時事問題(政治・経済・メディア・外交) の記事一覧
2017-04-10 16:39 | カテゴリ:国際ニュースの報道比較

もうめちゃくちゃブーム過ぎ去ってますが、一応、オーストリア関連のニュースとして、これは後からでもまとめておいた方がよさそうかなーと思ったので、遅ればせながら記事にします。

 

トランプ大統領がアメリカ・ファーストとか言い出した辺りに、オランダで「オランダ・セカンド」と言う動画が作られ、一世を風靡しましたね。

 

オランダ・セカンドの動画

 

私はオランダに結構長くいたことがあり、オランダ人の友達も多いので、この手のオランダジョーク、すごい共感できます。オランダ人って独特のユーモアがあるんですが、それがいい意味で活かしきれたこのパロディビデオ。すばらしい出来ですよね。。

 

そして、このオランダ・セカンドに続いて、各国競うようにパロディ動画をアップロードしまくって、一時期Youtubeは大騒ぎになっていましたね。

 

オーストリアのは最初に出たのがちょっと笑えなかったため、なぜか二種類出ました。この記事では時系列に紹介しますが、一個だけ見たい人は、二つ目の動画の方がお勧めで、一般受けすると思います。

 

こちらが、ORF(オーストリア国営放送)作成した、オーストリア・セカンドの動画。

 

 

私はオーストリアの内輪ネタわかったから大体笑ったけど、オランダは内輪ネタわからなくても爆笑したのが、オーストリアはわかってもクスっと笑う連続で、爆笑ってことはなかったなー。それにオーストリアの方が品がない。。まあ、面白いけど。。

 

一応内輪ネタのネタバラシ。

 

・最初の二度のトルコ包囲は、オランダのVSスペインの更にパロディでかなり面白いw

・スキーできないとかw

・あと二度の世界大戦始めたのも確かにw

・難民ウェルカムはキツイわ。

・世界一の村にFxxxingは有名な話だから英語圏の人なら大体知ってるエピソード

・娘と付き合ったところで顔が映るのは、8年くらい前に娘を地下に閉じ込めて近親相姦しててニュースになったFritzl。多分墺人じゃないと顔覚えてない。

・世界一の美女コンチータはみんな知ってるね。

・モーツァルトの次に出て来るのは、イタリア人シュラーガー歌手アンドレアス・ガバリエー

・無謀なことをしているのは、冒険家バウムガートナー。こないだ宇宙から落ちてた人ね。

・レッドブルは有名。

・右翼ポピュリズムで映るのは、ハイダー(故人元BZOe党首)、シュトラッヘ(シュトラッチw、自由党党首)、ホーファー(大統領選でファンデアベレンに負けた自由党候補)

・世界一クールな外相クルツ

・燃えても死なないのはニキ・ラウダ。

・鍛えても死なないのはシュワルツネッガー

・元スキー選手の歌手はハンジ・ヒンターゼアー。髪型素敵w。

・最後は、オーストラリアじゃないよ!オーストリア・セカンドね、って。

 

やっぱり、オランダの方が面白いわ。。w 色んなバージョンが出てるみたいだけど、オランダを超える国はあるかw

 

まあ、ORFで流したんなら、オーストリア人向けで、国内で内輪ネタで笑うために作ったんだな。オランダのはもっと、アメリカ人や世界中に見られることを意識してた。同じ小国でも、海の国オランダと山の国オーストリアのメンタリティの違いが出てる気がする。

 

 

===

オーストリア・セカンドの第二段映像。こっちの方が断然面白いし、オーストリアを知らない人でも笑える。Plus4の番組が作ったんだね。第一弾よりこっちの方がお勧め。

 

 

・ナレーションがヘタクソすぎるw棒読みwそれ以外はかなりおもしろい。

・スロヴェニアの件触れてほしかったw

・壁<<<<アルプスっていうのもいいわーw

・ヒトラーの件を重ねてる!これぞオーストリアならではw国をグレートアゲインにすると約束したけど、ダメだったのところ上手いw

・音楽家コーナーも、モーツァルトクーゲルちゃんと二種類出て来てる。

・ベートヴェンはドイツ出身だけどオーストリアで有名に。ヒトラーはオーストリア出身だけど、ドイツで有名に。いいことはオーストリアの、悪い事はドイツのものにしちゃうんだ☆マーケティングパワーハウスw

・スキー映像までアホwこのスキー愛w。

・トランプタワーとルグナーシティ、私もめっちゃ思ってたwトランプとルグナーってなんか似てるwルグナーは大統領選挙一瞬で負けたけどw

・更に畳みかけるように、素敵なヘアスタイルはハンジ・ヒンターゼアー(やっぱり出たw)

・バウムガートナーもやっぱり出たw愛されてるわwレッドブルが翼を授けた唯一の人間wって。

・更に、私がブログでめちゃくちゃ書いてた、不在投票送付用封筒の糊のせいで大統領選挙がやり直しになった件!「我々は選挙の世界チャンピオンwwww」好きこのジョークwまさかの、ダメ押しの糊映像w

最後の人w笑い所が多すぎて解説wまずアクセントwロシア人にメリークリスマスを強調する謎発言wこの人はチロル極右自由党のお偉いさんで、大晦日の暴行事件について露の番組で発言した時の映像。この人大丈夫か?ってことで新聞記事にもなってた。https://kurier.at/politik/inland/fpoe-politiker-johann-ueberbacher-blamiert-sich-mit-russia-today-interview/240.102.176…

 

 

というわけで、オーストリア・セカンドの二つの動画を見比べたら、民法のPlus4が作った方が、国営放送ORFのものより面白かったという結果に終わりました。

 

まあ、二つ目作ってやっと名誉回復した感じか。。

 

ちなみに、ジャパン・セカンドもあります。後半結構下品だけど、前半は思ったより面白かったので、興味がある人は検索してみてください。

 

 



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2016-12-10 16:55 | カテゴリ:オーストリアの政治

前回の記事で、オーストリア大統領選の結果について詳しく書きましたが、今回はオーストリア人の投票傾向をまとめておきます。

 

オーストリア大統領選挙についての過去記事は、舞台はウィーン! オーストリアの政治のカテゴリからどうぞ。

 

●投票傾向分析

 

この分析は、それぞれの候補に投票した理由、性別、年齢、職業、学歴の統計です。

 

http://diepresse.com/home/politik/bpwahl/5128276/Wahlgrafiken_Wer-waehlte-wen-warum

 

選挙翌日の新聞には出てる内容なので、今頃墺人は皆知ってる内容ですが、まとめておきますね。

 

・投票理由

 

まず、投票理由が興味深い。

 

ファンデアベレンへの投票理由は、1.外国に対して墺国を代表するのにふさわしい、2.親EU、3.職務を正しく理解している、4.仕事ができる、5.信心深い。

 

対してホーファーへの投票理由は、1.我々のような人たちの懸念を理解してくれる、2.仕事ができる、3.今の政治に対抗できる、4.大きな変革をもたらせる、5.信心深い。

 

やはり思った通り、ファンデアベレンは、国を代表し、大統領としてのポジションにふさわしいという点が評価され、ホーファーが票を集めたのは、何か大きく変えてくれそうという期待があったからなのね。しかし「信心深い」が両方とも結構重要なファクターなのね。。

 

また、投票の動機としては、ホーファーの方が「支持候補の当選」が半分以上だったのに対し、ファンデアベレンは「対抗候補の当選を妨害」の割合が多いのも興味深い。ホーファーが嫌だから投票した人が、ファンデアベレンの当選を望んで投票した人より多かったのはちょっと衝撃。

 

・性別と年齢

 

次に性別と年齢。女性と若者はファンデアベレンに、男性と30歳以上はホーファーに投票した傾向が強い。意外なのは、選挙権を16歳に引き下げたのに、その辺も含む若者がファンデアベレン支持が多かったこと。あと、女性がなぜこんなにホーファー嫌いなの?若くてはつらつとしてるけど胡散臭いのを感じ取ったのか?

 

 

女性はファンデアベレンに、男性がホーファーに投票したことが顕著にわかるグラフ。特に若い女性は70%近くがファンデアベレンに。若くハツラツとしたホーファーではなく、老賢人風のファンデアベレンが女性に人気。「若いイケメン候補が女性に人気」なんてウソ!政治家は見た目じゃないよ!政策だよ!

 

ホーファーは極右と言うことで、保守の行き過ぎと考えると、女性に関しても保守で凝り固まって、うちにいて育児と家事をするべきと考えてるだろうと、普通に女性は思うよね。。ホーファーの著書でもそんな感じの事を書いていたらしいし、そもそも5月の選挙でも女性は40%で、女性票集めの有効な対策を出せないままのやり直し選挙だったっぽい。

 

・職業

 

次に職業。これは衝撃的。労働者の85%がホーファーに投票したが、サラリーマン、公務員、自営業、年金生活者の半数以上がファンデアベレン支持。労働者だけ毛色が違いすぎて恐ろしいわこの国。。

 

ちなみに、労働者はレイバーインテンシブなハンドワーカーの総称で、パン屋、ウェイター、運転手、倉庫労働者、家具などの据え付け労働者、大工など。サラリーマンと比べて法的保護が少なく、退職通知期間が短い、病欠期間が短いなどの違いがある。

 

https://www.wko.at/Content.Node/Service/Arbeitsrecht-und-Sozialrecht/Arbeitsrecht/Beschaeftigungsformen/Arbeiter_und_Angestellte.html

 

・学歴

 

最後に、学歴。簡単にいうと、高卒、大卒になるにつれてファンデアベレン投票率が高くなり、大卒は83%。意外なのは、義務教育修了(中卒)より、職業訓練終了の方がホーファー率が高く、職業の結果と合わせて、職業訓練→ハンドワーカーの生活をしている人が、最もホーファーを支持していると言える。

 

・郵便投票

 

あと、新聞で書いてた統計で気になったこともまとめておく。前回は郵便投票前の段階でホーファーが勝っていたのに、郵便投票でひっくり返された経緯があり、ホーファーは郵便投票の開票に不正があったとイチャモンを付け、再投票となった。そんな経緯があり、郵便投票今回はどうだったかというと・・

 

普通に、郵便投票、ファンデアベレンが圧勝でしたw郵便投票前51.7%→郵便投票後53.5%。やはり、郵便投票する人はファン・デア・ベレン寄りなのね。この人達の内訳も気になるけど、さすがに出口調査はできないしねー。

 

・ウィーンと各州、都市と田舎

 

州ごとの得票率。ウィーンはファンデアベレンが65%以上で、すべての区で勝利。ほかの州でも、国境に近いケルンテンなど以外では、ファンデアベレンが僅差で勝利で、ホーファーは得票率を減らした。各州都ではファンデアベレン優勢。

 

Wahlsieger der Bundespräsidentenwahl nach Gemeinden

 

 

Präsidentenwahl: Alle Gemeindeergebnisse auf einen Blick - Bundespräsidentenwahl Ergebnisse - derStandard.at › Inland

 

全9州のうち郵便投票前には4州しか勝ってなかったのが、郵便投票開票後は6州で過半数。ファンデアベレンが負けた州は、ブルゲンラント、シュタイヤーマルク、ケルンテンと、難民流入の影響を大きく受ける州

 

ウィーンは65%がファンデアベレンと、他の州と大きく差を付けたが、他の州も州都や大きめの都市は全てファンデアベレン。ここでは、都市と田舎の差が大きく出た。

 

●移民は誰支持?

