それでは、ドン・カミッロ&ペッポーネのエピソード解説第二段行きます。

 

過去のレポや登場人物解説は、ドン・カミッロ&ペッポーネDon Camillo & Peppone  カテゴリからどうぞ。

 

エピソード解説後半は、===の印のあるところ以下になります。それより上のエピソードは、一個前の記事、もしくは上のカテゴリからどうぞ。

 

ドン・カミッロエピソードリスト

 

・レーニンの洗礼式

・ノンノと先生と魂

・落書きとマニフェストと葉巻

・Mein DorfとHeimat

・若者のラブストーリーと昔の恋

・資本家と労働者の対立

===

・十字架行列と雨と悔い改め

・埋蔵金と教会の塔

・市長のテスト

・神父と市長の確執

・牛とスト

 

●十字架行列と洪水と悔い改め。

 

一幕後半から二幕前半の大きなエピソード。ラジオをこっそり聞く神父のところに資本家が相談に来る。娘が「人間のクズ」の男と付き合っている、聞くと神父は、あなたのような独り占めする資本家がいるから、マリオリーノのように共産主義に傾倒するものが現れると諭す。

 

弱者に傲慢なあなたのような人間が格差社会の原因なのに、貧しいものに味方する共産主義者を、主義主張だけで「クズ」呼ばわりする権利はない、と叱りつける。資本家は、今まで同じカトリックとして神父を支持してきたが、これからはお前もアカの手先だ!と怒って出ていく。

 

次に市長が登場し、十字架行列に共産党員は赤旗を掲げて参加する、と宣言し、政治の場ではないのでは旗は禁止と言う神父と喧嘩する。資本家からも労働者からも参加を断られ、たったひとり孤独にキリスト像を掲げて川に向かう神父。道中、武器を持った共産主義者グループが道を塞ぐ。

 

十字架を振り回すと、流石にキリスト像は撃てない共産主義者。市長も始めは銃を向けるが、威圧されて「神父のためでなく十字架のためだ」と呟いて帽子を取る。結局赤旗と教会の白黄の旗両方が見守る中、川に到着。怒りに満ちた神父が祈ると、突然の大雨。(幕)

 

二幕最初のパントマイムは、大雨の晴れ間。二幕が始まっても雨は続いていて、川が氾濫する恐れがあるため、村ごと避難する必要が出てきた。そこに神父が「祈り、悔い改めよ」と言って、村人は皆祈ると、雨は降るのに水位が下がりはじめ、雨もそのうちやんだ。奇跡だ!とみんな信じて喜ぶ。

 

けどこの奇跡は、ラジオで天気予報とダムの開閉時刻をこっそり知っていた神父が演じたトリック。その事をキリストに咎められた神父は、「村人に信心を取り戻させる嘘だから良い嘘だ」というが、「どんな嘘もいけない」と言われ、大事にしていた葉巻を砕いて、悔い改めの証拠とする。

 

このラジオの仕掛けの話を偶然立ち聞きした先生は、これをネタに、埋蔵金の両替の手助けをお願いしに来る。結局ここでは拒否するが、次のシーンで市長と交渉成立w(埋蔵金の詳細はまた別エピで)

 

この奇跡の洪水のエピソードは、神父がみんなに裏切られ、完全に孤独になったところからの巻き返しが鳥肌モノ。それも、みんなに悔い改め(Reue)を迫りながら、後で嘘を咎められたらちゃんとしおらしく自分も過ちを反省し、悔い改める所がまた素敵キャラ。

 

●埋蔵金と教会の塔

 

労働者達は広場で偶然、ムッソリーニ時代の市長が逃げる前に隠した埋蔵金を発見して大喜びする。しかし先生によると、昔のお札なので中央銀行での両替が必要で、その際に理由を聞かれて真実を言うと国に没収される、とのこと。村の財政は火の車でお金は欲しいのに、使えないお金。

 

先生は洪水の奇跡のからくりを知って、神父に半脅しで掛け合いに行く。教会の献金箱に入っていた事にして神父がローマに両替に行けば、お金は国に没収されず、村のものになる。一旦はは拒否する神父だが、市長と交渉して、埋蔵金の一部を教会の塔の修復費用にするという条件で、両替に応じる。

 

この交渉がお互いがっぷり四つに組んでて面白い。ローマに行かなければ、塔が危険だから教会は閉鎖せざるを得ない、と市長も譲らない。ローマへの電車代は共産党持ちねwってセリフが好きw 市長と共産主義者はこのお金で広場に噴水(巨大な像)を作り、神父は塔を修復する。(新しい鐘は別の話)

 

このエピソードは、一見お金をめぐる喧嘩のようだけど、二人共自分のために使うのではなく、村のための建設費用なんだよね。立場は違うけど、利害は一致してて、2人の似てるところもよく表せてる。この噴水の像の除幕式が最後のクライマックスになる。

 

 

●市長のテスト

 

マニフェストがミススペルだらけで、博識な神父に恥をさらし、口述筆記を頼もうとした先生には断られ、一念発起して勉強をやり直すことにした市長。

 

先生に相談したら、家で自習しなさいと本を渡され、とうとう試験(中学か高校卒業試験レベルだったと思うから、大検みたいな感じ)の日になる。黒板に数学と国語の試験問題が書いてある。数学の試験は、頭が混乱して全然わからない。

 

そこへやってくる先生と神父。もちろん神父は答えがすぐにわかっていて、困っている市長を見かねて助けることにする。厳しい試験官に「緊急事態なので、市長と5分間だけ話がある」と言い「あなたが信用できるんですか?」と聞かれて「私が神父だから信用できます!」とか言いつつ、背中の後ろでは指をクロスして「嘘バリア」。

 

そうやって試験官を追い払い、まず市長に突き付けたのは、答えではなく別の紙切れ。「教会の鐘の修理費を市の費用から出します」と言う紙にサインしたら、答えをあげるよ、と交渉する神父。仕方なく市長はサインし、数学の答えをもらう。神父は「今から鐘を注文したら、新しい噴水の除幕式に間に合う」と大喜び。

 

しかし問題はもう一つ残っている。国語のテストは「忘れられない人」。神父は「この問題の答えは、タダであげるよ」と言いつつ、自分の顔を思いっきり指さす。

 

 

●牛とスト

 

資本家Filottiが頑固で、小作人の借金を断固取り立てようとするのに対抗して、コミュニストがストを始める。しかし、工場のストとは異なり、農村では餌をやらなければ乳牛は死ぬ。ムームー牛の声が響く中、神父と市長は村の行く末を話し合う。

 

資本家は頑固なやつで、牛が死んで鳴き声が止まるまで労働者を苦しめるだろう、と神父が言った時、妙案が浮かんだ。2人で牛にこっそり餌をやって、牛が泣き止めば、資本家は牛が死んだと思って折れるのでは。

 

牛は鳴きやみ、神父は資本家に「乳牛が全部死に絶えて、お前という牡牛一人になるぞ」と告げる。こんな事態になったのだから、小作人の借金を帳消しにするかと問われ、振り下ろした右手を勝手に神父に掴まれ握手に持ち込まれ、帳消しに合意させられた資本家。横で父親のノンノが「帳消しの証人となる」と宣言して、無理やり解決。

 

ここ、一番ヤバめのクライマックス直前の大きなエピソードなのに、解決の流れがめっちゃ分かりにくかった。結局資本家は勝手に合意に持ち込まれ、父親でご隠居のノンノ(先生とラブラブ)が、労働者の肩を持ってダメ押しした、という流れ。神父と市長の餌やりは、牛が死んだと資本家に思わせるためだったのね。

 

この後は、スト事件を解決した神父が、満足げに葉巻を吸う→ジーナとマリオリーノが両家両親に殴られ血だらけで結婚を求めにやってきて、目の前でケンカする→ケンカするなら結婚はまだ早いと神父が言う→カップルは絶望して心中しようと川へ→捜索隊→頭ごっちん、という流れになります。

 

●神父と市長の確執

 

まあそもそも、なんでこの二人が犬猿の仲かというと、神父=保守、市長=コミュニストという立場の違いであって、二人が人間としていがみ合ってるというわけではないんだよね。一般的に保守=持てる者の見方=資本家の見方=労働者の敵と思われてるけど、実際教会は弱者や貧しい人の味方で、神父もそれを貫いている。誤解されるのは周りが勝手に解釈して敵味方を作ってるから。

 

一方コミュニストは、教会が金持ちの味方で、労働者から搾取していると思っているので、無宗教で、教会にケンカ売ってる。けど、荒くれ者の市長は労働者出身で学がないという弱点もあり、学のある先生や神父に劣等感を感じていて、偉そうにふるまうところもある。

 

