2017-05-12 16:00 | カテゴリ:ミュージカル映画レポ

ウィーン・ミュージカル・ワールド」では、美女と野獣の各バージョン、各国語版CD絶賛お取り扱い中です! ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語など色々取り揃えてます♪


当店に「美女と野獣」関連の商品を並べるにあたり、どこにもないデータベースを作ろうと、各古国語版サントラとキャストアルバムの登場人物と役者名の情報を集めました。その時に気が付いたことをいくつかまとめておきますね。

 

「美女と野獣」の各バージョンのCD,DVDへのリンク:
アニメ映画版「美女と野獣」
ミュージカル舞台版「美女と野獣」
ディズニー実写映画版「美女と野獣」


「美女と野獣(ディズニー実写版)」ドイツ語版サウンドトラックCD

  

●キャラの名前が違う!

 

一部のキャラ名が、各国語バージョンで異なります。

 

どのバージョンでも共通して同じなのは、ベルとガストンとルミエール。他の役は、バージョンによって名前がかなり違います。

 

訳名が違うのは、英語の名前をそのまま使うと、吹き替えの中で浮いてしまったり、キャラの性格をうまく擬音語なので表せていないと思われるからで、子供にも直感的に特徴がわかりやすいように国によって変えられています。

 

それにしても、キャラの名前だけではなく、国籍まで変えてしまっているケースもあり、合わせて比較してみると面白いですよ。

 

●ビースト

 

まずは、野獣。これは、「野獣」に相当する各国の単語が使われているため、役名が違うというか、単語が違うと言った方がいいでしょう。

 

英語:Beast
ドイツ語:das Biest (ダス・ビースト)
フランス語:la Bête (ラ・ベート)
イタリア語:la bestia (ラ・ベスティア)
スペイン語:la bestia (ラ・ベスティア)

 

まず、どの言語もビースト、ベート、ベスティアと語感がよく似ています。

 

言語によって冠詞が異なることに、勘がいい方は気が付いたかもしれません。

 

英語の定冠詞はTheのみですが、ドイツ語には女性と男性と中性、仏伊西語には女性と男性の名詞があり、冠詞もそれに従って変化します。

 

ドイツ語はdas Biestと中性名詞になっていますが、仏伊西語はlaがついて女性名詞になっています。

 

日本人の感覚だと、ビーストが中性であるのは納得できますが、女性名詞というのはなんだか不思議な感じがしますね。

 

●国によって名前が全然違うランキング一位!!

 

ルミエールは明らかにフランス風の名前なのに(フランス語で「光」を意味する)、どの国でも名前は変わりません。発音しやすく、本人の性格のそのままの名前だからでしょうか。

 

一方、親友(?)で、きっちりしたイギリス人設定ののコッグスワースは、無残にも名前を変えられまくっています。

 

英語:Cogsworth
ドイツ語:Herr von Unruh (ヘア・フォン・ウンルー)
フランス語:Big Ben (ビッグベン)
イタリア語:Tockins (トッキンズ)
スペイン語:Din Don (ディンドン)
オランダ語、フラマン語:Tickens(ティッケンス)

 

元々の英語の名前でも、時計のコツコツいう音を再現したような名前ですが、フランス語のBig Benも、イギリスと時計のイメージをうまくミックスさせていますね。

 

スペイン語のDin Donも鐘の鳴る音、イタリアのTockinsやオランダ語、フラマン語のTickensはチクタクいう音ですね。特にTickensはディケンズと似ているので、言葉遊びもあるかもしれませんね。

 

さて、時計の音もイギリスも関係ないのが、ドイツ語のHerr von Unruhですが、これは、コグスワースの性格を名前にしているようです。

 

Herrは英語で言うミスター。それに、貴族がよく使ったvonがくっついているので、ちょっと偉そうなイメージです。そしてUnruhという名前。これは、「落ち着きがない」という意味のたんごなので、「ミスター・落ち着きがない」という名前になりますね。また、ドイツ語の時計を意味するUhr(ウーァ)と掛け合わせた言葉遊びにもなっています。

 

●ポット夫人

 

ポット夫人も結構国によって呼び名が違いますが、それだけではなく、国籍も違うようです。英語で言うミセスの部分に注目してみてください。

 

英語:Mrs. Potts
ドイツ語:Madame Pottine (マダム・ポッティーン)
フランス語:Mme  Samovar (マダム・サモワール)
イタリア語:Mrs Bric (ミセス・ブリック)
スペイン語:La Sra. Potts (ラ・セニョーラ・ポッツ)
オランダ語、フラマン語:Mevrouw Pot(ムフロウ・ポット)

 

「ポット」という名が出てくるのが、英語の他にドイツ語、スペイン語、オランダ語、フラマン語ですね。

 

ドイツ語はマダムを付けてフランス風にして、Pottineと英語のPotにフランス語の女性風語尾をくっつけて、無理やりフランス語風にした雰囲気を出しています。

 

スペイン語は「セニョーラ」とフランス風味はないようです。オランダ語、フラマン語のMevrouwは「レディ」といった意味ですので、「レディ・ポット」となっています。

 

フランス語は「マダム」をキープしつつ、ポットはサモワールに置き換わっています。イタリア語のBricだけはわかりませんでした。。(イタリア語はルフウがLe Tontになっているんですが、これもわかりませんでした。。)

 

どれも、ポット感はキープしつつ、フランス人なのか、イギリス人なのか、国籍不明なのかは国によって違うようですね。個人的には、「美女と野獣」の歌のNeither one preparedを「ナイザー」とイギリス英語で発音しているので、イギリス人だと思ってはいるのですが。。

