2013-07-25 23:31 | カテゴリ:その他ウィーンミュージカルレポ

まあ、今回のハロー・ドーリーは、初めての劇場で、それもウィーンではないし、キャスト以外あまり期待してなかったんです。けど、ほんとに出来が良くて大満足!!

 

何が良かったって、やっぱり一番よかったのはウィーンで主役張れる役者3人がそろい踏みだったこと!!!Ann Mandrella(IWNNINY)やCoroline Vasicek(モーツァルト!のナンネール、美女と野獣のベル)、Boris Pfeiffer(R&Jのヴェローナ大公、Mayaさんエビータのチェ)の三人は、みんな大好きで、一人出てても見たいと思う作品に3人も!

 

それも、実生活でBorisとCaroは長年のおしどり夫婦(実際はまだ結婚してないんだっけ。とにかく、子供もいて、相当前から付き合ってる)。Caroの出演作の楽屋口でBorisが待ってたり、客席にいたりと、ほんとお互いの舞台に夫婦で協力し合って出演してるって感じがとてもほほえましいの。

 

Caroの方は、モーツァルト!のナンネール以来、美女と野獣のベルなど、有名作人に恵まれ、一時はウィーンミュージカルのスター(今でいうとMarjan ShakiやLisa Antoni的な立ち位置?)としてもてはやされたけど、出産などで一時舞台を離れた感じ。そのあとはロングランには出演せず、JCSコンのマグダラのマリアなど、有名どころを単発でこなす仕事の仕方。最近見たのはAndyのソロコンサートのゲストだったかな。

 

透明感のある高音とセリフや低音のハスキーさと相まってとても魅力のある歌声。演技が初々しくとてもかわいらしい。この3年ほど、永遠の少女だったCaroが一気に老けてきた感じがするけど、やっぱり演技して動いてる彼女を見たらかわいし、歌声は更につやと表現力が増してる!

 

今回のハロー・ドーリーでは、帽子屋の落ち着いた女主人で、しっかりしたコーネリウス(後で書くけど、これは実生活で夫のBorisの役)とくっつく役。登場した時は「うわー。また老けちゃったー」と思ったのに、その直後の帽子の歌が、明るくにぎやかな作品の中でいきなりどよーんと暗い曲なのに、素晴らしく艶があって、高音があの聞きなれた透明感のあるナンネールの声で、急に舞台の雰囲気をガラッと変えてくれて、それでいて曲の明るい部分は損なわない、という絶妙の歌い方をしてくれました。この作品でどの曲が一番よかった?って聞かれたら、迷わずこの帽子の歌!って言うわ!(曲としては一番地味なのに。。)

 

で、その相手役のBoris Pfeiffer。いやあ。この人ヴェローナ大公以来ファンなんですよ。けど、当時はただのかっこいい美形美声な若者だったわけ。まあ、ほかの出演者のルカスやRasmusやMatthiasやマークに比べて出待ちファンは少なかったけど、表現力ではメインの4人に負けてなかったと思うし(Matthiasはさすがにうまかったけど)、ほんとあのソロの少なさの中で、ヴェローナ大公の悲哀とか責任感とか、よく表現できてたと思うよ。声が深くてカッコよくて、惚れ込んでしまったんです。

 

そしたら直後に、エリザベート終わったばっかりのMayaさんがBadenで出演したエビータにチェ役で出てたの!!大喜びで見に行って、Mayaさんのエビータの素晴らしさにも酔いしれたけど、もう彼のチェのかっこよさにしびれた!!!

 

これからBoris売れるぞ!と思ってたら、急に舞台で見かけなくなったの。奥さんのCaroはJCSのマリアとかでチョコチョコ復帰してるのに、Borisはいつも客席か奥さんのお迎えで見るだけ。

 

元気そうにはしてるけど、舞台でも見たいなー、と思ってたら、急に2年くらい前のVolksoperのDie Spinne, Die Roemer!(ローマで起こった不思議な出来事)のキャストに名を連ねててびっくり!!それも、ヒステリウムってヒステリでゲイなドタバタの悪役!え?あの美形美声のBorisが何やってるの?

 

(レポはこちら:

Die spinnen, die Roemer!「ローマで起こった奇妙な出来事」@Volksoper

 

で、作品としても見てみたかったので、劇場に足を運んでみてびっくり!髪の毛逆立てて、変な衣装とメイクで奇声を上げるBorisは、あの美形美声のヴェローナ大公とは打って変わったコメディアンっぷり。誰も彼が美形だとは思わないよ。。

 

最初はちょっと「あんた、何やってんの。。」と思ってた私ですが、このヒステリウムの最後の大一番、超ドタバタの女装シーンで、彼は客席を大爆笑の渦に巻き込むのです!!!!もう私もヒーヒー腹を抱えて笑ったよ!ありえん!あの美形Borisがこの笑わせっぷり!!!!惚れ直した!!!!!!!

