2013-11-20 09:14 | カテゴリ:フォルクスオーパーVolksoper作品

 

気にはなっていたものの、作品としてあまり好きなわけじゃないので後回しにするつもりだった、フォルクスオーパーのスウィーニー・トッドですが、レビューがとてつもなくいいのので、早速見に行ってきました。

 

すごいすごいすごい!!!Volksoperの実力がすごすぎて、もう唖然。この作品って、ほんと音楽命!なので、これだけ演奏してくれる豪華オケと、これだけ歌えるものすごい人材をこれだけ集められるVolksoperは、ハンパなくすごい!

 

みんなウィーンミュージカルと言えばウィーン劇場協会(VBW)のエリザベートやモーツァルト!を思い浮かべるかもしれないけど、Volksoperの底力は、ひょっとするとVBWを上回っているのでは?!

 

一応フォルクスオーパーはVBWとかぶらないように、古いミュージカル(マイフェアレディとか)をレパートリーにしています。おかげでウィーンでは新作も古い作品も見れて、何ともミュージカルファンにとっては贅沢な環境。

 

最近ちょっと個人的にツボにはまらないVBW作品ですが、フォルクスオーパーはドンピシャ率が高い!ほんとレベル高いわ。。

 

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これが公式写真。電車の中とか駅とかこのポスターが張られまくり。見に行く前は怖かったけど見に行った後はトッドのかっこよさを毎回チェックw

 

というわけで、レポ行きますー。

 

 

●つぶやきまとめ

 

とりあえず、観劇直後のつぶやきをまとめておきます。感想のダイジェストはこちらから。

 

VolksoperSweeny Todd。上の立ち見3ユーロ買って入ったけど、空席に座らせてもらった♪この作品、映画ではあまり好きになれなかったけど、生で見たらも、の、す、ご、いわーーーー!!クレイジーすぎるーー。けどなんか嫌いじゃないし心に残る。

 

まず、ソンドハイムの曲が見事!これを演奏したVolksoperのオケへの拍手が惜しみなかった!そして、オペラ歌手のSweeny Toddがかっこいいやらうまいやら。もう素敵すぎてクラクラ。肉屋のおばちゃんがDagmar Hellberg。ゾフィーから乗り換えで輝いてた!

 

お馴染みRobert Mayerも珍しい悪役で芸達者っぷりを発揮。トビアスの人がすっごいよかったー!オケの生の演奏が素晴らしい上、キャストの安定して高レベルなので、至福の観劇。それに演出が!鳥肌モノ!!!絶対リピート決定!

 

映画より残酷じゃないし、何よりあの難曲の生演奏の迫力が映画の比じゃない。すごいオケだわ。。映画の記憶がほとんどなかったおかげで、ラストもびっくりできたし、トビアスの演技が輝いてた!終わってからも彼のことを考えてしまうわ。深い作品よね。。

 

最近VBWが迷走気味で、イマイチツボをついてくれない中で、Volksoperの新作はどれもこれもレベルが高いし、ツボを突いてくる!最近の新作はどれもVolksoperの方に軍配が上がるわー。ウィーンにVolksoperがあってよかった。

 

映画のトレイラー見直してみたけど、映画はまじめ過ぎたわー。舞台はもっとコミカルなところの軽さがリリーフになってて、ストーリーより音楽に重点があったから、どよーんとなり過ぎず、舞台を芸術として楽しんだ感じ。

 

●映画版とか

 

一応ジョニー・デップの映画を2008年に見てたんですが、イマイチ好きになれなくて、印象に残る曲以外は完璧忘れてたwまあ、印象に残る曲が56曲あったので、かなり音楽は頭に入ってたけど、肝心の登場人物やエンディングが全く思い出せなかったww

 

覚えてたのは、スウィーニー・トッドが剃刀でばっさばっさやるっていうのと、肉屋のおばちゃんがいたことくらい。娘?恋人?狂女?なにそれ?って感じだったので、今回舞台版見ていい感じにラストにびっくりできたのがよかったわー(っていうか、幕間でピンと来ちゃったんだが)。

