2013-02-22 08:57 | カテゴリ:その他ウィーンミュージカルレポ
●演出編

コンサート版だけど、相当しっかりした演出がありました。これがあるからウィーンミュージカルはやめられないよね!演出はザルツブルク州立劇場のAndreas Gergen。音楽監督Christian StruppeckとSoMをやった時からの知り合いなのかなー。しかし、コネ採用(爆)とはいえ、この演出はあまりにすばらしかった!!!

オケが舞台のど真ん中に陣取り、階段状に配置。真ん中には通路があり、キャストがだんの上から歩いて降りれるようになっている。オケは46人。アンサンブルもあわせると、100人以上が舞台上にいることに。

VBW+Orchester+Moritz+Schell.jpg
オケと指揮者とCAMuellerとStruppeck氏。すごい人数!


舞台手前には大きめなスペースがとってあり、ここで演技の大半が演じれらる。奥の階段上にもアンサンブルが立つようになっており、怪人などが登場する舞台となる。その後ろの書割には映像が映され、このおかげで相当演出の幅が出せている。マスカレードのシーンでは花火が、怪人の地下室のシーンではパイプオルガンが、屋根に上るシーンではパリの夜景が映し出される。墓場のシーンの怪人の火花も映写されるので、変に実物のひょろっとした火花散らされるよりよっぽど迫力だった!

あと、すごく感心したのは、映写される「オペラ座」の内部が、パリのオペラ座じゃなくてここ、Ronacher劇場なの!この映写はものすごい臨場感だよ!例えば、1幕最後(だったかな?)怪人の声が客席の色んなところから聞こえてきて、舞台上の皆さんがキャーキャー言うところ。怪人が映写の幕前(階段状)に立ってて、映写される背景は今私たちがいる劇場。それが、ゆらゆらと後ろやらサイドやらボックス席やら色んな角度からが映り、怪人がこの劇場の至る所に飛び回りながら同時に存在しているように見える(声もそれに合わせて色んなところのスピーカーから出てくるので、本気で怖い)。

で、映写だけじゃなくて、シャンデリアもこの劇場のシャンデリアそのまま使ってるの!なんと言う贅沢!まさか実際に普段上演されてる劇場で使ってるシャンデリアを、そのまま演出に使っちゃうなんて、なんて贅沢なの!それも、セットじゃないから実際に落ちたり上がったりはしないよ。けど、映写と照明とあわせると、ほんとに上がったり落ちたりする見た意味に見えて、真剣にすごい迫力だった!

まず、上がるところは、最初のオークションの直後だよね。普通演出だったら、舞台上にあるシャンデリアが急に光り出して客席の上に上っていくんだったよね。コンサート版では、「それでは、当時の輝きをお楽しみください」と言うせりふとあの曲が始まったら、頭上の本物の(現役のw)シャンデリアがピカピカ光り出すの!で、それだけだと多少ちゃちに見えるかもしれないのが、舞台上の閃光のような照明を合わせると、超リアル!!シャンデリア自体は全く動かさなくても、すごい臨場感だよ!

で、落ちる時(1幕最後)もまたすごい。さっきの、怪人が劇場内に偏在しているような音響と映像の効果を与えておいて、みんなの視線を映写される、今いるこの劇場の映像にひきつけてるのね。で、怪人が怒って、「行けーーーーーー!」とか言うと、映像が急にシャンデリアに切り替わり、上から落ちてくるような映像を映し出すの。既に観客は、映像で客席の中を色んな角度で飛び回るような錯覚を受けてるわけだから、そんなときにいきなりシャンデリアがこっち方向に落ちてくる映像見させられたら、本気で3Dのように感じちゃう。で、「いや、まてよ、あれは映像だから、実物は大丈夫だよね」と上を確認すると、頭上で怒ってるみたいにピカピカ光ってる!!!一瞬ほっとした瞬間、ひゅるるるるるるって音がして、真っ暗になり、舞台上の閃光の照明がパパッと激しく点滅する!!!一瞬しか実物のシャンデリアを見せないことで、本気で落ちたのかと思わせる、なんとも絶妙な演出!!!

