2015-02-10 06:44 | カテゴリ:劇場紹介

さて、ウィーンミュージカルの補助金と人事の裏話第二段は、ようやく補助金の内訳に移ります。

 

●文化政策と補助金

 

ウィーンミュージカルのチケット代が、日本やドイツより安いのは、ひとえに補助金のおかげなんです。

 

ドイツのSE(ステージエンターテイメント、こちらも劇団四季的な巨大ミュージカル企業)は補助金なしですが、ドイツのチケット代は日本並みで、オーストリアの安いチケットとは比較になりません。

 

VBWへの補助金は現在40ミリオンユーロ強。去年はすったもんだがありましたが、オケ救済のために増えました。

 

VBWの観客一人あたりの補助金は66ユーロです。つまり、チケット一枚分の値段は、補助金がなかったらさらに66ユーロも高くなるはずなんです。それだけプロダクションにはお金がかかっているのに、チケット代は安く抑えられている、ということになります。これもすべてオーストリア人の血税なんですね。。(観光客のホテル税とかもあると思いますが)

 

tren_1411_Theatersitz_thumb1

Topjobs f・ die Vereinigten B・nen Wien werden ausgeschrieben • trend.atより引用

 

このグラフによると、VBWの観客一人当たりの補助金は66ユーロですので、国立オペラ座(98ユーロ)やブルク劇場(107ユーロ)、グラーツのオペラ座・劇場(122ユーロ)より、かなりましな状況になっています。オペラ一回見たら、実際のコストは一人当たり98ユーロもプラスでかかってるって事!あのクオリティのものをあの値段で見られるなんて、なんという贅沢!

 

IMG_6702

ウィーン国立オペラ座の内部は豪華絢爛!

 

まあ、オペラ座とかはレパートリー制なので、セットの数や入れ替え、スタッフも多いでしょうし、スターオペラ歌手のギャラはミュージカルスターの何倍もするでしょうから、ミュージカルへの補助が少なくて済んでるのも当然と言えば当然でしょうか。

 

これだけ大量の補助金を使う以上、国の文化に貢献すべきで、キューティー・ブロンドのようなウィーンと関係ない(?)作品は不要だとの意見も政府側から出ていて、採算の取れそうな大衆的な作品を上演するか、ウィーンをアピールするようなコストのかかる新作(モーツァルト!、シカネーダーや第三の男など)を上演するか、作品選択は難しいところです。

 

今回の補助金と文化政策が示しているのは後者で、この数年の「採算の取れるウィーンと関係ない作品」路線から、「多少コストがかかっても、ウィーンをアピールして観光客を呼び込める作品」路線に、方針が転換するところです。

 

●中央駅劇場建設案

 

南駅がウィーン中央駅として大改装され、去年オープンとなりましたが、その時に「中央駅劇場」(仮)がVBWによって建設されるという噂がありました。

 

この中央駅劇場は、記事によれば70ミリオンユーロの事業です。補助金は貰えなかったですが、民間企業の援助で建てる構想はまだ生きているとのことです。

 

注目は2018年にDrozda氏の後任になる人物の技量と、S氏とG氏の監督職が統合されるかどうか。来年の選挙も予算編成に影響を及ぼすので、今書いたことは全てがらっと変わる可能性もあります。

 

●ロナハー劇場の上演形態が変わります

 

こちらの記事は、新作FendrichのI am from Austriaに特化した記事ですが、VBWの補助金と、ロナハー劇場の上演形態やアンデアウィーン劇場の将来についても記載があります。

 

"I am from Austria": Rainhard-Fendrich-Musical geplant « DiePresse.com

 

VBWの補助金が上がり、Ronacherはロングランではなく、1シーズンに2作品上演する形式に切り替える予定と書かれています。

 

2015-6年上演予定では、Ronacher劇場ではガラコンとエビータが予定されていますが、エビータは3か月と短期です。作品の回転をよくして、客入りが悪くなってからロングラン打ち切りを決める、という方式を実験的にやめてみるようです。たくさんの作品を見ることができてうれしい反面、チケットは取りにくくなるかもしれません。

 

390x293_EV_Start_thumb

 

またこの記事では、アンデアウィーン劇場返却にも一言。Drozda氏は「可能性の一つ」と言っているが、TadW総監督G氏は「今のTadWのポジションが理想的」と否定。って、同じ会社の中で意見が違うしwしかし、以前より返却の可能性が上がってきた?0ではないし、補助金と人事次第という感触です。

 

(次回、最終回は、今回の決定を受けての今後の方針の考察です)

 

(関連記事)

2015/01/11 モーツァルト!ウィーン再演決定!!

2015/01/23 2015-16年ウィーンミュージカル公演情報①ミュージカル作品

2015/01/25 2015-16年ウィーンミュージカル公演情報②コンサート

 

アンデアウィーン劇場の再演エリザベートと言えばこちら↓

エリザベート ウィーン2005年版 コレクターズエディションDVD <3枚組DVD>
 

モーツァルト!再演したら、新バージョンのCDも楽しみです。

 

モーツァルト!ウィーン版キャストアルバムCD

 

モーツァルト! 楽譜(ソングブック)

 

モーツァルト!ウィーン公演 チケット代行

 

 

応援クリック ありがとうございます!

 

関連記事
秘密

トラックバックURL
→http://wienok.blog119.fc2.com/tb.php/1752-280bd875