 

しかし一度見たミュージカルはたいてい忘れない私が、ここまでストーリーを忘れるってことは、やっぱりあのスプラッタ具合に衝撃を受けて記憶から消しちゃったんだろうね。

 

で、舞台が素晴らしすぎたので、映画がどうして受け付けなかったのか考えてみた。思うに、この作品って音楽がストーリーや人物の感情をぐいぐい引っ張っていくのよね。乱暴に言っちゃえば、理解できない言語で見ても、音楽が人物の感情を代弁してるので、どう考えて行動しているのか、話が大方理解できてしまうって感じ。

 

音楽がストーリーよりも前面に押し出されてるので、舞台で見た時はその音楽の凄さ(メロディだけでなく、オケの生演奏や歌手の実力も含めて)にぐいぐい引き込まれて、あの残酷で狂ったストーリーも音楽の凄さの陰に隠れて、めちゃくちゃさが軽減されてた気がする。

 

それが映画では、まず生演奏じゃないし、役者もプロのミュージカル役者ではないから、音楽的レベルが生の舞台よりも落ちる。おまけに映画って基本的にストーリーを土台に話を作っていくモノだから、どう頑張っても音楽よりストーリーに目が行ってしまう。で、そのストーリーがあんなにスプラッタでめちゃくちゃだと、そっちに気がとられて、ストーリーの矛盾とか動機とか、そんなことばっかり考えながら見てしまう。

 

舞台だと音楽の凄さに引っ張られて、ストーリーの妙なところはあいまいにされちゃうのが、力技的で、音楽の世界に没頭できて心地よい。もう、ストーリー破綻しててもいいよー。あのすばらしい音楽が、ストーリーよりもっと重要な人物の感情の起伏を物語ってくれてるから、っていう気分になるのね。

 

もちろんストーリーが破たんしたすべてのミュージカルにこれが適応されるわけではなく(ルドルフとかドラキュラとかw)、やはりこの作品のソンドハイムの特殊なうねるような音楽が、この効果を生み出してるんだと思う。そして残念ながら、映画ではこの音楽が舞台ほど伝わってこなかったってことかな。

 

●あらすじ編(ネタバレを含みますので、気にする人はキャスト編まで飛ばして読んでください)

 

15年前に冤罪で流刑になった理髪師ベンジャミン・バーカーは、スウィーニー・トッドと改名してロンドンに戻ってくる。脱獄して漂流しているところを助けてくれたアンソニーと港で分かれるところで、狂女が絡んできて追い払う。

 

昔の住居に戻ってくると、下の階の肉屋(ミートパイ屋)のおばちゃんラヴェット夫人が過去の話を教えてくれる。トッドを冤罪にしたターピン判事は、トッドの妻ルーシーに惚れてたので、トッドを無実の罪で流罪にした後、妻を手籠めにし、赤子だった娘ジョアンナを監禁する。妻は毒薬を飲んだ。復讐を誓うトッド。

 

街でなんか変な理髪師ピレッリと髭剃り勝負をして金を巻き上げたトッドは、判事の部下を髭剃りに誘い、判事とのコネ(?)を作る。

 

アンソニーは、判事にとらわれたトッドの娘ジョアンナとラブラブになり、彼女を連れて逃げることにする。判事は娘ほど年のジョアンナに肉欲を感じ自らを鞭打つが、彼女に結婚を申し込む。嫌がるジョアンナ。

 

一方、トッドの元を訪ねてきたのは彼の過去を暴きに来たピレッリ。彼を思わず剃刀で殺害する。次にお目当ての判事が来たので、同じく殺害しようとするが、間際でアンソニーの邪魔が入り、チャンスを逸す。怒りでちょっと頭がイっちゃったトッドは、全お客さんを殺すと決断する。

