2012-10-17 08:45 | カテゴリ:美術館・博物館
●クリムト臨時展:ウィーンミュージアム

続いて、2つ目のクリムト臨時展@ウィーンミュージアム。ここのミュージアム、ウィーンのお気に入り博物館の3つの指には入るなあ。「長い夜」で時間が余ったらだいたいふらっと最後の時間を過ごすの。空いてるし、置いてるものはなかなかレアでいいものが多いし。あまり知られてないけど、ほんといい博物館だよ-。立地もいいし。

IMG_9774.jpg

で、ここで「ウィーンミュージアム所蔵のクリムト全作品」の臨時展がやってます。これは翌日が最終日だったので、絶対見たかったのー!

979b04bde9.jpg


ウィーンミュージアムの内部の建築がかっこいい。
IMG_9768.jpg

IMG_9769.jpg

ここは、ベルヴェデーレのクリムトの人生を追った展示とは違い、芸術作品や作風といった角度から展示を構成したもの。同じ人の臨時展なのに、切り口が全然違ってすごく勉強になった!

あと特徴的だったのは、ウィーンミュージアムが所蔵するクリムトのスケッチ141枚が一挙に公開されていたこと。落書き程度のものから、有名な絵の練習画から、暇に任せて趣味で描いていた結構エグいヌード画までいろいろ。

見た絵、作品:
・クリムトのゆったりした絵描きマント
・エゴン・シーレが当日描いたクリムトのデスマスクの絵
・クリムトのデスマスク
・アッター湖のボートにエミリエ・フレーゲと乗った写真5枚ほど
IMG_9770.jpg

・その他、クリムトの生まれた家の写真などの記録写真。
・エミリエ・フレーゲの肖像画(青いドレスのやつ)
220px-Gustav_Klimt_049.jpg

・美術学校時代の若いころのスケッチなど。
・寓話「Jenius」「Skruptur」「Tragoedie」既に二次元の画法
・Lovers。恋人たちの絵の背景に怖い顔が見えてるやつ。枠は日本風の花の絵。
・ヘルメスヴィラの壁画(天井画?)のミニミニ版(デッサン?)
・旧ブルク劇場の再現画(劇場を取り壊す直前に弟とマッチュとともに請け負った仕事。客席に200人以上の当時のセレブを描き込まないといけなかったので、結構めんどくさい仕事。カタリナ・シュラット(FJの心の恋人。ブルク劇場の女優だったね)、カール・ルエガー(ウィーン市長)、ブラームスなどもよく探したらいる。)
・大学の絵のデッサン(大学の絵の実物は大学外に持ちだされ、持ち出し先の城Hetzenburg(?)で燃えた。)
・パラスアテネの絵。セセッシオンを象徴する絵だとされている。
3c175e4ed5.jpg

・セセッシオンの展示のポスター。真ん中が大きく空白になっている。古い絵画(ミノタウルス)を新しい絵画(ムキムキの男)がやっつける構図。局部を木で隠した2枚目のポスターも)
・大量のヌード画。スケッチコレクションの1/4はこういうクリムトの趣味で描いたようなエロいヌード。ちょっと趣味がヌード描きで笑ったw.クリムトそのままやんw.

勉強になったこと
・ちょうどガイドツアーが始まって、説明のおばちゃんがめちゃうまかったのですごい勉強になったー。
・クリムトのゆったりした絵かきマントちょっと感動。これ着た写真いっぱいあるし。肩の辺りがユーゲントシュティルでダラっとしてるけど素敵。
・シーレのデスマスクの絵はインパクトあった。一応弟子という位置づけなのね。
・芸術学校時代の絵は結構普通の裸デッサンなど。けど普通にうまい。
・若いころからすでに2次元の画風だった。あと、寓話的テーマも。「彫像」と言った寓話のテーマからも既に後の画風が。
・「恋人」の絵でクリムトの評価が定まった。愛しあうロマンチックな恋人の絵の背景に「運命」を思わせるダークな顔が幾つか。日本のモチーフの額縁も。
・クリムト、弟のエルンスト、親友のマッチュの組んだKuenstler Companieの受けた大きな契約は、ヘルメスヴィラの壁画(天井画)、新ブルク劇場の天井画、旧ブルク劇場の客席再現画、大学の壁画など。
・旧ブルク劇場の客席再原画は、今話しを聞くとコンナ若者たちに託すにはすごい大きな契約で、この3人がどれだけ評価されていたかよくわかる。
・200人以上のセレブを書き込んだ細かい画はかなり手間がかかっていて、全員をアトリエに呼んでスケッチしないといけなかった(一部は写真を送ってもらった)。横に誰が誰か名前を書いてあるスケッチもある。
・大学の壁画のスキャンダルについてやっとわかった。この壁画を描き始めたときは既にマッチュとは画風も違っていたため、最初から波乱の予感が。大学の6つのテーマのうち、クリムトは「哲学」「医学」「法律」の3つを描いた。「哲学」は大学側からは、哲学者の絵とかを描くよう期待されていたが、もっと抽象的に「人間の知識の集まり」的なものを描いたため、抽象的すぎて却下された。「医学」は真ん中に蛇(医学や薬学の象徴)を持った女性の絵が描かれている。こちらも近代的すぎたらしい。そういう理由で3枚は3枚とも却下。マッチュの絵は問題なかったのに。ちなみに「哲学」はパリの万博で金賞をとって、国際的には評価されていた。3枚の絵が拒否されたので、クリムトは大量の金(5万シリング?)で買い戻すことになった。資金不足で困っていたところに、パトロンのLederer氏がお金を出してくれて買い戻すことができた。絵はImmenbung(?)に運ばれたが、館ごと燃えてしまった。
・セセッシオンの臨時展のポスターは真ん中が大きく空白になっている。これが世間からまた批判される。古い絵画(ミノタウルス)を新しい絵画(ムキムキの男)が退治するという絵だが、男の局部が出ているのが批判され、急遽上から木の絵を描いて消したw.
・パラスアテネの絵は、セセッシオンを象徴する絵と言われている。批判するものを威嚇するメデューサの胸当てをしている。
・大量のヌード画w.もうこれは趣味としか言えないw.
・エミリエ・フレーゲの絵はこの展示の目玉。2次元の寓話性を絵の枠部分ではなく、彼女の青い印象的な衣装に描き混んでいると言われている。相変わらずエミリエ・フレーゲはミュージカルのにそっくりw.そして、二人の関係はここでもプラトニックだったと説明されている。
・最後にちょっとだけ、キッチュなクリムト展示があっておもしろかった。おみやげ物になったクリムト、という切り口で、傘とかネクタイとかw.
・もう一つ、隣の部屋でクリムト関連の過去の展覧会のポスター展示をやってた。これがまた結構面白くて。「チャオ・アデーレ」があったので思わず写真とっちゃったよ(アデーレを含むベルヴェデーレ所蔵の5枚の絵が、ナチス没収品として本来の持ち主に返されてしまった事件)。他にも、今まで面白いクリムトの絵画展やってたんだなあ。

IMG_9767.jpg

IMG_9765.jpg



エリザベート ウィーン版2012年新キャストCD<予約販売始めました>



クリムト オーストリア初演版CD アンドレ・バウアー主演!




クリムト オーストリア初演版DVD


応援クリック ありがとうございます!
オーストリア人気ブログランキングへ
ヨーロッパFC2ブログランキングへ
にほんブログ村 海外生活ブログ オーストリア情報へにほんブログ村
関連記事
秘密

トラックバックURL
→http://wienok.blog119.fc2.com/tb.php/1313-9378e189