 

選挙統計的に知りたいのは、移民二世三世が誰に投票したのか。その人たちのルーツはどこなのか。逆に土着の墺人の投票傾向も気になる。どちらもはっきりとした数字を計算するのは不可能って分かってるけど、地域傾向より正確な割合がわかったら興味深いだろうなー。

 

ウィーンの区ごとの統計は、予想通り。ホーファー優勢の区がなくなった。いわゆる金持ち区や、家賃が高い区、中心に近い区はファンデアベレンが強い。逆に周辺区、新興区、家賃が安い区(=移民が固まりやすい区)はホーファーが強い

 

この結果からは、移民2世3世がホーファーに投票したのか、移民が増えて肩身が狭くなった土着墺人が投票したのかははっきり分からないなー。どちらにしても、移民と労働者はホーファー、高所得者と女性はファンデアベレンって傾向は変わらず。

 

●投票先の変更

 

この統計は面白い。5月の決選投票から、投票先を変えたのは誰か

 

Wählerströme: Wer die Seiten wechselte, wer zuhause blieb « DiePresse.com

 

前回投票しなかった人たちの多くがファンデアベレンに。前回ホーファー→今回ファンデアベレンの方が、逆より多い。最初の投票で別の候補に投票した人たちもファンデアベレンに。ホーファーは各方面で票を失った

 

●まとめ

 

ここまで軽くまとめると、ファンデアベレンを支持したのは、都会住民、若者、女性、高卒以上、労働者以外の職業、単なるホーファー嫌い

 

ホーファーを支持したのは、田舎住民、難民流入で影響を受けた州、30歳以上、男性、職業訓練卒、労働者って感じですねー。

 

 

●ファンデアベレンってどんな人?

 

あと、オーストリア人なのに、ファン・デアがつくのはどういうわけ?と気になる人がいるかもしれないけど(ドイツ語系の名前は「フォン」で、「ファン・デア」はオランダ系)、ファンデアベレンの経歴は結構スゴイ。

 

母親はエストニア人、父親はオランダ系ロシア人。ナチ時代にロシア軍に追われ、ドイツ経由で難民として逃げてきた先のオーストリアのチロル地方で生まれる。名前に「ファン・デア」がついてるのは、父親がオランダ系だからだけど、ロシアから逃げてきたのね。そのままチロルで成長し、インスブルクの大学で経済学を学び、後にこの大学とウィーン大学で教授となった。

 

そのままチロルで成長し、インスブルクの大学で経済学を学び、後にこの大学とウィーン大学で教授となった。これだけでもすごい人生なのに、更にオーストリアで社会党に入り、後に緑の党の党首を務める。現在73歳。

 

最初の妻との間に息子が二人。二年前に再婚した52歳の妻は80人の従業員を抱える経営者で、ファーストレディになっても仕事は続けるとのこと。

 

 

というわけで、長らく書いてきたオーストリア大統領選の記事ですが、まさかほぼ一年の長丁場になるとは!最初は選挙ポスター比較で遊んでたのに、ここまで追っかけることになって、自分でもビックリですw

 

自分自身現地の政治に興味を持って追いかけるきっかけになったし、自分が実は選挙ポスターウォッチャーであることがわかったしw、自分の身を守るためにも、現地の政治(と身の回りの支持者たち)には気を配っておくほうが良いことが実感できたので、いい勉強になりました。

 

これからも気が抜けないオーストリアの政治ですが、また何か興味を引くことがあったら、記事にするかもしれません。かなりお堅い話ですが、たまーに挟まる程度だと思うので、お付き合いくださいませ。

 

 

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2016-12-08 16:55 | カテゴリ:オーストリアの政治

オーストリア大統領選、ファンデアベレン勝ったって!あーあーよかった。。ほんと良かった。。「世界は救われた Die Welt ist gerettet」と現地人の知人が言ってるw

 

この記事では、12月5日に行われたオーストリア大統領選挙の開票結果について詳述します。

 

カンタンに時系列で書くとこんな感じです。

 

2016年4月、6人の候補でオーストリア大統領の選挙が直接投票される。オーストリア大統領は首相と比較して儀礼的で、実権は少なく、国を代表する機能を持つ。基本的に党に投票するこの国で、人に直接投票するのは非常に珍しい。

2016年4月の選挙で、緑の党のファン・デア・ベレンと、極右の自由党のホーファーの二人が過半数を取れなかったため、5月に二人で決選投票

2016年5月 決選投票接戦。郵便投票の開票前の結果ではホーファーが勝っていたが、郵便投票の結果でファン・デア・ベレンが勝利

2016年夏 ホーファーが郵便投票の手続きに不服を申し立て、裁判所が再選挙を決定

2016年10月 再選挙の直前に、郵便投票の封筒の糊のことで再びホーファーが不服を申し立て、12月に延期

2016年12月5日 決選投票再選挙。ファン・デア・ベレンが勝利。

 

 

オーストリア大統領選挙についての過去記事は、舞台はウィーン! オーストリアの政治のカテゴリからどうぞ。

 

カテゴリ内の記事の時系列だと順番が前後するので、事実の時系列似合わせてみたらこんな感じです。

 

2016/04/23 オーストリア大統領選2016 候補者ポスターを見比べてみた

2016/10/15 オーストリア大統領選を巡るつぶやきまとめ①1回目の投票結果

2016/10/18 オーストリア大統領選を巡るつぶやきまとめ②決選投票

2016/10/21 オーストリア大統領選を巡るつぶやきまとめ③決選投票無効と再選挙

2016/10/24 オーストリア大統領選を巡るつぶやきまとめ④決選投票再選挙ポスター比較

2016/10/27 オーストリア大統領選を巡るつぶやきまとめ⑤糊の粘着力のせいで再選挙延期

2016/09/16 ノリが原因で大統領選が延期!①オーストリアと日本の郵送投票を比較してみた

2016/09/18 ノリが原因で大統領選が延期!②オーストリアの郵送投票レポ

 

それでは、本題の、オーストリア大統領選挙決選投票再選挙、結果と分析に行きます!!!

 

(ファン・デア・ベレンはvan der Bellenと書きます。文字数の都合でファンデアベレンと続けて書いているところもあります)

 

●最終結果はファン・デア・ベレン勝利!

 

オーストリア大統領選、郵便投票以外の開票が終了し、ファンデアベレン53.3%、ホーファー46.7%。投票率74.1%。得票差は5月に3万票でファンデアベレンが僅差で勝ってたのが、今回は30万票の差。イチャモンつけて再選挙に持ち込んだ極右が、かえって票を減らした結果に。

 

 

(その時の正直な感想w)

あーニュースRTしてると、ほんとに緑の党のファンデアベレン勝ったんだと実感。。極右ホーファーが負けて、オーストリアに良心がまだ残ってた。。これでしばらく落ち着くな。国が二分される感じはほんとピリピリして良くない。

 

●極右とイチャモン

 

極右自由党のホーファーは前回の結果にイチャモンつけて、二回も再選挙やらせた訳だし、それでこの結果。お金かかってますよね。。

 

心配なのは、40%以上がホーファーに投票してること。二年後の首相選挙で自由党が台頭することになったら、さらに悪い結果になるよなー。大統領が極右だったら、首相まで極右にはしないだろうけど。そこまで極右の影響力は無視できない。

 

極右自由党が再選挙の延期のためにイチャモンつけた、郵送投票のノリですが、今回も郵送投票した人によると、前回と特に違いは感じなかったそうです。署名欄を隠すように大きかった封の部分が、署名欄を出すようになっていたとのこと。

 

ホーファーはもうイチャモンは付けませんって、記事になってるw

 

ファンデアベレンが、ホーファーが勝ったらオーストリアはロードオブザリングのモルドアになるって言ってたけど、どちらかと言えばハリーポッターのヴォルデモート側(純血派)が勝った世界っていう方が適切な気がする。私マグルだもんなー。

 

●投票率について

 

オーストリア大統領選、投票率は前回とほぼ同じとのこと。グダグダな繰り返し選挙に嫌にならず、みんなしっかり投票したのは偉かった!ファンデアベレンの新しいポスターに、「結果に驚くくらいなら、投票しよう!」っていうのがあって、苦笑してたけど、正しかったなー。

 

Plakat: Wählen! Nicht wundern.

 

投票率か74.1%って、ホントすごいんですけど!みんなもう嫌になってるかと思って、話題にもあまりならないし、なっても「もうウンザリ」系だったのに、みんなちゃんと投票したんだ!オーストリア人偉い!

 

そもそも、5月の決選投票でファンデアベレンが僅差で勝ってたのが、極右ホーファーが「郵便投票の開票が手続き通りではなかった」「封筒の糊が剥がれやすい」と言い出し、再選挙になった今回。民主主義に則って再選挙して、高い投票率で勝利。この国の民主主義生きてるなー!

