2017-05-04 16:32 | カテゴリ:ミュージカル映画レポ

引き続き実写版「美女と野獣」ネタバレ暴走考察です。

 

今回はビーストについて。この物語の一番重要なキャラ。彼の成長こそが、この物語の最も美しいストーリーだと思うんですよねー、そんな視点から思いのたけを書いてみました。基本アニメ、舞台版崇拝的なレポになってますので、実写版が史上最高だと思う方は、スルーした方がいいかも。。

 

●ビーストの性格の新設定考察

 

・ビーストの新設定。文字が読める。これは生い立ちの新設定より衝撃だったwそりゃそうだ、王子だから教育は受けていて、文字くらい読めるんだ。そして、シェイクスピアもすらすら言えるんだ。けどそんなビーストなんか違うw

 

アニメ版や舞台版の、粗暴に育てられたが、根はやさしい甘やかされた王子で、勉強もやりたくないと言ったらやらなくていいほど甘やかされたから文字も読めず、粗野でわがままなまま大人になった、っていう設定、すごい大事だと思うんだけど。「子供のまま大きくなって、心が野獣の様に粗暴だから、魔女の魔法でそれに見合った野獣にされた」ってことだよね、あの魔法。


いやわかるよ、ベルが夢見る不思議ちゃんじゃなくて才女だったら、ビーストもガストンと違って勉学に励んだ過去があった方が、ベルとの共通点が合ってお似合いだって。けど、違うんだよ、そういうんじゃないんだよ。

 

ビーストが野獣なのは、見た目じゃなくて、中身なの。文字が読めない、知識もない、粗暴で感情をすぐ外に出す。けど、心根の奥の奥では優しい。(対するガストンは見た目や評判が良くて人気もあるけど、心根は悪いという点で、野獣と対比される。)そして、ベルが彼の内面の野獣的な部分を段々人間にしていくところが、この話の一番美しいところ。

 

文字が読めない彼に文字を教える、物語を読んであげる、一緒にゆったりと彼女の好きなファンタジーの物語を、子供に読み聞かせるように二人で楽しむ。そういう「野獣から人間になっていく」プロセスを通じて、野獣の皮を脱ぎ捨て、優しい心根が表に出てきて、人間になって行って、そこから愛が芽生えるんじゃない?最初からビーストが博識だったら、話が違うよね。

 

文字を読めるかどうかだけではなく、ビーストが「プリーズ」や「サンキュー」を言うというのも、「子供のまま大きくなった野獣を人間にしていく」過程でとても重要なシーン。

 

最初はプリーズを言うのに失敗して、ベルをディナーに誘えないわけだし。それを、看病してくれたことに感謝して図書館に案内したり(サンキュー)、再びディナーとダンスに誘ったり(プリーズ)、これも、ビーストが野獣の皮から抜け出す大事なステップなんだが、この辺りも実写版では印象薄かった(というか、シーン自体がなかった?)


それに、王子を甘やかしていた城キャラにも大きな責任がある。だから魔女は、王子だけじゃなくて城キャラ全員をまとめて魔法にかけた。それも、性格がそのまま外面化した魔法。王子は中身が粗暴だから野獣、コグスワースはきっちりしすぎてるから時計、ルミエールはすぐ恋に熱くなるからキャンドル。


そして、舞台版では、ベルとの出会いをきっかけに、城キャラも過去の過ちを反省し、王子が人間的に成長する手助けをする。ディナーに誘うシーンで「プリーズ」を言いなさい、っていうシーンや、ダンスに誘う前にビーストに自信を持たせるシーン。城キャラは、ただ野獣が恋愛を成就させるのを待つのではなく、昔の失敗を反省し、野獣をまともな人間にするという役目をみんなで果たす必要があったし、それができたから人間に戻れた。

 

この物語の重要な変化は、ビーストが子供から大人になり、感情をコントロールし、紳士的にサンキューとプリーズを言えるようになり、毛嫌いしていた勉強や読書も悪くはないなと思うようになる、っていうところなんだよね。そして、愛するとか愛されるとかいう感情は、その後から生まれて来る。

 

まず子供→大人、それから愛。だから、まずは野獣を子供から大人にしてくれる人たちが必要だったんだ。大人にならないと「愛し愛される」なんてことはできない。魔女の魔法は、野獣に「成長」という、ある意味恋愛よりもずっと難しい課題を課してた。恋愛は当事者二人がいればできるけど、教育はもっとたくさんの周りの助けが必要。


魔女の魔法の目的は「城キャラが野獣を甘やかさず、野獣も自覚してまともな人間になり、人を愛す気持ちを知って、初めて人に愛される」って事を身をもって知らしめるためで、「愛し愛されたらオッケー」っていうのは、その表層でしかない。恋愛より成長の方がずっと難しい。

 

とここまで魔法の前提を書いたけど、実写版では文盲ではないし、サンキューとプリーズを言えない描写はあるけど、言えるようなった描写はなかった(と記憶してる)。とすると、ビーストは話の中でどう成長したの?城キャラは成長に貢献したの?ビーストは恋愛するだけでオッケーなの?ってなる。


ベルと野獣の生い立ちが似てて、頭の良さも同レベルだから好きになったっていうのは分かったけど、それは恋愛の理由にすぎない。ビースト自身の変化は、好きな人ができて性格がやわらかくなっただけなように見える。成長+恋愛ではなく、恋愛だけで魔法が解けたから、なんか物語が軽く感じたのかも。


アニメや舞台版だと、ベルは見た目がいいだけの不思議ちゃんなのに、ビーストの心を野獣から紳士に変えてくれた人。他の男にとってベルは変人でも、ビーストにとっては自分を成長させてくれた恩人。ベルはビーストの野獣性に隠された優しさを見つけ、ビーストは誰も気が付かなかった自分の優れた点を見つけさせてくれたベルに感謝した。アニメ版や舞台版の方が、ベルにはビーストしかなく、ビーストにはベルしかなかった、と納得してしまう点で、説得力あると思ったなー。


●ビーストの生い立ちの新設定と、魔法にかかる前のお城

 

・ビーストの生い立ちの新設定。これは正直あまり意味がなかった気が。子供の頃母親が死んで、父親の育て方のせいでこうなったってことだけど(肖像画も母親の顔だけツメ跡がなかった)、だからって、あんな最初に出てきた変なハーレム王子になるか?

 

それより、アニメや舞台設定の、「甘やかされて誰も何も教えてくれなかったから、子供が大きくなったような大人になってしまった」の方がなんか好きだな。。

 

そもそも、野獣に変えられる前の王子や王宮のシーンは、もうちょっとおとぎ話っぽくぼやかした方がよかったんじゃないかなー。一応、お城キャラをざーっと見せたかったのかもしれないけど、あれ一度見ただけじゃルミエールすら見つけられないよ、みんな白カツラでそっくりに見えるし。かろうじて分かったのはピアノの人と犬と子供くらいかなー。せめてルミエール見つけたかった。。

 

(次は、お馴染みキャラと新キャラについて)

 

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「美女と野獣」の各バージョンへのリンク:
アニメ映画版「美女と野獣」
ミュージカル舞台版「美女と野獣」
ディズニー実写映画版「美女と野獣」

 

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