2016-08-15 16:02 | カテゴリ:国際ニュースの報道比較

前回に続いて、「天皇陛下お気持ち表明」のメディア比較のツイートまとめ記事です。

 

 

近くのパン屋カフェで、複数のオーストリアの新聞の「天皇陛下お気持ち表明」記事を読んでみた。

 

まず、カフェにおいてあった四紙にはすべて天皇記事が2-5面に。記事の長

さや見出しは新聞の個性が出てて面白い。ついでに独語圏での「天皇」の呼び名と「お気持ち」の独語訳にも注目してみた。

 

●保守紙Die Presse

 

まずお上品な方から。保守紙Die Presseは天皇皇后両陛下の写真と共に、かなり長い記事。見出しは「カイザーアキヒト退位を求める」。大見出しはKaiser、下の見出しにTenno。

 

presse

Presseの長い記事の前半は昨日のお言葉の引用と、立場や背景の説明。長い後半は後継者の選択肢について。使ってる語彙もなんか高尚。

 

●Kurier紙

 

高所得者に読者が多いKurier紙。こちらもかなり記事は長く、Presseと似て前半は昨日のメッセージの引用と意味すること、後半は後継者の選択肢について。二行目の見出しにTenno。本文中にjapanische Kaiser。

kurier

 

●Kronenzeitung

 

お次は急に下がって(笑)タブロイドに近いが購読者数最多の大衆誌Kronenzeitung。「ラストエンペラーはもうやりたくない」とかいう目立つだけで内容空っぽ(国すら違うw)なアホ丸出しな見出しw 本文も「世界最後のカイザー」とかw それを言うなら「世界最古のカイザー」でしょうが。。

 

krone

 

まあKronenzeitungの記事はいつも恐ろしく間違い多いし、こういうレベルなんです。呼称はJapans Tenno Akihito, Kaiser。der letzte Kaiser(ラストエンペラー)連呼で苦笑w しかしごっちゃにしてる人が多いことも事実。

 

 

●無料新聞Heute

 

さらに落ちてw、無料新聞でもちろんタブロイドレベルのheute。2面ながらメチャ小さくて笑ったw Tenno表記あり。退位の理由はkein Kraft mehr(もう力(元気)がない)って、要約しすぎw

 

heute

 

●オーストリア国営放送ORFのウェブサイト

 

あと紙面じゃないけど、オーストリア国営放送の記事。

Übersicht

 

「前のローマ教皇も退位した」と比較しているのはこの記事だけ。見出しにKaiser、本文にTenno.

 

●独語圏での「天皇」の呼び名

 

ちなみに独語圏では、自国のカイザーと区別するため、日本の天皇はJapanische Kaiserと呼びます。イギリス女王はKoeniginではなくそのままQueenと呼びます。

 

あと、オーストリア人に聞いたところ、ドイツ語でTennoという表現は、普通にみんな知ってると思うよ、とのこと。日本に興味なくても多分知ってる、と言ってた。英国女王をクイーンと呼ぶように、天皇陛下はテンノーでも通じるっぽい。無理してカイザーと呼んで間違った印象を与えるより、テンノーと呼ぶ方が誤解は少ないのかも。

 

これを踏まえてまとめると、四紙全てにTenno表記あり。つまり、昨日の話通り、オーストリア人は一般的にTennoという単語の意味を知ってる。記事内に(japanische) Kaiserもアキヒト表記も必ず出てくる。カイザーアキヒト、テンノーアキヒト表記も呼び捨てもある。

 

内容的には、必ず入っているのが、国民へのメッセージは在位二回目であること、退位理由は「任務遂行のための体力不足」、法改正が必要なこと、象徴としての立場から個人的希望を述べるにとどまったこと。後継者に関して書いてたのはPresseとKurierのみ。

 

●「お気持ち」独語訳

 

次に「お気持ち」という曖昧な日本語の独語訳。どの新聞も表現に苦心している様子。

 

Presseはsich anwenden(希望を伝える)、KurierはWunsch(希望)を使い、「退位の希望と解釈される」と見出しに。PresseのWeb記事はAnzeichen(示唆)と表現。

 

KroneはAnliegen(希望)、heuteとドイツのSpiegelウェブ記事はandeuten(示唆する)。

 

ORFは日本の「お気持ち」を無理やり訳した鍵カッコ付きで「Gefuehl」(気持ちより気分やフィーリングってニュアンス)と表現。

 

 

CNNはwishだったし、「お気持ち」はGefuehl(英訳feeling,emotion)とは全然違うよね。けど、希望と言えない大人の事情があるのだね。ORFはHinweis(示唆)としてたし、「希望を示唆」くらいが妥当か。各紙苦労してるねー。

 

●まとめ

 

当訳で、今回の紙面比較でわかったことは、

 

①「天皇陛下のお気持ち表明」は全ての新聞で取り上げるほどのビッグニュース

②オーストリアの新聞は購読者によって紙面の大きさや言葉の選び方、精度が大きく異る

③オーストリア人はTennoという言葉を知っている

④「お気持ち」という言葉の訳は、各紙非常に苦労していて、ほとんど同じ表現はなかった

 

ということで、朝刊をざっと見るだけで、ものすごい勉強になったし、改めて紙面の特徴を掴むことができて、興味深い体験ができました。

 

もうオーストリア人に質問攻めにされても、準備万端!(笑)

 

 

 

 

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