 

なんていうか、極右が大統領じゃないことでもほっとしてるけど、イチャモンを裁判所がちゃんと判断して再選挙となったことと、投票率が驚くほど高かったことで、民主主義ってちゃんと守るとこうなるんだーって、実感した。国の良心が二重に証明されたと感じる。

 

●国際情勢と選挙結果

 

五月の決選投票の結果で、今まで移民問題を指を咥えて見ていた国民党と社会党にキツめのお灸をすえたけど、Brexitのイギリスやトランプのアメリカの二の舞はゴメンだ、って慌てて落ち着こうとしたのが、今回のオーストリア大統領選の総意なんじゃないかな。

 

Brexitもトランプも移民問題も、全て外的な要因。外からの刺激で極右にも反極右にも傾く、危うい状況は変わらない。2018年の議会選挙までに移民問題をなんとかしなくては、お灸は大火事になる。今後のこの国の将来は、クルツ外相の双肩にかかっているのかもしれない。

 

 

●ファンデアベレンはリベラル?

 

日本のニュースでも報じられていますが、産経と日経がファンデアベレンを「リベラル系」と呼んでいたのに多少違和感。

 

オーストリア大統領選、リベラル系候補が当確 現地報道  :日本経済新聞

 

NHKはリベラルという言葉は使ってないなー。

極右の元首は誕生せず オーストリア大統領選 | NHKニュース

 

決選投票前にはGrissというれっきとしたリベラル候補がいたし、緑の党はリベラルと言いきれないから「系」をつけてお茶を濁した?まあ、極右とリベラル「系」っていうか、極右VS寛容派という対比という感じで、名前はつけ難いね。

 

んー、ファンデアベレンが緑の党だから、左やらリベラルやら要約してる日本側の声が多いようだけど、まず日本でいう左やリベラルと、国際政治のそれは大きくズレてて同じものではないし、ファンデアベレンは左やリベラルだから大統領に選ばれたのではないよ。

 

そもそもファンデアベレンの母体の緑の党の支持者は、ほかの三党に比べたらとても少ない。そんな中、細細と意義のある活動をこつこつ長年務めてきた、大学教授でもあり学生の支持も厚い、報われない老賢人っていうのが、ファンデアベレンのイメージ。

 

で、政治的実権は少なく、首相に比べて象徴色の強い、いわば天皇のいない国の天皇代わりみたいな役目のオーストリア大統領だからこそ、老賢人ポジションのファンデアベレンが合ってる。消去法じゃなくて、ファンデアベレンが決選投票に残ったのは、この国の政治を見てたら納得する流れ。

 

たしかに二大政党の候補があまりにしょぼかったのは情けないけど、日本語TLで流れてくるファンデアベレンの極左でリベラルブイブイな大統領のイメージに笑ってしまったw 極右ホーファーの野心剥き出しの姿勢は、国の象徴になる人が何噛み付いてるの?って感じで、すごい違和感あった。

 

やり直し選挙では、従来の保守党支持者が真っ二つに割れてて、ファンデアベレンがどれだけここから票を持ってこれるかがキーとなってた。キャンペーンでは積極的に保守傾向の村祭りに民族衣装で参加し、保守寄りをアピール。勝利宣言も民族衣装。極左のリベラルには見えないよね?(笑)

 

 

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2016-10-27 16:28 | カテゴリ:オーストリアの政治

オーストリア大統領選挙の記事が続いていますが、今回は9月中旬に決定された、決選搭載選挙の延期のニュースです。

 

オーストリア大統領選挙戦に関する記事は、「オーストリアの政治 」カテゴリからどうぞ。

 

<日付と出来事>

 

9月12日

10月2日に予定されていた決選投票やり直しが12月4日に延期に。理由は「糊の粘着力」。郵便投票の封筒の糊の粘着力に疑問の余地があるとして、選挙のやり方自体の仕切り直しが決定される。←イマココ

 

<つぶやきまとめ>

 

オーストリア大統領選投票日が延期に。理由は「糊の粘着力」w 5月の郵便投票の開票時間が時間外だったことで10月にやり直しが決まっていた大統領選が11月末か12月始めに延期。郵便投票の糊が剥がれやすいからって何それw http://www.thelocal.at/20160912/flash-austrian-election-postponed…

 

いやもう笑い事ではないです。極右自由党、郵便投票廃止しようとしてます。前郵便投票の結果で逆転されたから。郵便投票は遠隔地に住んでたり、当日忙しい投票者の為で、この人たちに極右支持が少ないことが前回明らかになった。ある程度裕福なビジネスマンとかだからかな。

 

つまり、前回逆転負けの理由になった郵便投票にイチャモンつけたら、次は勝てるだろう、という作戦。しかし、郵便投票を廃止するのは、国民の投票の権利を剥奪することになるので、民主主義として絶対あってはならない。こんなイチャモンつけのなりふり構わない人たちが政治家なんて恥ずかしいよ。。

 

オーストリアの郵便投票のシステムは、コストと手間をかけてでも、国民の投票の権利を断固として守る姿勢が素晴らしい。実際日本に投票用紙を取り寄せて、日本から投票したのを取材させてもらった。この郵送投票は、民主主義的には素晴らしいことなのに!

 

 

もう決選投票じゃなくて、最初からやり直せばいいのに。っていうか、こんなに揉めるなら大統領要らないよ。。国が真っ二つに分かれた状態がほぼ1年続いてるのは、本当に良くない。極右が煽る度に、雰囲気悪くなってる。

 

なんかもうこんなに決まらないなら、オーストリア大統領要らないよww どうせ国のシンボル的存在なんだし、普通にハプスブルクの末裔にやってもらえばいいじゃん。まあ、法的にそれはできないんだけど、もう国民感情的には大統領戦はウンザリだと思うよ。。

 

 

というわけで、5回にわたってオーストリアの大統領選を巡るつぶやきをまとめてきました。まあ政治なので、色んな主観とか立場もあるので、もちろん違う意見もいっぱいあると思います。

 

次の決選投票再選挙は12月に予定されています。実施されるのか、また先延ばしになるのかわかりませんが、結果はもちろん見守って行こうと思います。まあ、ちゃんとブログに記事にするかどうかは結果次第ですが。。(汗)

 

民主主義が守られ、寛容で、多様性を重んじるオーストリアでいてほしいな、と個人的には強く思います。

 


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2016-10-24 16:28 | カテゴリ:オーストリアの政治

ずっとオーストリア大統領選挙の記事が続いていますが、今回は9月から街に張り出された、10月の決選投票再選挙ポスターのご紹介です。

 

オーストリア大統領選挙戦に関する記事は、「オーストリアの政治 」カテゴリからどうぞ。

 

春の大統領選挙戦第一ラウンドのポスター比較はこちら→舞台はウィーン! オーストリア大統領選2016 候補者ポスターを見比べてみた

 

<9月始め、選挙ポスターが並び始めて>

 

オーストリアの三回目の大統領選挙線の火蓋が切って落とされたわけですが、もう選挙ポスターのキャッチコピーを見ると、笑いをこらえるのに必死ww 何この選挙戦w もうなんかネタは出尽くして、マンネリ感がw 「理性的に決断しよう」ってww

 

 

いや、理性的な決断こそ重要だし、それが一番のキャッチコピーだってことはわかってるんだけど、それを見て苦笑するしかない今の状況がね。。「理性的に決断しよう」の後には「極端ではなく信頼を」と、極右ではなく信頼できる候補にって書いてあるし、まさにその通りなんだけどね。

 

Van der Bellen側のポスターはあと3種類。

 

VdB16_Stichwahl_Welle1_Ansehen

 

「我らの大統領は、オーストリアの名誉(評判)のために」極右自由党が選ばれたらオーストリアとしては恥ずかしい、と言う点を突いたキャッチコピーだけど、結果的に「封筒のノリで選挙延期」と言うのも恥ずかしいことだしね。。

 

VdB16_Stichwahl_Welle1_Vielgeliebt

 

「愛されるオーストリアのために」

このポスター町で見たら、ほんとインパクトないんだよね。。白背景に白字だし。背景はCobenzlから見下ろしたウィーンだと思うし、緑の党っぽいいい写真なんだけど、のんびりしすぎなんだよね。。

 

VdB16_Stichwahl_Welle1_Gemeinsam

 

「共に強く OeXIT(オーストリアEU離脱)にノー」

Brexitを受けてオーストリアもEUに残るか去るかという議論が出てはいるので、そのことについてのポスター。緑の党ってことで優しく知的な印象がある一方、強さを前面に出してみた感じのポスター。

 

 

一方、極右の候補のポスターも苦笑するしかないww

 

 

「権力にはコントロールが必要だ」ってww あんた何言ってるのww あんた達極右の党がほぼ権力側なんだから、自らコントロールしたら単なる独裁ですけどww

 

あともう一枚はこれ。

 

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「オーストリアは安全(安全保障的な意味で)が必要だ」

安全って、移民による治安悪化とか、ガンガン攻めますよーって意味ですねw

 

ちなみに極右自由党は、キャンペーン自体のキャッチフレーズとしてFlagge zeigen(旗を見せろ。英語で言うShow your flagで、お前はどっち側なのかはっきりさせろと言う意味)を使っていますが、これほんとうまいキャッチだよね。。

 

国民党と社会党が支持者を失った今、投票先を迷っている多くの国民がいる。国内では移民、難民流入、国外ではテロや英国EU離脱など、他人事ではない問題が山積み。

 

そんな不安な状況の中、誰を選ぶか?ってなった時に「お前はどっち側なんだ?」と詰め寄られたら、「いや・・やっぱり・・国民を守ってくれる強い国が欲しいです・・」とか言っちゃって、「そしたら極右だ!移民は追い出して、EUから出てやってやるぞー!」みたいな流れに持って行けるわけだよ。

 

更に、背景にはオーストリアの赤白赤の国旗。「どっちの側なんだ」と言う表現と二重の意味を持たせて、「旗を見せるならオーストリアの旗以外ないだろ?そしたら、移民やEUみたいな非オーストリア要素は排除する方針の極右こそが、お前の旗なんだよ!」と、さらに相手側に選択肢を迫るようなダブルミーニング。