 

●チップはどの国もかわいさを出してみた

 

チップも各国全然違いますが、これは苦労が見え隠れしてほほえましいです。

 

英語:Chip
ドイツ語:Tassilo (タッシロ)
フランス語:Zip (ジップ)
イタリア語:Chicco (キッコ)
スペイン語:Chip(チップ)
オランダ語、フラマン語:Jakopje(ヤコピエ)

 

英語の「チップ」は、コップの欠けている部分、という意味です。スペイン語もそのままですし、フランス語もおそらくその語感を残したようです。

 

ドイツ語のTassiloはずいぶん違うようですが、これはTasseがコーヒーカップを意味するので、そこに「ちゃん」的な語尾を付けたものです。

 

イタリア語のChiccoは、イタリアのおもちゃメーカーでこの名前のものがありますね。

 

そして、オランダ語、フラマン語のJakopje。これはJakop(ヤコブ)に「ちゃん」を意味するjeを付けたもので、これだけ何となく人間にも使えそうな人名です。

 

どの国でも、かわいさと語感は残しつつ、人名や縮小字(「ちゃん」など)を入れて、子供らしさも伝えるようにしていますね。

 

●タンス夫人

 

何となく日本語でもタンス夫人と呼んで、特に英語名があったのかも忘れてしまっていたわけですが、それもそのはず、英語版だけでも、作品によって名前が変わりまくっていたのですね!

 

そして各国語版は、派手派手しい名前大会になっていますwしかし、タンス夫人も国籍不詳ですw、オペラ歌手で有名な国なのか、原作のフランスなのか?その辺りも一緒に検証してみます。

 

英語(原案):Madame Armoire(マダム・アルモワール)
英語(アニメ版):Wardrobe(ワードローブ)
英語(舞台版):Madame de la Grande Bouche (マダム・ド・ラ・グランド・ブーシュ)
英語(2017年実写映画):Madame de Garderobe(マダム・ド・ガーデローブ)
ドイツ語:Mdm. Kommode (マダム・コモーデ)
フランス語:L'Armoire (ラルモワール)
イタリア語:Guardaroba (グアルデローバ)
スペイン語:Armario(アルマリオ)
オランダ語、フラマン語:La Commodia(ラ・コモディア)

 

まずは、複雑な英語名から検証します。ほぼどのバージョンもマダムと付いていますので、終始フランス人オペラ歌手、という設定です。(というか、ミセス・ポットとチップとコグスワース以外は皆イギリス人、という設定なのかもしれません)

 

英語版原案のアルモワールというのは、フランス語で「衣装ダンス」の意味。実写版のGarderobeも、衣裳部屋の意味です。舞台版のMadame de la Grande Boucheだけが異色ですが、Grande Boucheというのはフランス語で「大きな口」という意味で、オペラ歌手で声が大きいから、大きな口という名前になったようです。色々と由来があって面白いですね。

 

次は、同じゲルマン系言語のドイツ語とオランダ語、フラマン語を見てみましょう。KommedeもCommodiaどちらも「衣装ダンス」という意味ですが、ドイツ語はマダムなのでフランス人設定、オランダ語とフラマン語はLaで語尾もiaに変えてあるので、イタリア人歌手の設定ですね。

 

フランス語とスペイン語も同じラテン系の言語ということで似ています。Armoireは英語原案にもあったように「衣装タンス」や「クローゼット」の意味です。Armarioも同じです。何人かははっきりさせず、単に「タンス」いう感じです。

 

イタリアも語ラテン系言語ですが、英語のGarderobeと同じGuardarobaという単語で、シンプルに「衣装ダンス」としています。けど、有名なロシア人オペラ歌手「グルヴェローヴァ」に似せてきている気がするのは私だけでしょうか?

 

というわけで、タンス夫人は、英語版は名前が変わりまくり、「マダム大きな口」みたいなひどい言われようです(笑)英語、ドイツ語版はフランス人設定ですが、オランダ、フラマン語はイタリア人設定、イタリア語版はもしかしてロシア人?と言った感じです。

 

個人的には、タンス夫人はイタリア人っぽい気がするんですが、舞台版でワーグナー一瞬出てきますよね(笑)

 

 

●まとめ

 

というわけで、美女と野獣、アニメ版、舞台版、実写版の、各国語版キャラ名を比較してみました。

 

大学時代に各国語版サントラ見比べながら、「チップってなんでタッシロっていうの?」とか「コグスワースがビッグベン!」とか思ってた記憶がよみがえってきました。

 

今となっては、当時よりドイツ語やオランダ語ができる分、色んな役名が付いた背景までわかるようになって、更に各国語版を楽しめる地盤ができてきたようです。本当はこの調子で、もっといろんな言語(ロシア語とかチェコ語とか)にも手を伸ばしたいんですが、いつになることやら。。


「美女と野獣」の各バージョンのCD,DVDへのリンク:
アニメ映画版「美女と野獣」
ミュージカル舞台版「美女と野獣」
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アニメ映画「美女と野獣」(1991)英語版サウンドトラック Beauty and the Beast

アニメ映画「美女と野獣」(1991)ドイツ語&英語&トルコ語版DVD Die Schöne und das Biest

ウィーン・ミュージカル・ワールド」では、美女と野獣の各バージョン、各国語版CD絶賛お取り扱い中です! ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語など色々取り揃えてます♪

 

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アニメ映画版「美女と野獣」
ミュージカル舞台版「美女と野獣」
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