こんな風に、結局教会もコミュニズムも、弱者を救おうという考え方は同じなのに、主義や信仰の仮面をかぶった自分勝手な人間にゆがめられ、偏見や敵意を持たれる結果になっている。それがバカバカしいと気づいたから、市長と神父は裏で手を組んだりしている。


最後の最後、若者が発見され、父親同士がけんかしてる時「神の名のもとに」「法律の名のもとに」って神父と市長が言ってるの聞いて、結局二人は村の両輪のようなもので、片方欠けても上手くいかないんだろうなーと思った。

 

父親同士のケンカを暴力で仲裁は「政治的観点から」できないという市長に頼まれ、神父が頭ごっちんをやるのなんて、やっぱり、一人じゃ制約があるけど、二人だったらなんでもあり、みたいなのがニヤニヤw

 

一番最後に、ずっと左に掛けてあった赤旗を外して市長が丸め、黄色と白の旗を神父が丸め、二人そろって川に投げ込むところ!結局信仰や主義は水に流そうぜ!結局は人間だ!っていう感じで、ほんと好きなエンディング。

 

 

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それでは、ドン・カミッロ&ペッポーネのエピソード解説行きます。

 

過去のレポや登場人物解説は、ドン・カミッロ&ペッポーネDon Camillo & Peppone  カテゴリからどうぞ。

 

●エピソード箇条書き

 

ドンカミッロのストーリー解説のリクエストがあったんだが、時系列より、エピソードごとの方がいいかなぁ。けど、エピソードも複雑に絡み合ってるから、うまく説明できるかなあ。

 

まず、手始めにエピソードを書き出してみる。

 

・レーニンの洗礼式

・ノンノと先生と魂

・落書きとマニフェストと葉巻

・Mein DorfとHeimat

・若者のラブストーリーと昔の恋

・資本家と労働者の対立

・十字架行列と雨と悔い改め

・埋蔵金と教会の塔

・市長のテスト

・神父と市長の確執

・牛とスト

 

こんな感じかなー。 

 

ドンカミッロのエピソードって、それぞれ複雑に絡み合ってるから、他との絡みが少ないものから始めようか。ぼちぼち行きます。

 

●レーニンの洗礼式

 

物語序盤で、神父と市長が初めてぶつかるエピソード。市長に子供が生まれ、無神論者の共産主義者なのに、妻の意向でイヤイヤ神父に洗礼式をやってもらうことに。洗礼名にレーニンが含まれることに怒った神父は、市長と殴り合いの喧嘩をする(教会からわざわざ出て舞台袖でw)

 

結局神父が勝ち、レーニンは洗礼名から削ることになるが、最終的な命名の時は、リベロ・レーニン・カミッロとなる。驚く市長に、「カミッロがあればレーニンも悪さできまい」とのたまう神父w ハレルヤコーラスw

 

●ノンノと魂

 

一旦死にかけて蘇り、美人先生に惚れるノンノ(80すぎの老人w)。ノンノはカトリック、先生は共産主義者で無神論者。ノンノは先生の魂を1万リラで買い取るという。魂の存在を信じない先生は、ないものに大金を払うなんてと驚くが、ただでお金を貰えるのまいっか、とサインする。

 

その後もラブラブアピールを続ける健気でかわいいノンノに、先生も悪い気はしない。二度目にノンノが死から蘇った理由は、先生に魂の契約書を返すのを忘れていたから。ここで先生に紙を返し、「返金はいらないよ」っていうノンノに、先生は思わずキス。ノンノは蘇り、先生とダンスを踊る。

 

このエピソードは、魂の存在を信じない人にとっても、その魂を売り買いされたりしたら、存在を意識してしまう。存在を意識した瞬間、見えてなかった恋愛感情も認識したって感じかな。ノンノはアホっぽく見えてインテリ資本家ご隠居なので、実はなかなか釣り合ってるのかも。お幸せに!

 

●落書きとマニフェストと葉巻

 

洗礼式のエピソードの後も、神父は市長が気に入らない。夜の闇に紛れて、コミュニストのポスターにESEL(ロバ)と落書きする。落書きに起こった市長は、犯人を罰するマニフェスト(声明)を出すが、学がないため恥ずかしいスペルミスだらけ。

 

市長は神父が犯人とは知らず、スペルミスを直してもらうよう頼みに行くが、神父は直したふりだけして、お礼のハバナの葉巻をせしめる。キリストに怒られるが、「これは教会のものではなくプライベートのもの」と言って、こっそり楽しもうと隠しておく。

 

こんな不正な手段で入手した煙草だが、結局洪水エピの後でキリストに嘘はダメだと叱られ、悔い改めたことの証拠として、半泣きで葉巻を破壊する。その後ストを止めたあとで、教会前で吸う葉巻(たぶん新しいのをもらった)の旨さは格別。


●Mein DorfとHeimat

 

神父のソロMein Dorf(直訳「わが村」別名「36の家と170の魂」)は、この作品碧玉のソロ。多分この作品を代表する曲を選べと言われたら、私ならこれを選ぶ。喧嘩っ早くて世俗的な神父だが、この曲では半分神を代弁しているようにも思える。

 

要約したら、「36軒の家しかない小さな村だが、全ての人を愛している」ってだけなんだけど、なんだか人類愛みたいな歌。まだドンカミッロ見るか決めかねてた時に、何かのコンサートでこの曲を聞いて、絶対見たい!って思ったの思い出した。クンツェ氏の傑作の一つだと思う。

 

対するHeimat(故郷)は、市長のソロ。明るいテンポで村人が楽しく踊る。「故郷はただの場所ではないし、ただの言葉でもない」と、故郷の大切さを歌った歌。注目すべきは、ものすごく簡単な言葉と単純な歌詞であること。小学生でもわかるし、メロディも一度聞いたら忘れられない。楽しくて、わかりやすくて、覚えやすい。

 

けどね、Heimatと言う単語は、今のオーストリアでは気を付けるべき言葉なんだよ。。極右自由党が選挙ポスターにHeimatって使いまくってるんだよ。。それも、極右は労働者や低学歴の若者向けに平易な言葉でメッセージを送っている。労働者をターゲットにしたポピュリストと言う観点から言うと、すごく重なる。

 

そういう意味では、このHeimatと言う曲は、とても楽しくていい曲なのに、背景を考えるとぞっとして鳥肌が立ちそうになる、二重の意味で恐ろしい曲。こんな明るい曲に、こんなメッセージを込められるクンツェ氏が恐ろしい。。

 

●若者のラブストーリーと昔の恋

 

この話には、明らかにロミジュリを意識したような資本家の娘と労働者の息子のカップルが登場するわけですが、他の登場人物が脇役に至るまですごくキャラが濃くて目立つのに、この二人は何となく影が薄い。これは何となく、わざとな気がする。多分クロシュ、やろうと思えばもっと濃い演技もできるはずだけど、わざとステレオタイプに抑えてるような気がする。ジーナもそうで、誰がやっても一緒のような、予想がつく演技。

 

多分この二人は、記号なんだと思う。他の人のキャラの立ちっぷりに対して、この二人は性格より「ロミジュリを示唆する」と言う役割が重要で、性格はあまり重要じゃないんだな。ここを淡泊に描くことで、神父や市長やノンノや先生のキャラがくっきり浮かび上がるし、更に、老ジーナの人柄がじんわり染み渡る。多分、平凡なロミジュリ的恋人に対して、感情のほとばしりを見せる老婆を対置することで、老ジーナの気持ちにみんなが共感できるように作ってあるんだろうな。

 

だって、この二人のラブソング聞いてても、親同士が反対する恋かわいそう、って泣けないもの。せいぜい「はいはいロミジュリ展開ねw」くらい。逆に、老ジーナが二人を遠くから見守ってたり、マリオリーノをすり抜けて何とも言えない悲しみと諦めの表情を見せたり、そのくせジーナを応援するようなしぐさを見せたり、そっちばっかりオペラグラスで追っちゃう。

 

物語は神父と市長が主人公で進んでいくけど、語り手の老ジーナの中では、この二人は時代の背景みたいなもので、主人公は若い恋人たちなんだ。こう考えると、客席が見ている視点と、老ジーナの視点がずれていて、同じ話を二つの視点から見ているような不思議な気分がする。

 

●資本家と労働者の対立

 

資本家代表がジーナの父親Filotti、労働者代表がマリオリーノの父親Bursco。この二人は隣同士だが、Filottiが500頭以上の乳牛を飼い、労働者を大量にこき使っていることに、皆腹を立てている。神父曰く「お前のような人がいるから、コミュニストが生まれるんだ」

 

労働者を搾取する資本家がいなければ、コミュニストも生まれなかったわけで、コミュニストの本当の敵は資本家で、教会はとばっちりを受けていつも神父は割を食っている。本当は弱者の味方なのに、誰も助けを求めに来てくれない。ジレンマだなー。

 

(続きますー)

 

 

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ミュージカル「ドン・カミッロ&ペッポーネ」の登場人物とストーリーを解説しておきます。

