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引き続き、JCS7つの疑問に答えていきます。今回は以下の11~13,主にユダの裏切りに関する箇所です。今回でこの濃いいお話も最終回!お疲れ様でした!

 

【疑問7】なんで「自分で治せ!」なんて冷たいこと言うの?
【疑問8】太宰治の「駆込み訴え」についてどう思う?
【疑問9】「神の子」って何?
【疑問10】聖書、JCS、四季版JCSそれぞれのジーザス、ユダ、マリアの立場
【疑問11】ユダがどの時点で自分の役目を理解したか?
【疑問12】聖書ではユダの裏切りのタイミングはいつ?
【疑問13】映画版のユダの裏切りの心境は?

 

===

 

【疑問11】ユダがどの時点で自分の役目を理解したか?

 

私が見た舞台版で(以前引用しましたが)、Jaded Mandarineのシーン(最後の晩餐のあと、ユダを追い出すところ)で、ジーザスがThey are waiting!!!!と言った時にユダがはっとするんですよ!!!

 

ジーザスが「彼らが待っている」ことを知っていると言うことは、「彼ら」が誰か、ユダが既に裏切って手はずがすんでいることなど、ある程度知ってると、ユダも気がついたんね。つまり、ジーザスが計画を事前に知っていた=自分が裏切るとジーザスは知っていて、いつ誰に密告するかも知っている、と言うことになり、ここで、ユダは、ジーザスが成り行きを知っていてユダにやらせた、と気が付いたと考えています。

 

まあ、これは、それぞれの演出や演技によって違うと思いますが、このときのユダのひるみ方が普通じゃなかったので印象的でした。ジーザスも悲痛で「もうどうなるか分かってるけど、やるしかないんだ!やってくれ!!!」みたいな悲鳴のような歌声でした。

 

でも、実はこのシーン、ユダとしては、実際に引き渡す直前と言うこともあり、ここでもう一度ジーザスと話し合い、もしジーザスが優しい言葉をかけてくれていたら、引き渡すのをやめようと思っていたような気がします。

 

なのに、他の使徒の前で「やつが裏切る」とか言われて、ほんと面目丸つぶれですよね。。それに、なんと、この期に及んでユダはこの計画を止めることを提案してるんですよ!!(What if I just stayed here And ruined your ambition.)歌詞見てびっくりです。。

 

そりゃ、ユダが裏切らなかったら、せっかくエルサレムまで来て全部神様の計画がおじゃんですよね。。それに、ユダはこの辺りでは既に、誰かが裏切らなければならないことは気が付いていて(Someone has to turn you in.)、それが自分であることに腹を立てているようです。

 

最後の晩餐後半の歌詞
JESUS

Peter will deny my in just a few hours.
Three times will deny me,
And that's not all I see.
One of you here dining,
One of my twelve chosen
Will leave to betray me.

JUDAS

Cut the dramatics!
You know very well who.

JESUS

Why don't you go do it?

JUDAS

You want me to do it!

JESUS

Hurry, they are waiting.

JUDAS

If you knew why I do it

JESUS

I don't care why you do it!

JUDAS

To think I admired you.
Well now I despise you.

JESUS

You liar. You Judas.

JUDAS

You want me to do it!
What if I just stayed here
And ruined your ambition.
Christ you deserve it.

JESUS

Hurry, you fool. Hurry and go.
Save me your speeches,
I don't want to know. Go!

APOSTLES

(略)

JUDAS

You sad, pathetic man, see where you've brought us to,
Our ideals die around us and all because of you.
But the saddest cut of all:
Someone has to turn you in.
Like a common criminal, like a wounded animal.
A jaded mandarin,
A jaded mandarin,
Like a jaded, faded, faded, jaded, jaded mandarin.

JESUS

Get out they're waiting! Get out!
They're waiting, Oh, they are waiting for you!

JUDAS

Every time I look at you I don't understand
Why you let the things you did get so out of hand.
You'd have managed better if you had it planned...
Oh....

 

さらに、「ユダの死」ですが、歌詞を見てるといろいろと読めてきます。最初は I only did what you wanted me too「裏切りはジーザスの意志である」と言っています。

 

しかし、徐々に神が絡み始め、自殺直前にはGod, God I'm sick. I've been used, And you knew all the time.「神よ、私は利用された。そしてあなたは最初っから知っていた」 God, God I'll never ever know why you chose me for your crime.「神よ、あなたがなぜ私をこの犯罪の下手人に選んだのか、私には決して理解できないだろう」と、言っています。つまり、神は誰が裏切るか、最初っから分かっていたんですねー。

 

そのことをジーザスが知っていたかどうかは謎ですが、少なくとも晩餐での大喧嘩のシーンでは既に知ってたんでしょうね。。

 