 

処理に困った死体をミートパイの具にすることでラヴェット夫人と意気投合する。ピレッリの小僧をやっていたトビアスは、ピレッリが消えたのでラヴェット夫人の元で働くことに。

 

(2幕)

 

死体を地下のパイ焼き部屋に落とすカラクリの理髪台のおかげで超合理化して、パイ屋は大繁盛。ラヴェット夫人はトッドへの愛を告白するが、トッドは復讐しか頭にない。

 

しかし、この辺りから雲行きがおかしくなってくる。判事が送り込んだ調査員(警察?)もやすやすと殺害するトッドたち。

 

一方ジョアンナは精神病院に閉じ込められていた。トッドの入れ知恵で、アンソニーはカツラ屋に成りすまして彼女を救い出そうとする。これを利用して、判事をおびき寄せる手紙を書くトッド。

 

ラヴェット夫人の元で働くトビアスは、彼女への母親に対する息子のような愛を告白し、「僕が守るから」と告げるが、ラヴェット夫人の表情は硬く、トビアスをパイ焼き部屋に閉じ込める。

 

アンソニーとジョアンナがトッドの部屋に逃げてきて、男装のジョアンナを残してアンソニーはいったん部屋を出る。トッドが戻ってきたので、ジョアンナは箱に隠れると、次にやってきたのは狂女。女は部屋に入るなり、上着を脱ぎ、くるくる丸めたかと思うと、赤子をあやすようなしぐさを始める。

 

戻ってきたトッドは、たやすく狂女を殺害し、パイ焼き部屋へ落とす。次にやってきたのは判事。こちらもトッドはさっくりのどを切って落とす。次に箱から出てきたジョアンナ(男装しているためトッドは気づかない)も殺そうとするが、すんでのところで逃げ出す。

 

トッドとラヴェット夫人は、最後にパイ焼き部屋に行くと、閉じ込めたはずのトビアスの姿は見えず、床には狂女と判事の死体が転がっている。その狂女の顔を見て、これが死んだと思っていた自分の妻だと知り、茫然自失のトッド。

 

狂女が探している妻と知っていて、ラヴェット夫人がわざと黙っていたと知ったトッドは、彼女を殺害し、再び死んだ妻の元へ。

 

そこへ隠れていたトビアスが姿を現し、慕っていたラヴェット夫人がトッドによって殺された姿を目撃して、トッドを剃刀で殺害する。

 

最後は、生き残ったトビアスとジョアンナとアンソニーの他に、殺されたすべての人たちが舞台上で大合唱。

 

●演出編

 

この舞台、演出がすばらしかったーー!!!不気味でダークなのに、思わず美しいとつぶやいてしまうような、不思議な舞台美術。

 

歯車をモチーフにした回り舞台で、中央の巨大歯車の下がミートパイ屋で上が理髪店。理髪椅子の下はセリになっていて、死体が滑り落ちる仕組み。

 

公式サイトより

 

その奥に、歯車の塔のような構造体があり、これらが乗った盆が回転すると、一番下は、夫人の部屋(ピアノがある)、パイ焼き室があり、更に回転すると赤く縁どられた三角の構造体が見える。(ロンドンのごみごみした道などの表現)

 

舞台上空には渡り廊下のような構造体があり、ロンドンの町の人たちや地下に下りていく夫人とトッドが歩いたりする。

 

舞台手前には、赤い線が2本引いてあり、これが映画の「血の流れ」に相当するっポイ。映画では理髪椅子の仕掛けを作るときに歯車が出てきてたよね。

 

この歯車のモチーフがめちゃくちゃかっこいくて、照明の当て方によっては美しくさえある。さすがこの舞台美術は、私の大好きなアナテフカ(屋根の上のバイオリン弾き)と同じ人のだよ!!趣味がドンピシャの演出家を見つけた時って嬉しくなるよね♪

 

 

(次回はキャスト編と気づいたこと編です)

 

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