 

まず、この作品は、同名のイタリア・フランス共同制作の映画シリーズを舞台化したもの。時代は第二次世界対戦直後のイタリアの架空の村。

 

村のカトリックの神父ドン・カミッロと、新しく選ばれたコミュニストの市長ペッポーネの、真剣だけどコミカルな、村を巡る攻防のお話です。

 

今回は、もし日本上演された時に備えて(あればいいけどあるかな?)、ネタバレ無しの登場人物紹介をしておきます。

 

●登場人物紹介

 

ドン・カミッロ:36軒の家と170人の住民しかいない村のカトリックの神父。教会のイエズス像と会話ができる。カトリックなので保守的だが、性格は結構荒っぽくて世俗的。夢は、教会に沢山人が来ることだが、来なくても少ない信者向けにそれなりにやっていっている。カトリック=保守的=金持ちの味方とレッテルを貼られがちだが、実際の所カトリックの教えを守って、弱者の味方でもある。

 

ペッポーネ:第二次世界大戦で台頭したファシズム(ムッソリーニ)の反動で選ばれた、バリバリのコミュニスト(共産主義者)の市長。学がなく荒くれ物。コミュニストなので弱者の味方だが、市が財政難のため、お金にちょっとがめつい。ポピュリスト的なところがあるので、市民を煽ったり、すぐに発砲したりする。

 

(村なのに市長と言う言葉を使っているのは、ドンカミッロは「わが村」と呼んでいるんだけど、ペッポーネの肩書はBuergermeister(市町村長)で、何となく今までのレポで「市長」と呼んでたからという適当な理由です。神父と市長っていう方がなんかゴロがいいし、対等っぽいしw)

 

資本家Filotti:村に住む資本家。500頭の乳牛と広大な土地を持ち、労働者をこき使っている。ムカつく頑固な金持ち。Filotti家は資本家なので、カトリック。

 

ノンノ:Filottiの隠居した父親。ノンノはイタリア語で「おじいちゃん」の意味。のほほんとしていて、80越しても女好き。

 

ジーナ:Filottiの一人娘。労働者の息子でコミュニストのマリオリーノと恋に落ちる。

 

労働者Brusco:Filottiの隣に住む貧しい農民。Filottiと同じくらい頑固で、嫌い合っている。

 

マリオリーノ:Bruscoの息子で、共産主義にどっぷりの若者。Filottiを嫌っているが、その娘のジーナと恋仲。

 

先生(ラウラ):村に派遣されてきた学校の先生。インテリで共産主義者。このお話でまともに読み書きできるのは、神父との先生のみ。コミュニストなので神や魂の存在を信じていない。ノンノと色々ある(笑)

 

老婆:語り手役の老婆。後半この人物が誰か明らかになる。

 

では、次回から、ネタバレ有りのエピソード解説になりますー。

 

 

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●観劇直後のつぶやき

 

ドンカミッロやばい。。ヤバイよ。。この幸福感、喜びで涙が溢れる。。マヤさんの声聞いたら涙、演技見たら涙。。

 

気持ちがいっぱい。暑い夏の日にドンカミッロを見ると、冷たい川に足をつけたくなる。観劇後にはイタリアン食べることにしたw

 

三回目なのに、メモA4 4枚分!初見の新作でも、2,3枚なのに!リクエストあったので、ちゃんと説明書くつもり。時間が。。w

 

(今回は三回目レポと言うこともあり、ネタバレ解禁してます)

 

●全体のまとめ

 

ドンカミッロ3.5回目(MMO含む)にして自分楽。見れば見るほど好きになる。いくつか前回からの宿題だった謎も解けて、これで疑問点はすべて解消したので、ストーリーのことならなんでも聞いてー!(笑)神父と市長の他にも、資本家パパと労働者パパが二人共カッコよすぎた。おじさん万歳!

 

ジーナとマリオリーノはロミジュリ意識してると何度か語ったけど、これはどっちかと言うとウェストサイドストーリーだわ。「いつかどこかの島で」の歌は、Somewhereそのまま。最初これ聞いた時、パクリかと思ったけど、伏線だったんだなー。

 

●キャスト

 

神父のAndreas Lichtenbergerは、ほんとに見ててスカッとするwめちゃめちゃ当たり役だわ。Uwe的なキャノンが時々出るんだが、Mein Dorfのサビとか、スト中の「私は常に弱者の見方だ」って叫ぶところとか、資本家をしかりつけるところとか、風圧すごかった。

 

それに、スト後の「ドンカミッロは何でも知ってる」みたいな歌で、葉巻吸うところ、憎らしいほどめっちゃ満足げなのも、見てて嬉しくなるw最後資本家パパと労働者パパがケンカするのを市長と止めるところも、殴り合いのけんかのにイキイキしてるしwそれでいて、神の代弁者に見えることもある不思議。

 

あと、Andreas Lichtenbergerの変顔選手権w多分一番すごかったのは、市長が試験を受けている教室の窓ガラスに顔を押し付けて、変顔したままずり落ちていくところwあれはほんとありえないwガラスにすごい跡ついてたw

 

市長はセカンドのKai Peterson。優しいおじちゃん役が多い中、今回めっちゃダミ声(普段は美声)で、役作りにビックリ。Frankの破天荒っぷりにはかなわないけど、とても良かった!本人楽日なのか、カテコでキャストに深々と礼をしてた。

 

資本家パパとがバルジャン役者のBrusmann氏で、労働者パパがレオポルトセカンドのThorsten。Thorstenは神父セカンドで見て以来なんか気になってて、声がすごくいいし、表情もとてもいい。ハンサム系なルックスなのに、荒くれ者の演技が似合う!かなり好みかもしれない。。

 

あとセカンドは、ノンノとジーナかな。ジーナは声きれいのに、なぜかよく音外してた。ノンノはファーストの人が芸達者すぎるけど(すごい役者で歌手の人)、セカンドの人も顔が丸くて、背が小さくてかわいかった。ファーストがオラフ、セカンドがテディベアって感じ。

 

 

二幕始めのマヤさんのパントマイム、今日は今までで一番の拍手で、水から上がるとこ(ハンカチの敷き方と畳み方が几帳面でおばあちゃん!)、ハンカチ取るとこ、靴に届かなくて手をピョコピョコするとこ、靴を足で立たせるところと、爆笑&拍手の嵐。腰さする後ろ姿にも笑えて泣ける!

 

 

●泣き所

 

泣き所が多すぎて覚えてるかな。マヤさんの第一声。Mein Dorf(一番好きな歌)、最初の若者デュエットの後でマリオリーノをハグしかけて微笑み、ジーナに手をかざす老ジーナ、二幕始めのパントマイム、初キスの時のすれ違う老ジーナ(号泣)、自転車キス、カテコの三人ではね回るマヤさん。

 

●色々単発の気づいたこと

 

最後老ジーナとのキスの後で、若ジーナがなんと自転車に乗れず、クロシュも斜めに倒れそうになる自転車支えるのに必死w結局乗れないまま、ジーナは徒歩で退場w カテコでワイワイ楽しくて気にならなかったけどねw

 

もちろんスタオベなんだが、カテコのマヤさんが出てくるところでみんな立ち上がった!あれは体が勝手に立ち上がるよね。マヤさんって知らない人も、アレはすごいって分かるもん!後でシシィやってた人だって知ったら、もっと驚くだろうなw

 

先生のキャラが一貫してて好きw 最後ノンノと結婚するって言うのも、神父じゃなくて市長に言うのね。教会式じゃなくて、役所での式優先なのね。あの二人くっついてほんと嬉しい。 劇場近くのレストランでディナーしてたら、先生役の役者さんが横通って帰ってたw

 

神父が2回、背中で指をクロスする場面があるんだが、独語圏では「守るべき約束を守ってないよ、へへーん」って意味。1回目はマニフェストのスペルチェック(したふりしてしてない)、2回目はテストの時試験官に「神父ですよ!嘘つくわけないです!」って言った時だったと思う。

 

●老ジーナについて

 

なんとなく自転車キスの後で老ジーナは成仏したのかな、と今日感じたけど、カテコで3人で水バシャバシャしてはね回って、ジーナと抱き合って踊って、マリオリーノにカジュアルにキスしてもらってて、幸せすぎて泣いた。。

 

老ジーナはナレーターなので見えない設定だけど、結婚式の後で喜び絶頂の神父に話しかけられ「あなたはまさか。。」と聞かれて思わず「私はあのジーナなんです!」って打ち明けるところも号泣。

 

老ジーナは語り手という意味では、ルキーニにも重なる。シシィ役者のマヤさんが語り手として気持ちを込めて語る対象が、ルキーニ役者のクロシュ演じるマリオリーノってところに、不思議な逆転を感じるよね。

 

●ヒトラーの扱いについて

 