 

極右自由党、ほんとうまいキャッチコピーの人がついてるよね。。

 

 

本当にこの国は選挙でここまで苦笑させてくれるとは。。少なくとも近所の駅のポスタースペースは全てファンデアベレン(緑の党)になったから、極右候補の顔は見なくて済むかも。それも醜い戦いだが。。

 

(次は、「糊の粘着力で再選挙延期」の記事です)

 


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2016-10-21 16:27 | カテゴリ:オーストリアの政治

オーストリア大統領選が12月に延期されてしまったので、ゆっくりと今までの経緯と、その時々に感じたつぶやきをまとめておきます。今回は第3段、決選投票の向こうニュースの結果を受けた感想です。

 

オーストリア大統領選挙戦に関する記事は、「オーストリアの政治 」カテゴリからどうぞ。

 

<日付と出来事>

 

2016年7月1日

決選投票の開票が既定の時間外に行われたとして、決選投票やり直しの判決。

 

<つぶやきまとめ>

 

オーストリア大統領戦やり直しの判決が憲法裁判所で出た。。あの極右と緑で僅差だった5月のやつ。あーもーあの緊張またやるの嫌だ。。理由は「二日目の手紙投票の一部を選挙委員会のいない時間帯に数えたため、不正が起こる可能性があったから」で、別にどちらの候補者が悪いわけでもない、とのこと。

 

票を数えた方からしたら、あの異常な票差と時間のプレッシャーの中で、早く結果を出したいと思うのも仕方ない。勤勉だっただけだろうに。。最高裁判官としてはこれ見逃したら民主主義に反するし、こうするしかないよな。。そしてこれをほじくって勝訴した極右の戦略性がホントイヤになる。。

 

しかしBrexit(英国EU離脱)騒動の中、極端な警告票は大炎上しうる例を目の前で見た国民は、前と同じ投票行動を取るかな?オーストリアみたいな小国がEU出たって、経済的に一つもいいことないし、それこそ失業者でまくるでしょ。極右はその責任取れるの?

 

首相、元大統領、ウィーン市長、各党党首などのコメントに続いて、枢機卿シェーンボルンがコメントを載せてる記事があって、オーストリアだなー。一応保守な人には影響力あるからな。皆さん、誰も責めず、あの状況で仕方なかったことで、民主主義が守られたと判決を支持(せざるを得ない)。

 

みんな冷静になろうとしてるのに、極右は「不正選挙!EU離脱!」とか騒ぐのが目に見えててほんとイヤだ。。そして、そんなわかりやすい煽りにカンタンに乗ってしまう人たちが沢山いるのがイヤだなぁ。。みんなBrexitの混乱からなにか学ぼうよ。。

 

オーストリア大統領選やり直しなら、Brexit国民投票も、どこかの田舎の選挙区で適当に票を数えた人探してきて、憲法裁判所にやり直しを決めてもらったら、簡単にやり直せるよ!再投票希望してる人多いんでしょ?極右自由党のイチャモン付け作戦でイギリスを救えるよ!(←ヤケクソ)

 

こういうの言ったモン勝ちだからな。。ホント声が大きくて、イチャモン付けた側が得をするのはイヤだな。。それわかってて作戦でやってるから、外から見てたら引くけど、煽ってる人と煽られてる人たちはカーッとなってるんだろうな。。落ち着こうよみんな。。

 

オーストリア大統領選やり直しについて法律家の意見を聞いたら、「党の主張がどうであれ、この国の法律家はちゃんと仕事をした」との意見。うん。法律家はそう見るのね。私はもうちょっと政治の汚さ見ちゃってるから、「イチャモン付けを相手にするだけ損」と思うわけですが。。

 

===

 

オーストリア各紙の、大統領選やり直しニュース第一面比較。Kurier氏は決選投票Stichwahlと掛けてStich-Qual(クヴァールは苦しみ、辛さ)という見出し。ちょっと感動したくらい上手い言葉遊び。

 

 

Wiener Zeitungは「民主主義の辛い勝利」と題して「その権利は国民から与えられた」(墺国憲法第1条、オーストリア共和国の定義)の引用が。これも、民主主義の名の元での辛い決断がはっきり見て取れる見出し。

 

 

 

そしてクローネンツァイトゥング。最もタブロイドに近いだけあって、写真はサッカー、アイスランド応援団の可愛い女の子写真ww 上の二行で「オーストリアの評判に関わる」と専門家の意見を引用し、やり直し選挙の正当性を示唆。

 

 

クローネンツァイトゥングには「三度目の選挙に行きますか?」という質問に30%がNeinと答えてた。そう言えば大統領選もう三回目なんだわ(最初ので決まらなくて決選投票になったからね)。。ほんともうしっかりしてくれ。。

 

(次は、再選挙延期について)

 

 


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2016-10-18 16:27 | カテゴリ:オーストリアの政治

オーストリア大統領選が12月に延期されてしまったので、ゆっくりと今までの経緯と、その時々に感じたつぶやきをまとめておきます。今回は第二段、決選投票の結果を受けた感想です。

 

オーストリア大統領選挙戦に関する記事は、「オーストリアの政治 」カテゴリからどうぞ。

 

<日付と出来事>

 

2016年5月22日

上記の二候補による決選投票

 

その結果、郵便投票の開票が翌日までかかる混戦となり、3万1千票の僅差で緑の党のVan der Bellenが当選。

 

<つぶやきまとめ>

(この時は日本にいたので、日本の夜中にオーストリアの開票情報をリアルタイムで見てました)

 

現時点でVan der Bellen(緑)50.1%、Hofer(極右)49.9%。19:30まで投票用紙数えて、まだ拮抗して決まらなかったら、明日の朝続木を数えてやっと結果が確定するらしい。もちろん異例の事態。

 

Der Standard紙の最新は50% vs 50%。もう寝る前には決まらなさそうなので、起きてから結果見るしかない。

 

ウィーン市は70%以上がVan der Bellenなのに、それ以外の州はHoferが勝ってる。やはり国民党支持者が極右に流れたか。田舎の人はゼノフォビアって考えたら当たり前だが。そして保守と極右は、田舎では紙一重。社会党の強いウィーンは、緑に流れたのも順当。

 

93.6%開票され、Van der Bellenが3000票多い50% vs 50%。もうこれは月曜朝まで決まらんね。。不在投票が数えられるのは月曜日。

 

社会党ファイマン首相が辞任してなかったら、Hoferは70%集めてただろう、という記事もある。ファイマン捨て身の辞任が無駄にならないといいのだが・・・。

 

<郵送投票が開票された月曜日朝>

 

軒並みオーストリアの新聞サイトが技術的問題wwみんなアクセスしすぎw

 

BBCが一番に、Van der Bellen勝利を報じた!オーストリアのニュースで確認せねば。

 

Der Standardも短い記事の付け足しでVan der Bellen勝利を報じてるけど、この沈黙は何なんだ。。

 

Die Presseも報じた!Van der Bellen勝利!!!!!!!!

 

前代未聞の接戦だった、オーストリア大統領選決戦投票結果!Van der Bellen(緑の党)が50.3%で勝利。郵便投票開票の結果3万1千票差でHofer(極右自由党)が敗北。こんな選挙見たことない!

 

<結果を受けての分析>

 

どうして墺国国民党と社会党がここまで凋落したのか。過去の二大政党は、その栄光の上に胡坐をかき、長年のトルコ、ユーゴスラビア移民の流入に手を打ってこなかった。そのせいで、一部の公立学校では独語話者よりトルコ語話者が多くなり、移民地区の治安が悪化し、移民の犯罪が増加した。

 

国民党と社会党政権時代は、移民に寛大だったというより、手をこまねいて無策だった。そのために国がガタガタになった。遅ればせながら移住者への独語試験を課したり、幼稚園年長を義務化したりして、移民の同化を促進する政策を打ち出したが、まだ効果が出る時期ではない。

 

去年の難民流入以前に、既存の移民問題が解決されていないことにしびれを切らした国民が、国民党と社会党に見切りをつけ始めた時、それに付け入って票を伸ばしたのが極右自由党。ハイダーもその流れに乗って人気を得たが、ハイダー亡き後もその流れは変わっていない。次々指導者が出て来る。

 

国民党と社会党が、のうのうと二大政党の地位を謳歌せず、拡大する当時の移民問題に策を打っていたら、国民が極右に流れることもなかったのかもしれない。政権の上に胡坐をかくことに対する、国民からのしっぺ返しが、極右の台頭。移民問題に無策な、全ての国に対する警告なのかもしれない。

 

今回何とか極右大統領誕生を阻止できたわけだが、先を考えると、次期首相選挙で極右自由党党首Stracheが首相になっちゃったりしたら、極右大統領よりさらにタチが悪いよね。。権力少ない大統領職をやらせて、右に傾き過ぎた国民の熱を下げさせる方がよかったと思う日が来ないことを祈る。

 

極右台頭とか、色々と政治的に情けないことも多いオーストリアだけど、少なくとも国民の声が政治に反映されて、ちゃんと政権交代が行われているという点では、政治が国民の声を受けてストレートに機能しているという印象は受ける。二大政党は鈍っても、選挙システム自体はまともっぽい。

 

==

6月初め、ウィーンに戻って、大統領選の結果を受けてのツイート

 

トラムのニューススクリーンに新大統領ファン・デア・ベレンが映るのを見て、あーホーファーじゃなくて良かったと実感。国際的に恥ずかしい思いするところだった。一方で国民の声がそのまま選挙に反映される怖さと健全さも感じた。

 

このニューズウィークの記事、オーストリアの大統領選と、戦後の政治史をうまくまとめた良記事。これさえ読めばオーストリアの政党の歴史が分かるよ!http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160524-00170383-newsweek-int…

 

(決選投票無効と再選挙に続きます)

 


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2016-10-15 16:27 | カテゴリ:オーストリアの政治

オーストリア大統領選について色々と記事を書いていますが、この機会に節目節目で呟いたことをまとめておきます。

 

