2013-11-18 08:40 | カテゴリ:季節モノ

前回の記事で、オーストリアでは11月11日聖マルティンの日に、Martini Ganslとうガチョウを食べる習慣がある、というお話をしました。

 

それでは、なぜ11月11日にガチョウを食べるのでしょうか?何となく、クリスマスやイースターのように、キリスト教の伝統の陰に隠れた、とある「におい」を嗅ぎつけたので、直観に従って調べてみました。

 

その「におい」とは!オーストリアがキリスト教化される前に住んでいた(そして今でもオーストリア人と同化している)ケルト人のにおいなんです!

 

オーストリアはカトリックの国で、クリスマスやイースターなどのキリスト教の伝統を重んじる国ですが、実は、このクリスマスやイースターも、ほんとは、土着のケルトの伝統をもとにしていて、キリスト教的解釈は後付けのことが多いんです。

 

なんだか、ガチョウを食べるってあまりキリスト教っぽくなくないですか?(笑)ガチョウってキリスト教とあまり関係ない動物だし(羊とか魚とかじゃないしね)、なんだか、土臭い感じ(爆)がするでしょ?これがケルトのにおい!(笑)

 

というわけで、調べた結果をまとめてみましたー。

 

11月11日の聖マルティンの日にガチョウを食べる習慣は、古来からのケルト人の伝統と、あとから来たキリスト教の後付解釈が入り混じっていて、典型的な「土着の伝統がキリスト教化された」オーストリアの伝統行事の一つのようです。

 

古来からこの地域に住んでいたケルト人たちは、家畜としてガチョウを飼っていました。そして、ケルトの暦で冬が始まる11月11日に、1つのつがいを残して全てを殺して食べる習慣がありました。このことから11月11日にガチョウを食べる習慣が始まったとされています。

 

その後、キリスト教がこの地域に広がり、クリスマスやイースターなどの他の多くの土着の習慣と同じく、この11月11日にガチョウを食べる習慣も、キリスト教の教義が後付されました。

 

おそらくキリスト教宣教師たちは、ケルト人たちにお祭りでたらふく食べさせた後、この翌日から40日間を「断食期間」とし、この期間が後のクリスマスの到来を待つアドヴェント期間となりました。(カーニヴァルとイースター前の断食期間の場合と同じロジックで、たらふく食べるお祭りを妨げず、そのままどんちゃん騒ぎさせておいて、その後で断食をさせる作戦です。)

 

 

そしてこのガチョウと肝心の聖マルティンとの関係ですが、結構こじつけっぽい感じですw。

 

聖マルティンは4世紀にハンガリーで生まれ、イタリアで育ち、フランスで従軍した時に奇跡を起こし、その後司教になった人物です。11月11日は聖マルティンがなくなった日のため、キリスト教の暦では「聖マルティンの日」と定められています。(この日が定められた理由は、ガチョウやケルトの伝統とは無関係です)

 

ケルトの伝統的にガチョウを食べる日が偶然「聖マルティンの日」である11月11日だったために、「聖マルティンの(日に食べる)ガチョウ」と呼ばれることになった、というのが理由のようです。

 

 

一応、聖マルティンとガチョウのエピソードは、ポツポツ三つほど出てきましたが、イマイチ決め手に欠けます。(そのうえ、なんだか結構ひどいエピソードばっかりww)

 

・司教に任命されるときに、嫌がったのでガチョウ小屋に隠れたが、ガチョウが騒いだため市民に発見されて司教になったから。(このエピソードが一番有名なようで、これについての歌もあります)

・農民が妻の病気を治してくれと、隠者をしていた聖マルティンにお願いに行った。聖マルティンは農民の家を訪問したが、よほど姿が汚かったのか、ガチョウ小屋に入れられた。

・教会でガチョウが騒いで、聖マルティンの説教を邪魔したので、ミサの後で殺してみんなで食べた。

 

また、動物全般と仲のいい聖人だったらしく、狩猟や収穫の聖人とも言われています。

 

 

聖マルティンとガチョウのエピソードがあるのはフランスですが、実際にガチョウを食べるのはオーストリアなんですから、場所が違いすぎじゃないですか?そんなに聖マルティンがガチョウと仲良しだったなら、現地のフランスで「聖マルティンと言えばガチョウだ!」って食べるはずでしょ?それが、ガチョウを食べるのはオーストリアとドイツとスイスのドイツ語圏で、フランスでは食べないんです。怪しい。。

 

 

また、この日には、ドイツ語圏の国々では、更にケルト的な行事があります。幼稚園等では、この日に子供たちがランタンを持って行列を作って進むSt Marting Umzug(聖マルティンの行列)が年中行事として行われます。

 

また、行列を作って聖マルティンの歌を歌ったり、たき火を炊いたりする習慣もあるそうです。こういうのもとってもケルト的。

 

というわけで、11月11日にまつわる伝統行事を調べていくと、やはりケルトの伝統が先立ち、キリスト教的解釈は後付けのにおいがプンプンします。

 

 

こういう、実はケルトの伝統だけど、キリスト教徒の宣教師たちが苦労してケルト人を手なずけて、いつの間にかカトリックの伝統みたいな顔をしていた、みたいな行事を調べるのが大好きなので、ガチョウのおかげでまた一つそんなイベントに巡り合えてラッキーでした♪

 

なんでそんなに、キリスト教の仮面をかぶったケルト文化が好きかって?だって、キリスト教徒ってなんだかストイックで、理屈っぽくて、あまり面白みがないのに対して、ケルト人ってなんだかワイルドでどんちゃん騒ぎして人生楽しそうなんだもん!(爆)

 

やんちゃなケルト人を、何とか理屈を付けてキリスト教に改宗させる、宣教師の苦労を思うと、なんだかほほえましくなっちゃうんだよね。ケルト人は正直キリスト教なんてどうでもいいけど、自分たちのお祭りで腹いっぱい食って騒ぎたい。けど、宣教師たちはなんだか押し付けてくる。とりあえず、こまけーことはわかんねーが、食って騒いでいいんだったらあとは好きにしていいぜ!みたいなノリだったんじゃないかなあ(笑)。

 

そのせいで、大事なお祭りは後世には全部キリスト教の看板が付けられちゃったけど、実はそれは名前と建前だけで、実際現代でも、オーストリア人がやってることはケルト人の伝統に則ってるんだよね。クリスマスの後付け感も、宣教師の苦労を考えたら、結構微笑ましいものがあります。。

 

参考サイト

Martinstag – Wikipedia

http://www.martinigans.at
http://www.vienna-expats.net/component/content/article/159-martinigansl
http://www.ffortune.net/calen/xmas/saint/martin.htm

 

 

 

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