2015-09-28 06:46 | カテゴリ:皇太子ルドルフの歴史

さて、前回ワイルドホーンのミュージカル「ルドルフ」ウィーン版のDVDレポを書いたわけですが、やっぱり史実>恋愛展開のほうが性に合う私としては、もうちょっと分析してしまいます。

 

●「ルドルフ」がウィーンで受けなかった理由

 

多分、この作品がウィーンで受けなかった最大の理由は、やっぱりこの史実完全無視な展開でしょうね。

 

史実に馴染みのない人が見たら、まあ時代に翻弄された若いカップルの悲劇と見れなくもないけど、史実を知ってたら、恋愛で浮ついてるのに逆に引いちゃうと思う。

 

ちょうど2006年に、オーストリアでは鳴り物入りで「皇太子ルドルフ」のテレビ映画が放映されたの。ミュージカル「エリザベート」の原作を書いた歴史家ブリギッテ・ハマンが監修を務め、ホーフブルクとシェーンブルン宮殿で撮影された「史実にできるだけ近い」ルドルフの物語。

 

「皇太子ルドルフ」テレビ映画DVD

 

当時の歴史をできるだけ正しく復元するように作られた作品で、マリーとの恋愛も、「ルドルフ」の原作A Nervous Splendorにあった程度の扱い。

 

このテレビ映画は何度も再放送されたし、ミュージカル「ルドルフ」が上演された2009年には、ほとんどのインテリや歴史好きが一度は見てた。(私も結局狙ったわけでもないのに偶然2回も見た)

 

この映画がなければ、ウィーン人もそれほどルドルフの史実にこだわりはなかったかもしれないけど、見ちゃったら、同じテーマを扱ってるだけに、ミュージカルの無理のあるロマンチックさに突っ込まざるを得なくなっちゃうわけ。

 

ミュージカルは作詞作曲がアメリカ人な上、自国の史実がゆがめられているのを目の当たりにしちゃうわけだし、なんだか「それはちょっと違うのでは。。」っていう気になるのもわかるよね。

 

ミュージカル「エリザベート」が逆に、オーストリア人が持っていたロミ・シュナイダーの「シシィ三部作」のロマンチックでかわいらしいイメージを、史実に基づいたダークな物語でぶち壊して、オーストリア人の人気を勝ち得たけど、「ルドルフ」は史実を超えられなかった、ってわけね。

 

というわけで、せっかくなので、この「皇太子ルドルフ」のテレビ映画(ミュージカルではありません)も、ショップに並べてみました。

 

「皇太子ルドルフ」テレビ映画DVD

 

ホーフブルクやシェーンブルンで撮影された映像のリアリティは一見の価値ありです。行ったことある場所ばっかり!

 

王宮のシーンで馬車が着くのは、ブルクカペレの横の階段だったり、シェーンブルン宮殿の舞踏会のシーンもまさにあのバルコニーからグロリエッテを背景に撮ってたり!もう、なじみの場所が出て来るだけでも興奮します。

 

シシィ(もうおばさんと言える年齢)も、ちょっとまたイメージが違ったリアルな感じで、刺青を入れてる姿まで見れてしまいます(←意外な史実)。

 

おまけに、ルドルフ役のMax von Thunは、フランツヨーゼフの後継者でサラエボ事件で暗殺されたフランツ・フェルディナンドの妻ソフィ・ホテクの末裔(大叔母さんがルドルフの親戚だった)です。ルドルフが自殺してなければ、フランツ・フェルディナンドが殺されることもなかったと思うと、なんだかめちゃくちゃリアルですよねー。

 

というわけで、やっぱり「ノンフィクションの史実>フィクションの恋愛」って感じで見ちゃうわけですが、ミュージカルもとってもきれいにDVDにまとまっていて、オススメです。

 

もしミュージカル「ルドルフ」を見て史実に興味を持ったら、原作やテレビ映画でもっと当時のことを知ってみてください。恋愛だけじゃなくて、文化的、社会的にもとっても面白い時代です。

 

 

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