以前の記事で、大統領選に関する動きを時系列でまとめたものがありましたが、それを基準にそれぞれのタイミングで呟いたことをまとめますね。

 

ちょっと党の名前とか人名とか聞き慣れないかもしれませんが、なるべく党のカラーや支持者層が、初めて読んだ人にもわかるように平易にして書いたつもりです。オーストリアの政治は党が基本なので、基本的には結構単純です。

 

オーストリア大統領選挙戦に関する記事は、「オーストリアの政治 」カテゴリからどうぞ。

 

<日付と出来事出来事>

 

2016年4月24日 

オーストリアの大統領選挙投票日。候補は6名。候補者の略歴と写真と選挙ポスターはこちらの記事をどうぞ→ オーストリア大統領選2016 候補者ポスターを見比べてみた

 

その結果、どの候補も規定の票数に満たず、極右自由党(FPOe)のHoferと緑の党のVan der Bellenの決選投票となる。(この時にはHofer1位Van der Bellen2位)

 

<つぶやきまとめ>

 

オーストリア大統領は儀礼的存在で、任期も長く、オーストリアでは珍しく党ではなく個人に投票。まだ決選投票があるから決定ではないにしても、35%が極右FPOeのHoferというのは憂うる事態。二位で比較的まともな緑の党のVan Der Bellenは21%。ひっくり返せるかなぁ。。

 

極右台頭と並行して、今まで2大政党だった社会党SPOeと保守の国民党VPOeどちらも、超ショボイ結果に終わったのも情けない話。国民党は極右自由党FPOeにかなり票を取られてたけど、社会党はまだ首相の党だし、第一頭なのに。社会党は支持者が磐石なはずが、この結果。。

 

保守の国民党VPOeがこの5年で相当転落してる。この票が、極右自由党FPOeに動き、極右を支持しない人たちはリベラル(今回の選挙ではNEOSに支持された3位のGriss)に動いて割れている。社会党の票がどこに流れたのかが謎。社会党は緑の党と相性が良さそうなんだが。

 

決選投票の行方はどうなるか。極右自由党がかなり多数なので、決まる可能性が高いけどイヤだな。。自由党以外に投票した人たちは、極右が嫌いなはずと仮定して(極右支持がこの国に半分もいるとは考えられない。。)、この票が全てVan Der Bellenに回ればもしかして。。

 

そうなると、極右支持vsそれ以外の真っ向対決か。。オーストリアの良識をなんとか示して欲しい。ほんと私の周りで右な人なんてほとんどいないので、どこにそんな人がいるのか。。

 

===

 

もうちょっとオーストリアの大統領選を分析してみる。一部で、次の決戦投票は極右VS環境党と言われているけど、緑の党の候補Van der Bellenは、出身は緑の党ではあるけど、大統領としてそこまで環境を前面に出してないので、どちらかと言うと移民寄りの賢者枠と言った感じ。

 

まあどちらにしても、反移民VS移民寄り、ポピュリストVS賢者って感じではあるね。決戦投票Stichwahlは5月22日。

 

地域別得票率は、全国真っ青。。(青=極右自由党)この記事の地図見て私も真っ青。。→http://diepresse.com/home/politik/bpwahl/4974613/Der-Tag-als-Osterreich-blau-wurde?direct=4974893&_vl_backlink=/home/index.do&selChannel=5909… その中でもウィーンだけ以外に緑(Van der Bellen)が多い。普通田舎はガチガチ保守で黒(保守の国民党)のはずが、どっと青になるってるとは。

 

逆に緑の党のVan der Bellenが32%と強かったウィーンの区別得票地図はこちら。→http://diepresse.com/home/politik/bpwahl/4974893/Grunblau-oder_Das-Ende-des-roten-Wien?_vl_backlink=/home/index.do… それでも地図を見たら、緑と青に真っ二つ。それも移民が多めの区が青なのは予想通り。社会党支持で赤いはずのウィーンに赤は全く見られない。

 

社会党と国民党の敗因。社会党は大統領選のブレーンの不在。国民党はニーダーエースタライヒ州知事プレルが候補だと長く思われていたが、出馬しないことになったのがギリギリ過ぎ、代わりの候補者の知名度が上げられなかったこと。

 

この地域別得票率見てると、田舎:保守→極右、ウィーン:社会→緑と言う感じで票が流れてるかな。無所属リベラルのGrissの20%近い票が今後どっちに動くかだなー。何となく極右の大統領誕生の覚悟だけはしておいた方がいいかもしれない。この国にとって本当に恥ずかしい事だが。

 

今までのオーストリアの政党支持層は、保守→金持ち、エリート、田舎。社会→インテリ、学生。極右→労働者、低所得者。と言うイメージだった。今回の選挙で、金持ち、エリートの保守はリベラルに、社会党支持者は緑に、田舎の保守党支持者と都会の労働者はは極右に入れたって感じになったね。

 

あともちろん、数年前に選挙年齢を16歳以上に引き下げたのが、極右の台頭に大きな影響が出てるのは明らか。16歳で投票なんて、ポピュリストの餌食になるって決まってるじゃないか。。

 

つまり、極右保守党は、元々の支持母体が移民に職を奪われる低所得者層オンリーだったのが、選挙権年齢を16歳以上に引き下げることで、移民に就職活動で負けがちな高卒層まで味方に付けたことになる。通常インテリで社会党に投票しがちな大学生も、就職難を移民のせいにして右傾化する。ううむ。。

 

===

 

<極右圧勝の選挙の結果を受けた翌日の報道にコメント>

 

ちょwこの記事ww 画家志望だったヒトラーが在籍していたこともある「ウィーン芸術アカデミー」が、オーストリア大統領選首位で決戦投票前の極右自由党候補Hoferに、学生の籍を一方的にオファー。強烈なジョーク。 http://www.der-postillon.com/2016/04/akademie-der-bildenden-kunste-wien.html?m=1…

 

ウィーンのとあるカフェ、極右自由党に投票した人は入店禁止に。「例の35%に属する人は、通り過ぎてください」逆ユダヤ人対応に賛否両論。http://www.thelocal.at/20160426/vienna-cafe-tells-bars-far-right-voters-austria-presidential-election…

 

ウィーン芸術アカデミーといい、このカフェの対応と言い、極右の台頭を憂いて、アクションを起こす人がいることに、オーストリアの良心を感じる。

 

数少ないTL上のオーストリア大統領選を追ってる人たちが、みなさん私と同じ気持ちなのに、Hofer支持が一体どこにいるのか謎だ。。政治的元首ではない大統領選に、一時的な情勢を反映するのは最低限にするべきだと思うけどなー。

 

お飾りで政治的影響力の少ない大統領選で、この打撃だもんな。。ハプスブルク家が残ってて、日本の天皇みたいに国の顔となってたら、大統領選ぶ必要もなく、政治も安定してたかなーなんて思ったり。ハプスブルク家末裔が大統領候補になったら受かるかな?(←元皇室の政治参加は禁止されてます)

 

(決選投票のつぶやきに続きます)

 

 


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2016-09-18 16:10 | カテゴリ:オーストリアの政治

オーストリアは日本より郵送投票が気軽にできるため、利用者も多いのですが、今回は実際に、日本で1ヶ月長期休暇を過ごしていたオーストリア人の郵送投票を取材してみました。

 

過去のオーストリア選挙戦の記事はこちらからどうぞ

舞台はウィーン! オーストリア大統領選2016 候補者ポスターを見比べてみた

一つ前に書いた、オーストリアの郵送投票に関する記事はこちら→オーストリアの政治

 

 

オーストリアの大統領選がこの度延期されたのも、「郵送投票のノリの粘着力に疑問があるから」と言う理由でしたが、どこをどんなふうに糊で貼るのかも合わせて見ておいてくださいね。

 

当時まさか糊が問題になると思わなかったのですが、まさにこの、5月の郵送投票が大統領選決選投票の勝敗を大きく左右したわけです。更にそのやり直しや延期もこの郵送投票を巡ってのことですので、この郵送投票レポでちょっとはイメージを掴んでいただけるかもしれません。

 

それでは、郵送投票レポ行きます!

 

1.事前にオンライン(マイナンバーのようなものを基準にした公的オンラインシステム)で申請しておいた投票用紙Wahlkarteが、日本の滞在先の住所に届きます。知人の家に居候している場合は、その人の住所にちゃんと届きます。

 

Wahlkarte01-crop

日本の住所に届いたオーストリアの郵送投票用紙。

「2016年5月2日の決選投票のための投票用紙在中」とあります。

 

2.中に説明レターが入っています。

 

Wahlkarte02-crop

この投票用紙を直接投票所に持って行ってもいいし、郵送にしてもかまわない、と書いてあります。どちらの場合も投票当日の17時までに到着必須。

 

3.投票用紙に記入する

 

Wahlkarte03-crop

「決選投票のための投票用紙」とあります。

 

通常投票用紙には候補者の名前が書いてあって、投票したい候補の方にXを付けるのですが、今回はおそらく発送時点で決選投票の二人の候補が書かれた投票用紙の印刷が終わっていなかったため、投票者が記名する方式になっています。

 

4.記名した投票用紙を半分に折って、同封の茶色の封筒に入れ、封をします

 

Wahlkarte05-crop-crop

 

この茶色の封筒ごと投票箱に入れられ、開票されることになります。おそらく、「糊の粘着力に問題がある(からこっそり開封して偽造が可能だ)」とされたのは、この茶色の封筒の事だと思われます。写真でも糊の部分、少し見えますね。

 

5.投票用紙の入った茶色の封筒を、郵送用の封筒に入れ、サインして封をします。

 

Wahlkarte05-crop-crop

 

大きいほうの封筒には「この投票用紙には自分の意思で記入しました」とサインをする欄があります(網掛け部分)。

 

最後にこの封筒に封をしますが、この封の部分が大きめになっていて、投票者の名前とサインが隠されるようになっています。開封者は、投票者の名前を見ることなく投票用紙の入った茶色い袋を取り出すことができるようになっています。

 

6.郵送用封筒の表紙を確認する

 

Wahlkarte07-crop-crop

 

A4弱サイズの郵送用封筒の表面です。この中に、封をされた茶色の封筒に入った投票用紙が入っています。宛先は区の投票所。

 

右上の切手を貼るエリアには、No Stamp Requiredと書かれています。

 

7.郵送する

 

送料無料と書いてあるので、普通の日本のポストに投函してもオーストリアまで届いたとは思いますが、とっても大事な一票だったので(実際ものすごい僅差でしたし。。)、一応送料無料の確認のため、日本の郵便局の窓口で投函してみました。

 

その結果・・無事無料で発送できました!!

