2013-11-11 08:42 | カテゴリ:ラブ・ネバー・ダイズ Love Never Dies

●キャスト編

 

Drew@ファントム

 

素晴らしかったです!あまりロンドン版やオーストラリア版を聞きこんでるわけじゃないんですが、見た目、演技、歌声共に、私は大満足でした。

 

Drewはいつもの素顔通り、頭を剃ってスキンヘッドなんですが、彼の歌う時の表情と相まって、仮面もメイクもカツラもないのに、怪人に見えるのがとても不思議。原作でも仮面を取った怪人は、髪の毛もないし、そういうイメージと結構被ったのかな。

 

Drewはそうは見えないけどかなり長身なんだけど、それが怪人の俺様オーラにぴったり。なんかいるだけで威圧感があるというか、この人に逆らったら怖いぞ、みたいな感じがする。

 

そのくせ、やっぱりあの偏った性格がうまく体現できてたわ。ラウルには必要以上に尊大で無駄に挑発するし(そりゃ、前作からの因縁もあるけどさ。。)、クリスティーヌに甘える時は膝枕して甘えるし(笑)。

 

クリスティーヌへの気持ちがすごく複雑で、もちろん手に入れた時(最初に部屋で会ったときと、LNDの歌の直後に楽屋で会ったとき)にはものすごい「望みがかなった!」って感じがするんだけど、クリスに拒否されたらすごい寂しそうな顔をするの!まだ子供の部分が残ってるのね。

 

一番好きな表情は、ホテルで最初に子供に会ったとき(まだ自分のことは知らない)、ファンタスマを見せてあげるよって言いながら抱き上げて、舞台中央手前の台に置いて、子供の後ろから抱えるようなかっこにして、子供が歌うのを、すごい嬉しそうに笑顔で見てるの。で、子供が暗いことを言うと、顔が曇ってニヤリとするの。

 

ファントムが子供好きってちょっとイメージと違うけど、クリスティーヌの息子だからかわいかったのか、それともDrewの息子と年が近いから急にフレンドリーだったのか、とにかくこの時のファントムの笑顔が最高だった!!

 

あとはもちろん、LNDの歌を聞いているときのファントムの満足げな表情がすっごっくいい!!特にクリスティーヌがファントムの方を向いて歌う時のファントムの表情が!!もうこの10年報われたよね!

 

歌は、もううまいっていう次元じゃないので書き忘れそうだったけど、さすがDrew。安定して全く危なげないのは当然で、あの声にあれだけの感情を乗せれるのはスゴイ。

 

声がロックなので、こんなにクラシックな作品で合うのかどうかちょっと心配だったんだけど(個人的にDrewクロロックは物足りなかったので)、ファントムってクリスティーヌほどクラシックじゃないので、全くあの声質でも問題なかった。

 

ただ、やっぱりロックな人だから、Beauty UnderneathDrewすごいノリノリで来るんだろうなーって一番期待してたけど、思ったよりノリノリじゃなかったのが残念。子供とデュエットだったので、ゲッセマネみたいに好きなように歌えなかったって言うのもあるかもしれないけど、個人的にはここだけはぶっ壊れるようなノリノリになってみたかったものだ。

 

1375767_671692422850554_1041780666_n

Beauty UnderneathのDrewと子供。公式サイトより

 

かろうじて、一番最後のアンサンブルが真ん中に集まってきて、一番盛り上がるところのDrewの高音ロックはすばらしかった!!あそこは鳥肌モノ!!!ただ、途中で後ろ向いて顔に白塗りを付けないといけなかった上、最後は子供のシャウトで終わるので、めちゃくちゃ盛り上がった上最後は完璧なフィナーレを堪能!というわけにはいかない曲だったのが残念。

 

最後の最後でクリスティーヌが死んで、子供とラウルが帰ってきたところ。クリスのそばに付くのがファントムからラウルに代わり、ファントムは舞台中央手前に歩いてくる。この時、手のひらでスキンヘッドをペチペチ激しくたたくんですが、もちろん悲しみとか喪失感とか怒りとかいろんな感情が入ってるとは思うんだけど、思いっきりペチペチ言ってるのにちょっと笑ってしまった。。(ごめんDrew)

 

で、子供が抱きついてきたところのDrewの表情が素晴らしくて、もうその前から泣いてたけど、この顔見てまた泣いた!!!子供がやってきて膝に乗るり首に手を回して抱き着く→怪人天を見上げ、一瞬茫然とする→抱きしめる、の流れがもう!!!