ドンカミッロは終戦直後のイタリアを舞台にしているんだが、二曲目で歴史背景の説明の歌がある。ここでムッソリーニやヒトラーの話も出てこざるを得なくて、舞台に鉤十字の旗、アンサンブルが入るヒトラーのポーズを30秒ほどするところがある。舞台上部にはヒトラー本人役も。

 

どれも劇場の外では違法行為なので、客席は氷のように固まり、居心地の悪さから早くこの場面終わってくれと願う場面。「この支配も終わり」と言う歌詞で、雷が鳴り、稲妻が光り、ヒトラーも民衆も地面に倒れるという収め方は、観客が見てもほっとするもので、とても難しいけど絶妙だと思う。

 

更に気が付いたんだけど、ヒトラー役の人、顔は帽子と逆光で見えないんだけど、すごく背が低かったし華奢だった。多分あれ、女性の役者がやってたんだ。いつも教会にいる二人の黒服の夫人のうち、小さい方と背格好も服も似てる。女性にヒトラー役をさせるなんて、ひねってるなー。

 

あとこれは完全に推測なんだけど、ノンノが一回目に死にかけるシーンで、二階に老ジーナと黒服の女性がいて、下をじっと見てるんだよね。深読みかもしれないけど、二人は死後の世界(女性はノンノの妻?)から、死にかけノンノを見てるのかなと思った。個人的には老ジーナは生きてると思いたいけど。

 

●老ジーナの考察

 

で、老ジーナって結局何?と言う疑問が残る。これは答えずにおいておきたいけど、一応推測する。①今90歳くらいで生きていて、タイムトリップ的に当時の事を語ってくれている。②90歳くらいで亡くなったばかりで、魂として語っている。③実は心中事件で死んでいて、「もしあの時死なずに発見されていたら」と言う設定で語っている と三つくらいかな。

 

まあ、一番自然なのが①だと思うし、年齢的にもピッタリ。多分、夫マリオリーノが先に亡くなり、夫の記憶を求めて語っているんだと思う。マリオリーノが結婚後すぐに死んだのか、長寿で最近死んだのかは全く語られないけど、個人的には、マリオリーノが亡くなったばかりで、まだ好き過ぎて消化できないので、思い出の中の若かりし頃を振り返っていると思う。もちろん、老ジーナはマリオリーノの死後ボケてしまって、1945年の世界でふらふらしているとも考えられるけど、幕間の老ジーナとかめっちゃユーモラスでしっかりしてて、ボケたとは思えない感じだし。

 

②の死の直後説は、最後の自転車マリオリーノにキスした後サッと消えるところと、死にかけノンノを上から見つめるところがその理由。けど、マリオリーノのキスの後は普通に見たら、夢→現実って感じで、成仏ではないかな。。

 

あと、神父に最後見られてしまうところは何だろう?老ジーナが喜びのあまり、タイムトラベラーなのに姿を見せた(①説)かもしれないし、神父が喜びのあまり一瞬神に近づいて、魂となった老ジーナが見えた(②説)かもしれない。もちろんどちらも混合かもしれない。考える材料としては面白いなー。

 

そして、③のタイムリープ説。これは考え過ぎかなーとも思うけど、あの時は二人は心中して死んでしまったけど、死なない未来もあったはずという物語と言うのも、ありえなくはない。マリオリーノをすり抜けた時にすごく切なそうな表情をしたのとか、結婚式の時に異様に喜んでいた(達成感?)とか、自転車マリオリーノのキスで消えた(やっと願いがかなったので消えた)とか、根拠は一応ある。

 

けど、もし心中で死んでたら、もっと全体的に老ジーナだけ思い詰めてるだろうし、思い出に浸って幸せを感じる、なんてことも少ないんじゃないかな。あと、タイムリープしてるんだったら、あそこまで老けた姿でいる理由がないよね。

 

と考えると、やっぱり①の現代を生きているその辺のおばあちゃんが、亡くなった夫との恋物語を語ってくれている、っていうのが一番矛盾がないし、希望に満ちてるかなー。

 

 

●まとめ

 

というわけで、やっぱり大好きで、いっぱい泣けて、いっぱい笑えるドン・カミッロ&ペッポーネ、見納めでした。

 

正直、ドイツ語や社会背景がわからないと難しい作品かなーと思ったけど、最後の最後で、その辺全然わからなくても超楽しくて大好きな作品!って言ってくれた人に出会えて、ああ!!やっぱり、私が好きって思った作品は、言葉や背景がわからなくても素晴らしい作品だった!って再確認したと同時に、あまり固く考えず、好きなら好きともっと大声で言っておけばよかった。。とちょっと後悔。

 

だって、ツイッターやブログでは、「ちょっとこれは難しめかも。。」なんて書いたから、敬遠した人もいたんじゃないかな、とか思ったり。正直私の中では、シカネーダーよりずっとずっと見るべき作品だったし、シカネーダーは2回見て見過ぎたって気がしたけど(爆)、ドンカミッロは3.5回見て全然見足りない!って感じ!

 

やっぱり、好きな作品は全部理解してるわけじゃなくても、勢いとか感動とかがどーっと押し寄せてきたら、あまり深く考えずに、好きだー!!みんな見て!!!って叫ぶべきだなw言語や知識なんかに遠慮しなくてよかったんだ。。今度からは、好きだったら、細かいことは気にせず、とにかく見て!って言うことにする(笑)

 

それでも、やっぱり背景知識知ってたら10倍面白いと思うので、次の記事で、この作品のエピソード解説していきますー。

 

 

●おまけ

 

昨日劇場のスタッフがこのうちわ持ってたので、どこで貰えますか?って聞いて、教えられたとおりチケットオフィスに行こうとしたら、あとから追いかけてきて、本人が使ってたのくれた!めっちゃいい人♪表はTdV,裏はアイ・アム・フロム・オーストリア。大事に使おう。

 

 

 

ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版ライブCD<2枚組CD>

ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版プログラム

ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版リブレット(台本)

 

 

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ミュージカル・ミーツ・オペラ9 ドン・カミッロ&ペッポーネコラボの記事の続きです。

 

過去のミュージカル・ミーツ・オペラの記事はミュージカル・ミーツ・オペラカテゴリからどうぞ。

 

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Ronacher劇場

 

●出演者

 

ドンカミッロ側の出演者もマヤさんやらAndreas Lichtenbergerやらファーストが沢山出ていて、それもすごい名のある人ばかり!なんだか、シカネーダーの時より、出演者のやる気やら楽しんでるリラックス感が伝わってきて嬉しくなった♪

 

ドンカミッロは、前回(4日前)見た時セカンド率が高かったのは、Andreasの急な手術が入ったからだったんだとか。土曜日(8日前)に急に腹痛を訴え、すぐに手術をして、この日(日曜)には舞台に立ててたんだから、すごいよね!おなかにはピアスだらけらしいw そのせいで、ドンカミッロをセカンドのThostenがやって、Thorstenの役(クロシュの父)を別の人がやり、Martin Bergerが資本家をやったという、かなりイレギュラーな配役だったっぽい。

 

今回は4日前に見た時よりファースト多めで、セカンドは市長だけかなー。それも顔と声でKai Petersonかなーけど出てたっけ?と思ってたら、やっぱりKaiで大当たり!!Frankより優しそうだけど、これもThorstenと同じく声量が素晴らしく、この作品はファーストはキャラ、セカンドは歌声で選んでるなー、と実感。どちらも素晴らしいので、迷うよー!

 

Thorstenの神父は芯が通っていて頼れる人だけど、実は人情にあふれてて、人間くさいって感じですごく好きなんだけど、Andreasはしっちゃかめっちゃかで、どんな破天荒なことを起こすか予想できないけど、よく見たらいい人、っていうのもすごくいい。歌声もThorstenの方が安定してる深い美声だけど、AndreasもUwe的なキャノンが出るからなー。甲乙つけがたいなー。

 

インタビューで主要キャストの過去の役について話してたんだけど、あまりにおじさんたちがみんなすごい人たち過ぎて震え上がったわ。死にかけじいちゃんがまさかの、本職はオペラ歌手で、オペラ座の怪人ウィーンで4年もやってた人とは!ほぼソロはない役なのに、実は超美声で、オソレミーオの歌声が素晴らしかった!御年77歳で、86歳の役をやってる。っていうか、ファントム様スケベオヤジになって降臨w

 

そして、ジーナのパパの資本家のファーストキャストはReinhard Brussman。初代バルジャン様でございます。。貴婦人にも出てたよね。めちゃくちゃ怖そうで声が野太い美声。。

 

更に、クロシュの父のファーストがMartin Berger(水曜日は資本家役で見た)。この人キャッチミーの刑事で大好きだったんだよね。「ミスサイゴンのクリスもTdVのクロロックもやったけど、恋愛が成就するのに死ぬなんて、やつらはルーザーだ。この役が好きだ!」とか言ってて爆笑wいや、クロロック死んでないけどw

 

 

オペラ歌手側は、大好きなMorton Frank Larsen(フォルクスオーパーのスウィーニー)や、前回出ててものすごく上手かった、若手(20歳!)バリトンのAlexander Grassauerが出演してて、もう恍惚となって聞いてた。他の二人のソリストClaudiaとCarlos Osnaも素晴らしくて、残念なソリスト一人もいなかった!