 

多分郵便局の局員さんも、オーストリアの郵送投票封筒を見たのは初めてだとは思いますが、それでもちゃんと送れるんですね!なんだかちょっと感動しました。

 

 

というわけで、オーストリアの郵送投票のレポでした!

 

これを見た感じ、簡単でシンプルではありますが、二重に封筒に入れたり、サインや記名者の名前はちゃんと隠されていたり、一通り個人情報は守られ、投票所に向かう手間とほとんど変わらないことがお分かりいただけたかと思います。

 

一方でもちろん、強要して書かされたかどうかは誰も確認できませんし(自分の意思であるとサインする場所はありますが)、もちろんこの茶色の封筒の糊の止め方が弱くて封が開いてしまったらとか、悪意を持って投票用紙をすり替えるとか、疑い出したらキリがありません。

 

少なくとも、この茶色の封筒の糊をペロッとなめて封をする人がほとんどだと思いますが、その粘着力を調査して、大統領選が延期され、あわよくば郵送投票廃止が廃止の危機に陥っているとは、オーストリアの民主主義大混乱です。

 

 


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2016-09-16 16:06 | カテゴリ:オーストリアの政治

ちょっとオーストリアの大統領選が揺れに揺れています。タイムリーなニュースはつぶやいてはいましたが、ブログに書くのはこの記事(舞台はウィーン! オーストリア大統領選2016 候補者ポスターを見比べてみた)以来となります。

 

とりあえず、オーストリア大統領選に関する今までの動きを簡単に追っておきます。

 

2016年4月24日 

オーストリアの大統領選挙投票日。候補は6名。候補者の略歴と写真と選挙ポスターはこちらの記事をどうぞ→舞台はウィーン! オーストリア大統領選2016 候補者ポスターを見比べてみた

 

その結果、どの候補も規定の票数に満たず、極右自由党(FPOe)のHoferと緑の党のVan der Bellenの決選投票となる。(この時にはHofer1位Van der Bellen2位)

 

2016年5月22日

上記の二候補による決選投票

 

その結果、郵便投票の開票が翌日までかかる混戦となり、3万1千票の僅差で緑の党のVan der Bellenが当選。

 

2016年7月1日

決選投票の開票が既定の時間外に行われたとして、決選投票やり直しの判決。

 

10月2日が決選投票やり直し投票日と決まる。9月始めから選挙ポスターが街に並び、再び選挙戦のムード。

 

9月12日

10月2日に予定されていた決選投票やり直しが12月4日に延期に。理由は「糊の粘着力」。郵便投票の封筒の糊の粘着力に疑問の余地があるとして、選挙のやり方自体の仕切り直しが決定される。←イマココ

 

 

ちなみに、決選投票の開票時間やノリにイチャモンを付けて、やり直しや延期を訴えているのは、決選投票に敗れた極右自由党。とにかくどんな手を使ってでも、決選投票の結果を無効にしたいというなりふり構わない感じです。

 

このオーストリア大統領選のつぶやきをまとめるだけでも結構な記事になるわけですが、ちょっと今回は先にタイムリーな「郵送投票」について記事にしてみます。

 

 

●オーストリアの郵送投票

 

オーストリアの郵送投票の仕組みをご紹介します。かなり日本と違って敷居が低く、選挙の権利を平等に提供できるシステムになっています。

 

まず、選挙当日に投票所に行けない人は誰でも、郵送による不在投票が可能です。投票用紙の郵送申請は投票日の二日前まで、窓口、郵送、メール、Fax、オンラインどれでも可。

 

投票用紙の受け取りは本人郵便受け(本人確認なし、紛失リスク了承済み)か、郵便局(本人確認、受け取り確認あり)の選択可。あとは記入して、投票日までに選挙事務所に到着するように投函するだけ。当日持参も可。

 

特に条件もなく、誰でも気軽に郵送で不在投票できるのは、忙しい人や病人にもいいシステムですね。

 

2016-09-14 09.16.54

オーストリアのポスト。側面には郵送投票に関する案内シールが貼ってあります。

 

2016-09-14 09.16.50

こちらがポストに貼られた郵送投票案内のシール。

 

「郵送投票用紙で一票を簡単に投票できますよ」「あなたの一票は貴重です」「ここなら24時間投票できる!」 とあり、まだ10月の投票日の案内ですが、いつまでに投函したら間に合うかも書かれています。

 

 

国外にいる人は、在住、旅行を問わず、事前に在外投票用紙を入手し、投票日までに選挙事務所に到着するよう選挙事務所に郵送する。投票用紙は海外の住所も送ってもらえる。投函は直接送るか、大使館等に早めに郵送して、転送してもらう。

 

世界中どこにいても郵送で不在投票ができるのは便利!

 

更に、世界中どこでも、投票のための送料は無料!投票にお金がかかると、投票権に差が出る→民主主義に反する、って考え方。速達やEMS、DHLなどのサービスは個人負担だが、普通郵便なら国が負担します。

 

実際、日本からオーストリアに郵送投票した時は、無料で送ることができました。

 

HELP.gv.at: Briefwahl mittels Wahlkarte

 

実際に郵送投票したレポは次回の記事をお楽しみに!

 

 

●日本の郵送投票についてもちょっと調べてみた

 

日本の不在投票で郵送できるか調べてみたら、国内の場合は事前登録した障害者以外不可という驚くべき現状。それじゃ、外出する体力のない老人や、つわりや産前産後は投票見送るしかないし、それって弱者の投票の権利を奪ってることにならないのかな?

 

海外在住の場合は、在住3か月を超える場合で、在外選挙人登録を済ませた場合のみ可能。1ヶ月の長期海外出張中とかだと中途半端で投票できないし、登録の手続きも時間かかるし、敷居が高すぎる。

 

オーストリアのシステムだと、1ヶ月の海外長期休暇中に選挙があっても、不在郵送投票のシステムのおかげで投票できる。これが逆に、一ヶ月ヨーロッパで過ごす日本人だったら、その期間の投票はできないよね。

 

 

あとほら、天気が悪いから投票率が低いとかくだらない理由あるけど、実際は、雨にぬれたら病気が悪化するからとか、雨の中子連れで運転して事故起こしたくないからとか、そういう比較的まともな理由で雨の日に行きたくない人もいると思うんだよね。

 

あと、出張や家族サービスで週末に投票所行けない人とか沢山いるだろうし、投票できない理由って自分勝手でくだらなそうには見えるけど、自分がその立場だったら、健康や子供と投票の優先順位は似た感じになると思うんだよね。そりゃ、みんなそれぞれ事情が許せば投票に行きたかったんじゃないかな。

 

それを、期日前投票しなかったやつが悪いから投票できなかったのは自己責任、みたいに言うのは、ちょっと違うと思う。もっと選挙って、個人的な事情に左右されず投票できてこその民主主義だと思う。

 

その点、オーストリアの選挙は徹底してて、「投票できない人をなるべく減らす」事に一生懸命税金を使ってる印象がある。

 

郵送による悪用や紛失の危険性もあるだろうけど、それより第一に、投票の権利をあまねく平等に提供するという、民主主義の基本姿勢をまずしっかり制度化しているのが素晴らしい。これなら、病人、旅行者、忙しい人、雨にぬれたくない人、介護や育児で家を出られない人、ひきこもり、皆意志さえあれば気軽にタダで投票できる。

 

民主主義としては、投票の権利は個人の体調や現在地と関係なく、誰でも行使できるべきだと考えるのが正しいと思うけど、日本でも郵送投票もっと便利に使えるようにならないかなー。

 

総務省|投票制度

総務省|郵便等による不在者投票ができます

 

 


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2016-08-20 16:02 | カテゴリ:国際ニュースの報道比較

このブログには、オーストリアの新聞やメディアについて時々記事が出てきますが、ウィーンでよく見かける新聞とその方向性をまとめておきます。

 

日本と大きく違うのは、同じニュースでも新聞によって、分析の角度や内容、取り上げる紙面の大きさが全く違うことです。これは、ヨーロッパの新聞の多くがそうであるように、各紙の購読者の違いが、各紙の特徴を決めているからです。

 

保守的な考え方をする人はAという新聞を購読し、ソーシャルな考え方をする人はBという新聞を購読する。結果的にA新聞を読む人は保守的な党に、B新聞を読む人は社会党に投票する傾向にある、というふうに、購読する新聞と考え方、投票する政党がつながってきます。

 

という点を踏まえて、新聞の名前と、高読者数の考え方、支持政党をまとめておきます。(とは言っても、公式には購読者が一人ひとりがどの党を支持してるかなんて、このご時世調べきれないので、以下はオーストリア人一般が持っているイメージをまとめたものです。)

 

Die Presseは保守(国民党寄り)。

Der Standardは左(社会党寄り)。

Wienerzeitungも保守(国民党寄り)。

Salzburger Nachrichtenはやや左(社会党寄り)。

 

この四紙は比較的まともでインテリ向け。

 

Kurierは、支持政党ははっきりしないが、高所得者に読者が多い。

 

大衆紙の王様は読者数最多のKronenzeitung。一応新聞の体裁はしてるし、日本のスポーツ新聞ほどではないけど、内容はセンセーショナルでチープ。曲がりなりにも新聞なのに、人名など間違いもめちゃくちゃ多い。

 

Kronenzeitungは購読者に支持政党の偏りがあるわけではないが、内容からして低学歴低所得者層をターゲットにしている。外国人の犯罪などをセンセーショナルに書き立てる傾向もあるし。そして、今のオーストリアの低学歴低所得者は極右自由党に投票する傾向がある。

