●ストーリー編

 

演出で気になった点を、順にあげていきます。

 

演出が特徴的だったのは、ジーザスとユダが人間臭くアツいことと、ジーザスが通常よりOmnipresent(偏在的)であること。普通はいないはずのシーンにジーザスがいて、悲しそうに裏切りを見つめてたりとかするのが、かなり効果的。

 

舞台奥左右にオケピが半分に分かれて設置され(指揮者は左側)、中央の通路の奥には、気の簡素な巨大扉が。

 

舞台サイドのボックス席部分には、両側に梯子が設置され、役者が時々上って歌ったりする。

 

・オーバーチュア。

 

奥の扉から、パン屋の帽子をかぶって、首から金の板を下げた、笑える衣装の兄ちゃんが二人出てくる。ん?と思ってたら、両脇からも次々と、Tシャツにジーンズの普段着の若者たちが、箱を抱えて出てきて、ダンスのウォームアップなどを始める。箱の中には、イスラエルの衣装。

 

そう!これは、映画風に、現代の若者が衣装に着替えるところから始まるのだ!最初のパン屋の二人は、ちゃんと全部衣装を着たら、カヤパとアナスになった!

もう、この演出だけ見て、「この演出家は作品をちゃんと研究したんだな」ってわかって、期待させるのが秀逸!

 

・Heaven on their minds

 

このシーン、普段はジーザスと使徒たちを遠くから見てるユダ、という構図なんだけど、バーデン版は、使徒たちは退場して、ジーザスが舞台上で一人で座ってる。ユダが直接話しかける、という構図が新鮮。

 

ユダは、ジーザスに直接歌いかけてて、ジーザスは「おまえの言いたいことはわかってるけど、黙っててくれ」みたいな、あきらめのような表情。

 

最後の
Listen Jesus to the warning I give
Please remember that I want us to live
So come on, come on, listen to me.

のところは、ユダがジーザスにしつこいくらいにシャウトで歌いかけ、答えを得ようとする。

 

やっとジーザスが口を開いて、答えを言おうとした瞬間に、使徒たちが入場してくるので、答えられない、という演出が小憎い!!ここでジーザスがユダと二人でゆっくり話ができていたら、誤解が解けたかもしれなかったのに!!と思うと、タイミングが残念でしたかたない。

 

・"What's the Buzz" / "Strange Thing Mystifying"

 

使徒たちに囲まれ、マリアに癒されるジーザス。ユダは答えを聞けずにイライラしているので、マリアが髪でジーザスの足を拭いたりりするのを見るとさらにイライラしてつっかかる。

 

ここで、舞台左手に何の変哲もないマイク登場。何に使うんだ?と思ってたら、この香油を塗るシーンで、銀貨300枚で売って貧しい人たちを助けたら?ってユダがいうシーン、ユダは自分の主張のかっこよさに舞い上がって、マイクを持って「どうだい?俺いいこと言ってるだろう?」ってアピールするの!このマイクは、民衆に訴えるときに使う小道具なのね!ユダは、そのアピールっぷりが子供っぽいというか、なんかかわいい。ジーザスに認めてほしいんだよね!

 

で、それに怒るジーザスを見て、ユダはなんだかしょんぼり。ジーザスはマイクを持って「Leave her alone!」とシャウト。ジーザス高音がきれいだー!

 

・カヤパのシーンは結構普通。カヤパたちは、映画みたいに別のところで相談しているわけではなく、ジーザス御一行様の騒ぎを横目で見ながら、こそこそ話をしている、といった感じなので、場面転換はない。そんな至近距離で敵味方入り乱れてるのね。。

 

・次のEverythings All Rightも普通。っていうか、マリアがいまいちなので、伝わってこない。。けど、ジーザスとユダが泣けるーーー!!You will be so so sorry when I am gone!!!で、何とジーザスがユダを力いっぱい抱きしめるの!!!!ぶわーーって泣いたよ!!!

 

ジーザスはユダを利用することを知ってて、二人とも死んじゃうことを知ってて、ユダの幼さを悲しんでるんだよね。。そんな小さいことをして、自分に認められようとするのではなく、もっと偉大なことをすればいいのに。。けどそんな幼稚なユダがまた好きなんだろうね。

 

で、ジーザスにハグされたユダの表情がまた泣ける!!!さっきまであんなに認めてくれーって子供みたいだったのに、ハグされて愛情表現されたら急に戸惑って「おい。。ジーザス。。何言ってるんだよ、おれは大丈夫だよ!心配しないで!安心して!」みたいな感じ。

 

戸惑ってるけど、ハグされて悪い気はしなくて、照れ隠しで、Everythings All Rightの歌の間中、ずっとジーザスに「ねえ!僕に任せてよ!心配しなくていいから!僕、全部完璧にやるからさ!安心して任せてくれよ!」みたいなアピールの仕草をしつこいくらいに。ほんと、このユダは幼いし、ジーザスに認めてもらいたいんだよね。。わかってないユダと、そんな幼稚なユダを見て愛しいけれど哀しいジーザス。。

 

・ホサナ&This Jesus Must Dieは、通常は二つの別々の場所だし、場面も別々だけど、バーデン版ではホサナの大さわぎとカヤパたちの相談が同じ場所で行われてる。

 

というか、カパヤたちがジーザスを殺す相談をしているところに、ジーザス御一行様が乱入して、ホサナヘイサナ、とやり始めて「ほら、こいつらやっぱり危ないだろ」みたいな流れに。

 

そしたら、ジーザスは調子乗って(というか、もう自分が死ぬってわかってるから、わざと火に油を注いで)、マイク持って

The slow, the suffering,
The quick, the dead.

