2014-12-21 01:10 | カテゴリ:クリスマス

●Christkind


さて、サンタクロースの出自のお話はここまでにして、オーストリアで12月24日にプレゼントを運んできてくれるChristkind(赤ちゃんのキリスト)のお話をしましょう。


宗教改革によって聖人の存在が疑問視されていたため、プロテスタントの世界では聖ニコラウスに代わるクリスマスのキャラを求めていました。そこで作り出されたのがChristkindです。

 

クリスマスにプレゼントを配るのは聖ニコラウスに代わって、突然、赤ちゃんの姿をしたキリストとなったのです。(聖ニコラウスはどちらにしても12月6日に小さなプレゼントをくれる習慣として別に残りました。)

 

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クリストキントのイメージ

 

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クリスマスマーケットなどのオープニングでは、きれいなお姉さんがクリストキントを演じることが多いです。

 

また、ウィーンで有名なクリスマスマーケットも、ドイツ語ではクリストキンドルマルクト(Christkindlmarkt)といいます。


●Weihnachtsmann(クリスマスおじさん)

 

聖ニコラウスの伝承を元にして出来上がり、オランダ人とイギリス人を通してアメリカに渡り、コカ・コーラの宣伝で有名になったサンタクロースは、ヨーロッパに逆輸入されるまでになりました。


現在、オーストリアでは、Weihnachtsmann(クリスマスおじさん)とは、サンタクロースを指すことがほとんどです。

 

ただ、今でもオーストリアでは伝統的に、プレゼントを持ってくるのはクリストキントであり、サンタクロースは「キャラとしているだけ」の存在のようです。

 

例えば、クリスマスマーケットに行けば、サンタクロースの柄のツリーのデコレーションなどが並んでいますが、実際にクリスマスマーケットの開会を宣言したり「仕事」をするのは、クリストキントと決まっています。


 

 

 

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『我々はクリストキントを信じる』と言う標語と共に、サンタクロースにダメダメマークが付いています。多くのオーストリア人は、この気分です。

 

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かというと、きれいなお姉さんのクリストキントと、サンタクロースが仲良くしてることもあります(笑)。

 

●まとめ


なんか調べてるうちにやたら長くなってしまいましたが、本当に奥の深い話です。もしかしたらここに書いたのは一説に過ぎず、他にも色々な説があるかもしれません。


今回調べていて面白かったのは、これだけの資料がありながら、クリスマスにプレゼントを贈る習慣とキリスト生誕とのつながりがないということです。プレゼントを送り始めたのは、聖ニコラウスで、こちらの方が有力な伝統でした。

 

(キリスト生誕後しばらくして、没薬、乳香、金の宝物を贈りににやってきた、東方の三賢者が、プレゼントの習慣の一端という説もあります。)

 

今では、キリストの誕生日をお祝いしてみんなでプレゼントを贈りあうと言うのが定説になっていますが、かろうじて存在するクリストキントの習慣ですら、後になってプロテスタントが勝手に作り上げた風習と言うことになっています。


それに、プロテスタントが必死で聖人伝説を否定しようとしても聖ニコラウスの伝統が残ってしまったオランダや、カトリックの国であるのにクリストキントの習慣があるオーストリアなど、宗教の影響にも耐えた土着の習慣があると言うことは興味深いことだと思いました。

 

また、このクリストキントの習慣は、ドイツ語圏ではオーストリアと南ドイツだけで、他のドイツではまた違うようです。言語圏と文化圏が一致しない面白い例ですね。

 

ヨーロッパの他国では、またクリスマスの祝い方が全く違います。またそのうち、ヨーロッパ各地でのクリスマスの祝い方を比較した記事も書いてみようと思っていますので、お楽しみに!

 

 

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