2015-10-19 07:04 | カテゴリ:モーツァルト!Mozart!

9月23日に上演された、ウィーン新演出版モーツァルト!プレビュー最終日の観劇レポです。プレビュー初日レポは「モーツァルト!Mozart! 」カテゴリからどうぞ。

 

<ダンスがやめられない♪>

 

ダンスはやめられない♪がすばらしすきる。役者さんの表情と演技がほんと深い。ダンスはやめられない♪とか悪妻っぽいこといいつつ、それでいいの?って、自分に問いかけている。夫といい家庭を築けていれば、自分も家にいるのに、私が悪いの?って表情。

 

そういえば、この曲ラストが一フレーズ増えて、さらにかっこよくなってる。 この増えた部分直前のコンスの表情がさみしげていい!

 

ダンスはやめられない♪は名訳だけど、独語はもっと意味がほんとは深い。「いつも誰かがどこかで踊っている」という意味。それを踏まえると、また歌詞が深くなる。主語はコンスとは限らないので、独語特有に暈して一般化している。

 

ダンスはやめられない♪Irgendwo wird immer getanztは「いつもどこかで誰かが踊っている」という直訳になるという話はしたけど、あのコンスの不安そうな表情を考えると「やけくそじゃー!踊ったるでー!」みたいな感じじゃ全然ないよね(笑)。

 

ブダペスト版では高速回転で踊ってたけど、ウィーン版は踊らないし。どちらかというと、自分は、夫が遊び散らかした後の部屋で一人空虚感にさいなまれてる。世の中ではいつもみんな楽しそうに踊っている。夫も遊びに行っちゃった。けど、自分はその「誰かがどこかでいつも踊っている」場にはいない。

 

「その楽しみを逃すのはもったいない」私も楽しい事好きなのに。けど、私は芸術家の妻だし、愛してもいるし、一応遊びほうけるだけじゃなくて、ちゃんとしようとしてる。けど夫はそんな妻の犠牲を無視して、やっぱり遊びほうけてる。そんなの不公平。私だって他の人みたいに遊びたいけど我慢してるのに。「どこかで誰かが踊ってる」のが気になって仕方がない。そんな感じの解釈に聞こえた。

 

な んていうか、遊びまわってる悪妻じゃなくて、色々犠牲にして家庭のために頑張ってるのに、全然評価されなくて、段々空しくなってきて、やっぱり家庭放棄して遊びに行ったろかもう、と罪悪感を感じつつ思ってるって感じで。その後のヴォルフとの決裂の布石になってる。

 

何で二人はあんなラブソング2曲もあるのに(それもパパの反対を押し切り、ウェーバー家にお金吸い取られながらもラブラブ)、結局決裂するのかとか思ってたけど、この曲がコンスの空虚感を表しているとすれば、彼女の心の動きがスムーズに理解できる。愛はあったけど、我慢の限界だった。

 

ちなみに史実では、結婚生活8年の間でコンスは6回も妊娠出産してる。踊るどころじゃなかったはず。そのうち生き残ったのは男児2人のみ。当時の生存率としてはごく普通。ヴォルフだってママやパパの死を絶望してたけど、実際はプラス幼児4人亡くしてるんだよね。本人も35歳で亡くなるし。

 

 

<背景の特定>

 

背景は、ウィーンにあって特定できたのは、シェーンブルン宮殿鏡の間、シュテファン大聖堂入り口、スペイン乗馬学校、オペラ座正面玄関、オペラ座客席、楽友協会パイプオルガンかな。ヴィーデン劇場や旧ブルク劇場などは再現CGかも。ザルツブルクも大聖堂とか一部わかった。

 

背景ファンなので、いつかちゃんとまとめたいな。あと背景に出てくる地名の文字って、モーツァルト直筆なのかな?