 

いやあ、美形美声の持ち主がここまで開き直ってコメディに徹するとは、ほんと偉いわ。。それも、完全に美形も美声も封印したコメディアンっぷりで、ものすごい喝采浴びるなんて、ほんと勇気あるよ!!そして、彼、コメディアンの才能ある!動きのタイミングが絶妙だし、表情豊かでよく客席を見ている!ウィーン人の笑いのテンポをよく掴んでいる!

 

こうして、単なる美形美声のファンだった私は、彼のコメディアンっぷりに惚れ直して、彼の次の舞台を楽しみにしてたんです。

 

男も女も、ある年齢を超えると、単なるかっこいい男の子や可愛い女の子ではやっていけなくなるでしょ。かっこいい、かわいいで通じるのも、35才くらいまでで、そこから先は、大人の男らしさ、女らしさを身に付けないと、何かいつまでも過去の栄光にしがみついてる、若作りしたおじさん、おばさんになっちゃうよね。

 

私がこちらでミュージカル見だしたころに若くてカッコよかった世代(ルカスとかも含めてね)が、30代超えるにしたがって、そして、次の若くてかっこいい世代がどんどん出てきてる中で、みんな「大人の男」になる方向性を模索することになるみたい。

 

そこで、うまく転換できないと、若い世代に置いて行かれるのでこれは死活問題。役者をやめて演出や振付や教師の仕事に行く人もいるし(有名な人じゃないけど、HenrikとかFritz Schmidtとか私の歌の先生とかも)、キャバレティスト(コメディアン)の道に進んで大成功するViktor Gernotみたいなのもいるし、ソロコンと時折の出演で十分な生活をできる人もいるし、ダンディなおじさんやかっこいいおばさん役でミュージカル界で主役張る人(UweとかMayaさんとかね)、名脇役として生き残る人(Andreとかかな?)、自分がスターな劇場で主となる(Sigrid HauserとかRuth Kvam(M!のコンスタンツェの人)とか)など、「大人の男/女」の生き様もさまざま。もちろん、いまだに「俺ロックスター」って言ってる30代後半の役者さんも数人知ってます。

 

そんな中、Borisは敢えて美男美声なのにコメディの道を進んだのは、すごいかっこいい!それも、才能あるし!これは、ほんと見守っていきたい感じ!

 

そして、前置きが長かったけど、今回の舞台。金持ち店主ホレースの店で働くしがない店員1コーネリウス(店員2はダメダメ君のバーナビー)が彼の役どころ。マイナーかと思いきや、ソロで言うと主役のドーリーの次くらいに多い感じ。金と社会的地位はないけど、しっかりしてて頼りがいがある、30才彼女なし君。うわー。Borisの役作りに期待!

 

そして、しっかり応えてきてくれました!あの美形で舞台を見つめて、「さあ!頑張って彼女見つけるぞー!今日中に誰かにキスするぞー!」なんて言われた日にゃあ。。応援するしかないじゃないですかーー!そして、帽子屋で出会ったアイリーンに一目ぼれ。。実生活では妻のCaroにおどおどと腕を組もうと腕を差し出す、あの仕草。。恥ずかしそうに腕を差し入れるCaro。かわいすぎるーーー!!

 

実際ラブラブ夫婦が、こうやって出会ったばかりの恋人役して、それも超自然に可愛く演じてるのって、ほんとほほえましくて、涙出てきた。いいよね、こういうの。。。。

 

で、店長のホレースが帽子屋にやってきてタンスに隠れるBoris。こういうドタバタコメディめちゃくちゃうまいんだよー!それに、Caroが落ち着いてしっかりしてるのに、いろいろと取り繕って可愛いし、そこにAnnさんがやってきて、堂々といろいろやらかしてくれるし、ホレース役のオペレッタのおじさんの怖い感じもピッタリ!

 

で、ホレースが出て行った後、AnnさんにBorisがダンスのレッスンしてもらうところ!!!ほんとは踊れる役者さんが踊れない振りするのって難しいと思うけど、ほんと最初腰が引けてて笑えるほどへたくそなの!Boris本と演技うまいわ。。そして、全然踊れてないくせに(横で激しく吹き出すバーナビーも絶妙!)、Ich tanze!(僕踊ってるよ!)って有頂天で宙を舞って、マネキンにぶつかるBoriswww会場大爆笑ww

 

いやあ、Boris、君がここまで笑わしてくれるなんて、ほんと嬉しいよ。。それに、なんか笑いのツボに入るんだよね。。

 

まあ、そのあとはミュージカル的にお約束で、奥さんのCaroと軽く上手に踊るんだけど、またこの時の体のキレもいいの!あれだけ美声だったら、特に歌と踊りの区別のあるウィーンでは、「歌う人」のくくりになって、踊りはあまりしないのかと思ったら、体もよく動くし、ダンスリーダーっぽい立ち位置でくるくる回ってるの!ああ。。なんて多才なんだ。。。美形で美声で、演技もコメディもできてダンスも人並み以上とか!はぁ。。。。

 

というわけで、なんだか、Boris&Caroカップルでものすごい語ってしまったけど、これからも二人はずっと応援していきたいな、と思ったわけです。

 

 

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