 

他に地下鉄駅でもらえる無料新聞にHeuteösterreichの二紙がある。無料だしチープで軽いけど、さらっと目を通しやすい。内容は無料だから酷くても許せるw 個人的にはHeuteの方がレイアウト的に読みやすいと思う。大衆紙には男女どちらのニーズにも合う軽いセクシー写真も。

 

また、ここに挙げなかった地方紙の中には、Kleine Zeitungのようにウィーンでは発行されていないが、結構高読者数の多いものもあります。

 

と、ここまで書いたところで、Wikipediaのオーストリアの新聞のページに、購読者の割合まで書いてあったことに気がついた。 購読者とか企業名とか地方紙とかについて知りたい方はこちらへどうぞ↓

 

Liste österreichischer Zeitungen – Wikipedia

  

 

おまけ。オーストリア国営放送ORFは中立であるべきだが、再選されたトップは左(社会党支持)の人。極右自由党をおちょくったインタビューをしたり、ほんの少しだけ左寄りの報道姿勢らしい。

 

 

まあ、保守の国民党と左な社会党の二大政党制がほとんど崩れた今となっては、上記の新聞購読者数と支持政党がそこまで一致してはいないと思う。けど、もし知り合いになったオーストリア人がどういう考え方をする人か知りたかったら(移民排斥派か、制限派か、受け入れ派か、など)購読している新聞を聞いてみるのも一つの手かもしれません。

 

 

 

 

 

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2016-08-15 16:02 | カテゴリ:国際ニュースの報道比較

前回に続いて、「天皇陛下お気持ち表明」のメディア比較のツイートまとめ記事です。

 

 

近くのパン屋カフェで、複数のオーストリアの新聞の「天皇陛下お気持ち表明」記事を読んでみた。

 

まず、カフェにおいてあった四紙にはすべて天皇記事が2-5面に。記事の長

さや見出しは新聞の個性が出てて面白い。ついでに独語圏での「天皇」の呼び名と「お気持ち」の独語訳にも注目してみた。

 

●保守紙Die Presse

 

まずお上品な方から。保守紙Die Presseは天皇皇后両陛下の写真と共に、かなり長い記事。見出しは「カイザーアキヒト退位を求める」。大見出しはKaiser、下の見出しにTenno。

 

presse

Presseの長い記事の前半は昨日のお言葉の引用と、立場や背景の説明。長い後半は後継者の選択肢について。使ってる語彙もなんか高尚。

 

●Kurier紙

 

高所得者に読者が多いKurier紙。こちらもかなり記事は長く、Presseと似て前半は昨日のメッセージの引用と意味すること、後半は後継者の選択肢について。二行目の見出しにTenno。本文中にjapanische Kaiser。

kurier

 

●Kronenzeitung

 

お次は急に下がって(笑)タブロイドに近いが購読者数最多の大衆誌Kronenzeitung。「ラストエンペラーはもうやりたくない」とかいう目立つだけで内容空っぽ(国すら違うw)なアホ丸出しな見出しw 本文も「世界最後のカイザー」とかw それを言うなら「世界最古のカイザー」でしょうが。。

 

krone

 

まあKronenzeitungの記事はいつも恐ろしく間違い多いし、こういうレベルなんです。呼称はJapans Tenno Akihito, Kaiser。der letzte Kaiser(ラストエンペラー)連呼で苦笑w しかしごっちゃにしてる人が多いことも事実。

 

 

●無料新聞Heute

 

さらに落ちてw、無料新聞でもちろんタブロイドレベルのheute。2面ながらメチャ小さくて笑ったw Tenno表記あり。退位の理由はkein Kraft mehr(もう力(元気)がない)って、要約しすぎw

 

heute

 

●オーストリア国営放送ORFのウェブサイト

 

あと紙面じゃないけど、オーストリア国営放送の記事。

Übersicht

 

「前のローマ教皇も退位した」と比較しているのはこの記事だけ。見出しにKaiser、本文にTenno.

 

●独語圏での「天皇」の呼び名

 

ちなみに独語圏では、自国のカイザーと区別するため、日本の天皇はJapanische Kaiserと呼びます。イギリス女王はKoeniginではなくそのままQueenと呼びます。

 

あと、オーストリア人に聞いたところ、ドイツ語でTennoという表現は、普通にみんな知ってると思うよ、とのこと。日本に興味なくても多分知ってる、と言ってた。英国女王をクイーンと呼ぶように、天皇陛下はテンノーでも通じるっぽい。無理してカイザーと呼んで間違った印象を与えるより、テンノーと呼ぶ方が誤解は少ないのかも。

 

これを踏まえてまとめると、四紙全てにTenno表記あり。つまり、昨日の話通り、オーストリア人は一般的にTennoという単語の意味を知ってる。記事内に(japanische) Kaiserもアキヒト表記も必ず出てくる。カイザーアキヒト、テンノーアキヒト表記も呼び捨てもある。

 

内容的には、必ず入っているのが、国民へのメッセージは在位二回目であること、退位理由は「任務遂行のための体力不足」、法改正が必要なこと、象徴としての立場から個人的希望を述べるにとどまったこと。後継者に関して書いてたのはPresseとKurierのみ。

 

●「お気持ち」独語訳

 

次に「お気持ち」という曖昧な日本語の独語訳。どの新聞も表現に苦心している様子。

 

Presseはsich anwenden(希望を伝える)、KurierはWunsch(希望)を使い、「退位の希望と解釈される」と見出しに。PresseのWeb記事はAnzeichen(示唆)と表現。

 

KroneはAnliegen(希望)、heuteとドイツのSpiegelウェブ記事はandeuten(示唆する)。

 

ORFは日本の「お気持ち」を無理やり訳した鍵カッコ付きで「Gefuehl」(気持ちより気分やフィーリングってニュアンス)と表現。

 

 

CNNはwishだったし、「お気持ち」はGefuehl(英訳feeling,emotion)とは全然違うよね。けど、希望と言えない大人の事情があるのだね。ORFはHinweis(示唆)としてたし、「希望を示唆」くらいが妥当か。各紙苦労してるねー。

 

●まとめ

 

当訳で、今回の紙面比較でわかったことは、

 

①「天皇陛下のお気持ち表明」は全ての新聞で取り上げるほどのビッグニュース

②オーストリアの新聞は購読者によって紙面の大きさや言葉の選び方、精度が大きく異る

③オーストリア人はTennoという言葉を知っている

④「お気持ち」という言葉の訳は、各紙非常に苦労していて、ほとんど同じ表現はなかった

 

ということで、朝刊をざっと見るだけで、ものすごい勉強になったし、改めて紙面の特徴を掴むことができて、興味深い体験ができました。

 

もうオーストリア人に質問攻めにされても、準備万端!(笑)

 

 

 

 

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2016-08-12 16:01 | カテゴリ:国際ニュースの報道比較

「天皇陛下のお気持ち表明」がメディアに流された8月9日。ちょうど英語独語日本語のニュースのタイムラインを追っていて、色々と興味深いことに気が付きました。備忘録代わりにつぶやいていたら、RTがものすごかったので、記録としてブログの方にもまとめておきます。

 

私がツイッターでフォローしている英語ニュース(CNN,BBC)と独語ニュース(オーストリアの新聞や国営放送)で、このニュースがどのように扱われたかを、リアルタイムで検証したツイートのまとめです。

 

(相変わらずのツイートまとめなので、字数の関係でですます調でなかったりバラバラですが、そのへんはお気になさらず。。)

 

●各国比較してみた動機

 

ちょっとしたきっかけがあり、一つのニュースをいろんな国のメディアがどう書いているかを比較したら面白いなーと思って、その一つの例で今回「お気持ち」記事を日独墺英米で読んで見たら、色々とその国の事情が垣間見れて面白かった。

 

もう一つの動機は、「現地人からの質問攻め」への対策。日本絡みの英独語記事は目を通しておかないと、後で現地人に聞かれて「それ初めて聞いたよ!」と答えるのは大変恥ずかしいし、がっかりされる。英独記事を読んで質問者の前提知識を確認し、日本語記事で豆知識を蓄える戦法w

 

●BBC記事

 

「天皇陛下お気持ち表明」BBC記事

Japan's Emperor Akihito hints at wish to abdicate - BBC News

 

ほぼ日本のニュースと同時に、声明の引用、背景 歴史についてきれいにまとめてある。声明の英訳読むだけでもなんか泣きそうなくらい、うまく訳してある。英語圏の読者用になぜ譲位ができないか、今後の後継者など基礎知識もまとめてある。

 

このBBC記事、速報より内容が増えて、さらに読み応えがアップ。天皇家家系図とか、写真付きで詳しくてなんか嬉しい。英国人興味あるのかw

 

 

●BBCの「天皇陛下について知っておきたいこと10選」まとめ記事

 

BBC「天皇陛下について知っておきたいこと10選」が面白いw

 

1. 世界最古の世襲君主で、2歳から両親と離され育てられた

2. 伝統破りの結婚はテニスコートロマンス

3. 菊の紋章と長期に渡る神道式即位式

4.国の象徴で神ではない

5.ブッシュ父に2度テニスで勝った(その夜ブッシュは宮沢喜一首相の膝に嘔吐した)

6.二度手術した

7. 女子高生にツイッターに写真を載せられたが気にしなかった

8.2011年の地震後重要な役割を果たした 

9.戦後処理的に日本を先に進めた

10. 魚に名前が付いている

 

●CNN記事

 

CNNの「天皇陛下お気持ち表明」記事

 

BBCとトーンがかなり違うし、アキヒトと呼び捨てで連呼されるのなんかカチンとくるw 内容も、BBCが言葉を選んで、丁寧に背景や今後の動きを説明していたのに、CNNは「これは異例!どうなる日本!」みたいな雰囲気を感じたなー。

 

「アキヒト天皇(ハッシュタグ付w)って誰?」と題した、CNNのまとめ映像。

Who is Japan's Emperor Akihito? - CNN Video

 

前半戦後のことに重点を置いてて、CNNだなあと。BBCは戦争のことに触れてなかったし、そもそも戦後相当経ってから即位したよね?後半はうまくまとまってて、「アキヒト」の読み方が和風で好感度アップw

 

CNNの記事と映像はどちらも無理やり戦争や戦後のことを突っ込んでる気がするのは私だけ?BBCやPresse(墺紙)は「天皇がテレビを通して国民に話す二度目」と書いてるのに、CNNはわざわざ「玉音放送を含めて3回目」と書いてる。CNNの映像も尺の割に戦争映像入れすぎじゃない?

