2015-10-17 07:04 | カテゴリ:モーツァルト!Mozart!

 

9月23日に上演された、ウィーン新演出版モーツァルト!プレビュー最終日の観劇レポです。プレビュー初日レポは「モーツァルト!Mozart! 」カテゴリからどうぞ。

 

<ヴォルフの性格>

 

いや、この新演出版のヴォルフって、才能を除けば、どこにでもいそうな若者なんだよね。約束守らなくて忘れっぽくて刹那的ではあるけど、初演や10週年コンみたいに、キレキレだったり、変人だったり、幼稚だったりする訳じゃない。

 

Yngveヴォルフはガラコで、10週年コンでは初演と同じ衣装でラスムスヴォルフを見たけど、どちらも破天荒でキレキレだった。ほんと今回はヴォルフはその辺の友達にいそうな感じ。

 

結構適当な性格で、今よければそれでいいや!って感じの、迷惑だけど周りにいそうなタイプ。親しい人は振り回されて大変だけど、本人悪気はないんだよね。本人はこの性格で損してるけど、それなりに勝手気ままではある気が。

 

そういえば、さっきのパパとの喧嘩→錯乱→星金リプライズのあとでウェーバー家が押し掛けてきて金の無心をするだけど、「もう自分のために作曲するんだ!」って、ウェーバー家を拒否るシーンがあるんだよね。これも「影からの自由」ってことかな。もちろん「安易な道」でも「自由」にこだわってるし。

 

ううむ。影が何を意味するのかは、これからの観劇で見極めよう。

 

<ヴォルフの役作り>

 

コロレドやアルコ相手の喧嘩で、相手が権威を傘に着て偉そうなこと言うと「えー!そんなの無理だよ!それ普通に考えたら失礼なこと言ってるよあんた!」って表情で、口を縦長に丸く開けるのがかわいいw

 

このヴォルフ結構好き。パッと見普通目で、実は適当で、けど悩むときはちゃんと悩む所はほんとその辺にいそうで、役作りがリアル。あとひょろひょろなのもいいw 身分を無視して、僕は音楽の世界ではプリンスだから、コロレドと同格!って言っちゃうところも好きw

 

<ヴォルフとコンスの関係>

 

ずぼらなヴォルフだけど、コンスとの関係はまた別。コンスとの関係は、慎重に、けど愛し合ってるって言うのは、二つのラブソングと、dich kennen♪前後のママとの関係(ママは早くベッドを共にして結婚を取り付け、金をむしり取れ!というが、コンスは「愛しているからそんなことしない」と反抗する)でよくわかった。

 

けど、ダンスはやめられない♪で、二人の関係が微妙になり、魔笛小屋でコンスとの旅行の約束を破り、決定的になるって感じ。コンス振り回されてかわいそう。

 

<レオポルト>

 

レオポルト。前回プレビューより良くなった。というか、前回はプレビュー初日のため、気を付けて歌っていた感じで、今回はもっと感情を込めてた。心を石に♪はやっぱり素晴らしい。愛を感じるなー。

 

愛と言えば、wo bleibt Mozart直後の雪のザルツブルク大聖堂前で、パパの肩揉みしながら、好きだよ!って言い合うシーンがホント好き。二人とも愛し合ってはいたのに、すれ違いすぎる。。確かにヴォルフも最後まで苦しみながら父を愛していた。

 

トーマスのレオポルトで必見なのが、星金!もう星金はトーマスにオペラグラス合わせてて間違いないです。聴きながらすごい絶妙な表情するから!静聴、困惑、焦り、怒り、反論しかけ、否定、拒否。歌のあとの会話の表情も素晴らしい!

