2015-02-22 06:48 | カテゴリ:美術館・博物館

欧州二番目の磁器工房、全て手作りの高級食器アウガルテンの工房見学レポ、第5段です。今回はアウガルテン磁器工房の見学ツアーレポです。

 

●磁器工房見学ツアー

 

実は私は、一週間前に直営店と博物館のみ見学していて、「アウガルテンの食器って、こんなに小さいののこんなに高価で、なんて偉そうなのー!」って、ちょっとこの値段に高飛車な印象を持ってました(高級ショックなんて普段触れる生活してないので。。(汗)

 

ところが、工房見学して急にそのネガティブなイメージが吹っ飛んで、とってもかわいく、愛着を感じるようになりました。

 

職人の皆さんが気持ちを込めて全ての工程にこだわり、手作りしているのを見てしまうと、キラキラした直営店に並んでいる姿よりも、なんだか素敵に見えてしまいました。

 

というわけで、直営店や博物館目当てで来られる方も、ぜひ工房見学ツアーに参加してみてください。アウガルテンのイメージが変わるかもしれません。

 

ガイドツアーは10:15と11:30の一日二回で1時間。説明は基本ドイツ語ですが、頼めば英語も可。日本語は説明の冊子をもらえます。説明のお兄さんとても親切で、質問にも丁寧に答えてくれ、妊婦(当時)の私にも優しかったです。内部撮影は基本的に不可。

 

まずは工房の歴史や素材の説明を受けた後、置物の工房、食器の工房、窯、絵付け工房、セカンドランク即売、博物館自由見学と進みます。工房は職人さんたちが仕事をしているのを、間近で眺めることができます。

 

・歴史、素材、型

 

レジの横の扉から工房に入ると、まずはアウガルテンの歴史、素材、型などの説明を受けます。(ここのみ撮影可。ちなみに、昔は工房も撮影可だったんですが、試作品のデザインを盗まれる危険性があることから、最近になって撮影が禁止されたとのことです。)

 

素材(白い石や粉)はハンガリー産など。アウガルテンで重要なのはオーストリアの最高級の水で、これでなければ作れないそうです。ハプスブルク帝国の隅々から素材を厳選しているようで、広大な領土を持っていた帝国ならではですね。

 

IMG_6325_thumb1

こちらが磁器の素材

 

作り方には二種類あります。皿などの平たいものは、堅めの粘土をロクロで回る皿型に載せて、30分後に型から外します。高さのあるコップや置物などは、粉を水で溶かしたのどろっとした液体を型に流し込み、周りが固まったら中の液体だけ取り出すやり方です。

 

どちらも形ができたら一度焼き、釉薬に通して再度1400度で焼きます(どちらも24時間窯で)。

 

IMG_6327_thumb1

型を作るための工房

 

IMG_6331_thumb2

奥の四角いのが型を作るための道具。手前の半円の立体が、花瓶を作る型です。

 

IMG_6328_thumb

型を使って、このような高さのある磁器を成形します。

 

粉を溶かした液体を型に入れて自然乾燥させ、内部がまだ液体のうちに取りだし、成形されたのが一番左。形を整えたのが中央。窯焼きして縮んだのが右。

 

・置物や食器の成形

 

ここからは残念ながら写真はありません。。

 

職人さんたちが、置物や食器の成形や絵付けをしているのを、間近で見学することができるのですが、その手作りの妙技に息をのみます。一つの皿を作る工程だけでも、気が遠くなりそうです。

 

例えばスペイン乗馬学校の馬の像は、60個の部品からできていて、型に入れて作ったあとでくっつけます。

 

Courbette

 

像の細部の付け足しと、皿の形成と色付けを間近で見せてもらいましたが、まさに職人技。筋肉に浮き上がる血管のような細部がリアル。

 

食器の部屋では、回るろくろに生地を置いて、指でサラーっと触っていくうちにお皿の形になって、それを糸のようなものでろくろから外すと言う作業を横から見せてもらいましたが、なんだか魔法の様できょとんとしてしまいました。

 

もちろん全部手作業なので、高価なのも納得。型ですら30回使ったら作り直します。繊細な作業なので、途中で壊れることも多いです。磁器は焼くと何パーセントか縮むので、そこで割れてしまったり、窯に入っている間に倒れて割れてしまったりするそうです。

 

窯焼きのオーブンも見せてもらいました。正式に焼く大きな窯の他に、小さ目のものもあり、こちらは試作品などに使用されるとか。

 

窯焼きの部屋に大量に置かれた、絵付け前の真っ白な磁器が並んでいる様子は壮観でした。

 

・絵付け

 

次は絵付け見学です。絵は伝統的な描き方があり、薄く転写してから手描きします。

 

絵付けは色や模様によっては6回も窯焼きする場合も。一色塗って窯焼きしてから上から絵を描くと、失敗しても最新のだけ消すことができるそうです。

 

IMG_6338_thumbIMG_6335_thumbIMG_6337_thumb

写真撮影は禁止でしたが、作業の写真の写真を撮らせてもらいました。

 

工程の最後には必ず、アウガルテンのシンボルとして、ハプスブルク家の楯の紋章と、手作りであることを証明する固有ナンバーを入れます。皿の裏のナンバーは、形、絵柄、作者。このナンバーを記録しておくと、割れてしまった場合に、アウガルテンに問い合わせたら、同じ型と絵柄のものを再度購入できます。

 

IMG_6366_thumb

こちらが楯の紋章(ナンバーは入っていません)

 

・品質保持

 

焼きあがったら必ず、品質チェックがあります。一級品は店舗へ。二級品は店舗には出回らず、年一度の二級品市か、ガイドツアーでしか買えません(マイセンと違って、二級品は通常それ以外では出まわりません)。価格は通常の半額。三級品はなく(ブラックマーケットで取引されないよう、破棄される)、四級品は絵の練習用に使われるそうです。

 

・感じたこと

 

皿一枚最低でも1万五千円(もっと?)の世界は、こんなに手作業だらけだったのかーと驚きました。逆に言うと、機械化されてない皿ってこんなにめんどくさいってことですよね。。

 

世界的に有名な磁器工房で働いてるのがたった34人(うち絵付けが14名。研修期間が3年。)っていうのも驚き。レア度上がりまくり!時間の流れ方が全く違い、普段垣間見れない世界でした。

 

(次は、実際にアウガルテンの磁器を買ってみました)

 

 


エリザベート ウィーン版2012年新キャストCD


エリザベートウィーン版2枚組CD


エリザベートウィーン版DVD

 

応援クリック ありがとうございます!

 

関連記事
秘密

トラックバックURL
→http://wienok.blog119.fc2.com/tb.php/1757-3efdd568