2017-07-26 16:00 | カテゴリ:交通

近頃、ドイツ、フランクフルトの空港で、ヨーロッパに中長期滞在目的で来た日本人が、入国拒否されるというケースが多発しています。

 

シェンゲン協定域内国への長期滞在における注意喚起 : 在デュッセルドルフ日本国総領事館

 

入国拒否ということは、ドイツの空港に到着したのに、そのまま次のフライトで日本にとんぼ返りということになります。

 

この「ヨーロッパ中長期滞在予定者がドイツで入国拒否され追い返される」件について、色々な側面から書いてみました。この記事は五回連載の2つ目です。他の記事も合わせてお読みください。


 


<もくじ>


オーストリアでの中長期滞在前に入国拒否されないために(「交通」カテゴリ)


①現状と用語解説
②入国審査の目的←いまここ
③ケース別対応法
④不法滞在の危険性
⑤入国する立場、される立場

 

(この一連の記事は、私の個人的な知識と、公式に発表されている文書を元に推測した内容です。以下の方法を全て準備しても100%大丈夫と言うわけではありませんので、あくまで自分で公式サイトを熟読し、自己責任でお願いします)

 

 

●入国審査の目的と入国審査官の仕事

 

入国審査官は、せっかく欧州までやってきた日本人を追い返すなんでヒドイ!と思う人も多いかと思います。しかし、彼らの職務内容は国を守ること。それに従って、時には怪しい人物に厳しく接しなければならないのです。

 

入国審査官が最も嫌がるのは、これからその国に永住しようと考えている人たちです。観光客や学生などは期間限定の滞在ですので、比較的簡単に通してくれます。しかし、とりあえずこの国に入るだけ入って、仕事を見つけて、できればずっと住みたいなー、という、永住、移住希望者は、入国審査官からすると、招かれざる入国者なわけです。重箱の隅をつついて、ちょっとでもおかしなところがないか、容赦なく質問をぶつけてきます。

 

つまり、来るのはいいけど早く帰ってね。ズルズル居続けそうな人は最初から入れないよ、ってことなんです。

 

このことを頭に置いておくと、どのような受け答えがヤバいのかがおのずとわかってくると思います。

 

・この国が好きだから仕事を見つけたい!

・今は学生だけど、今後就労ビザも取って永住したい

・語学学校に行って、ゆくゆくはこの国で働ける語学力を身に付けたい

・お金がない(=入国したらすぐに仕事を見つける予定)

 

この辺りの発言は、入国審査官にとっては、脳内アラームが赤く点滅します。

 

逆に

・観光客です

・XX大学に1年間留学します(=その後は自国に帰ります)

・ワーホリですが終わったら日本で復職します

・この国で滞在期間中に生活するお金は十分あります(=仕事を始める可能性がない)

 

などは、永住して就職される可能性が低いと判断され、トラブルは起きにくくなります。

 

あと、とても重要なのは、入国審査で嘘はつかないこと。そして、ペラペラ要らないことまで話さないこと。聞かれたことだけ正直に、短文で答えればいいんです。

 

通常、入国目的と期間は聞かれることが多いですが、事前に応えることを容易しておくと、その時になってしどろもどろにならなくて、怪しさも減らせると思います。

 

入国目的と期間をどう答えるかは難しい問題ですが、それはこの記事を読んで、自分の身分がその時点で何であるかを考えて答えてくださいね。

 

●問題が起こりうるケース

 

それでは、何が問題になりうるのか、ケースごとに見てみましょう。

 

①3か月以内の観光旅行

 

ウィーンに短期間観光に来る場合は、観光ビザ(無査証)で何ら問題はありません。シェンゲン域内の三か月以内の旅行も同じです。3か月以内でしたら、シェンゲン内を自由に旅行することができます。

 

②3か月以内の短期留学、滞在

 

日本人は、オーストリアだけでなく、シェンゲン域内は3か月間観光ビザ(無査証)で滞在できます。いくら語学学校などに行く目的の「留学」であっても、学生ビザを持っていなければ、その人の滞在許可上の身分は「観光客」です。

 

この場合のこの人の身分と目的は、①3か月間ドイツ語を勉強するため、もしくは②観光のどちらかになります。三か月以内の滞在ですので、問題視されることは少ないですが、①の場合には、語学学校の入学関連書類を見せるよう言われるかもしれませんし、②の場合には、3か月も何を観光するんだ、とツッコまれる可能性もあります。答えによって書類や回答を前もって準備しておきましょう。

 

③4-6か月の短期留学、滞在

 

例えば、6か月の音楽留学でウィーンに来るとします。その期間は語学学校に行ったり、有名な先生のプライベートレッスンを受けたりして過ごすので、学生ビザは発行されず、大学生の身分ではありません。

 

この場合この人は、無査証でウィーンに来て、合法的に6か月滞在し、日本に帰国します。完全に合法で、入国拒否も、不法滞在も関係なさそうな話です。

 

それがストレートにできればいいのですが、実はそうはいきません。ここで問題になるのは、1.他のシェンゲンの国では4か月以上のビザなし(無査証)滞在は不法滞在、2.日本からオーストリアへの直行便を使用していないということです。(2017年7月にオーストリア航空より、2018年5月から直行便が再開されるというニュースがありました→ウィーン成田直行便復活!

