2014-09-23 06:34 | カテゴリ:モーツァルトの歴史

ウィーンミュージカル専門店「ウィーン・ミュージカル・ワールド」では、ウィーンを中心にした海外ミュージカルのCDや楽譜を主に扱っていますが、時にはバレエやクラシックのCDや、絵本などのお取り寄せのお問い合わせが来ることもあります。

 

 

そのお問い合わせがまた、結構私のツボにはまったりするので、つい聞かれたことを調べまくって、謎解きみたいになったりします。

 

今回は、そんなお客様からのお問い合わせ(謎解き?)をご紹介しますね。

 

まず、お客様からのご質問はこんな感じでした。

 

===

 

モーツァルトのCDで、モーツァルトが実際にひいていたチェンバロで演奏されたものが、生誕100周年を記念して10年ほど前にオーストリアで製作されたようなのですが、インターネットで探しても見つからず探しています。

 

こちらはミュージカル専門のお店でいらっしゃると思うのですが、このようなCDは扱っていらっしゃるのでしょうか。

 

===

 

なんとも、私のモーツァルト歴史マニアの興味をそそる質問ではないですか!モーツァルトが実際に引いたチェンバロを使って録音したCD!めっちゃ面白そう!

 

チェンバロを弾いているモーツァルトの絵

 

有名なモーツァルト一家の絵。こちらも弾いているのはチェンバロ。

 

というわけで、情報網を駆使して探し回ってみたところ、ありましたありました!

 

モーツァルトのチェンバロ情報だけでなく、こういう古楽器専門の演奏者がいて、マニア的に愛でているという世界が見えてきて、とっても面白かったです。

 

というわけで、私の回答はこんな感じです。

===

 

モーツァルトのオリジナルチェンバロのCDについてのお問い合わせ、ありがとうございます。

 

「モーツァルトイヤーである2006年に製作された、モーツァルトのCDで、本人が実際に弾いていたチェンバロを使って収録されたアルバム」とのことでお調べいたしましたところ、それらしきものが見つかりましたので、お知らせいたします。

 

Siegbert Rampeという古楽器の演奏家が、フォルテピアノ、クラヴィコード、チェンバロなど、モーツァルト時代の古楽器を使って演奏したアルバム「モーツァルト:鍵盤作品全集シリーズ全12集」の8集目(2006年発売)です。

 

5144tP VphL._SX425_

 

曲目は以下のようになっています。(太字部分が該当のモーツァルト時代のオリジナルチェンバロを使って演奏された曲)

 

主題 ハ長調 KV Anh.38(KV383c)、6つのドイツ舞曲 KV509
グルックの歌劇「メッカの巡礼」のアリエッタ「愚かな民の思うには」による10の変奏曲 ト長調 KV455
コントルダンス「雷雨」 KV534a
<以上、フォルテピアノ:B.&Th.ウォルフ1992年製作/ヨハン・シャンツ1795年頃製作のモデルによる>
メヌエット ヘ長調 KV4(ナンネルルの音楽帳より)
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15m、同 ハ長調 KV15n
メヌエット ヘ長調 KV5(ナンネルルの音楽帳より)、12のメヌエット KV176
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15a、同 ハ長調 KV15b、同 ト長調 KV15c、同 ニ長調
KV15d
<以上、クラヴィコード:A.ウィンクラー2003年に製作/.D.シードマイヤー1796年製作のモデルによる>
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15v
同 変ホ長調 KV32/14(「ガリマティアス・ムジクム」より)
ソナタ イ長調 KV331(300i) 「トルコ行進曲付き」
<以上、チェンバロ:Burkat Shudi 1771年製作のオリジナル

 

ドイツ語のタイトル一覧はこちら

61M-iU85bWL

 

このうち、フォルテピアノとクラヴィコードは、当時のモデルをレプリカで再現したものが使われていますが、最後の二曲に使われているチェンバロは、1771年に製作されたオリジナルの楽器です

 

モーツァルトが実際に使った楽器であるかは推定と言われていますが、当時のモデルであることは確実です。(詳細後述)

 

このアルバムに使われている古楽器の詳細は、当CDの冊子に英語、フランス語、ドイツ語で記載されています。

 

 

最後のK331は「トルコ行進曲」を含み、21分と収録時間はこのCD最長です。また、演奏としてもとても評価が高く、一聴の価値はあるようです。

 

録音はスイスで、レーベルはドイツのものです。

 

 

演奏者のRampeは古楽器の演奏者であると同時に音楽史の研究科でもあり、当時の楽器をなるべくそのまま、当時の演奏形式に近い形式で演奏するといった演奏法はかなり特殊と言われています。

 

お客様がおっしゃった、2006年という年も一致しますし、他にこのようなことをするような演奏家がいないことからも、おそらくご指摘のアルバムはこれではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

 

====

 

というわけで、無事お客様が探していたCDを見つけることができ、お取り寄せにてお買い求めいただきました。ずっと探されていたCDのようで、とても喜ばれていたのが嬉しかったです。

 

そして、この『オリジナルのチェンバロ」の謎解きは更に続きます。

 

 

ウィーン・ミュージカル・ワールド」では、音楽の都ウィーン在住のネットワークと語学力を生かして、できるだけお客様のご希望に合った商品を、ヨーロッパ内くまなくお探しします。

 

もし、長年お探しの品がありましたら、ぜひお問い合わせください♪

 

 

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