舞台はウィーン!
2013/9/29に見たエリザベートのレポですー。今回はキャスト編ですが、ルカスだけはまとめて次回に回します。
●キャスト編
・Rory Six(トート)
今までの4回で見たのはマーク2回、Oli1回で、なかなかファンがしっかりついているRoryを見たのは今回が初めて。見たかったのでラッキー!
実は、マークがこの日出ないって予定にあったし、Oliは2,3日前に手を公演中にケガしてキャンセルって聞いてたので、念願のRoryトートを見れることは予測済み。しかし、今演じれる人が一人しかいないってかなり危ない状況だよね。。
で、プロローグで登場すると、なかなかRobっぽくてかっこいいー!と思った。黒髪トートも新鮮で、長身でなかなか見栄えがするトート。
歌もなかなかうまいし、特にボリューム出すところはとってもきれい。プロローグと最後にダンスに限って言えば、従来のキャストの癖とは違う、自分の歌い方を編み出しているような感じだった。(Liebe seinはささやくようなLiebe。Sie geliebtも、強調せず、抑え目で。Laedst mich einも、michもeinも強調しすぎず、しかしフレーズはくっきりと)
あの白と黒の衣装もなかなか似合ってて、マークみたいに肩がぱっつんぱっつんってこともない(太腿がやたらぱっつんぱっつんだったけどw)し、これはファンがたくさんつくのもわかる気がするわー。
しかし、ずっと見てるうちになんだか違和感が。。まず、Robっぽい気がしたんだけど、ちょっと顎のあたりの肉が垂み気味?なんだかちょっと肉が余ってる印象が。もう一息すっとしてくれたらいいのにー。
とっても動きや歌声が柔らかくねちっこいので、猫みたいな感じ。けど、見た目は微妙に丸いので熊っぽい感じ。
しかし、問題は外見ではなかった!話が進むにつれて、彼の手つきや仕草が気になって気になって!いや、とってもゲイっぽいんです(爆)。彼がゲイかどうかは知らないけど、どう見ても舞台での動作はゲイにしか見えないの!私だけじゃなくて、同行者もそう思ってたらしいので、これは客席のほとんどがゲイ疑惑を持つだろう。。
そんなゲイっぽい仕草が気になりだすと、なんだか彼のねちっこい猫っぽさや、無理に作ってるアウトローっぽい熊っぽい感じが、どれもゲイのステレオタイプにハマって、もうそんな風にしか見れなくなってきた。。
けど、ほんとアウトローっぽくて熊っぽい猫なんだよね。。(←ほんと説明になってない。。)怒ったりするところはかなりカッカ来てるらしく、アウトローなマッドサイエンティスト風に「ぅおれ様の、言うことが、わからんのかーーー」みたいな感じww
まあ、最近マークと言い、あまりアツいトートを見ないので、彼の演技も非人間的で感情をあまり出さない,ハヤリのトートと言われればそうかもしれないけど、けど、シシィに恋い焦がれる感じとかなかったよー。なんだか、「追いかけたけりゃ追いかけてみろよ。俺はイマイチ興味ないけど(ニヤリ)」って感じ。
そのくせ、シシィが興味を示さないとヘンにちょっかい出してくるし、好きだーこっちに来いーって言ってるのも、「死」としてのトートがシシィを好きだからっていうより、もうトートはシシィの頭の中に存在する架空の人物で、シシィはそんなトートと一人相撲とってるって感じがするのね。
しかし、トートがシシィの頭の中の架空の人物だとすると、どうしてシシィはあんなゲイゲイしい、好みもよくわからん、気まぐれ猫みたいな熊みたいな人物を、理想の浮気相手=死としようと思ったのか、理解に苦しむ。。
だって、その人と一生恋の駆け引きみたいなのを脳内で繰り広げるわけでしょ?魅力的な男がいいよ、やっぱり(爆)私だったら、架空の浮気相手を想像するんだったら、やっぱり理想の男性像を思い浮かべると思うんだけどな。。
イヤイヤちょっと脱線してしまった。だから、なんだかこの、妙にやわらかくてねちっこい感じのトートが、段々私の理解の範疇を超えだして、もう後半はあまりシシィとトートのやり取りを頭の中で追えなくなってたんだよね。。
おまけに、ルドルフ相手だとやたらイケイケでオセオセなんだもん。。もうこの辺りでは、私の中でトート=ゲイ疑惑がかなりもくもくと沸き立ってたので、ルドルフの葬式でZu spaet!っていうところも、もうルドルフの死で自分は頭いっぱいだから、ややこしいこと言わないでくれシシィ!みたいな気がした(←もう私の脳内ゲイ説にストーリーがやられている。。w)
ゲイと言えば、初演時はUweといい、Felix Martinといい、Paul Kribbe(Andyの彼氏)といい、トートと言えばゲイが当たり前だったけど(ごめん、Felix Martinがゲイかどうかほんとは知らないwwけどこの三人の中では一番ゲイっぽいww)、役の上ではセクシーなロックスターだったし、舞台上でゲイに見えることはなかったよね。
再演時のマテがなぜかさんざんゲイ疑惑ささやかれてたし(←ゲイじゃないです。本人再三否定w)、当時のセカンド二番手Steven Sealeはゲイだけど、それでも舞台上はちゃんと男だったよ!
