります。

 

この「ヨーロッパ中長期滞在予定者がドイツで入国拒否され追い返される」件について、色々な側面から書いてみました。この記事は五回連載の3つ目です。他の記事も合わせてお読みください。


 

<もくじ>


オーストリアでの中長期滞在前に入国拒否されないために(交通カテゴリ)


①現状と用語解説
②入国審査の目的
③ケース別対応法
④不法滞在の危険性
⑤入国する立場、される立場

 

(この一連の記事は、私の個人的な知識と、公式に発表されている文書を元に推測した内容です。以下の方法を全て準備しても100%大丈夫と言うわけではありませんので、あくまで自分で公式サイトを熟読し、自己責任でお願いします)

 

 

●日本の空港で追い返されるケース

 

ヨーロッパについてからの入国拒否を避けるため、日本の空港では、4か月以上先の帰国便のチケットを持っている場合や、片道チケットの場合、ヨーロッパ便にチェックインする時点で、滞在許可を確認されます。

 

例えば私はいつも、ウィーン→日本→ウィーンで一時帰国の便を取るので、日本からウィーンに戻る時、日本に戻るチケットがないということで、関空のチェックインでいつも滞在許可のカードを確認されます。帰りの飛行機のチケットがなくても、合法的にウィーンに住める人かどうかを、事前に確認してるんですね。

 

この時点で、ちゃんとした滞在許可がなかった場合は、飛行機に乗せてもらえません。チェックインで見せられるよう、すぐ出せるところに入れておきましょう。

 

これは、例えば5か月の短期留学のつもりで、5か月先の帰国便を予約している人にも当てはまります。チェックインデスクの人は、日本とオーストリアの二国間協定の事は知りませんので、3か月を超える帰国便は滞在許可がないと乗せられない、と言う判断をする可能性もあります。

 

オーストリアに4-6か月の短期留学を考えている場合は、まず日本のチェックインデスクで追い返されないよう、3か月以内の帰国便を予約しておくと、不要なトラブルを避けることができるかもしれません。オープンチケットや帰国便の変更などのオプションも考慮に入れておきましょう。

 

●経由地(主にドイツ)の入国審査で追い返されるケース

 

これが第二の難関です。せっかく長時間のフライトを耐えて、ヨーロッパに到着したのに、そこで入国審査官の無知を理由に追い返されてしまっては元も子もありません。

 

まず、学生ビザ、配偶者ビザ、就労ビザなどを持っていない、無査証の人は、自分が書類上は「3か月以内の滞在を前提とした観光客」であるということを心に止めておきましょう。

 

いくら語学学校の入学許可があっても、最初の3か月で学生ビザを取得する予定であっても、入国審査の段階で滞在許可のカードを持っていなければ、「無査証=観光ビザ」です。

 

ここで、入国審査のゲートで「目的は?」と聞かれた時に何と答えるかがまず分かれ道になります。

 

もちろん正直に「留学」と答えてもOKです。その場合、入国審査官は期間やどこで何を勉強するのか等、色々と聞いてくると思うので、正直に答えましょう。多くの場合、入学許可証などの大学が発行したレターや、預金残高、帰りのチケットなど、色々な書類を要求されます。

 

これらの書類を詳細にチェックしたうえで、無査証でひとまず入国し、オーストリアで学生ビザを申し込むことに審査官がOKすれば、パスポートにハンコを押して通してもらえます。

 

これは「就労」や「配偶者」でも同じで、就職先からのレター(事前に入国審査のために必要と言って出してもらいましょう)や、結婚証明書(この書類を使ってこれからオーストリアで配偶者ビザを出してもらう証明のため)など、裏付けになる公式の書類があれば、通してくれる可能性は高くなります。

 

ただこれは、審査官の胸三寸です。いくら公式の書類であっても、そんなものは知らん、帰りのチケットが3か月以内でないなら不法滞在予備軍だ、オーストリアでいくら6か月以内の滞在が合法でも、証明できないなら入国拒否だ、など、予想外の対応をされることがあります。

 

特に、1年以上のウィーン大学等の公式の教育機関への留学、企業への就職、オーストリア人との結婚の場合は、以上のようにレターや証明書を見せることでOKな可能性も高いですが、語学学校への短期留学や、予定が決まっていない長期旅行、結婚相手の国籍等、状況によって入国審査官が怪しいと判断するケースも多々あります。

 

このことを考えて「滞在目的は?」という質問には、慎重に答えましょう。

 

そして、4-6か月の無査証オーストリア滞在の場合の対応方法です。オーストリアでは全く合法なのに、無査証滞在の最大期限が3か月のドイツで入国手続きをすると、そのことを知らない審査官にはじかれる可能性があります。

 

この場合、どの方法も100%ではないのですが、いくつか案はあります。

 

①「滞在目的と滞在期間」を熟考して答えを用意しておく

②3か月以内の帰りのチケットを用意しておく

(すなわち、ドイツの合法滞在期間内に帰国できるというアピールをする)

 

(それでも引き留められたら)

