2013-10-10 00:06 | カテゴリ:エリザベート Elisabeth

●衣裳部屋

 

15分ほどのレクチャーが終わると、客席右手の扉から、バックステージに入ります。バックステージの廊下は、劇場のきらびやかな様子とは異なり、ビジネスライク感じなのがまたリアルです。

 

この劇場は、向かって右側が男性、左側が女性の控室となっていて、今回ツアーで回れるのは、男性側のみです。

 

廊下に入るとすぐに、衣裳部屋があり、その左手の階段を3段ほど上がった廊下に、木の椅子が8つ程並べてあります。

 

この衣装部屋にあるのは、男性キャストの衣装で、狭い衣装部屋の壁に2段になって、所狭しと見慣れた衣装が並んでいます(正面上には、Hass!のシーンの腕章が見えます)。

 

このプロダクションでは、衣装の数何と450枚!舞台上のキャストが25人ですが、セカンドやSwingも入れると35人分の衣装です。

 

衣装の着替えは30秒ほどで済ませなければならないことが多いので、衣装にはいろいろな仕掛けがあります。通称「玉ねぎ」と呼ばれる衣装の重ね着もそのうちの一つで、ミルクのシーンの直後に宮廷の女性を演じる女性アンサンブルは、衣装の下にドレスを着こんでいます。

 

一番驚いたのは、着替えのスペース。キューティーブロンドでは、舞台右奥に結構広い、鏡付きの衣装スペースがあり、ここで着替えが行われていましたが、エリザベートは衣裳部屋が狭いこともあり、着替えスペースがありません。なんと、この衣装部屋の外の廊下でアンサンブルの着替えが行われるそうです。

 

この廊下には、壁沿いに8個ほどの木の椅子が並べており、手書きでキャストの名前が書いてあります。公演前に衣装係が、それぞれの椅子の上に、使う衣装を順番に積み重ねていき、公演中はキャストが自分の椅子から衣装を取り、この廊下スペースで着替えるんだそうです。

 

ルカスももちろん前半はアンサンブル扱いですので、きっとここで着替えるんでしょうね。。なんだか信じられない雑然とした感じです(笑)。

 

●メイク室

 

次に案内されるのは、メイク室です。ここは結構時間をゆっくりとってもらえるので、周りを色々と観察してみましょう。

 

コの字型の部屋の壁には、この劇場で上演された作品のポスターに全キャストのサインが入り、飾ってあります。

 

上の方の棚には、かつらが沢山おいてあり、それぞれのカツラ置きのおでこの部分には、誰がどのシーンで着用するカツラかが手書きで貼ってあります。

 

ちょうど私が立っていたところの真上には、Lukas Perman- Ensembleと書かれたカツラがありましたので、これはルカスがアンサンブル役の時に付けるカツラ、ということです(ルドルフ役の時は地毛です)。


鏡を取り付けられた壁には、メイクスペースが全部で10か所ほどあり、鏡のないところには各人の趣味の写真や絵葉書が雑然と張り付けられています。残りの壁の部分には、両面テープを付けたひげやもみあげが張り付けてあります(笑)。

 

この鏡の左上に注目してほしいのですが、ここには、こんな感じの指示が貼ってあります。(ちょっと時間はうろ覚えです。。)

 

Vor der Vorstellung

60 mins XXX(キャストの名前)
50 mins XXX
40 mins XXX
30 mins XXX
20 mins Lukas Perman (Antonの名前が消してある)

 

これは、キャストの「出勤時間」みたいなもので、開演何分前から何分前までに○○さんがこの席でメイクとカツラを準備する、という時間割です。

 

私が立っていた席は、ちょうど一番最後にルカスがメイクをする席だったんですね!(だからカツラが上に置いてあったんだ。。)しかしルカスは、最初のシーンはルドルフで、その後2幕半ばまでアンサンブルなので、一旦プロローグが終わってから戻ってきて、ポッセンホーフェンまでの間にカツラをつけるんでしょうね。

 

ちょうどツアーの時には、かつら師のお姉さんが、女性のカツラをヘアスプレーなどできれいにしているところでした。ツアーの担当者も、せっかくプロのカツラ師がいるのだから、直接質問してもいいよ、と言ってくれたので、いくつかの質問が飛び出しましたので、答えをまとめておきます。

 

まず、かつらは男女合わせて80種類。一部の白髪を除いて全て本物の髪の毛で、価格は1000-1500ユーロととても高価なもの。公演によって再利用することも多いそうです。

 

ちょうどこの時は、マダムヴォルフの女の子のカツラをきれいにしていたお姉さんですが、間近に見たカツラはとても繊細できれいで驚きました。

 

あと、私が、上述の出勤予定表を見て、「ほんとに10分でメイクとカツラをするんですか?自分でメイクする人もいますか?」と聞くと、大体予定の時間でメイクが完了するそうです。メイクは担当者がすることが多いですが、役者によってはメイクも役作りの内ということで、自分でする人もいるそうです。

 

ここで、担当者が顔に取り付けるマイクの話をしていましたが、こちらはRonacherの説明と同じでしたので、割愛します。

 

また、衣裳部屋の扉には大きな表が貼ってあり、どの役者の担当者が誰で、どの場面でどの衣装を着るかを色付きでまとめてありました。ロングランが長くなるともう覚えてしまって不要ですが、好演初期のころはバイブルのように大事な表だったそうです。

 

メイク部屋のドアの内側にも、かつらの図説が貼ってあり、こちらもあまりに詳細でびっくりしました。

 

●舞台監督Inspizient

 

カツラ部屋を出ると、舞台袖(右脇)に案内されます。ここがInspizientの仕事場所。

 

Ronacherのツアーの解説にも書きましたが、Inspizientとは、舞台全体の指揮者のような存在で、公演のすべてを取りまとめる、もっとも重要な仕事です。

 

目の前とサイドに合わせて8つのスクリーンがあり、舞台前方、上方、サイド、オケピなど、舞台をすべての角度から見渡せる映像が映ります。暗転でも見えるように赤外線映像もあるそうです。

 

この席に座り、目の前の全曲楽譜を繰りながら、キャストやスタッフにキューを出していくのがInspizientのお仕事。楽譜には500-600ものキューがあり、これを照明や幕、大道具などのスタッフに、動くタイミングを目の前の操作盤を使って、音や光で指示を出します。ものすごく責任重大です。

 

Inspizientはライムント劇場とRonacher劇場に二人ずついて専属若しくは交代で仕事をします。エリザベートのInspizientをできるのはたった3人です。(おそらく、3人のうち一人はエリザベート専属で、二人はRonacherのInspizientもできる人って感じなんじゃないかと)

 

スタッフは全員ヘッドセットをつけていて、Inspizientからの指示を受け取ります。10メートル上空には3人の幕係がいて、光の指示を受けて幕を上下させます。

通常Inspizientは、舞台上に異常がないことを確認してスタンバイの指示を出し、スタンバイが完了したらもう一度ゴーサインを出して実行させます。


このInspizient席の後ろには、小さな小道具棚があり、暗殺の時に使うヤスリ(Feileと書いた棚にビロードの袋が見えます)や、1幕ラストで宮廷の女たちが踊るときに持っている生肉、ルキーニのキッチュ一式などが置いてありますので、ぜひ見てみてくださいね。

 

(次回は、実際に舞台上を歩いてみた後、奈落へ向かいます。あの回転分割盆が目の前で作動します!)

 

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