「この世界の片隅に」ウィーンで見てきました③じっくり感想編

2017年03月30日16:58  映画 写真あり

2/11「この世界の片隅に」鑑賞レポのつぶやきをまとめています。目次としては

 

1.観劇直後の感想+ウィーン人の反応

2.この映画を招聘したアニメイベントの様子

3.数日たって消化してから書いた、長めの感想  ←イマココ

4.関連記事、リンク、裏話など

 

って感じになります。

 

一応ネタばれないように書きましたが、よーく考えたらネタバレしてる可能性もあるので、完全にネタバレ嫌な人は読まない方が安全かも。

 

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<落ち着いて映画の感想、と言うか、個人的に感じたポイント>

 

「この世界の片隅に」を見て24時間。やっとボコボコ沸騰していた感情が落ち着いてきた。少し感じたことをネタバレ無しで振り返ってみる。まだ一度しか見てないし、後半は心と頭フル回転しても、全然全てを見切れていないので、とりあえず一回目に見た感想ってことで。

 

前半のほのぼの系で感じたことをつらつらと。

 

①広島弁が私の記憶より柔らかい!出張で一時期しょっちゅう行ってたのに、あの時聞き慣れていた広島弁より、神戸弁に近かったり、岡山の友達に似てたりして、とても懐かしい感じがした。そして街も出張でよく知ってるから、色々思い出すわ。。

 

②一番最初の音楽が有名なクリスマスソングなので、なんでクリスマス?ああ、歳末セール!みたいな仕込みに既にやられた!感。英独語圏ではみんな知ってる歌なので、異国の風景に知ってる歌ということで、海外でもみんな気になるシーンなんじゃないかな。ツカミとして素晴らしいシーンだと思った。

 

③なんか子供時代の日本は、30年位前の日本と変わらないくらいなんじゃない?駄菓子屋があって、文房具屋があって、みたいな。普通に知ってる風景で、とても入り込みやすかった。そして、だからこそ後半が、自分の知ってる世界が変わっていくようで、自分のことのように感じた。

 

④家事すごすぎる!!!冷蔵庫ないし、毎回火を起こしてるし、水は冷たいし!毎日キャンプしてるようなもんだわ、現代人からしたら。毎日食卓にご飯を乗せることが、どれだけ大変だったか。そのくせ、行く所に行けばアイスクリームもあったとか、ギャップがすごいな。。

 

⑤迷い込んだ先の地区の建築が、一時期好きでよく調べてた特徴めちゃくちゃ入ってて、歴史の現地調査が大好きな性分としては、かなりテンション上がった。二階の窓とか、入り口の柱とか、丸い玄関窓とか、おー!本当に使われてて、当時こんなにきれいだったんだー!って感動。

 

<全体の感想とか衝撃とか>

 

そして、全体の感想。色んな人が色んなシーンで衝撃を受けたり、印象深かったりするだろうし、それは個人の経験から来ることも多いんだろうな。誰しも経験したことのある何かを、沢山内包している映画だからこそ、突然の涙に襲われるのかもしれない。

 

①映画の何気ないシーンを見ていたら、突然「あ、やばい」と思うのと同時に涙がだー、ということが多くて、事前に予測できないのかどうしてなのか本当に謎。今から泣かせるからハンカチ用意ーみたいな感じじゃなくて、唐突に来るから、なんか記憶や感情を直接刺激してるのか?ホント不思議。

 

②私が一番ガツンと来たのは、山から見下ろした焼け野原。すごく個人的なことだけど、神戸の震災の日の朝、ちょうどあのくらいの高台から瀬戸内海の方を見下ろしたときの光景が重なって突然涙がダーっと。。街が破壊される理由は全く違っても、日常が一度に消え去る衝撃は同じ。全く他人事じゃない。

 

③見終わったあとで、「喪失に対する無感情」について長く考えてた。あったものがなくなるって、普通はショックだったり、悲しかったり、逆にホッとしたりするものだけど、この映画では、普通にあったものがふと消えたときの心情がものすごく不安定。

 

心配、不安、涙なんかがあれば、喪失にオチが付いて次に進めるんだけど、後半になるにつれて、大きな喪失があったはずなのにみんな話題にしなかったり、別のことで忙しかったりして、普通はショックであるはずの喪失が宙に浮いている。

 

作中の喪失は多くの場合、それが喪失かどうかの確認すらできないまま、いつの間にか失われている。喪失はタイミングを失い、重さを失う。消化できない感情が腹の中に溜まっていく。それが、あのため息と一緒に出せなかったものなんじゃないかな。

 

④喪失だけじゃなくて、獲得に関しても無関心になってたとも思える。なんか突然家に人が増えてたり、その人がまた突然どっかいなくなったりしてた。なんか人が増えたり減ったりしてるけど、いちいち喜ぶのも悲しむのもめんどくさい。その事自体が異常かどうかもわからない。

 

火を消す前のあの目の表情が忘れられない。もう喪失に無関心になっていたはずなのに、あそこだけは感情が戻ってきた。約束があったから。あと、サギのシーンも。抑えていた感情が思い出したように戻ってくる。「あの世界」と「この世界」を行ったり来たり。

 

⑥「この世界」のヒントは作中2,3回出てくる。彼女は「この世界」に住むことが他の人より得意だったはずのに、やっぱり今振り返ると、一番ひどい時期は「あの世界」にいることのほうが多かったのかも。「この世界」に生きることができることがどれだけ幸運なことか、改めて気付かされる。

 

⑦この映画、日本人だけでなく、世界中の人に見てもらいたいし、世界中で共感を得る力のある作品だと思う。誰が見ても笑える場面は一緒だし、誰が見てもどこかに共感できる映画。特に、「喪失に対する無感情」は、昨今のテロが多発しているご時世には、既に身をもって感じている人も多いと思う。

 

テロの初期にはひどくショックを受けていたのが、段々感覚が麻痺して、あまり気持ちを揺さぶられないようにしている人は、私だけじゃないと思う。喪失が日常になった世界に一歩足を踏み入れかけているって気付かされると、ふと、悪い魔法から醒めたような感覚に陥る。

 

<感想まとめ>

 

とりあえず一回見ただけだし、多分私が気がついてない深い意味がまだ沢山あるんだと思うけど、とりあえず一回見たレポということで書いてみました。見た人の数だけ、考えたことや衝撃を受けたことはあると思う。私が感じたことは、他の人は感じないかも知れないし、経験によって感想も違うんだろうなー 。

 

リピーターの方のレポの方が内容は濃いと思うから、私独自の視点みたいなのを書いてみた。リピートもいいけど、一回目の衝撃は格別。記録できてよかった。けど、書いたらまた追加の気になることが出てきたわ。。

 

人生の数だけ感想もある、って思うと、ほんと奥の深い映画だよ。。そして、今回はちょっと後半重めに考えてみたけど、ほのぼのさ、笑いどころ、きれいだった所もたくさんあって楽しく見れたし、もし次見たら、楽しいとこまとめでもしてみたいくらい。DVD早く発売されないかなー。

 

(4.関連記事、リンク、裏話など   に続きます。)



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