 

Larsen様はMMOは3回目!いつもオファーしたら、二つ返事で出演を即答するんだとか。いつもご機嫌で、色々提案してくれて素晴らしい!とMMO賞みたいなのを受賞してたよ。Larsen様大好きだよ。。セビリアの理髪師のフィガロの歌と、リゴレットの父娘の故郷についての歌を歌ってくれて、クロスオーバーのラブソングも歌ってくれたよ。。

 

音楽監督 Koen Schoots

 

DON CAMILLO & PEPPONE

Andreas Lichtenberger, Maya Hakvoort, Kai Peterson, Kurosch Abbasi, Jaqueline Reinhold, Ernst Dieter Suttheimer, Reinhard Brussmann, Martin Berger, Femke Soetenga

演出家 Andreas Gergen

 

オペラ歌手

Claudia Goebl, Morton Frank Larsen, Carlos Osuna, Alexander Grassauer

 

 

●新しい試み

 

今回のMMOでいつもと変わってたのは、いつも指揮者とは別にピアノ演奏のWolter Lochmann氏がいるのに、今回はピアノも指揮もKoen Schoots氏だったこと。オケ(上の階)とピアノ(舞台上)と行ったり来たりが大変。MMOでSchoots氏が前面に出るのは初めて。

 

Schoots氏がインタビューされたのも初めて。オペラの指揮もしていましたが、大規模オケと少人数のバンド編成ではどう違いますか、と聞かれ、「Handwerk ist Handwerk(手作業は手作業)」と答えていたのが職人ぽくて印象的。この人がある程度の長さをしゃべるのを聞いたのは初めてだわ。

 

あと演出のGergen氏のインタビューもあった。なんと墺人だった!好感の持てる感じで、頑張って仕事してる感じがあって、ちょっと応援しようと思った。彼の仕事っぷりは、マンネリもあるけど、サプライズもあって、どう評価しようかまだ迷ってたけど、インタビュー聞いてなんか好きになったw

 

●バックステージを舞台に乗せて解説

 

今回は主要スタッフのインタビューだけでなく、作品のバックステージを見せるという試みも新たにあった。マヤさんが老婆メイクの途中で出てきてくれたのもあったし、何より爆笑だったのは、赤ちゃんの洗礼式の前に神父と市長が殴り合いのけんかするシーン。

 

ここ何度見ても爆笑のシーンなんだけど、実際の殴り合いは舞台袖で行われて、舞台上で見えるのは、ケンカを見ている4人だけ。うち一人はけんかを止めに入って、ボコボコにされるw最後は神父が勝つわけだけど、この舞台袖の様子を見せてくれた!

 

なんと、ガンガン殴ってる音は、金属製のごみ箱を神父が落として転がしてるだけだったwその間市長は殴られメイクされてるw見習い修道士引っ張りこむのも神父本人w靴を投げるのは市長w舞台袖で本人たちがテンション高くゴミ箱転がしてるのは、超面白かった!!この作品好きだ。。

 

 

●恒例メドレーとかフィナーレとか 

 

ラストはドンカミッロのラストの、超盛り上がる曲!!!像はないし、婚礼衣装ではないけど、ちゃんとクロシュが帽子にマントに自転車で、マヤさんにキスしたところは、もう号泣。。。なんで文脈ないのに泣くの私。。アンサンブルが少ないので、マヤさんからジーナに切り替わるところも見えた。

 

ああ・・やっぱりこの作品全部好きだけど、このラストの歌とシーンが大好きだわ。。ほんと、この歌聞いたら来てよかったー!って思う!!!実はこの作曲家結構好きかもしれないので、またミュージカル作って欲しいなー!!

 

というわけで、コラボ作品自体が好きなんだけど、MMOの構成もゆったりとして時間に追われない感じで、舞台上の皆さんがリラックスして楽しんでた感じがすごい伝わってきて、数年前のMMOの雰囲気に戻ってきた気がする。今回はそういう意味で、すごく楽しかった!!次回はTdVでやるかもよー!との言葉が、いつも大好きな博識の司会者Daenemark氏の口からありましたよー!

 

星の王子様で、「砂漠は井戸を隠しているから美しい」っていうせりふがあるけど、大好きな作品を上演している時のウィーンは、普段より美しい気がするよね。なんで今更こんなにドンカミッロにハマったんだ私w

 

Musical Meets Opera 9 | Aktuelles | Musical Vienna - Die offizielle Seite der VBW

 

 

 

ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版ライブCD<2枚組CD>

 

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ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版リブレット(台本)

 

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観劇日2017/5/7 Ronacher劇場にて

 

ドンカミッロコラボのミュージカル・ミーツ・オペラに行ってきました!最高だったー!前回のよりのんびり楽しめて、ホントいい雰囲気だった!MMO大好きすぎる!これこそミュージカルとオペラを愛する、芸術家と観客全てのための祭典!最高に幸せな気分になれる一度きりのお祭り!

 

とにかく構成がとても良く、前回よりインタビューとかゆっくり聞けて、キャストやスタッフの魅力満載だった!ミュー側もほぼファースト、オペラ側のソリスト2人も大好きな人が出てた!マヤさん大活躍でめっちゃ楽しそうだった!

 

もうなんだか、作品への、キャストとスタッフへの、司会者への、オペラ歌手への、観客への、すべての愛に満ちあふれて、変な幸せホルモン出て、ハイな気分になってるwこういう時に人と会うと危険w 落ち着かなきゃw しかし、私が舞台を見るのは、この幸せホルモンの為なんだなーw

 

ドンカミッロを何回か見て思ったけど、この作品のおじさんパワーがすごすぎてびっくりするわ。主役二人もすごいけど、敵対するパパ同士が初代バルジャンとキャッチミーの刑事。そのカバーがモーツァルト!のレオポルト。驚いたのが、死にかけじいちゃんがオペラ座の怪人ファーストだったこと!

 

ミュージカル・ミーツ・オペラ3-8の記事はミュージカル・ミーツ・オペラカテゴリからどうぞ。

 

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Ronacher劇場の天井。その昔オペラ座の怪人コンサート版で、このシャンデリアが落下するかという演出があって、鳥肌モノだった。

 

●全体の感想

 

今日見てきた、ミュージカル・ミーツ・オペラ第九回、ドン・カミッロ&ペッポーネとのコラボコンサートのレポ行きます。ウィーンミュージカルとオペラのコラボ企画も今回で第9回目。ほぼ全回見てるMMOファンの私としては、今年は2回もあるのでワクワク(ちょっと前にシカネーダーもやってた)。

 

参考記事:

ミュージカル・ミーツ・オペラ8(シカネーダーと魔笛)①全体の感想と出演者

ミュージカル・ミーツ・オペラ8(シカネーダーと魔笛)②全体の流れと歴史的感動

 

前回はまさにミュージカル・ミーツ・オペラそのもの作品シカネーダ―だったけど、今回はあまりオペラと関係のないドンカミッロとのコラボということで、どうなるかと思ったけど、私は今回の方がのんびり楽しめたかなー。司会のDaenemark氏もリラックスしてた。

 

毎回リハ一回だけのかなりぶっつけ本番感が強いこのコンサートなんですが、今回は前回の教訓を生かして、ソリストや歌を詰め込みすぎず、キャストインタビューやバックステージ裏話を多めにして、普段舞台で見られないことを沢山見せてもらえた気がする。ほんと楽しかったー!

 

●クロスオーバー

 

このMMOの醍醐味の一つに、クロスオーバー(オペラ歌手がミューソンを歌ったり、ミュー役者がオペラを歌ったり)があるんだけど、専門外の歌を歌うのを嫌がる人も多く、最近とても少なくて残念だった。今回はかなり多めでそれだけでも嬉しいよ!

 

クロスオーバーは、まず驚いたことに、しょっぱなでマヤさんがカルメンのハバネラ歌った!凄いレア!いつになく緊張して、楽譜見ながら歌ってたの初めて見た!けど、時々にやっとして客席見るのがチャーミング!歌声は、ちゃんと響かせるところは声出てて、ミュー歌手が歌うオペラにしては本当によかったと思う!あんな表情のマヤさん見れてラッキー♪

 

直後のインタビューで、ミュージカルとオペラの発声の違いを聞かれて、ミュージカルは子音を前に出していくところを、オペラはもっと体の奥で響かせるのが違う、と言っていて、まさに両方やった私はスゴイわかる!声の出し方が違うと、同じ人でも表情まで違うのねー!