 

成田からウィーンに直接入国する場合、ウィーンの入国審査官がこの二国間協定の事を知っているので、特に揉めることなく入国できます。

 

しかし、直行便がない時期や、直行便を予約していない場合、他のシェンゲン域内の国(ドイツ、オランダ、フィンランドなど)で乗り換えと入国審査をしなくてはならなくなりました。そして、その経由国の入国審査官が、二国間協定の事を知らないと、その場で不法滞在目的の烙印を押され、入国拒否になります。

 

このケースの解決法はとても複雑になるので後述します。この場合の入国目的も①6か月の語学&音楽留学、と正直に答えるか、②観光 と答えるかの二種類があります。3か月以内の場合と同じく色々なやり取りが想定されますので、書類と受け答えの準備は忘れないようにしましょう。

 

④7か月以上の滞在

 

日本人が無査証で滞在できる6か月を超えてしまうと、何らかのビザ(滞在許可)を取らなくてはいけません。この場合、学生、配偶者、就労などのれっきとした長期滞在の理由が必要になります。

 

通常、例えば1年間学生や客員研究員などの身分で留学する場合、とりあえずビザなしでオーストリアに入り、オーストリアに来てから滞在許可を申請する、という手続きがメジャーです。(私も1年の留学の時には、観光ビザ(つまり無査証)でオーストリアに入国し、大学から入学関連のレターが出て、それを持って役所に行き、学生ビザの形で1年の滞在許可を発行してもらいました)

 

すなわち、滞在許可取得予定者であっても、入国審査の時点では無査証で、観光客の身分です。

 

この場合も、最初の経由地での入国審査で「1年の留学が目的」と言ってしまうと、いくらオーストリアについてから滞在許可を取得すると主張しても、4か月を超える不法滞在者予備軍とみなす審査官がいないとも限りません。ましてや、就労、ワーホリなどの言葉をチラつかせると、更に警戒されます。

 

この場合、最も「正当」なやり方は、大学の入学許可証や、勤務先が発行する書類等を見せて、オーストリアは現地で滞在許可を取得することになっているので(このことを書いた英文も必要)、入国してから申請する、と説明した上で、審査官の決断を待つことです。生活費が十分にあることを証明するために、残高証明書の提示を求められることもあるかもしれません。全部正直に説明しても、結局入国させてもらえるかは審査官の胸三寸となり、リスクがないわけではありません。

 

一方、留学エージェント会社などは、後で学生ビザを取得するつもりで、無査証で入国審査を受ける時には「観光客です」と言うようアドバイスするところもあるようです。無査証=観光客と言う理屈がどこまで通じるのかはわかりませんが、もし帰りのフライトのチケットを見せるよう言われるなど、粗が見つかったらさらに怪しまれるかもしれません。

 

つまり、何らかの滞在許可や査証を日本で取得できるなら、しておいた方が安全ですが(Dビザなど)、できない場合は、自分はこれから確実に滞在許可を出してもらえるという証明になる書類を持っている必要がありまs。

 

どちらにして何らかの滞在許可を取得予定で入国する場合は、必ず受け入れ先からの公式の文書(入学証明書、レター等)を手元に用意しましょう。また、残高証明書、帰りのフライトチケットなどを提示させられる場合もあります。

 

 

これで、どのようなケースが問題になりうるか整理できたでしょうか?①や②のケースの場合は何の問題もありませんが、③や④のケースに当てはまる人は、不当な入国拒否を避けるため、準備をしておく必要がありそうです。

 

また、夫がビザを持っていて、妻と子がビザなし(現地で申請する予定)の場合も、問題が生じる場合があります。例えば、1年間の客員研究員(Dビザ)として夫がウィーンに赴任するとします。その場合、妻と子が自動的に滞在許可が出るわけではありませんので、チェックイン時、入国審査時に問題となるケースもあります。

 

このように色々なケースがありますので、少しでも不安がある場合は、在日本オーストリア大使館に問い合わせましょう。場合によっては在ウィーン日本大使館の領事部に聞いてみてもいいかもしれません。

 

 

 



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