私は、ジーザス自身が、裏切る人間はユダだと選んだような気すらします(そして、神はジーザスがユダを選ぶと知っていた)。ここでの裏切りは、磔につながる非常に重要な仕事です。

 

神プランから言うと、裏切りが失敗したら全てがおじゃんになるので、信頼できる人物に確実に裏切ってもらわないと困ります。そこでジーザスは、使徒の中でも一番信用できる親友ユダに白羽の矢を立てたのではないかと思います。これは、残酷でもあり、一方で、信頼の証でもある。

 

ジーザスとしては、こんな大事な仕事を任せられるのは、ユダしかいなかった。つまり、「愛」や「友情」につながる感情だったのではないかと思います。そういう意味で、ジーザス→ユダへの愛も根底に流れていると思います。

 

ただ、実際に裏切りが始まってみると、ユダが自分の役目に半信半疑で苦しんでいる。うまいことジーザスを憎ませて裏切らせたら神プランは成功するのに、最後の最後になってもユダは悩んでいる。それも、キリスト教の説く「愛」故に苦しんでいる。

 

そんなユダを見てジーザスは神プランの残酷さを実感し、自暴自棄になってI don't care why you do it!とかYou liar.とかとか、「もうどうでもいいからここまで来たら早く済ませてくれ!」みたいなキレ方をしたんじゃないかと思います。ジーザスとユダとの間のすれ違う愛情の悩みがゲッセマネであるといえます。

 

最初は嬉々として神プランの実行者として活動していたジーザスですが、話が進むうちにユダを裏切らせて苦しませてしまい、どんどん、神プランの遂行が正しいことなのかが分からなくなってきていたんだと思います。(Then, I was inspired. Now, I'm sad and tired. )

 

つまり、神様の残酷なプラン(ユダヤ教の神は結構残酷なことも平気でします。。)を着々と実行していたジーザスが、ユダの愛に触れて人間らしい感情を持つようになる、と言うシナリオも可能かと思います。ユダを裏切らせてしまい、ジーザス自身かなり辛かったんだと思います。

 

こうなると、スーパースター♪でユダがジーザスの死について歌っている箇所(Did you mean to die like that? Was that a mistake, or Did you know your messy death would be a record breaker?)っていうのが、既に私たちの大きな疑問を問い掛けているともいえます。

 

「こんな風に死ぬつもりだったのか?それともこれは何かの間違い?あんたのめちゃくちゃな死が歴史上の大記録になるって知ってたの?」ほんと、ジーザスはどこまで知っていたんでしょうね。。。

 

【疑問12】聖書ではユダの裏切りのタイミングはいつ?

 

(この疑問に対する答えは、数人のキリスト教徒兼JCSファンのかたとのやりとりをまとめています。聖書の福音書は4種類あり、それぞれ書いてある内容や時系列場がバラバラだったりするので、タイミングも福音書によって解釈がかわります。そんなわけで結論が尻切れトンボなんですが、議論としては面白いです)

 

「裏切り」は「サタンがユダに入った」という表現なんですねー。この「サタンの入るタイミング」をJCSに当てはめてみると、最後の晩餐以前に「入った」とすれば、事前にカヤパにチクリに行ったJCSのシーンのことでしょうし、ヨハネの福音書の最後の晩餐で裏切りを指摘されて「入った」なら、Jaded Mandarineのシーンのことでしょうねえ。まだ後戻りできる段階だったのに、あそこで最後の一押しが来て、裏切りの決心を固めたって感じなのかもしれませんね。

 

ところで、最後の晩餐を飛び出してから「キス」までってユダは何をしてたんでしょう?JCSを離れて考えると、ヨハネ版的には、この時にカヤパ達に初めて会いに行った可能性もあるんでしょうか?だとしたら、サタンはほんと、「ぎりぎりセーフ」でしたね。。

 

ううむ。色々と時系列で考えてみたら面白いですね。。

 

しかし、「罪の許し」の新約聖書の世界で、ユダの罪って許されないんでしょうか。。同じ「悪魔憑き」のマグダラのマリア(らしき人)は許されたのに。。ユダは最終的に自殺しちゃったから救われないんでしょうか。。

 

「ヨハネによる福音書」6章に、以下のような箇所があります。「わたしはあなたがた十二人を選びました。しかしそのうちのひとりは悪魔です。」

 

おお!!!12人のうち一人は仕込み!!!(爆)しかし、使徒を選んだ段階で一人は悪魔だって最初っからばらしてたら、仲間内で疑い合いになりそうですね。。それも、この時点ではユダはまさか自分が裏切るとは思ってなかったんでしょうねえ。。ここでの「悪魔」は、「悪魔に憑かれやすそうな人」みたいな意味だったら、後でサタンが入ってくる際の伏線になりますね。

 

それにJCS的に考えると、ジーザスは悪魔(この場合には裏切ってくれる人)を最初に仕込んで使徒を選んだと言うことにもなります。「神プラン」は既に回り始めていた。「神プラン」底なしに恐るべし、ですね。。


【疑問13】映画版のユダの裏切りの心境は?