 

マヤさんは、この後1時間かけて老婆のメイク。途中で頭と目元だけメイクして、下はピカピカドレスで出てきて、こんなメイク途中を見れるのも珍しい!後半はちゃんと老婆メイクで出てきて、舞台上では完璧に老婆で素晴らしかった!インタビューがチャーミング♪

 

身長が老婆でぐっと低くなるのは、膝を曲げているからだと言ってたけど、それじゃ等身がおかしくなるので、もしかしたら衣装も腰が高い位置に見えるように工夫してあるのかも。

 

あと、老婆の衣装で一度だけ外を歩いたことがあるんだとか。開演30分前に、リングストラッセガラリーエンの有料駐車場に停めた車の助手席に財布を置いてきたことを思い出し、既にメイクしてあったが、下は普段着のままで猛スピードで走って(たぶん走っても5分かかる距離w)車まで戻ったんだとか。顔と髪だけ老婆が猛スピードでウィーンを駆け抜ける様子想像して笑ったw

 

クロスオーバー二つ目は、恋人の歌をクロシュ&ジャックリーヌのファースト二人の横で、Morton Frank LarsenとClaudiaのオペラコンビが歌い、四重唱になってたこと。まずLarsenさんが裸足で川に水付けてるだけでもおちゃめで笑えるwこの二人本当にうまいので、四人で歌ってハモったりして、ほんと素敵だった!さらに、曲の最後でミュー組がキスしてる中、オペラ組はおでこをコツンとくっつけて超カワイイ!!!(Larsenさんスキー!!)

 

最後のサプライズクロスオーバーは、カルロスがオソレミーオを歌ってたら、突然杖ついておじいちゃんが登場し、耄碌したのかと思ってたら、突然最大音量でおおおおーーーーーそれーーーみいいいいおおおおおお!!と熱唱し始めたこと!!!オペラ歌手に負けない声量!もう割れるような拍手!流石ファントムやってた人!!昔取った杵柄過ぎてもう鳥肌モノ!!!

 

●選曲とコンサートの流れ

 

MMOはいつも、ミュージカルとオペラの共通点を見つけて歌い比べるんですが、今回はドンカミッロに対して、リゴレット、セビリアの理髪師、ロミジュリのオペラから選曲。

 

ドンカミッロの2幕始めの嵐の歌→

カルメンのハバネラ(マヤさん)→

ドンカミッロは何でも知っている的な歌(Andreas)→

セビリアの理髪師が何でも知っている的な歌(Larsen氏)→

Heimat(Kai)→

リゴレット父娘の故郷の歌(Larsen+Claudia)→

Koen氏インタビュー→

おじいちゃんの死(一回目)→

主要キャストインタビュー(マヤさんメイク途中)→

シューベルトのアベマリア(お祈りつながりで、Claudia)→

Mein Dorf(Andreas)→

赤ちゃんの洗礼式のシーン→

ケンカのバックステージ再現www→

ラブソング四重唱(クロシュ、ジャックリーヌ、Larsen氏、Claudia)→

Zaunが出てきてパパたちとケンカ→

オペラロミジュリからロミオのソロ(カルロス)→

ドンカミッロ1幕終わりの洪水のフィナーレ(マヤさんソロから)→

Andreas Geregenインタビュー→

セビリアの理髪師から小雨が大雨になる歌(Alexander Grassauer)→

Wunder geschehen→

(晴れるつながりで)オソレミオ(カルロス+じいちゃん)→

メドレー→

Bravo Bravissimo(フィナーレ)

 

 

 

ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版ライブCD<2枚組CD>

 

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2017/5/3に見た、ドンカミッロ&ペッポーネ@Ronacher劇場二回目観劇のレポです。

 

ネタバレ有り、ストーリー解説なしなので、私の感想書きなぐりって感じですが、そのうちストーリー解説もするので、とりあえず感動を叫ばせてください(笑)

 

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雨のRonacher劇場

 

●全体の感想

 

ドンカミッロ、22ユーロで二列目で見てきたーー!!やっぱりこの作品大好きだー!二回見たのにまた見たい。。何度も涙が止まらなかった。。マヤさんが素晴らしすぎる。脚本最高。。音楽もめっちゃいい感じ!あーまた見たいなー!ラストの開放感がもう至福だわー!好きだなぁこの話!

 

もうすぐ終わるというのに、久々に作品にハマりそうな予感。。安く前で見れる手段も見つけたわけだし、時間なんとか作って、なんとかあと1回見たいなー!これは誰か友達と見たい!めっちゃ楽しい気分になる!あー、ミュージカルの醍醐味。。

 

なんでこんなに好みなんだろう、この作品。なんか、前のレポでは結構頭使ったみたいな事書いたけど、今回はラスト知ってたから、安心してハートで楽しめたなー。前はなんか結末がわからないドキドキで不安だったけど、今回はもう手放しで楽しめた!適度に話忘れてたのもよかったかもw

 

あーやばいまた見たい。。全てのピースがぴったりハマる快感!カッコイイとかカワイイとか派手なことは何も無いのに、なんかドキドキしてニヤニヤしてしまうw トラブルがあっても基本愛のある世界で、人間って素敵って思える。

 

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Ronacher劇場の天井。その昔オペラ座の怪人コンサート版で、このシャンデリアが落下するかという演出があって、鳥肌モノだった。

 

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ドンカミッロ開演前。前列はすごいスモーク。戦争直後から話が始まるから、開幕前からホコリっぽくしてある。

 

 

●キャスト

 

あまりに作品が好きすぎて、キャストの感想とか個別のことがどうでも良くなってきたけど、一応書いとく。マヤさん素晴らしすぎる!二列目で見た幕間のパントマイムは、前回より拍手多くて、3回も!私の目の前の名演技を、瞬きもせずに見たよ!マヤさんが完璧すぎてもう彼女以外考えられない。

 

セカンドはドンカミッロのThorsten Tinneyで、ジーナの資本家パパがMartin Berger。Thorstenはモーツァルトのパパのセカンドで何度か見た人で、歌はうまいけど堅物だと思ってた。めっちゃ笑顔が素敵で、あんな魅力があるとは!歌も超美声! 後この人は、マリオリーノパパのファーストでもあるね。

 

ThorstenはファーストのAndreas Lichtenbergerよりは硬い(というか、Andreasが適役すぎる荒ぶりっぷりw)けど、それでも、ほんと腕まくりがよく似合って、芯のある中ににやりとする感じがほんと素敵。歌はAndreasより安定した深い素晴らしい声。

 

特に、ストのコーラスを突き抜けてくる、「私は常に貧しい人の味方だご誤解されたー」という、苦しみを歌うところが鳥肌モノ。大好きなMein Dorfの歌もめっちゃ泣いた。ほんと名曲。

 

資本家パパのMartin Bergerは、こんな大物がこの役?ってびっくりしたけど、どう見てもあの彼。この人時々、特徴のある脇役するけど、すごくいいよね。キャッチミーの刑事(これは主役かw)とか、WWRYのかしょーぎとか、シスアクの三人衆とかw ファーストより記憶に残るパパだった。 (ファーストは元バルジャン役者のReinhard Brussmannでこの人も好きだけど)

 

なんと言っても、マヤさんで何度も泣いた。恋人のシーンで、愛おしそうなあの表情が!彼への愛しさと、彼女への懐かしさ。ラブソングを聞きながら、マヤさんの表情見てるだけで、涙だだ漏れ。すり抜けた時の驚きに号泣。

 

ラストどうなるかかなり忘れてたけど、最後自転車に黒コートのマリオリーノとマヤさんが、一瞬キスするところでまたもや涙腺崩壊。それもすべて一瞬で消え去る。けどあの一瞬のおかげで、彼女は救われた。紛れもなく全員がハッピーエンドを迎えた。

 

最後に大喜びする神父が、興奮してマヤさんに話しかけちゃうんだね。で、あなた誰?ってなって、マヤさんも戸惑いながら正体を明かす。ここほんと絶妙!神父だからこその出会い!超自然的な一瞬だったよ!

 

マヤさんが舞台にいる時は、全身全霊でマヤさんを見ることをオススメします。すべての演技や動きに意味があって、常に完璧。誰も見てない退場の時ですら、演技は最後まで気を抜かない。見てれば見てるだけ泣ける。スゴすぎる。。

 

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ドンカミッロのキャスト表。アンドレがアンサンブルにいて、ちょこまかと面白かった。

 

●雨のシーン

 

今回二列目で見たドンカミッロだけど、前回三階席最後列で見た時と、感動の大きさは変わらなかった。最後列大好き♪と再確認。ただ、最後列だとオペラグラスで字幕を読むレベルの視力なので、二列目なら横を見上げる角度だけど肉眼で字幕が読める。大きな違いはそれだけかなー。

 

雨の振り方は、後ろから見てたら全体が見えて、雨が増えていく様子(二段になって降ってる)がはっきり分かって、アンサンブルの興奮とあいまって鳥肌すごい。前列で見たら、気づいたら自分に降ってきそうで、青白く光る雨粒が大量に落下するのがキレイで、上見て見とれてしまう。どっちもイイ!