って、偉そうにカヤパたちに直接歌いかける。カヤパたちはムカついて退場。

うわー。カヤパたちにあんだけケンカ売って大丈夫かい、ジーザス。しかし、この演出、新鮮でよかったなー。

 

・熱心党

 

で、カヤパたちを追っ払ったので、シモンが感動して歌いだす。ここ、ジーザスの表情は見えなかったんだけど、使徒たちのダンスがすごかった!!ぼろを脱いで、現代の若者風のTシャツとジーンズのみ。ハイスクールミュージカルとか、あんな感じのノリの若々しい振付。わかってらっしゃる!

 

肝心のシモンは、キャスティングショーに出てて結構好きだったMarkusなんだけど、それほどいいというわけではなかったかも。っていうか、一番直近に生で見たシモンがRobだったことを急にまざまざと思い出し、Robの凄さを思い出してるうちに終わってしまった。。(爆)

 

・ピラトの夢は、普通。っていうか、ピラトがスキンヘッドで怖そうな、プロレスラーみたいなおっちゃんだったことに衝撃。この歌自体はそれほどインパクトなかったけど、ピラトのおっちゃん、2幕凄い良かったんだよー!夢の歌は、超普通で、CryingだけRob風に高音にしてたのが懐かしく、やっぱりRob思い出しまくってた。。

 

・テンプル。

 

ダンサーのお姉さんたちがセクシーで素敵ー!アンサンブルが全体に若くてぴちぴちしてるので、シモンといいテンプルと言い、こういうシーンの前に出てきてアピールする群舞がすごくインパクトあるの!男が女性を担ぎ上げたり、リフトして回転したりするのがアクロバティックで素敵ー!

 

で、ジーザスが奥の木の扉から登場。なんと、機関銃持ってる!なんじゃこれ!!で、空中にぶっ放して、(人は殺してないよ)、激怒。いや、機関銃って、どうしたんですかいきなり。。シャウトももう、ものすごい声で、怒りをぶつけまくって爆発しそうにアツい。

 

なんだか、ものすごいイライラしてて、悩みにさいなまれてる感じ。ストレスたまりまくりだろうなー。

 

My time is almost through
Little left to do
After all I've tried for three years
Seems like thirty, Seems like thirty

で、テンプルの男の一人が持ってたユダヤの蝋燭を奪い取り、苦悩に満ちた顔で吹き消す。


で、すぐにSee my eyes I can hardly seeに入るんだけど、映画や今まで見た演出だと、テンプルから一度移動して、岩場とか別の場所でらい病患者に取り囲まれるって感じだったけど、この演出では、ジーザスが悩みに悩んでストレスたまりまくって、ろうそく吹けした瞬間に、奥の扉から包帯を体中にまいたらい病患者たちが登場する。

 

イメージとしては、ジーザスの恐怖の悪夢。場所が変わったわけではなく、このシーンはジーザスの頭の中の混乱を示している。んー!!この演出うまいぞ!!!

つまり、ジーザスは頭の仲はもうぐちゃぐちゃ。自分はいっぱいやってきたけど、まだやるべきことはたくさんあり、もう時間はほとんど残されていないのに、癒してほしがっている人たちは無限にいる。自分は、神の計画を遂行することも大事だけど、人々をいやすという仕事を完遂できないまま死んでいくのは悔やまれる。けど、実際は癒しても癒してもきりがないから、それなら無理な仕事なのか?

で、病人から取り囲まれ、カオスがピークになった時に、金切り声でheal yourself!!

 

そうだよ!!この解釈、いろいろやってみたけど、このバージョンでは、夢の中のジーザスの声なんだよ!自分が全員をいやすことはいくら自分が長く生きたところで不可能。人々には、自分たちで自分たちをいやす方法を知ってもらうしかない。それがHeal Yourselfなんだよね。。

 

・I don't know how to love himは、マリアがいまいちなこともあり、全然印象に残らなかった。。髪をかきむしったりしてたような(←適当w)。しかし、マリアはなんであんなに右足の太ももをことあるごとに露出するのだ?元娼婦っていうアピール?なんだか、非常にイメージと違うんだが。。まあこのマリアはなかったことに。。爆

 

そして、驚いたことに、ここで1幕終了。え?もう?なんかおかしくない?

幕間の間中、なんでこんな唐突に幕を下ろしたのか気になって仕方なかった。だって、普通は2幕は最後の晩餐から始まるから、ユダの裏切りで1幕が終わるはずでしょ?なんでこんな変な切り方したんだ?けど、それも、2幕が始まってみたら納得!

 

(ストーリー編2幕に続きますー)

 

 

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