2012-10-08 08:49 | カテゴリ:その他ウィーンミュージカルレポ
●キャスト編

このプロダクションはクリムトの他のエゴンシーレとツタンカーメン(Rob主演!)を作ったんだけど、どれもウィーンで最前線から一歩引いたところにいる実力者(主役のセカンドを長年やってた人(RobやLucius)とか名脇役とか)を主役に起用するので、結構見てて面白い。コストの問題もあるんだろうけど、今まで脇役やセカンドでしか見れなかった人たちに脚光が当たるのはいいことだ♪

今回も、まあアンドレ以外にも好きな人がいっぱい出てたのも見にいった一つの理由なんですが、皆さんやっぱりレベル高いわ!もう何度も言ってるけど、ウィーンのミュージカルは、どんなに小さいプロダクションや劇場でもみんな歌のレベルが高すぎる。。ほんと、役者の層が厚いわ。。

Andre Bauer - Gustav Klimt
Sabine Neibersch - Emilie Floge
Linda Geider - Genius
Lucius Wolter - Franz Matsch
Georg Prohazka - Ernst Klimt
Anna Carina Buchegger - Mizzi Zimmermann
Regina Mallinger - Helene Floge
Dennis Kozeluh - Kulturminister von Hartel
Harald Tauber - Kolo Moser
Bettina Soriat - Mutter Klimt, Serena Lederer, Ensemble
Dani Lehner - Modell Traudl,
Freifrau von Erlenauer?, Ensemble
Markus Hareter - Gerichtsbeamter, Ensemble?
Nicolas Christahl - Gerichtsbeamter, Ensemble

・アンドレ・バウアー@クリムト

今まで何かと影が薄くて、エリザのFJの後は役に恵まれなかったアンドレ。主演も超珍しい(スウィーニートッドやってた気が)。けど、美声で歌は安定して上手いのよー。ただ、カリスマ性に欠けるというか、演技のテンポが微妙にずれるというか。。(ダンスのリズムがズレまくりなのは突っ込まない方向でw)

そんな影の薄いアンドレですが、今回はそっくり特典(笑)で主役ゲットw。

もうそりゃ、アンドレのクリムトっぷりがそっくり!!前のジョン・マルコヴィッチの映画の時にはジョン・マルコヴィッチがそっくりと思ったけど、別の意味でアンドレも似てるわー。ジョン・マルコヴィッチとアンドレは似てないのにww。

アンドレはクリムトののんびりバージョンに似てる。アッター湖畔にあった、ちょっとくまさんみたいなクリムトの方にそっくり。ジョン・マルコヴィッチはあの有名なクリムトの写真にアホみたいに似てたけど。

そして、歌がもうすばらしい!ほんとこの作品クリムト出ずっぱりなんですが、良くあそこまで歌えるよね。。昼間は来日エリザの稽古でへとへとなはずで、夜は毎晩クリムトの公演やってるから、相当大変なはずなのに。。それにこの公演も英語とドイツ語どちらも覚えないといけないし、ほんと大変ー。

それも、女たらしの役だから、色んな人にキスしまくり。大忙し!感情的にも、でれでれしたり、自分を抑えたり、ケンカしたり、悲しんだり、結構忙しい作品。ほんといつもの物静かな役作り(FJとかレベッカのフランクとか)とは違って、役者としてもかなり大変な役です。

まあね、アンドレの演技がどうだったかというと、私にはなんとも言えないんだが。。(確かにエリザのFJだと、アンドレより今のFranziskusのほうがずっと演技いいしね。。)色々なシーンを上手く演じ分けていたという点ではとてもよかったと思うけど、一つだけ気になった点が。普通役者って、舞台上の演技としての沈黙でもちゃんと演技してるよね?なんか、アンドレはなぜか、彼が沈黙すると必ず「あれ?せりふ忘れた?」って思っちゃうの。ほんとは演技の一部なのにね。なぜだろ?

・Georg Prohazka@エルンスト・クリムト

クリムトの弟役のProhazkaさん(珍しい苗字だからついついこう呼んでしまうw)。この人最近ほんとよく見るけど、キャラが立ってて忘れられないの。NYにスチュワード役で出てた時から目立ってたんだけど、最初に気になったのはMusical Meets Operaというコンサートでオペラ歌手の女性と「ミュージカルVSオペラ」の歌を歌った時。芸達者で歌も上手いの!!

NY終わったら見れないかなと思ってたら、Stokerau のコーラスライン(未レポ)にボビー役(姉ちゃんのバレエシューズでダンスを始めた人)で出てて、またもや超芸達者!!!今回も、弟役としての出番は少なかったけど、ほんとよかった!背が高くてひょろひょろなのも親しみがww。そういえば、この人エリザのプレビューでアンドレのグループで一緒に見に来てたわw

1幕の真ん中辺りでエルンストは突然死んじゃうんですが、その前のシーン(エミリエのアトリエ)で男4人(クリムト、エルンスト、マッチュ、モーザー)と女二人(エルンストの婚約者とエミリエ)が男が偉いか女が偉いかっていう歌が盛り上がってて超楽しかった!アンドレの踊りだけズレてるしw。