 

Milica@クリスティーヌ

 

ああ。。なんてすごい人まだいたんだ。。何だこの人材の豊富さは。。

 

1383720_671692632850533_938873638_n

公式サイトより

 

この人ウィーンでは初舞台。ドイツで舞台に立ってた人だけど、最近ではザルツブルクのSoMのマリアのセカンド(Wietskeが実質ほとんど出てないのでファースト状態だけど)。この人でSoMも見てみたいけど、クリスティーヌがあまりに完璧すぎて、他の役が想像できないわ。。

 

いやあ、本当に、何一つ欠けることのない、あまりに完璧であまりに素晴らしいクリスティーヌでした。

 

見た目は、ブロンドの超ショートで、細身の白いロングドレス。これが、10歳の子供のいる貴族の妻のプリマドンナという、既に何役もこなしているような女性を、効果的に体現してる。

 

子供を見る目は、母の顔そのもの。子供を愛して、子供のことを大事に思っている、やさしい母親。子供にも好かれる感じ。飲んだくれ亭主のラウルと話すときは、急にしっかりしたお姉さんという感じになる。もうどうしようもない夫だけど、ちゃんと支えて頼らせる、一家の大黒柱的表情。それでいて、夫のことは捨てられず、自分がしっかりしなきゃって感じ。

 

それが、ファントムに再会すると、女の顔が出てくる。再会のキスは激情に流されてるけど、その後我に返り、近づくのを拒否するのも、「女」でいてはいけない自分もいるから。お互いまだ愛し合っていることを確認して、「これからどうする?」と怪人に聞かれても例の「愛し、生き、与えられるものを与え、自分にふさわしいわずかなものを受け取る」というあいまいな答えしかできないのは、家庭があるから。

 

演技として一番素晴らしかったのはやはり、LNDの歌を歌う直前の楽屋のシーン。ラウルが歌わないように説得すると、一度はイヤリングとネックレスを外して鏡台に置き、歌うのをやめようとする。この時の表情が、やっぱりファントムが好きという気持ちはあるけど、家庭のことも大事で、簡単に浮気するタイプの悪い女ってわけじゃないっていうのがよくわかる。

 

けど、その後舞台や客席の様々な方向からファントムの声が聞こえてきて(これって、POTOコンでもあったよね)、ファントムの幻影みたいなのが、彼女に歌うように語り掛けると、もう押さえられなくなって、歌うことを決意する。

 

この時の演出がすごくいいの!最初見た時は、POTOの最初の鏡から地下に行くシーンみたいに、ファントムが楽屋に現れて話しかけてるんだと思ったけど、2回目見たらこれがクリスティーヌの脳内ファントムっていう解釈のほうが正しそう。

 

ファントムはオケ奥の高台からほぼシルエット状態で話しかけてる。これがホンモノファントムだったら、最後の説得に来たってことで、それはそれでいいけど、脳内ファントムだったら、やっぱりクリスティーヌの中でファントムの存在はラウルより大きくて、彼女が「ファントムが自分を説得している」という姿を思い描き、その幻影のファントムに説得されたってことになるよね。

 

つまり、ファントムは、敵のラウルがクリスティーヌに直接説得するのを知っていて、それでも直接楽屋には現れず、クリスティーヌが歌うと確信してたからこそ、あのラウルの賭けをしたわけで、それって、クリスティーヌの自分への愛をよっぽど信じてないとできないことだよね。(実際クリスはいったん止めかけたし)

 

なんかこの脳内ファントムの説得を見て、やっぱりクリスはファントムのことをずっと好きだったし、飲んだくれラウルにはきつくは当たれないけど、間接的にはやっぱりもう嫌気がさしてたのね、って思った。

 

そしてLNDのソロ。もう、あまりに圧倒的で素晴らしくて、こんな素晴らしい音楽を2回も聞けて、最高に幸せだったーー!!!!