 

映画版副音声で気になるところを抜粋してみました。

http://hal188.tripod.com/commentaries.html

 

・最後のバスに乗るシーン。それぞれの登場人物が夕焼けを見上げてバスに乗り込む。その中で、ジーザス(の役者)だけがいない。パフォーマンスとして始まったものが、何らかの「力」の影響を受けたという意味。

 

・最後のシーンの日没を撮影していた時、全く偶然に羊飼いが姿を現した。羊飼いはキリスト教のモチーフでもあるので、非常に象徴的だった。

 

・磔のシーンでは、突如大嵐になった。(普通イスラエルはほとんどと言ってもいいくらい雨が降らない。)テッド・ニーリーは磔になったまま、スタッフは「やつを下ろせ!」とシャウトしていた。そのまま撮影は続けられ、終わった直後に雲は晴れ、天気はよくなった。

 

解釈の助けになりそうな解説は、Bloody Moneyのところの以下のテッド・ニーリーの言葉です:

 

the fact is: it's looking at it from a whole another point of view. The internal elements that went on between the relationships, the personal relationships, between Judas and Jesus and Mary, and the Apostles. They were all friends, they all did something together, you see, as supposed to make it with pomp & circumstance, it's friends going through life, like my children are going through life right now. They're making decisions, on a daily basis about what is right for them. And now we see how they're affected by those decisions.

「ここで僕は、まったく別の視点、ユダとジーザスとマリアと使徒たちの間の人間関係の要素という視点から見てみる。彼らはみんな友達同士で、一緒に行動していたんだ。一緒に人生を歩む友達なんだ。毎日生活レベルで、彼らにとって正しことはなにか、決断を下している。ここで見えてくるのは、彼らがこういった決断に左右されていると言うことだ。」

 

"Do I take this? Do I throw it in their faces? Is Jesus doing the right thing? Do I know he's doing the right thing? I've watched him do the right thing, and now it's falling apart. I don't want to turn him in. But we could all use that money to feed the people who are starving in our village." Even while he's saying it,he's questioning, should I.

ユダはBloody Moneyの台詞を言いながらも、自問自答しているんだ。「俺はこのお金を受取ろうか?ヤツラの顔に向かって投げつけてやろうか?ジーザスは正しいことをしているのか?俺は、ジーザスが正しいと知っているのか?俺は彼が正しいことをやってきたのを見てきた。それが今はばらばらになっている。俺は彼を裏切りたくはない。でも、このお金を使って村で餓えている人たちを救うことができる」

 

ここでも、ジーザスと使徒たちの人間関係や、ユダの心境がわかりやすく解説してありますね。

 

こういった、出演者のコメントって、解釈の助けになりますよねー。もっとこの副音声でこんな風な役者の内面を解説してもらえたらよかったですが、これだけでもずいぶん参考になりました♪

 

 

 

●まとめ

 

というわけで、長々と語ってきた、JCS疑問に対する解釈ですが、色々な視点から、私の知識を総動員でまとめてみました。

 

もちろん素人解釈なので、間違っているところ、主観が入っているところもたくさんあると思います。第一私が四季版を見ていないので(私が日本にいた頃は全然やってくれなかった!)、皆さんと見ているもの、感じていることが全然違うかもしれません。それでも、ちょっとでも皆さんの解釈の参考になると嬉しいです♪

 

それでは、長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!最後にもう一度、合計13の疑問を並べて置きますね。

 

【疑問1】イスカリオテのユダはなぜジーザスを裏切ったか?
【疑問2】ジーザスはなぜ死ななければならなかったのか。
【疑問3】マグダラのマリアはどんな位置付け?
【疑問4】キリスト教団的にこの作品ってどうなの?
【疑問5】なんでキリストは復活するのに、ジーザスは復活しないの?
【疑問6】で、結局ジーザスって何なの?

 

【疑問7】なんで「自分で治せ!」なんて冷たいこと言うの?
【疑問8】太宰治の「駆込み訴え」についてどう思う?
【疑問9】「神の子」って何?
【疑問10】聖書、JCS、四季版JCSそれぞれのジーザス、ユダ、マリアの立場
【疑問11】ユダがどの時点で自分の役目を理解したか?
【疑問12】聖書ではユダの裏切りのタイミングはいつ?
【疑問13】映画版のユダの裏切りの心境は?

 

 

 

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