2013-10-07 00:32 | カテゴリ:キューティー・ブロンド Natuelich Blond

前回のレポで、Ronacher劇場の歴史や構造などをレクチャーしてもらいましたが、今回は実際に舞台や舞台袖、奈落に行って、セットや小道具、衣装、かつらなどを見せてもらいました。

 

●舞台全体の指揮者Inspizientとは

 

ここでレクチャーは終了。あー、面白かったー!

 

そして、右側の関係者入口から、舞台裏へと向かいます。入り口入ってすぐ左に曲がると、もうそこは舞台袖!テンション上がりますー!

 

そこには、舞台の「頭脳」と呼ばれるInspizientの席があります。Inspizientは、舞台のすべてを把握し、スタッフとキャストの全行動のキューを出す、舞台で最も重要なキーパーソン。オケ、キャスト、音響、照明すべてを統括する指揮者と言った感じの役割です。

 

Inspizientの席の前には4つのスクリーンが、横と前方には無数の操作盤と大きなイヤホンがあり、机の上には5センチくらいの分厚さで、無数にメモが書き込まれた全曲楽譜があります。これを見るだけでも、Inspizientの仕事の大変さが目に浮かびます。

 

まずは全曲楽譜。これはオケと合わせる前のほとんどの稽古でキャストと時間を共にする、Klavierauszugと呼ばれているものです。役者はその稽古時間のほとんどを、オケではなくピアノ伴奏で行うわけですが、その時に使われるのがこの分厚い楽譜です。

 

この全曲楽譜を机の上に置いて、Inspizientは「このタイミングで照明にキューをを出して明るくする」とか「このタイミングで幕係にキューを出して○○のシーンの幕を下ろさせる」とかのタイミングを指示していくわけです。

 

実際にこのInspizient用楽譜を見ると、黄色い蛍光ペンで大きく数字がマークしてあります。これがキューマークで、この作品中でキューの数は500以上あるそうです。そのタイミングを全て手動で指示を出していくとは、恐ろしい集中力のいる仕事ですね。。

 

前の4つのスクリーンの一つは、指揮者を映しているのはわかりますが、他の三つもそれぞれ舞台を移しています。真正面から舞台を映したものと、それを赤外線処理したものまであるそうです。

 

・VBWのミュージカルにはプロンプターはいません。役者はセリフを忘れたら、何とか自分で思い出すか、共演者にキーワードを思い出させてもらうしかありません。

 

・役者にキューを出しやすくするため、一度Habsburgischenを上演した時に、役者の耳にミニイヤホンを入れるという試みがありましたが、うまくいかなかったようです。

 

・幕の上げ下げは、上方にいる3人の幕係が担当します。Inspizientの指示は、光で信号が出され、これを見た幕係が幕を下ろす、という作業になります。

 

 

●舞台上の説明

 

・キューティーブロンドは、キャストが25人、Swingが各公演数人控えており、それぞれSwingは一人5-6役こなします。

 

・ここで舞台中央に移動。やはり舞台から見下ろした客席の美しさは超一品。バックステージの一番の醍醐味化も。

 

・舞台の床にはレールのような筋が通っています。ここを通ってセットが移動してきます。(エリザベートは筋がなく、舞台上をセットが車輪で滑ってくる形になります)

 

・ちょうどツアー中にドレッドヘアーのスタッフさんが音響や照明、大道具(車など)の確認をしていました。毎日開演前には機器のチェックが欠かせません。

 

しかし、舞台のスタッフさんに3人もドレッドヘアーがいたのは、何か流行ってるんでしょうか?それともモーツァルト!の影響?(流行長すぎw)

 

・向かって右奥には、衣装部屋が。なんと350枚も衣装があるそうで、衣裳部屋は所狭しとドレスなどが書けてあります。公演中は控室ではなく、ここで着替えが行われます。

 

・しかし、あれだけ華やかで明るい舞台ですが、この衣装部屋はなんだか、ものすごく「手あかのついた使い込まれた」印象を受けました。ここで役者は30秒以内に次の衣装に着替えるので、実際の舞台裏では、ここが一番戦場なんでしょうねー。

 

・衣装は、肌色の肌着のみ毎日劇場で選択し、その他の衣装は業者が時折選択するだけだそうです。

 

・向かって右奥、衣裳部屋の右側には、小道具置き場があります。カバンが沢山かかっているのは、ハーバードの学生のバッグ。エルの部屋の雑誌などもありました。あのエアロビ縄跳びのシーンで使われる縄跳びは、なんとプラスチック製!プラスチックの小さな赤白の筒をつなぎ合わせてあり、これであの音が出るんですね!

 

・小道具置き場のそばの扉から出ると、Barbara ObermeierやAlexander Goebelなど主要キャストの控室があります。キャスト用の掲示板などが張られていて、劇場なのにオフィスの廊下みたいな無機質さがあります。

 

・犬用の控室は、もっとも舞台袖から近い特等席。2匹の役に対して、2匹ずつ合計4匹の犬がいて、この4匹は仲良く子の控室でリラックスしています。出番が来るとパッと舞台に出られて、終わるとまたゆっくりするんですね。この4匹の犬は、どれもロンドンのプロダクションで既に舞台経験があり、とっても貴重な犬たちなんです。

 

・さらに奥に行くと、メイク室とカツラ室があります。カツラは全て本物の毛です。

・マイクは肌色のバンドで腰回りに発信器を取り付けます。ちょうどGeorg Prohazkaさんの腰バンドをみんなでしげしげと眺めてました(笑)。

 

・顔に取り付けるマイクは、通常1本、主役のみ2本となります。マイクは汗などに非常に敏感なので、主役の2本目はバックアップです。

 

●奈落

 

この次は、階段を下りて地下の奈落を見に行きます。

 

・降りるなりトイレのセットがあって苦笑w。

 

・トイレのセットの裏側は、エルの個室。

 

・エルが大学の面接のシーンで破って出てくる巨大ポスターは毎日張替ます。この張替え作業の台もここにあります。

 

・黒くて扉が閉じられる箱のようなものが、セリのボックスです。結構閉じ込められたら怖いかも。多いときでこの小さなセリに8人くらい乗ったりするんだよね。。

 

・真上を見ると回り舞台が。結構簡単な作り。

 

・前のバックステージツアーでは、まだ回り舞台がなくて、作るかどうか検討中だったので、プロデューサーズとダンス・オブ・ヴァンパイヤの間に取り付けたもの。そのことを質問すると、ちょっと驚かれたw

 

・ただしライムント劇場の用に上下に動くものではなく、単に回るだけの舞台なので、この劇場で上演できる作品は、それほど大きなセットは使わないものが優先される。

 

・奈落のさらに下には、深い深い階がある。今は物置兼稽古用舞台になっているが、TdV時代はここに、1幕しか使わないサラの家の巨大セットを、2幕はここに置いていたとか。

 

●まとめ

 

こんな感じでバックステージツアーは客席、舞台、控室エリア、奈落を案内してもらい、最後はまたクロークの処に戻ってきます。

 

とっても説明が上手なおじさんで、質問にはすべて、的確に答えてくれたので、色々と勉強になったばかりではなく、マニアックトークを普通にできる人と会話で来て、かなり充実感がありました(笑)。

 

ほんと、このおじさんとは一度飲みに行って、もっと本音で語り合いたいよ。。(爆)

というわけで、バックステージツアー、かなり興奮します!機会があればぜひ!

 

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