 

ドンカミッロ幕間。一幕終わりの雨が降り続くまま休憩タイム、という異例の演出。幕間の後半は、マヤさんがつかの間の晴れ間のパントマイム。幕間の天気が次のシーンの伏線になってる。

 

幕間のパントマイム中のマヤさんは、撮影可かどうかわからなかったから撮らなかったんだけど、マヤさん目の前の一列目で、5分くらいフラッシュ焚いて撮り続けてる人達がいて、パントマイム中のマヤさん微妙だったろうな。。途中からそっち向かない演技に切り替えてた。

 

あと、客席降りは最後列は気が付かなかったけど、まああまり感動に影響ないレベル。雨のシーンと捜索シーン。搜索シーンでライトで照らしつつ客席降りは、この演出家三回目くらいじゃない?貴婦人の黒豹とか。

 

 

●ほか色々

 

一回目に見た印象は、二回目見てもそのままだった。Heimatの歌、一回目穿った聞き方してたかなーと思って、今回は頭空っぽにして聞いたけど、「Heimatはただの言葉ではない」とあれだけ繰り返して歌い、あの膝パタパタダンス見てると、意図したメッセージは伝わるな。

 

恋人がどう見てもロミジュリで、WSSみたいに「2人きりの島に行こう」みたいな事言ってるから、ほんとテンプレ通りで心配しちゃう。クンツェ氏脚本でこんなベタな展開?って思ってたら、やはり最後は裏かいてきた!このサプライズは騙されて嬉しいやつ!

 

ほんともう、トラブルがどれもかなり限界までやばくて、解決の仕方がまた予想外で、駆け引きの会話が一筋縄では行かなくて、神は綺麗事言うけど、実際に頭と手を動かすのは人間で、なんか、人間臭さって最高、ってしみじみ。

 

●まとめ

 

と言うわけで、22ユーロで2列目で見れたのは最高だったんですが、この作品は脚本があまりに素晴らしいので、劇場のどこで見ても感動する!前列は前列の良さがあり、後列は後列の良さがある。

 

こんな大好きな作品を、色んな視点から見られてよかった♪

 

あともう少しで終わってしまうけど、ちょっとでも楽しめるうちに楽しもう!

 

ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版ライブCD<2枚組CD>

 

ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版プログラム

 

ドン・カミッロ&ペッポーネ ウィーン版リブレット(台本)

 

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ウィーンミュージカル新作としてドンカミッロ&ペッポーネのトレイラー、舞台映像、インタビュー、稽古映像などを集めてみました。


まず、トレイラーはこちら。

歌は、市長の「故郷」の歌と、神父の「我が村」。「36軒の家と170の魂。世界にとってはなんでもなくても、私にとっては世界の全てだ」あークンツェ氏らしい。。




こちらは演出家のコメント付きで、長め。アンドレもクロシュも映ってます。やはりあの恋人をロミジュリ風にして、あんなふうな運命を辿らせるのは、サプライズ狙ったんだなー。巧妙な罠にはまれて嬉しいw 




 

記者会見でのインタビュー。神父と市長役の人の話がすごいw 「二人をつなげるものは?」という質問に、同時に「村!」と答える二人。打合せしてないのにかぶった、というコメントまでかぶるw 二人共バリバリのドイツのドイツ語w 


 

この動画で演出家は、「二人共自分の理想に村を近づけようとして引っ張りあっている。自らの政治的、宗教的理想のために、壁を築いて対立するのは、現代の状況を反映して訴えかけるはず」と説明している。やはり、トランプやホーファーの壁を作るやり方を批判してるんだ!鳥肌立つわー!!!

 

ドンカミッロ稽古風景。舞台見てからこれ見るとしみじみするわー。マヤさんの変貌途中はこんな感じ。アンドレ映りまくってるw 神父と市長仲良すぎw 作曲家Dario Farinaはイタリア人。独伊共作でスイスとオーストリアで初演かw


 

インタビューとか聴けば聴くほど、ドンカミッロ&ペッポーネは、現代の政治が掲げる非現実的な理想や、それに伴う衝突と、解決策としての寛容さを訴えてるってことがわかってくる。実際見てると意識するシーンはそこまで多くないけど、終わって思い返すと思い当たることがいっぱいで深い。。

 

学がなくガサツで労働者に人気な市長と、博識で熱血だけど教会に誰も来ない神父。そのくせ市長が神に祈ったり、神父が選挙ポスターに落書きしたり、いろんな側面がある。二人共村のことを一番に考えてるからこそ対立し、村の危機では裏で手を結んで協力する。なんて深い話だ。。

 

ドンカミッロに関するクンツェ氏の氏のインタビューが待たれるなー。一人一人のキャラの濃さと人間臭さ。歴史と現代への洞察。伏線と仕掛けの巧妙さ。クンツェ氏の本気の凄さを見た気分です。。

 

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前回に引き続き、ウィーンミュージカル新作「ドン・カミッロ&ペッポーネ」のレポです。

 

●マヤさんはすごかった!(ネタバレあり)

 

マヤさんが何の役かを言ってしまうと壮大なネタバレになるので、知りたくない人は以下読み飛ばしてくださいー。私は全ストーリーの中で、マヤさんの正体に一番驚いたし、これだけは実際見て驚いてほしいので、見る予定の人は気をつけて!ネタバレ行きます!

 

幕が上がると、老婆がとぼとぼ舞台上を歩いてきて、三匹の猫(パペット)に餌をやり、この村の説明を歌い出す。出演者が全員登場し、コーラス。しかしいるはずのマヤさんがいない!何度も見直してるうちに、老婆の歌声に聞き覚えが!

 

メチャ歌上手いし老婆!見た目的にありえないけど、この老婆の声はマヤさん!絶対聞き間違えないよ!けど、オペラグラスで見ても、マヤさんの片鱗もない顔と立ち姿。歌はマヤさんコンで本人が歌ってるの聞いてたし、ふとした口の歪め方がマヤさんだ!しかし、完全に騙されたよ。。

 

この老婆はナレーター的な存在で、しょっちゅう歌ったり舞台上にいるんだけど、片時もマヤさんらしくなかった!2幕始めで靴を取ろうとして屈んで、無理して取った時の拍手!腰をさする手つき。。もう完全に80越えたヨボヨボ老婆だったわマヤさん。。

 

そして、この老婆は恋人の女の子の現在の姿ということが段々わかってくるんだけど、2人のラブソングで彼氏(クロシュ)に向かって、愛しそうに見つめて歩いていく姿見ただけで涙腺崩壊。。歌ってないマヤさんの演技で泣くとか!おかげで最後までクロシュ死ぬんじゃと思ったよ。。

 

先代シシィと直近のルキーニのキスとか、アンサンブルに先代FJのアンドレがいるとか、妙に気になったw みんな違いすぎて、それがまたいいよねw

 

この老婆の件だけでも、何重にもサプライズ仕掛けてきてるし、それぞれのエピソードで何度もひっくり返るから、ほんと面白い!洪水の奇跡だって、学のない市長の伏線だって、記念碑の拡大解釈だって、もうほんと、脳みそをギリギリとこじ開けられて、裏をかかれまくった!クンツェ氏に弄ばれた幸せw

 

(ネタバレ終わり)

 

 

●社会風刺

 

ストーリー的なサプライズだけじゃなくて、今の社会風刺なのかな?という場面もあった。荒々しくてアホっぽく、労働者に支持されるポピュリストの市長が着任するとか、今のアメリカに重なるし、市長がHeimatの歌を村人に歌うところは、墺国の極右のスローガンを思い起こさせる。

 

時代や主義は違っても、ポピュリストの在り方や、指導者の常套句、支持者の盲目感が今の情勢とすごい重なって、ここまで考えて作ってたら、クンツェ氏凄すぎだろう。。

 

政治の世界に対して、人気のない宗教の世界。なのに村の危機には市長も村人も、神に祈り、助けを求める。問題が解決したら、宗教用無しw それでも、裏で奔走して問題を解決する神父偉いけど、人間臭すぎて親近感w ほんとこの神父が絶妙で、Andreas Lichtenberger当たり役。

 

●貴婦人の訪問との類似点と違い

 

サンクトガレン→ウィーンの作品で、田舎の村の人間関係がテーマで、演出家も同じなのに、貴婦人の訪問とドンカミッロは真逆だなー。ピア様のピア様感vsマヤさんの非マヤさん感。薄く伸ばしたダークな話vs濃くアップダウンの多い笑える話、薄い脇役キャラvsみんな濃い登場人物w 全然違うw

