2012-10-07 08:41 | カテゴリ:その他ウィーンミュージカルレポ

●演出、衣装、作曲編

いやあ、この作品で一番印象に残ったのは演出と衣装かな。

・衣装

ほんと、あまりお金のないプロダクションな気がするのに(たぶんクリムトイヤーで補助金多目にもらってる?)、衣装がもう豪華ですばらしすぎ!!!どれもこれもクリムト的デザインで、実際に絵で使われたものもも多い。

一番すごかったのはやっぱりラストの「キス」再現だね!ぼろぼろの服を着たクリムトが死にかけてて、エミリエが豪華な金の衣装で現れ、クリムトにゆっくり近づいていく。この時は、ん?見たような衣装だけど。。って感じ。

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それが、クリムトの側に来ると、彼の肩から同じく金の布をかけ、これで、お!これはもしや!と気がつく。で、二人は少しずつ動いて体を起こし、最後は「キス」の絵と全く同じポーズになって、暗転!!!うわーーー!!!!かっこよすぎる!!!!!もう、このシーン見るためだけにDVD買ったくらい、すばらしかった。。

あと、エミリエの登場時の衣装もどこかで見たような。エミリエの有名な絵で着てたやつだと思う。登場したらもう「あ!これはあの有名な絵の人だ!」って分かるくらい、顔も髪型も衣装もそのまま!!

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エミリエ登場シーン。アンドレが裸なのは、後ろでさっきまでモデルの二人とごにょごにょしてたからw。左の二人はProhazkaさんのエルンストとその婚約者Helene

他にも、エミリエのデザインスタジオのマネキンにかかってる衣装とかもクリムトデザインで細かくていいわー!

大学のお偉いさんのおじさんたちの衣装や貴族のパトロンの衣装が、それに比べてクラシックでやぼったいのがいい対比になってたしね。

・演出

そして、演出!!この劇場、ほんと結構ちゃちい見た目なんだけど、この演出にはぴったりだよ!幕が開いたらもう目を奪われる演出の連続。それも大きなセットとかは使わず、お金は上手いこと節約して最大の効果を上げてる。

まず、舞台は白い壁一面の真ん中だけ四角くくりぬいた感じ。ぱっと見はこのくりぬいた所が舞台に見える。役者はこのくりぬかれたスペースで演技するわけだけど、実際にはこの前面壁全部を使って演出のための映像が映される。くりぬかれた舞台側面部分も壁が厚く(1メートルくらい)、舞台の袖の部分も布を使わずに大きな白い板を片側3枚を幕代わりに使っている。この白い板を全部閉じると、前面壁~舞台側面壁~白い板3枚~書割~白い板~舞台側面壁~前面壁とつながって、上から見たら
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こんな形の白い壁が出来上がる。

この壁に巨大な映像を映写すると、映画館にいるような効果満点!最近演出であっと言わせられるようなものがあまりないなあ、と思ってたから、この手法はすごい画期的だよ!!

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閉演後はこんな感じ。横の映写されているところをうまく使っている。

こうすると、絵やイメージも全部映写で済ませるし、クリムトの大量な作品もセットで用意せずに簡単に映し出すことができる上、絵のモチーフを象徴的に使いたい場合(星とか十字架とか)、絵から一部を切り取って映写できたりするのが効果的。

結構感動したのは、地味だけど美術館(セセッシオン)のシーン。白い壁に絵を映写しただけなんだけど、美術館の中で絵を眺めている人たちの視線や動きにあわせて、映写された絵も3Dで動くので、まるで自分が美術館の中を歩いているような錯覚に陥った。

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美術館の中を歩き回ってる感じ

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その次のSo zu lieben(フレーゲ姉妹)の歌

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こちらはベートーベンフリースのシーン。クリムトは壁に塗りつけている。

あと、クリムトがキャリアの頂点でパリの万博で金賞を取った時のシーンで、紗幕の後ろの舞台上の簡素な足場にクリムトとGeniusが登り、前面壁から紗幕にかけて、目の前の壁全体に巨大なエッフェル塔CGが映し出され、それがまた3Dでグワングワン回っている様子もなんだか、自分がスパイダーマンがエッフェル塔登ってるみたいで迫力だった。

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んー。パリのシーンはあの映写が動くからすごいのであって、写真じゃ雰囲気伝わらないなあ。。

クリムトは足場の上で登ったり歌ったりしてるだけなのに、ほんとにエッフェル塔にすごい勢いで登ってるって感じだ出てた!それに、歌の後半ではエッフェル塔は消えて、エッフェル塔からパリを見下ろした映像が回りでぐるぐる回る!実際登ってみた景色そのままだったので感動!それも、私は客席にいるのに、エッフェル塔の上から見下ろしているような臨場感!!!この映写技術は一体何なの!!!

もう一つ良かったのは、クリムトとエミリエが理解しあうシーン(エミリエの衣装スタジオのシーン)で、周りが暗くなって星の映像が周りを回るんだけど、この星がクリムトの絵に出てくる妙な形の銀河とか月とかで、こんな細かいところまでクリムト風味だったのが素敵だった。

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最後の「残りのクリムト人生全部スピードアップで見せます」シーンでも、描いた絵がぐるぐると壁に映し出され、まるでクリムトと取り巻く人たちの周りを飛んで回ってるようだった。知ってる絵がさっと通り過ぎていくから、フォローもできないくらい!

そういえば、ブルク劇場か大学の天井画もちゃんと上に見上げるように映写されてて、実際その場にいるような気分になったわー。

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大学の天井画のシーンはこれ。見上げるのは最初のブルク劇場だったかな。

こんな感じで、セットは最小限で、迫力ある映写をばしばしつかって臨場感を出してたのがすばらしかった!ほんと、この演出には何度もドギモを抜かれたよ!

・作曲

作曲は、普通の冴えない感じのおっちゃん(笑)。8月に市庁舎であったWiener Musical Summerのコンサートでドラムやってた人で、え?こんなおっちゃんが作曲?って思ったんだった。

しかし、いい音楽だったよ!どの曲もとてもよくて、バラードだけじゃなくてノリのいい曲(最初のクリムト兄弟とマッチュの歌とか、途中の男4人女2人の歌とか)も楽しい!

ワイルドホーンっぽいけど、ワイルドホーンより好みなのはなぜかな?甘ったるすぎず、音楽に切れがあるところかな。結構曲の構成はリーヴァイに似てる。ワイルドホーンとリーヴァイの間だけど、ワイルドホーンほど甘ったるくなく、リーヴァイほど暗くなくって感じで、私はどの曲も聞きやすくてよかったと思う。

いわゆるOhrwurm(耳から離れない曲)もしっかりあって、エッフェル塔に登ってクリムトが歌うオーベンオーベンオーベンって曲(爆)とかSo zu lieben(フレーゲ姉妹の歌)とか1,2回聞いただけなのにしっかり歌えるし。そういうのって重要だよねー。



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