 

舞台上は、クリスがど真ん中で、ラウルが右端、怪人が左端。最初は「愛の始まり」を歌うので、とても静かに恥ずかしげに、おもむろに歌い始める。まだ盛り上がる前なのに、この声を聴いてもう「行ける!」って確信するくらい、自信に満ちた歌声。

 

前奏からして歌はもう完全にプッチーニのオペラなんですが、オペラ座の怪人だと、オペラ座でオペラを歌ってるシーンなのであまり違和感がないのが、今回は遊園地のショーでオペラのアリア?ってちょっと気になったのも確か。

 

けど、実際歌い始めてみると、なんだか細かいことはどうでもよくなって、この歌声の透明感と抱擁感!静かな部分と盛り上がる箇所ののメリハリ!劇場の空気の振動が波のように伝わってくる!ドレスと同じ象げ色のさざ波が押し寄せてくるような感覚。

 

演技も最小限ながらストーリーを語っていて、最初のフレーズで「愛の始まり」を客席に問いかけた後、右側のラウルの方を向いて語り掛ける。再び前を向いて歌い、もっと盛り上がる次のサビで左のファントムのほうを向いて、思いっきり語り掛ける。

 

もうこの時のファントムを見る目つきが!ラウルを憐みのこもった視線で見ていたのが、ファントムには全く違った、頼りになる愛しい人を見る視線。それを真正面から受け止めて、満足げに微笑んでいるファントム。

 

もう、Liebe stirbt nieって、クリスティーヌのファントムへの愛そのものだよ!!ファントムが死んだと思ってたこの10年、愛は死んでなかったんだよ!で、Herzen zerbrechen, Liebe bleibtって!確かにファントムが去って、クリスティーのは心破れたわけだけど、それでも愛し続けてたんだよね。。壮大な告白だよ。。

 

で、ファントムに語り掛け終わると、クリスティーヌは堂々と客席を向いて、最後の大盛り上がりのサビを高らかに歌い上げる。(ラウルもファントムも静かに退場する。)

 

もうここが!!!もうラウルにもファントムにも語りたいことは語り終わったので、もうあとは思い残すことなく、このファントムが自分のために書いた、最高に美しい歌に酔いしれて、歌い上げるだけ!!

 

この時のクリスティーヌほ本当に輝いてたよ!!!すごい高音をあの透明感と暖かさのある歌声で、情感豊かにつややかに歌い上げる。それも、オケと自分の歌声に乗って、自由自在に!!!もう大音量で声が飛ぶ飛ぶ!!!

 

ミュージカルの舞台で、ここまでのアリアを聴いたのは初めてな気がする。オペラで有名オペラ歌手のアリアは何度も聞いてきたけど、世界的オペラ歌手に全く引けを取ってないどころか、演技力も加わるので、オペラより伝わってくる!!(もちろんジャンルや生歌かという根本的な違いはあるけど)

 

もう、最後の超高音も難なくこなして、情感たっぷりに歌い上げた後、オケが引き終わり、拍手が始まっても、私は茫然としてなんだか、まともに拍手もできない状態。しばらくしてからやっと、思い出したように拍手を始め、段々回復してきてヒューヒューが言えるようになるまでに、クリスティーヌはもう3回くらいお辞儀をしていた。もちろんショーストップで、結局6,7回はお辞儀してたかな。

 

 

(次回は、残りのキャスト編ですー)

 

オペラ座の怪人 ウィーン版キャストアルバム<2枚組>

 

映画「オペラ座の怪人」 ドイツ語吹替版サウンドトラックCD(Uwe Kroeger)

 

ジーザス・クライスト・スーパースター ウィーンコンサート2011年版ライブCD<2枚組>

関連記事
秘密

トラックバックURL
→http://wienok.blog119.fc2.com/tb.php/1544-35411ca7