・Lucius Wolter@マッチュ

久々ー。やっぱり好きだよ、Lucius。ほんと、歌も演技もしっかりしてるし見栄えもいいし、もっと実力あるんだからバシバシ主役やっちゃってもいいのにー。

今回も主役の親友役ながら、後半は頑固オヤジ役。ソロも少ないけど、後半の頑固オヤジになってからクリムトの絵にこっそり感動するところで一曲サスガなソロあり。

アンドレとLuciusと次のProhazkaさんが最初のシーンで仲間!って感じではしゃいでる様子がすごく好き!!!全然違う作品で好きになった三人(Andreはエリザ、Luciusはレベッカ、ProhazkaさんはNY)が同じ舞台上でキャッキャ言ってはしゃいでるのを見るだけでも眼福♪クリムトと親友と弟で三人でチームを組んで仕事してたから、ほんと仲いいのよー!R&Jのロミオとマキューシオとベンヴォーリオがきゃっきゃきゃっきゃ言ってるのと似た感じー。

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最初、三人が共同制作していた頃。仲良かったなあーあのころ。。

ストーリー的には、クリムトの親友だったのが、弟の死でクリムトがおかしくなって、親友のマッチュにまでけんか売って、そのまま作風の違いとかで更に溝が深まり、大学の天井画の件では合作したのに、二人の関係は決定的になり、結局マッチュは教授になり体制側の人間になってしまい、クリムトの新しい芸術とは和解しないまま終わるのね。和解しない親友同士(涙)

・Dennis Kozeluh@文化大臣

エリザファンの皆さんにはお馴染み、マックスパパのDennisさんです。ウィーン拠点なんだけど結構久々に見たかも。声が素敵ー。演技も超安定してるので見てて安心。文化大臣役(厳しいけど政治家なので優柔不断)もしっかり脇を固めてる。あと、大学の天井画の審査委員会のシーンも、周りの4人の審査員教授と共にいい味だしてたー!

この合計5人の審査員教授がもう爆笑!5人のうち一人は大臣のDennisさんとして、右二人は普通に主要な役の人が変装してるのがまた笑える。。Prohazkaさんはあまり目立たないからいいけど、Kolo Moser役のにいちゃんがつけひげと白髪でもうろくじいちゃんやってるのが爆笑w。

結局マッチュの絵は古典的だからOK,クリムトの絵はスキャンダラスだからNG、と言う決定が下るんですが、このじいちゃんはあれだけ討議を重ねた最後の最後で「どっちがどっちじゃったかな?」みたいなボケをかまして、結局大学教授は芸術なんて分かっちゃいないんでした、というオチを漬けるわけ。

ちなみに、このクリムトの大学の天井画は、一般公開されてなかったんだったと思う。私は友達の博士課程の卒業式に出席した時にこの天井画を見る機会があったんだった。

・Linda Geider - Genius

象徴的なGenius役の人は、名前は聞いたことなかったけど歌も上手いし、ダンスもすばらしいし、ちゃんと名前覚えとこうと思った。けどどこかで見たことがあるか?と思ったら、AmstettenのLittle Shop of Horrors(未レポ。。)の3人のガールズの一人だったんだー。あのガールズ三人ともすばらしかったんだよねー。またもや超才能ある人が超脇役。。

・Sabine Neibersch - Emilie Floge

エミリエ役の人は、ほんと絵のエミリエにそっくりで、最初に出てきた時からすぐに分かった!ウィーンでは大きな出演歴はないみたい。

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他にも、Kolo Moser役の兄ちゃんがキンキン高いテノールでなかなか悪役っぷりがはまってたり(老いぼれ教授も爆笑)、スポンサーのLederer夫人のヴァンホッパー夫人的なはしゃぎようがまた拍手モノだったり、アンサンブルそれぞれの見せ場があって、ほんとよくできてたし、キャストもよくそれに応えてた!

ほとんどのキャストがオーストリア出身だけどドイツで活躍していた人ばっかりで、このプロダクション(クリムト、シーレ、ツタンカーメン)でオーストリア初出演みたいな人もいるみたい。

●まとめ

ほんとこのプロダクション、キャストもスタッフも、あまり大きなプロダクションのしがらみのない、才能のある人を沢山使ってるみたいで、これからも応援したいなあー、という気分になったよ。

劇場も小さい中で、低予算でよくがんばってすばらしい効果を上げていたし、衣装はほんとすばらしかったし、キャストも文句なし!

やっぱり有名作品をやるほうがお客さんは入るかもしれないけど(ローカルな新作だからあまり売れ行きがよくなかったんだろうね、私もそれで買うの渋ってたわけだし)、こうやってウィーンローカルのプロダクションで、ウィーンローカルなストーリーをもっとがんがん作って欲しいなあー。

エリザベートだってモーツァルト!だって、元を正せばそういう「ウィーンローカルミュージカルを作ってみるぞ!」って言う勢いの中から生まれたものだし(フロイディアーナとか失敗作も含めて)、こういう勢いってすごい面白いと思う。やっぱり自国でミュージカルのプロダクションを作れると長期的にはかなり強いし、作曲家なども含めて育っていくしね。

なんてことを思いながら満足な観劇を終えて帰ろうとしたら、ウィーン劇場協会総監督のChristian Struppeckが目の前を歩いていったのでびっくり!このガラガラの客席に、あんな大物がいたなんて!思ったよりめっちゃ背が小さいぞw若いしw。

いや、Christian Struppeck色々批判されてるし、私もそんなに好きではないけど(明らかにドイツのプロダクション会社からの出向的立場w、あのプレゼン手法もなんかドイツドイツしてて、カネの匂いが。。)、こんな小さな作品を見に来るとか、ちょっと好感度が上がったぞ!ウィーン劇場協会でもっとちゃんとした劇場で再演してあげてください!また見に行きたいから!

●参考サイト(映像、写真)

オフィシャルサイト
トレイラー
DVDサンプル映像
ウィーン公演写真
グーテンシュタイン公演写真



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