それが、なんでこんなにどう見てもゲイなトートなんだ?もう、結構訳が分からない感じでしたw。
この人、歌はとってもうまくて、特に声量が大きくなるとほんとにうまくて、迫力もある。ただ、残念ながら、舞台全体でなぜか声を抑えめで歌ってて、8割がたセーブモードだったので、この人もっとガツンと来たらうまいのに、なんでここでもっと歌わないのー!って思うことが多々あって、微妙にフラストレーション溜まった。。できる子なのに、なんでしないのー!って感じ。この感じ、実はAnnemiekeでもあったよね。。
ロングランしてると、慣れてきちゃうし、全力で歌わなくてお客さんが拍手くれるんなら、それはそれでいいのかもしれないけど、やっぱり見てると、全力で歌うからこそ伝わってくるものって絶対ある。
全日に見たキューティーブロンドは、キャストがもうめちゃくちゃ盛り上がって、全力で歌い踊ってるもんだから、もう見てても盛り上がるし、大歓声!!!
それに比べて、この日のエリザは、なんだか、トートもシシィもセーブモードで、決め所しかフルパワーじゃないもんだから、ちょっと物足りなかったかも。
その分、後半ちょっとしか出ないのに、ルカスがすごい全力で結構好感度上がったよ!
そして、レベッカでよく見てたUweってやっぱり毎回すごい全力だったんだなあ、って今思い出したわ。全力だったからこそ、調子が悪いときはズレズレだったけど、手抜きして全力見せないより、そのほうがずっといいのねー。
いや、このセーブモード云々っていうのは、よっぽどハイレベルのミュージカルを見慣れてないと気が付かないと思うので、普通のお客さんは気にしてなかったと思うよ。けど私としては、キューティーブロンド組がほんとにすばらしかったので、大好きな作品であるエリザの役者さんも、あそこまでやってくれたらなあ、とちょっと思ったのでした。
そうそう、最後のダンスのラストは、allein mit diiiiiiiir!のUweコンバージョンでした。あーーー。こんな安定バージョンじゃなくてもっと冒険したすごいバージョンを聞きたいよーー!
というわけで、3人のトートを見比べた結果、こんな感じのあだ名になりましたw。なぜかみんな医者のイメージが浮かぶのは、あの白い衣装のせいですww
マークトート:ムキムキ大学医学部教授
Oliトート:ひょろひょろ医院お坊ちゃん研修医
Roryトート:やわらかゲイ研究所マッドサイエンティスト
・Annemieke Van Dam@シシィ
最初の「パパみたいに」からポッセンホーフェンのあたりがすっごく良くて、見直した!!!お転婆でやんちゃな演技がものすごくイキイキしててかわいかったよー!!
特にパパみたいにがほんと、Annemiekeの今までで一番よかったわー!ポッセンホーフェンも馬車から帽子投げたりするし、見ててワクワクするシシィだった。
けど、その後1幕終わるまでは、結構いつもと同じ感じかな。
彼女は、マヤさんとは真逆のシーンでとっても良くて、マヤさんが素晴らしかったところはやっぱり超えることはできない感じ。
「私だけに」は、ラストの「Vogel ins Meer」の前まではセーブモードで、FJの背中に文句言ってるか、ぶつぶつ独りごと言ってるようにしか見えない。もっと人生について高らかに歌い上げる、って感じが欲しいのにー!
さすがに、盛り上がるところは素晴らしい歌声で、最後から二つ目のIch gehoer nur miiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiir!の伸ばし方がものすごい長くて美しいーーーーー!!ここは聞き惚れたよ!
で、最後のnur miiiiiir!もすばらしい!ほんときれいな声!!!