 

いやー、親になってみたら、わかるんだよ、レオポルトの気持ちも。私の中ではレオポルトもコンスも、束縛親&悪妻のイメージだったけど、二人とも愛はあったのね。

 

パパはヴォルフの望む形の愛ではなかったけど、あれだけ浪費して約束守らない息子だと、仕方ない気も。コンスもヴォルフの適当さに呆れてダメになったし。結局刹那的なヴォルフの性格が諸悪の根元?w適当な性格ではあるが、やっぱり憎めないヴォルフ。

 

<コロレド>

 

コロレド。マークもよくなってる。Zauber der Musikのsikのサプライズ感は今日の方があった。コロレドもヴォルフの前では嫌なやつだけど、一人で楽譜読んでるときは没頭して浸ってて、なんかいいキャラw脳みそ持ってきてもうるさい!ってとことか、音楽に負けてるの自覚してる。コロレドとヴォルフの関係が、ムキムキとひょろひょろなのもいい。

 

そういえば、コロレドのタンゴは必見。仮面が出てくる歌(ヴォルフの心理の中)で、ウェーバー母とかっこいいタンゴを踊ります。マークのタンゴ、豪快で好きかも。

 

なんか、コロレドやレオポルトなど、みんな悪い人じゃなくて、かなり奥行きのある性格に役作りされてるのが、たぶん私がこの作品が好きな理由なのかな。心理描写が細かく、状況でちゃんと変化している。とても絶妙な構成。

 

<ナンネール>

 

ちょっと今回のモーツァルト!で残念なのはナンネールかな。いや、歌は素晴らしいんだけど、役割的に。

 

赤いコートの歌がなくなったので(批評関連も残念がってる)、弟の仲良しな場面もないし、パバと共にヴォルフの親不孝を責める役割と言う意味では、パパと被ってしまってる。

 

弟を影ながら応援する、とかだとよかったのに。金がなくて結婚できない下りはかわいそうだけど、更に弟を責めることに。。

 

最後はメグジリー的役割だけど、あそこでder Prinz ist fort♪が流れると、更に親不孝っぷりが。。

 

ああ、今わかったけど、あれは「(世界にとって音楽の)王子が去った」ってことなのか!単なるナンネールの恨み節かとw

 

史実のナンネールは、母の地元のサンクトギルゲンの年上判事の元に嫁ぎ、イマイチ愛のない、楽しくない人生を過ごした模様。成人した唯一の息子はレオポルト(舞台でパパがコロレドに言うよね)。コンスタンツェやウェーバー一家にはいい感情を持っていなかったらしい。お墓はザルツブルクにある。

 

なんとなくナンネールはパパのそばにはいるけど、弟を応援してるのかなと思ってたけど、結局家族の中で悪者は、母の死の原因になり、父と喧嘩別れし、家を出ていったヴォルフになるのかな。なんかやりきれないな。

 

ナンネールとレオポルトの関係は、共依存を感じた。天井の低いザルツブルクの自宅の背景が秀逸で、どこにも行けない閉塞感、堂々巡り、みたいな気持ちを、あの背景一枚でよく表していたと思う。

 

まあ、家を出ていくものは、残される家族にとっては親不孝になるわけだけど、あれだけ「星を掴みに行け」と言わせておいて、家族納得してないじゃん。

 

<アマデ>

 

プレビュー一回目の影を逃れて♪でヴォルフがアマデに血を抜かれた時、授乳と重なって泣けたんだけと、2回目は授乳イメージなかったのはなぜかなーと思ってたんだが、一度目のアマデは男の子で、2度目は女の子だったからだ!アマデは男女2人ずつの配役なので、毎回結構印象が変わってくるかもしれません。この日はプレミアと同じSophieでした。ちなみに、アマデのセリフは一言Halt!だけ。

 

 

<キャスト>

 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト: Oedo Kuipers ウード・カイパース
レオポルト・モーツァルト: Thomas Borchert トーマス・ボルヒャート
ヒエロニムス・コロレド: Mark Seibert マーク・ザイベルト
コンスタンツェ・ヴェーバー/ニッセン: Franziska Schuster フランツィスカ・シュスター
ナンネール: Barbara Obermeier バーバラ・オーバーマイヤー
ヴァルトシュテッテン男爵夫人: Ana Milva Gomes アナ・ミルヴァ・ゴメス
セシリア・ヴェーバー: Brigitte Oelke ブリギッテ・エルケ

 

 

モーツァルト! 2015年新演出版プログラム

 

「モーツァルト!」特集号 世界各国公演写真集

 

モーツァルト!ウィーン版キャストアルバムCD

 

 

モーツァルト! 楽譜(ソングブック)

 

モーツァルト!ウィーン公演 チケット代行

 

応援クリック ありがとうございます!

 

関連記事
秘密

トラックバックURL
→http://wienok.blog119.fc2.com/tb.php/1852-cef4cbdf