 

●演出

 

まあ演出は同じ人だし、貴婦人っぽい所はあったかなー。舞台の2階のテラスみたいなところにオケがいたのがイタリアっぽくて雰囲気よかった。本水も効果あったなー。教会とか外とかの場面転換もわかり易かった。おしゃれな感じの舞台美術でした。

 

犬と猫3匹のパペットもなかなか効果があった。ただの人形じゃなくて、市長と神父がまるで犬と猫のように対立してるという歌があったので、二人を象徴してるのね。だんだん神父が犬と仲良くなるのがいい感じ。ほんとよく考えてある。

 

●音楽

 

脚本について褒めすぎて、音楽について書いてなかった。ミュージカル初っぽい、ドイツやイタリアのポップスや映画音楽を作ってる人だけど、全体を通して見たら悪くなかった。印象に残るメロディが多い。ただ、戦後のイタリアなのにロックとかシュラーガーは最初は笑ったなー。後半作品の空気に合ってきた。

 

マヤさんコンで4,5曲聴いてたので、聞き覚えのある歌が多かった。一度聞いたら忘れない系の歌だなー、どれも。特に神父の「我が村」が好き。

 

●翻訳上演の可能性

 

あーこの作品、日本での翻訳上演あるかなー。かなり歴史背景と宗教の知識が必要なので、このまま訳しても伝わらないだろうなー。神と気軽におしゃべりするとか、魂を信じない共産主義者がお祈りするとか、洗礼や告解の習慣とか、身近にないとピンとこないしなー。

 

なんとなく、VBWとしては海外に売れないし、ウィーンを舞台にしてないので補助金の足しにもならないし、BW作品の翻訳上演で集客見込めるわけでもないのに舞台に載せたのは、クンツェ氏の力だったのかなーと勘ぐってみたり。

 

●ウィーンでの観劇はオススメ?

 

なんかね、観劇中はリピートしたいか、お勧めしたいかずっと判断しかねてた。拍手もそこまでしなかったし、どかんと盛り上がりはしなかったのね。なのに、最後の最後でうおー!これは好きだぁ!超絶リピートしたい!ってなったの。こんな作品初めて。

 

それだけ、作品に緊張感とほどよいアップダウンがあって、最後の最後まで笑っていいのか泣いた方がいいのか、ハッピーエンドなのか誰か死んで後味悪いのか、全然読めなかったんだよねー。だからこそ、ラストで色々こみ上げてきたんだなー。なんて緻密な脚本構成。。

 

けど、これは日本人にはオススメしにくいw ネイティブの独語力+イタリア語初級レベルの持ち主、もしくは、英語字幕を一瞬で読んで舞台も見れる視力の持ち主で、かつ第二次世界大戦後のイタリア情勢の知識がと宗教の知識がないと、ついて行くのに必死。セリフがわからないとあまり楽しめないかも。(追記:オーストリア人ネイティブでも、歌の歌詞は非常に聞き取りにくかったそうです)

 

●Ronacher色々写真

 

ドンカミッロと共産主義者デモ隊のアヒルw ピンポイントすぎて、コレクター以外に全く意味の無い商品w グッズ少なめの作品なのに、アヒルはきっちり作るんだなーw

 

 

Ronacher劇場って内部の装飾も好きなんだよなー。三階席に上がる階段。グレーの部分は元々金とか高価な装飾だったのを、修復予算不足で誤魔化したものが多いそうなんだけど、グレーなのもかっこいいから好きだなー。

 

 

あんなに通ってるのに、初めて見つけたトイレw Ronacherは地下、二階席の後ろ階段の踊り場のほかに、三階席左後方に二個だけトイレがあった!個室広めで洗面台も個室内で広々。個人的には、二階席の後ろのトイレが珍しい感じで好きだなー。

 

 

Ronacher帰りはここを通るのが好き。クライネスカフェーとフランツィスカーナ教会に面するフランツィスカーナ広場。夜の雰囲気がいいよねー。ニューイヤーコンサートでもちらっと出てきたね。

 

(続きます)

 

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1月27日に初日を迎えた、ウィーンミュージカル新作「ドン・カミッロ&ペッポーネ」のプレビューを1月26日に見てきました。

 

ドンカミッロ仕様のRonacher劇場。ちょうど劇場付きのプロのカメラマンが同じところでカメラ構えてました。

 

 

開演前はこんな感じー。一枚目は三階席左、二枚目は一階席右。舞台上のテラスになってるカフェっぽい二階部分に、よく見たら人が座ってるのはオケです。

 

 

 

観劇直後に結構しっかりレポを書いたので、まとめておきますね。

 

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ウィーンミュージカルの新作として、エビータの後のRonacherで上演されるドンカミッロ&ペッポーネ。プレビュー見てきました!

 

●予習段階での見どころ

 

ウィーンミューファン的に注目は、クンツェ氏脚本Maya Hakvoort出演(スゴすぎた。。)、再再演エリザのルキーニ、Kurosch Abassi出演くらいかな。Andre Bauerも出てます。

 

あと、IWNNINYのアクセル役Andreas Lichtenbergerが神父役、往年のバルジャン役者Reinard Brussmannが悪役と魅力的。けど、地味ミューだと思ってた!いや、地味なのがいいw

 

ドンカミッロのキャスト表。マヤさん一番に書いてある。色々意味深。アンドレがアンサンブルにいます。Thorsten(再演Mのパパセカンド)はクロシュの父親役。

 

 

●全体の感想

 

ドンカミッロ&ペッポーネのプレビュー!これは好きかも! 複雑に入り組んだ筋に、キャラ濃い登場人物盛りだくさん大量の伏線を全部回収する脚本の大勝利!!ラストのカタルシスが特大!あー頭使ったー!いい気分で劇場を後に出来る幸せ。これはクンツェ氏の脚本が全てだな。。

 

原作は本があって、それをもとにしたイタリアの白黒映画。墺国では知名度高い。シリーズの映画なので、舞台版は映画のシーンを繋いだ感じかと。(映画は最初の話の最初の5分しか見てないw)エピソードが8個くらい詰め込まれてた印象。後半ぶつ切れ感が少なかったのは伏線のおかげだな。

 

全く予習なしだったので、終わる直前までどうなるのか全然わからなくて、すごいドキドキした!ずっと空気がヤバめとハッピーを行ったり来たりするので、全く先が読めない!毎シーン結構笑えるけど、皮肉や捻りのある一言で、頭脳派な笑い。派手なラストでもないのに、終わった時の快感が凄かったわー!

 

今思い出しながら全体の感想を考えてるけど、やはり脚本が全て。クンツェの真骨頂だったなー!観劇中何度騙されたことか!心配なことや気になること、謎や奇跡、ヤバそうな問題の種、全部予想の裏をかいて、サプライズ展開w 細かい伏線や小道具全部回収したし、もう二十件落着って気分!

 

●あらすじ(ネタバレ無し)

 

しかしサプライズが多すぎて、ネタバレせずにあらすじが書きにくいw ネタバレなしで大雑把に書いてみる。第二次世界大戦直後1947年の北イタリアの小さな村が舞台。村の熱血神父ドンカミッロはキリスト像と話が出来る。新しい市長は共産主義者のペッポーネ。学がない男で荒々しいが根はいいヤツ。

 

市長はムッソリーニのファシズムに対するパルチザンとしての共産主義者なので、貧しい労働者を味方につけ、理想に燃えてボリシェヴィキ万歳=保守的な教会と資本家は嫌い。けど、カトリック教徒ではあるので、教会にもたまに来るのが優柔不断w なんか憎めない男w

 

神父と市長は表向き対立するものの、村の危機では何やかやいいながら手を結ぶ。二人共超魅力的!資本家(Rainhart Brussmannなので、大昔のレミズでバルジャンとジャベールやった人)が、まあ悪役かな。あとは、この資本家の娘と、労働者の息子(クロシュ)が叶わぬ恋人同士。

 

まああとは、色んなエピソードが絡み合うわけですよ。ちょっと箇条書きにしてみたらこんな感じー。(若干ネタバレ含みます)

 

・市長の息子に洗礼受けさせるけど洗礼名で神父と揉める話

・教会の修復費用がない話

・埋蔵金を見つけるが換金できなくて困った話

・神父が市長のポスターに落書きする話

・死にかけじいちゃんが若い女教師にモーションかける話

・恋人がいかにもロミジュリな話

・大洪水で村が沈みそうになる話と、それを奇跡で救った神父と、ほんとに奇跡かって話

・市長がこっそり卒業試験を受けるけどカンニングする話

・資本家にキレた労働者がスト起こすと、牛が腹減ってムームーなく話

・埋蔵金で記念碑を建てたら、色々解釈できてみんなハッピーな話

 

(続きます)

 

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