2016-11-14 16:19 | カテゴリ:美術館・博物館

一時帰国中の10月30日に行った、梅田アトリエ三月の「る山る子」さんの展覧会(個展)「る展」の感想を二度にわたってお送りしております。私に与えた衝撃がかなり大きかったので、数日後まで後を引き、色々と考えたことを言葉にしているうちに、かなり長くなってしまいました。

 

る展体験翌日以降考えたことのつぶやきまとめです。基本的に、「る展」によって発生したゲシュタルト崩壊現象や、脳みそに受けた衝撃、言語学習などについて語ってます。

 

 

<翌日、ゲシュタルト崩壊について深く考える>

 

(他の人の長文レポを読んで)ああ、こうして長文レポを書かせる何かが、「る、」にはあるんだよ。。私もまだ「る」のことばっかり考えてる。そして、「ゲシュタルト崩壊後の世界が見えている」という点、超同意。文字に意味がなくなる瞬間。哲学だよね。。

 

ゲシュタルト崩壊って独語ではGestaltzerfall。Gestaltは形状(shape)でzerfallはバラバラに砕け落ちる(decomposition)。元の言葉を知ってるとイメージがつかみやすい。

 

まさにあの場では、「文字って何?」「文字と絵はどう違うの?」「文字はアート?デザイン?」「文字の意味を剥ぎ取ったところに別の意味があるのでは?」「文字の意味を知らない子供にとっての文字の世界とは?」なんてことを考えてた。

 

私は「る」がるだと知ってるから、ゲシュタルト崩壊なんて言うけど、平仮名練習中のうちの5歳児や、文字の絵の区別もつかないうちの2歳児や、ABCは読めても平仮名に初めて触れる外国人にとっては、どんなふうに見えるんだろう?ゲシュタルトは後天的なもので、持ってない人は崩壊もしないのか。

 

けど「る」が何かわからない子供や外国人でも、あの場に行ったら「おおー!」と不思議な気持ちになるわけだし、じゃあ「る展」はゲシュタルト崩壊以外の何かを持ってるわけだ。意味と関係なく気持ちを動かす何か。例えば歌詞がわからなくても音楽に感動するのと似てるのかな。

 

あとなぜ「る」?って質問も多いんだろうけど、どのひらがなもかわいいから、迷っただろうな。どの漢字がゲシュタルト崩壊しやすいかって研究はあるらしいけど、「る」はその傾向は少ないっぽい。

 

何となく気になったのは、文字に関するゲシュタルト崩壊の論文が日本人研究者に偏ってることかなー。日本人はゲシュタルト崩壊を起こしやすいのかな。ABCは元々記号っぽいし、文字に意味がなくて組み合わせて使うから、崩壊するほどのゲシュタルトを持ってないのかな。

 

視力検査でいろんな方向向いたCが並んでても、ゲシュタルト崩壊しないけど、「る」だったらきっと崩壊する。この違いはなんなんだ?

 

なんか頭がまだあっちの世界に行ってて、「る」を無意識に探しては落ち着いてる。ないと作っちゃう。オムライスにケチャップで書く人の気持ちがすごく良くわかる。世界に「る」がまだまだ足りない。

 

その日の夕食の手巻き寿司

 

 

<さらに翌日、芸術と体験について>

 

梅田の「る展」もう明日が最終日なんてー!TLに流れてくる評判の良さにニヤニヤしてる。あの世界を体験した人たちが、みんなに衝撃を受けて色々レポ書いてるのを読むのがほんとうに楽しい。みんなちょっとずつ衝撃の種類が違うのも、その人らしくてホント素敵。レポバンザイ!

 

私もツイートまとめてレポにしたいんだけど、もう今日書いても集客に貢献できない。。けど多分ウィーンに戻ったらちゃんとブログにまとめると思う。自分の感じたことの記録として。写真もまとめて、またあの記憶を呼び戻せるように。(→何とかまとめられてよかった!w)

 

る山る子さんはこっちの道に進むべきだと私はずっと思ってたけど、ご本人はその気はないようだしな。。こんなに各地で絶賛されてるのはすごいなー。「る展」のような場って、必要な人には必要な気がする。行けばそこにあってリラックス出来る(私の場合)。自宅のトイレで常設展したい。

 

やっぱり何と言っても、その妙な落書きの原点的なものを見てきた人が、あんなにすごいことをやってのけるっていうのが、素直に感動する。一時帰国のタイミングで開催されていたこと、原点見てきた仲間と一緒に1時間もあの世界にいられたことにも感謝。

 

アートって全然詳しくないし、自分に感じ方や基礎知識も欠けてるのはわかってるけど、そんな私にあんなにズキューンと来るなんて、芸術ってすごいんだなー。リピートしたいし、別の個展あったら絶対見たい。今は本業じゃなくても、これを機にスカウトとかされて人生変わるかもしれないよ!

