2016-09-16 16:06 | カテゴリ:オーストリアの政治

ちょっとオーストリアの大統領選が揺れに揺れています。タイムリーなニュースはつぶやいてはいましたが、ブログに書くのはこの記事(舞台はウィーン! オーストリア大統領選2016 候補者ポスターを見比べてみた)以来となります。

 

とりあえず、オーストリア大統領選に関する今までの動きを簡単に追っておきます。

 

2016年4月24日 

オーストリアの大統領選挙投票日。候補は6名。候補者の略歴と写真と選挙ポスターはこちらの記事をどうぞ→舞台はウィーン! オーストリア大統領選2016 候補者ポスターを見比べてみた

 

その結果、どの候補も規定の票数に満たず、極右自由党(FPOe)のHoferと緑の党のVan der Bellenの決選投票となる。(この時にはHofer1位Van der Bellen2位)

 

2016年5月22日

上記の二候補による決選投票

 

その結果、郵便投票の開票が翌日までかかる混戦となり、3万1千票の僅差で緑の党のVan der Bellenが当選。

 

2016年7月1日

決選投票の開票が既定の時間外に行われたとして、決選投票やり直しの判決。

 

10月2日が決選投票やり直し投票日と決まる。9月始めから選挙ポスターが街に並び、再び選挙戦のムード。

 

9月12日

10月2日に予定されていた決選投票やり直しが12月4日に延期に。理由は「糊の粘着力」。郵便投票の封筒の糊の粘着力に疑問の余地があるとして、選挙のやり方自体の仕切り直しが決定される。←イマココ

 

 

ちなみに、決選投票の開票時間やノリにイチャモンを付けて、やり直しや延期を訴えているのは、決選投票に敗れた極右自由党。とにかくどんな手を使ってでも、決選投票の結果を無効にしたいというなりふり構わない感じです。

 

このオーストリア大統領選のつぶやきをまとめるだけでも結構な記事になるわけですが、ちょっと今回は先にタイムリーな「郵送投票」について記事にしてみます。

 

 

●オーストリアの郵送投票

 

オーストリアの郵送投票の仕組みをご紹介します。かなり日本と違って敷居が低く、選挙の権利を平等に提供できるシステムになっています。

 

まず、選挙当日に投票所に行けない人は誰でも、郵送による不在投票が可能です。投票用紙の郵送申請は投票日の二日前まで、窓口、郵送、メール、Fax、オンラインどれでも可。

 

投票用紙の受け取りは本人郵便受け(本人確認なし、紛失リスク了承済み)か、郵便局(本人確認、受け取り確認あり)の選択可。あとは記入して、投票日までに選挙事務所に到着するように投函するだけ。当日持参も可。

 

特に条件もなく、誰でも気軽に郵送で不在投票できるのは、忙しい人や病人にもいいシステムですね。

 

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オーストリアのポスト。側面には郵送投票に関する案内シールが貼ってあります。

 

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こちらがポストに貼られた郵送投票案内のシール。

 

「郵送投票用紙で一票を簡単に投票できますよ」「あなたの一票は貴重です」「ここなら24時間投票できる!」 とあり、まだ10月の投票日の案内ですが、いつまでに投函したら間に合うかも書かれています。

 

 

国外にいる人は、在住、旅行を問わず、事前に在外投票用紙を入手し、投票日までに選挙事務所に到着するよう選挙事務所に郵送する。投票用紙は海外の住所も送ってもらえる。投函は直接送るか、大使館等に早めに郵送して、転送してもらう。

 

世界中どこにいても郵送で不在投票ができるのは便利!

 

更に、世界中どこでも、投票のための送料は無料!投票にお金がかかると、投票権に差が出る→民主主義に反する、って考え方。速達やEMS、DHLなどのサービスは個人負担だが、普通郵便なら国が負担します。

 

実際、日本からオーストリアに郵送投票した時は、無料で送ることができました。

 

HELP.gv.at: Briefwahl mittels Wahlkarte

 

実際に郵送投票したレポは次回の記事をお楽しみに!

 

 

●日本の郵送投票についてもちょっと調べてみた

 

日本の不在投票で郵送できるか調べてみたら、国内の場合は事前登録した障害者以外不可という驚くべき現状。それじゃ、外出する体力のない老人や、つわりや産前産後は投票見送るしかないし、それって弱者の投票の権利を奪ってることにならないのかな?

 

海外在住の場合は、在住3か月を超える場合で、在外選挙人登録を済ませた場合のみ可能。1ヶ月の長期海外出張中とかだと中途半端で投票できないし、登録の手続きも時間かかるし、敷居が高すぎる。

 

オーストリアのシステムだと、1ヶ月の海外長期休暇中に選挙があっても、不在郵送投票のシステムのおかげで投票できる。これが逆に、一ヶ月ヨーロッパで過ごす日本人だったら、その期間の投票はできないよね。

 

 

あとほら、天気が悪いから投票率が低いとかくだらない理由あるけど、実際は、雨にぬれたら病気が悪化するからとか、雨の中子連れで運転して事故起こしたくないからとか、そういう比較的まともな理由で雨の日に行きたくない人もいると思うんだよね。

 

あと、出張や家族サービスで週末に投票所行けない人とか沢山いるだろうし、投票できない理由って自分勝手でくだらなそうには見えるけど、自分がその立場だったら、健康や子供と投票の優先順位は似た感じになると思うんだよね。そりゃ、みんなそれぞれ事情が許せば投票に行きたかったんじゃないかな。

 

それを、期日前投票しなかったやつが悪いから投票できなかったのは自己責任、みたいに言うのは、ちょっと違うと思う。もっと選挙って、個人的な事情に左右されず投票できてこその民主主義だと思う。

 

その点、オーストリアの選挙は徹底してて、「投票できない人をなるべく減らす」事に一生懸命税金を使ってる印象がある。

 

郵送による悪用や紛失の危険性もあるだろうけど、それより第一に、投票の権利をあまねく平等に提供するという、民主主義の基本姿勢をまずしっかり制度化しているのが素晴らしい。これなら、病人、旅行者、忙しい人、雨にぬれたくない人、介護や育児で家を出られない人、ひきこもり、皆意志さえあれば気軽にタダで投票できる。

 

民主主義としては、投票の権利は個人の体調や現在地と関係なく、誰でも行使できるべきだと考えるのが正しいと思うけど、日本でも郵送投票もっと便利に使えるようにならないかなー。

 

総務省|投票制度

総務省|郵便等による不在者投票ができます

 

 


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