だから、やるときはやるの!けど、マヤさんの時の、全ての音に震えるような、あの感覚じゃないんだよね。。セカンドのヤネケさんは、もっと演技で魅せてくれるから目が離せないから、Annemiekeより見てて面白んだよね。。
しかし、2幕のAnnemiekeはほんと素晴らしい。これはマヤさんとはまた全然違って、ほんと老けてからのシシィはAnnemiekeが最高!!彼女のNichts はもう、聞いてて体が凍り付くよね。
マヤさんの「うぎょーー。私もう奈落におちていくわーーおちちゃうううう」みたいな雄叫びな感じとは違って、アンネミーケはもっと氷みたいに冷たく、「私にはもう何も残っていない、死んでも死ななくてもどうせ同じ。ふっ」みたいな諦めっていうか、人生を突き放したような冷たさは、彼女にしか出せないわ。。ものすごい絶望感だもん。
あと、ちょっと戻るけど、「私が踊る時」もとってもいい。まず、あのシーン、バックステージツアーで言ってたけど、ほんとにシシィも相当力こめて馬車押してるのねーw
で、もう、なんだか、何でも来い!みたいな感じで偉そうなシシィ。一瞬なんでこの人いきなりこんなに偉そうなの?って思ったくらい。もちろん最後通帳で意見を通したからよね。(あとハンガリー王妃になったのもあるけど)なんか、ヤネケの時は、勝ち誇った感じがスムーズに頭に入ってきたけど、アンネミーケは「なんでいきなり嬉しそうなの?」って思ってしまった。
けど、歌自体は素晴らしいのー。二人とも、ソロはセーブモードだけどデュエットは燃えるタイプらしく、全力ソングで火花バチバチ。まあ、トートがやわらかトートなので、ちょっと負け気味でしたがw。
しかし、このシシィもトートと同じく、話の流れを演技から想像できないので、ストーリーが何となくブツ切れな気がしたのが残念。シシィかトートのどちらかが演技派のヤネケかOliだと、二人の気持ちが伝わってきやすいのになあ。
けど、この二人はデュエットでは燃えるので、私が踊る時♪以外にも、ゲーーーー!とかダラーーーーンとか凄い迫力なの!(←読み返したら、ゲーーーーとかダラーーーーーンとかって自分で読んでたらわかるけど、普通に読んでてああ!あのシーン!ってわかるんだろうか。。w)
・クロシュ@ルキーニ
彼は皆勤賞。やっぱりとっても素敵なルキーニだわ。お客さんとの絡みや、お茶目なシーンをニコニコしてみてしまう。
まあ、バートイシュルの最後のルキーニの聞かせどころは、genauもnieもなんだか尻すぼみだったけど。。
プロローグのトートとのエリザベート合戦と、えーやんの最後のトランペットの処はとっても良かったです。
・FJ Franziskuz
ほんとこの人はすごすぎるわ。。少し夏前から太った?貫禄がさらについていい感じ。
2幕の老けっぷりの素晴らしさは言うまでもないんですが、今回は1幕の結婚前が妙にお茶目で、とっても素敵な笑顔でした。っていうか、なぜバートイシュルだけあんなにはじけて他の?(爆)
バートイシュルで、舞台左奥から右手前に走ってくるところ。昔のアンドレがポーンポーンと走るのが特徴的だったのを彷彿とされる、半分ジャンプするような大股の走り方。それも、最後のポーンがとっても長いジャンプで超元気。
そのままリラックスした風に客席に銃を向けて撃とうとしたと思うと、ニヤッといたずらな顔をしてくるっと周り、舞台の鹿の角を狙う。<バン!>で女中が驚いたのを見て、嬉しそうw。自分でケーキのほうに行って、角の具合を自慢げにチェック。
でお見合いでは「前に行って」で前に出る時は、とってもにこにこしてるのに、急に心配そうに表情が曇る。そのままヘレネの方にいったん向くが、ここで満面のニヤリ!!!をして、超ニコニコ顔でシシィの方を向く。
なんだこの表情!!!最初のニコニコは、シシィが好き♪、心配顔は、期待されてることと違う心配。で、ニヤリ!や、やっぱり好きだから選んじゃえー!って感じか。
このFJの笑顔とお茶目さに相当やられ気味wwなのに、「嵐も怖くはない」は普通にまじめさん。。ここもラブラブにしてくれてもいいのにー。
けど、最後ゴンドラから降りてきて、ヤスリの下にシシィと横になる前に、再び素敵笑顔。これがFJの最後の笑顔であった。。(爆)
結婚式の長い衣装が何度も肩からずり落ちるので、シシィが手を貸してあげてたのがいじらしかったわ。
・ゾフィー@Dagmar Hellberg
Volksoperのスウィーニー・トッドでMrs Lovetteを開演、熱演、好演、熱唱してる実力派おばちゃんDagmar Hellbergですが、エリザと掛け持ちしてるなんてなんてパワフル!
まあ、Mrs Lovetteほど目立つ役じゃないので、彼女の凄さがあまり表に現れてこない役ですが、それでも注目してみてたら、歌のうまさが際立ってます。
・歌の先生Christoph Sommersguter
グリュンネ役が多い先生ですが、今回はエーヤンソロでした!!他にはあまり目立つソロがないんだけど(シシィの娘が死ぬところで、「悲しみが皇妃をさらに美しくする」っていうのは彼のセリフ)、アンサンブルではルカスの横にいることが多かったので、チェックしやすかったわ。
ポッセンホーフェンでは普通にビールジョッキ持ってて、謁見でハイなくて、バートイシュルでは馬車の運転手だったw。
(次回はルカスの感想と、、アンサンブルチェックです)
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