 

ああ、「る展」後の気持ち、何かの体験後に似てると思ったらあれだ!ダイアログ・イン・ザ・ダーク。完全な暗闇の中、盲目の人に案内されて視覚以外の感覚を使って歩く体験。視覚が無くなったときに何に頼るか。怖さの向こうには何があるのか。この暗闇の世界の住人には何が見えているのか。

 

これって、文字に意味が無くなったときに何に頼るのか、ゲシュタルト崩壊の向こうには何があるのか、文字の意味を超越した「る」の世界の住人(る子さん)には何が見えているのか、っていうテーマに置き換えられるよね。出てきてから世界が変わって見えるのも似た感覚だわー。

 

暗闇に光がない、文字に意味がないって、足元掬われるようなすごい怖い感覚だよね。けど、盲目の人は暗闇の世界のマスターだし、る子さんは「る」の世界の主だし、そういう怖さを超えた人っていうのがいる。そういう世界を垣間見れたっていうのは人生経験としてやってよかったと思えるなー。

 

===

<「る展」に行った他の人たちの交流>(ちょっと相手によって語尾が混じってます)

 

・長年の友人二人と押しかけ、その時間帯はほぼお客さんが来られなかったので、1時間ほどる山さんと4人であの空間で色んな話をしました。とても濃密で不思議な時間でした。

 

・私の後に来たお客さんも、入るなり「ゲシュタルト崩壊」を連呼してました(笑)世界の見方を変えてくれるのが、アートの醍醐味ですね!まさか長年の友人がそれを成し遂げるとはと驚きです。

 

・しかしあれ、おしゃべりしながらだったから耐えられたけど、一人っきりで来て、自分が唯一のお客さんとかだったら、どうなってたかわからないわ。。頭の中に色々溜め込みすぎて、ほんとに爆発してたかもw

 

・(一緒に行った友人が「ここで寝て起きたらどんな気分なんだろう?」って言ったことについて)

なんか、あの落ち着く感&寝たい感は、る子さんもそう思ってたからあんなに盛り上がったのかなーと思った。ちょっと神の境地を垣間見た気分がしたよ。るに酔うのも多分何かの到達点だよー。みんな多分境地は違うんだと思う。だから色んな人のレポ読んでて面白いよー。

 

・なんか、「る、」ここで終わらせるのはもったいない!次のステップへ!っていうアイデア出まくりだったよね。そういう展示ってホント刺激的で意義があると思うよ!自分の頭フル回転してたのがわかったわ。アドレナリンドバドバw

 

・自宅のトイレをミニ「る展」化するキット売ってたらいいのにーって思うわ。狭い部屋で囲まれる感覚があの個展の真骨頂だと思う。

 

<「展覧会」の位置づけと、「る展体験」>

 

未だに毎日「る展」について考えちゃうんだけど、終わってみてあれがアートでもなく、個展でもないという位置づけだったと知って驚愕してる。コンセプトの奥が深すぎる。。定義するのも無粋なことなのかも。「る山る子さんの頭の中のほんの一部をちらっと覗かせていただいて戦慄する体験」とかかな。

 

体験とアートの境目が分からなくなってきた。あれだけ脳に刺激をもらうのは、受け手としては「一見実用性のないものによって感情に変化を起こされる」ってことで、音楽や演劇と似た部類でもあるのかな、と。けど、暗闇体験みたいな「体験」の感覚もあったし。

 

個展かどうかは受け手の立場にもよるのかな。私は昔から知ってる人なので、文字の癖とかデザインの方向性とか途方も無さとか、本人らしさが透けて見えて、どう考えても個性バリバリ出てたけどwそれを見たくて行ったのもあるし。本人を知らない人が見たらまた違うのかもなー。

 

こういうジャンルについての背景知識がほとんどない分、第一印象→後から来るジワジワ感→ほかの人の感想やレポ→主催者の意図、みたいなものが時間差で出てきて、ゆっくり消化するのがまたおもしろいなー。

 

<ゲシュタルト崩壊と文字の学習について>

 

「る展」と息子のひらがな学習について。公文の教材で同じ平仮名を毎日5個とか書かせるのが宿題なんだが、これやってたらゲシュタルト崩壊しないかな?繰り返しは勉強になるのか、苦手に繋がるのか。身近なところに同じ文字の繰り返しがある。これを楽しめるにはどうすればいいんだろう?

 

小学校の漢字の練習帳とかも基本繰り返し書くってやつだけど、ゲシュタルト崩壊して、突然私何やってるんだろう?ってならないかな。私はなってたな。繰り返しが効果ある場合と、逆に意味不明になって苦手になる場合とあるかも。

 

<お土産>

 

お土産として、こんな本を購入しました。

 

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中はこんな感じで、

 

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こんな感じ

 

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目くるめく「る」の世界です。これをじっくり読みこんだ友人曰く、読んでいるうちに話が頭に浮かぶ、とのこと。ゲシュタルト崩壊したりなければ、この本を手元に置いておくだけで、いつでも頭がスッコーン!と崩壊後の世界に飛んで行って、居心地のいいリラックス感を感じることができます♪

 

 

<さいごに>

 

と言うわけで、アート関係では異例の、長文レポとなってしまいました。。もしかして、この「る展」について書かれた中では一番の長文レポかも?

 

それも終わってからかなり経って、やっと言いたいことが大体全部文字化されてからのまとめってことで、記録としてはいい感じなのではないでしょうか。(自分で読み返したら、あの時の凄さがまた蘇るという意味で)

 

梅田での短期間開催で、行きたくても行けなかった人、評判を聞いてから行こうと思ったら終わってた人などもいるかもしれません。こんな感じだったよーと言う雰囲気等伝わったかな。。

 

そして、私の脳みそがものすごいねじれた回転の仕方をして、スゴイ奥の方まで考察してしまったことに、自分でも驚いた。私の脳をこんな風にしてしまうなんて、やっぱりものすごい体験をしたんだなあ。。と感慨深く、「る展」体験レポを締めくくっておきます。いつか、いつか、またこんな機会があったら行ってみたい!

 

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