いやあ、この演出法で行くと、あんな大掛かりなシャンデリアのセットを作って、あげたり下げたりする必要全くないよ。。まあ、上演劇場に本物の現役のシャンデリアがあることが条件だけど。あと、劇場自体がウィーンのみたいに馬蹄形でボックス席とかないと効果半減だけど。しかし、この劇場のシャンデリアをここまで注目してみたことなんて一度もなかったわw。そして、現役シャンデリアをそのまま演出に使ってしまうテクニックに脱帽!

こんな風に、劇場の作りをとてもよく生かして臨場感を生み出してたんだけど、劇場の舞台上のボックス席は、右手がラウルの、左手が怪人のボックス席となっているのも、非常に自然。あのボックス席をこんな感じに演出に利用してくれるのっていいねー。(どっちにしてもこの席は普段は売り出されず、関係者用の席だしね)

あと、もう一つのこのコンサートの演出の特徴は、男女二人のダンサー。またこれがものすごいいい味出してて、こんな頭いい演出考えたのだれだ!って感心するくらい。歌わないダンサーと言えば、RJフランス版とか宝塚版の愛とか死とかを思いつくかもしれないけど、このコンサートの男女のダンサーは、そういう何かを象徴してるわけではなく、それでいて役割が非常に分かりやすい。女は白い衣装、男は黒いタンクトップ。舞台が上がると、この二人は一番目立つ階段状ど真ん中で抱き合っている。これだけでも意味深。

基本的にこの二人は、怪人とクリスティーヌの象徴(TdVのクロロックダンサーやサラダンサーみたいな感じ)なんだけど、そうでもない実用的な役割もあったりして、一言ではいえないかな。例えば、ハンニバルの稽古でクリスティーヌやメグがバレエするシーン、もちろんLisaクリスティーヌはバレエ踊らないけど、代わりにこの女性ダンサーが踊ります。確かにこの方が、わざわざオペラ歌手級のクリスティーヌ役者を踊らさなくてもいいもんね。

あと、イルムートでカルロッタがカエルになって(そういえば、このときもカエルのシルエットが映写されてタイミングよすぎて笑ったw)、バレエでごまかすところも、女性ダンサーが一人で踊って暇つぶし。しかし、ここは男性ダンサーが後ろから忍び寄り、伸び伸びと踊っていた女性ダンサーの動きを制限し、支配するようなサポートをはじめ、結局女性ダンサーはまともに踊れなくなってしまう、という象徴的なストーリー付き。

かというと、明らかに(特に男性の方は)怪人の代理のこともある。あの、映画から新しく挿入された、マダムジリイが語る怪人の来歴の回想シーン。男性ダンサーが舞台脇にうずくまり、当時の怪人を象徴する。マダムジリイも手を差し伸べ、まるで当時の再現のようでとても美しい演出だった。あと、ラストの「え・ら・べ」のシーンで、普通の演出だとラウルはなんか上から落ちてきた檻みたいなのに閉じ込められるのが、この男ダンサーに首を後ろから絞められて羽交い絞めにされる。これだけで、あんなちゃちい檻なんてなくても、十分にラウルが怪人の恐ろしい力にやられて動けないってよく分かる(もちろん押さえつけられてるラウルはOliなのでこういうやられてる演技は最高級w)

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これは怪人が仮面を取ったところ。クリスティーヌの背後にいるのが黒ダンサー。

こんな感じで、この二人のダンサーがものすごく演出に貢献していて、もう、あんなお金かけたセットとかいらないから、みんなこの演出で上演しちゃいなよ!って激しく思ったw。

あ、あと、女性ダンサーはなんだかちょっと体格が大きくてぎこちないところもあったけど、男性ダンサーがもう、ムキムキマッチョで、黒いタンクトップ激似合い。動きもキレがあって、表情も怪人っぽくて、ほんとめちゃくちゃうまかった!!!

(キャスト編に続きます)


ウィーン版オペラ座の怪人。Goebelさまのファントムはセクシーで聴き応えあり!



ドイツ語吹き替え「オペラ座の怪人」サウンドトラック。あのUweがオペラ座の怪人を歌っています!



ミュージカル・テナーズ。今回のファントム役Christian Alexander MuellerがMusic of the Nightを歌ってるCDです。マーク・ザイベルト、パトリック・シュタンケ、ヤン・アンマンと売れっ子ミュージカルスターの競演CDで、他にも聞き所いっぱい!



ルドルフウィーン版全曲ライブCD。今回クリスティーヌだったLisa Antoniがマリーヴェッツェラ


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