 

とりあえず、プレビュー用簡易プログラムに場所の説明も書いてあるので、一個ずつ確認していこう。

 

 

<カツラについて>

 

カツラ!かつらが結構楽しいんだった。初演のあの修道女の波打つ白い頭の布はなかったけど、クラシック衣装のアンサンブルの女性たちの髪型が奇抜でステキ!お花みたいだったり、高く積んでくるくると下がってたり、個性的だけど違和感ない。見てるだけでなんか笑えるw

 

<現代演出について>

 

なんかもう好き過ぎて、日本の皆さんならどう感じるだろう?とか、このシンプルで現代的な演出も好みがあるとか、思えなくなってきた(笑)

 

あの新演出の意図を図りかねて、なんでクラシックな感じで行かないのー?と思う方へ、ちょっとだけヒント。

 

あれは今のウィーンでは「クール」なんです。日本人にあれがクールと認識されるかはわからないんですが、例えば、初演演出を今やったら、「今時ドレッド?ダサー」って感じになる筈なので、変えて当然でもあります。多分15年後再再演やったら、あの短髪ヴォルフはもう古いんでしょうねー。

 

あと、背景勝負でセットが少ないので、ツアーの回りやすさはあると思いますが、あの演出が世界各国でクールと取られるかは出たとこ勝負。クールさは各国価値観が違うのは、微妙にツアーで影響があるかも。。

 

 

このモーツァルト!新演出は、現代演出のオペラと近い位置づけって気がしてきた。現代演出オペラは基本苦手で、好みなのは二割くらいなんだが、今回はドンピシャハマった。

 

現代演出のオペラも、ちゃんと意味付けしてあるのは好み。オペラ座のティトーとか今回のM!新演出と方向性が似てて好きだった。けど、あれも一緒に見た人は意味不明と言っていたし、演出家と見る方の解釈力と読解力のベクトルが一致してるとハマりやすいのかな。

 

私がオススメしすぎて、あの新演出見た人が、は?って思う可能性もあるのかな。いや、でも結構分かり易いし、奇抜なシーンは2,3個しかないし、多分現代演出に慣れてない日本の観客でも受け入れられるとは思う。

 

この機会に、現代演出にもかっこよくて奇を衒ってない親切演出もあるって知ってほしいなー、という気もします。

 

<席について>

 

前回は三階席最後列左寄り、今回は平土間7列右端と、対照的な席。個人的にはアンサンブルのフォーメーションか見下ろせる三階席が好きだけど、大好きな背景が見切れず堪能できると言う意味では、平土間も捨てがたい。セットがほぼないので、一番端でもめちゃよく見える! いい劇場!いい作品!

 

<出待ち>

 

昨日の出待ち話。まあ私はフォロワーさんとおしゃべりしつつ、出てくる役者さんたちを見守ってただけなんですが。再演エリザのFJ時代から自転車通勤のアンドレだけでなく、トーマスまで自転車とは。それもトーマス住民じゃないしw ご丁寧にサドルにビニール袋巻いて、お尻が濡れないようにしてた。この二人はほとんど誰にも囲まれてなかった。

 

Lucius Wolter, Martin Parsching, Ana Milva Gomes,アルコの人もいた。マークはひときわファンに囲まれ、ニコニコ親切にしてた。

 

モーツァルト!についてポロポロ語りたいことが出てくるけど、まとめて時間が取れないー。なんか育児の合間にずっと考えてる。今度はいつ行けるかなー。

 

 

<キャスト>

 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト: Oedo Kuipers ウード・カイパース
レオポルト・モーツァルト: Thomas Borchert トーマス・ボルヒャート
ヒエロニムス・コロレド: Mark Seibert マーク・ザイベルト
コンスタンツェ・ヴェーバー/ニッセン: Franziska Schuster フランツィスカ・シュスター
ナンネール: Barbara Obermeier バーバラ・オーバーマイヤー
ヴァルトシュテッテン男爵夫人: Ana Milva Gomes アナ・ミルヴァ・ゴメス
セシリア・ヴェーバー: Brigitte Oelke ブリギッテ・エルケ

 

 

モーツァルト! 2015年新演出版プログラム

 

「モーツァルト!」特集号 世界各国公演写真集

 

モーツァルト!ウィーン版キャストアルバムCD

 

モーツァルト! 楽譜(ソングブック)

 

モーツァルト!ウィーン公演 チケット代行

 

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