③オーストリアでは6か月以内の無査証滞在が合法である旨を力説するだけでなく、英語がドイツ語で書かれた法令や条約文を紙に印刷したものを見せる。

④③でもダメな場合、直接在オーストリア日本大使館や、在日本オーストリア大使館に電話で確認を取ってもらう。

 

③は、実際にスマホ画面で法令を見せたケースを聞きましたが、画面ではダメだったとのことです。紙に印刷した法令や、大使館に一筆書いてもらったレター等があれば効き目が違うかもしれませんし、そもそも審査官によって判断基準が異なりますので、何をすれば100%通れるかはわかりません。

 

このケースに当たった知人は別室に連れて行かれ、④の大使館に入国審査官が直接確認、という手段で合法性を確認し、ドイツからウィーンへのフライトに乗ることができたということでした。ただ、大使館の営業時間外だったため確認に非常に手間取ったとのことです。乗り継ぎ便に乗れなくなってしまうなどのリスクも別に考えられます。

 

また、③は法令を紙に印刷方が、スマホ画面より安全です。ドイツ人やオーストリア人の役人は、公式文書に弱いという特徴があります。現場の役人に多くの権限があり、たまたま当たった担当者の胸三寸で決まりという役所文化は、入国審査でも同じです。

 

高飛車で色々間違ってたことを言う役人に当たることもよくありますが、そういう時に「法律のXX章にはこう書いてあるからあなたは間違っている」と、文書の形で示すことができると、急に態度を改めたりします。

 

入国審査官もこの応用で、「オーストリアと日本の間には二国間協定があり、6か月以内の無査証滞在が許可されている」と言う法律や条約の文章を、英語かドイツ語で示すことができれば、勝機はあるかもしれません。

 

また、もう少し確実性を上げるため、在日本オーストリア大使館に、「ドイツでの入国審査で入国拒否にされたら困るので、二国間協定について説明した公式の部署を出してください」と頼んで、レターなどを出してもらっておくのも一つの手だと思います。(実際にレターを出してもらったことはないので、業務としてやってくれるかはわかりませんが。。)

 

と言うわけでここまでまとめますと、4か月以上のオーストリア滞在を考えている人は、ドイツの入国審査で、こんな風にするとトラブルを避けられるかもしれません。

 

・4-6か月のオーストリア滞在の場合

→①入国審査の時に答える「滞在理由と期間」を熟考する

 ②三か月以内の帰国便を予約してあると、航空券を見せろと言われた時に安心。

→③(正直に留学目的と期間を話した場合)4-6ヶ月のオーストリア滞在が合法である法的文書や公式レターを持参する。

→④(③の書類も相手にされなかった場合の最終手段として)入国審査官に電話で領事館に確認してもらう

 

常に、自分が入国審査官から見てどのような身分で、どこまでの滞在がどの国で合法で、どの国で不法滞在であるのかを、客観的に考えながら作戦を練りましょう。

 

●最も安全な方法はこれ!

 

今回トラブルになっているのは、シェンゲン域内に中長期滞在する人が、最初にシェンゲンに入る経由地ドイツの空港の入国審査で引っかかるケースです。

 

それなら、ドイツで入国審査をしなければいいんです。もちろん日本オーストリアの直行便があれば、オーストリアで入国審査をして、スムーズに入国できます。直行便は廃止されたり、再開したり、季節や曜日によって運行していなかったりします。

 

今のところドイツ以外の空港での入国拒否はないようですが、この移民に厳しいご時世、これから他の空港でも、同様のトラブルが起こる可能性も否定できません。そうすると、ヨーロッパでの乗り換えは全てリスキーと言うことも考えられます。

 

直行便はないけど、オーストリアで入国審査をする方法はあります!それが、在オーストリア日本大使館領事部のサイトに書かれてある方法です。

 

在オーストリア日本国大使館 | 領事サービス | オーストリアへの渡航・滞在にあたって | 無査証での滞在

 

この文章、読むのは大変ですが、4-6か月の滞在を考えている人はぜひ熟読してください。

 

「日本とオーストリアの査証免除取極はオーストリアでのみ有効な取極であるため、90日間を超えて滞在する目的をもって無査証でオーストリアに渡航する場合は,オーストリアで入国審査を受けるため、シェンゲン域内の国を経由せずにオーストリアに乗り入れている航空便を利用してください。」

 

これです!これが公式の、最も安全な入国方法です。つまり、4-6か月オーストリアに滞在するつもりなら、直行便でなかくてもオーストリアで入国審査ができるよう、シェンゲンではない国を経由する飛行機を取ってください、ということです。

 

例えば、エミレーツ航空はドバイ経由ですし、もちろんドバイはシェンゲン内ではないので、ここで入国審査はありません。自動的に初めて降り立つシェンゲンに国はオーストリアとなり、ウィーンの空港で入国審査を受けることができます。

 

このやり方で行くと、無知なドイツの入国審査官の独断で入国拒否、なんて非道な目に合わずにすみそうですね。

 



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