 

アメリカで終戦以来天皇のことがあまり話題に上がってなかったとしたら、天皇といえばまず戦争というイメージなのかも。欧州は皇室が身近だし、結構話題になるから、イメージ違うのかなー。

 

●ドイツの週刊ニュース誌Spiegel

 

独語ソースでは初めて目にした天皇陛下のお気持ち記事。

 

 

Spiegel(独)の記事はTennoと書いてる!初めて見た。。「世界最古の世襲君主」と見出しにも書いているし、かなり詳しい人が言葉を選んで書いた印象。「譲位する」は独語でAbdanken、英語でAbdicate。並べるとほとんど同じ。

 

この時点では、フォローしてるオーストリアの新聞PresseとStandardは天皇記事なし。

 

●オーストリア保守紙Die Presse

 

とうとう来たオーストリアのPresse紙の「天皇陛下のお気持ち表明」記事。中身はBBCとほぼ同じ。日本語ソースではなく英語ソース見て訳したっぽい雰囲気の引用独語訳。APAとあるし、特に特徴のない淡々とした記事。天皇の独語訳は一貫してJapanische Kaiser

 

●海外在住者的日本ニュースの読み方

 

こういう日本のニュースが海外メディアに載ると、海外在住者は現地人から質問攻めに合うので、早めに答えを用意しておくといいですよー。なぜ簡単に譲位できないのか、国民はどう思ってるのか、そういえば女性天皇の話はどうなったのかとか聞かれそう。

 

皇室の話はオーストリア人は好きなので、普段から色々聞かれるけど、呼び捨てNGとか、世界最古の世襲君主って話したら結構感心されるなー。皇室が続いてるって事は、オーストリア人の本心は羨ましいんだろうなー。皇帝がいたら大統領選三回もしなくていいんだしw

 

(次回は、翌日のオーストリアの長官に載っていた、「天皇陛下のお気持ち」記事比較と「天皇」「お気持ち」の独語訳についてです)

 

 

 

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2016-04-23 16:09 | カテゴリ:オーストリアの政治

4月24日(日)を投票日に控え、盛り上がって参りましたオーストリア大統領選挙。

 

オーストリアでは、首相Bundeskanzlerが政治的トップを務めますので、大統領Bundespraesidentは儀式的、象徴的役割を果たします。もしハプスブルク家が残っていて、立憲君主制だったら皇帝が果たしたような、日本で言うと皇室みたいな役割です。

 

なので、首相が政治的にもみくちゃな印象でも、大統領は国の象徴として政治から少し距離を置き、任期も長く「よきかなよきかな」的なポジションとも言えます。

 

私がウィーンに来て以来ずーっとオーストリアの大統領はハインツ・フィッシャーで、結構安定していい感じだったんですが、この度任期が終わり、新しい大統領が選出されることとなりました。私自身も、首相はもう3,4回変わりましたが、大統領が変わるのは初めてということで、注目しています。

 

 

オーストリアでは、首相や議員は個人に投票することはなく、政党に投票しますが、大統領は珍しいことに個人投票。現首相は社会党のファイマン氏。現大統領は保守党のフィッシャー氏でしたが、保守党の力が弱まっている中、次期大統領がどの党から選ばれるのかが注目されています。

 

候補者ポスターが街にあふれ、それぞれ結構特色があったり、似通っていたりして興味深いので、前にポスター紹介(オーストリア選挙戦VS面白匿名ポスター)をしたときの様に見比べてみようと思ったのですが、その前にうまくまとまった表を見つけましたので、ご紹介します。

 

候補者

年齢

所属党

兵役もしくは社会奉仕歴

結婚歴

職業

月収

Hofer
    Norbert, Ing.

45

FPÖ (自由党)←極右

あり

2回

議員

14,500ユーロ以上

Hundstorfer
    Rudolf

64

SPÖ (社会党)

あり。ただし「無駄な時間だった」との発言あり。

3回

自分の選挙事務所の所員

13,090 ユーロ

Griss
    Irmgard, Dr.

69

なし。NEOS(新しくできたリベラルな党)推薦

なし(女性)

1回

年金生活者

9,008 ユーロ

Van der Bellen
    Alexander, Dr .

72

緑の党

なし

2回

年金生活者

7,958 ユーロ

Khol
    Andreas, Dr.

74

ÖVP(国民党←保守)

なし(病気のため),

1回

年金生活者

10,029 ユーロ

Lugner
    Richard., Ing.

83

なし

なし
(兵役義務のない年に生まれた)

5回

(大富豪の老人で、とっかえひっかえ若いセクシーなこと結婚することで有名)

年金生活者

3,200 ユーロ(大富豪なのに。。)

出典:Bundespräsidentschaftswahl 2016 in Österreich. Kandidaten und Ablauf der Wahlを和訳。このサイトは公的なものではないので、内容にちょっと偏りがあるかもしれませんが。。

 

こうやって並べても、誰が誰だかちょっとよくわかりませんね。。と言うわけで、選挙ポスターと並べて見比べてみます。

 

リストの順にご紹介。

 

・Nobert Hofer(FPOe)

 

候補者

年齢

所属党

兵役もしくは社会奉仕歴

結婚歴

職業

月収

Hofer
    Norbert, Ing.

45

FPÖ (自由党)←極右

あり

2回

議員

14,500ユーロ以上

 

候補者の中で抜きんでて若く、現役議員で高収入。

 

極右のFPOeなので、まあそこまで極端な人間が、「よきかなよきかな」的大統領になるとは思えないけれど、このご時世どうなるかわかったものではありません。まあ、FPOeの中ではそこまで激しくない人だそうですが、それにしてもFPOeが大統領はね。。

 

まあこの人の考えはそこまで偏ってないと言う話もあるけど、オーストリアと南チロルの二重国籍者って、そんなの存在することにびっくり?ゲイの結婚と養子縁組にも反対。あとはそこまで反対していることは多くないので、一般的な極右より敵は少ない印象。(特に移民について大きな発言はしていない)

 

Hofer-Wahlkampfplakat

極右なので、ポスターのスローガンは「オーストリアのために立ち上がれ。祖国は今君を必要としている」

 

FPOeはHeimat(故郷、祖国)をスローガンに入れて、オーストリア人のためのオーストリア、的なカラーを押し出しますねー。背景の赤白赤も国旗を背負ってる感じで、この「未来を見てます」的な視線がまたちょっと芝居がかって大げさな感じ。。

 

あといつも思うけどFPOeはいつも国民をDUで呼ぶんだよね。。タメ口。。それも戦略だろうけど(ちょっと名指しされた感じでドキッとする)、馴れ馴れしいっていうか、ほっといてくれって思うんだよね。。

 

・Rudolf Hundstorfer(SPOe)
   

候補者

年齢

所属党

兵役もしくは社会奉仕歴

結婚歴

職業

月収

Hundstorfer
    Rudolf

64

SPÖ (社会党)

あり。ただし「無駄な時間だった」との発言あり。

3回

自分の選挙事務所の所員

13,090 ユーロ

 

プロフィールもパッとせず、イマイチ存在感がない気がするのは私だけ?同じ党の首相ファイマンの後押しがありそうなものだが、微妙にインパクトに欠けるなー。

 

hundstorferplakat_1

 

「安全と共に。いつも私たちのために」がスローガン。

 

社会党なのに「安全」とか言っちゃってる時点で、「安全ではない」と言いたいのか?とちょっと心配になりますが、「私たちのために」と何とか社会党らしさをつなぎとめています。もちろんネクタイは赤。対話している相手のピンボケメガネおばちゃんがとっても気になります。

 

・Irmgard Griss(女性候補者。NEOS推薦)

 

候補者

年齢

所属党

兵役もしくは社会奉仕歴

結婚歴

職業

月収

Griss
    Irmgard, Dr.

69

なし。NEOS(新しくできたリベラルな党)推薦

なし(女性)

1回

年金生活者

9,008 ユーロ

 

女性候補者と言うことで注目を浴びてはいますが、この人も主張が少しボケ気味。最近台頭しているリベラル若者等NEOSの推薦を得ています。

 

元裁判官で、最高裁判所の裁判長を務めた、法律畑の人。微妙にFPOe寄り。永世中立国を廃止する考えも。

 

リベラルと言うのは、社会党支持でも極右でもないけど、保守党も力が弱まってるし、緑の党はなんかいつもちっちゃくまとまってるし、どうしようかなーという、ちょっと社会を案じているエリート若者層が投票するイメージなんですが(間違ってたらごめんなさい。。)、結構こういう人たちって、日和見的というか、保守党が強くなったら保守党に入れたくなっちゃう感じなんですよ。社会党と極右が嫌だから、対抗できそうならまあ何でも、って感じで。なので、任期の長い大統領で安定した支持を得られるかがちょっと未知数。

 

Griss

「独立(←支持政党がないという意味で)。オーストリアのために」

 

ポスターの感じだと、とってもクリーン。極右みたいに「我ら!オーストリア!」みたいな感じでもないし、知的でさっぱり。大学生、女性、エリート層からは好まれそうだけど、ちょっととっつきにくい雰囲気もするので、労働者や田舎の人は敬遠するかなー。

 

・Alexander Van der Bellen(緑の党)

 

候補者

年齢

所属党

兵役もしくは社会奉仕歴

結婚歴

職業

月収

Van der Bellen
    Alexander, Dr .

72

緑の党

なし

 

 

2回

年金生活者

7,958 ユーロ

 

最も私の中で政治家としての知名度が高いのはダントツこの人。

 

いつもは少数党で影が薄いながら、いつも政治に絡んでくる緑の党の党首をずーーーっとやっていた人で、「おー、あの人が大統領選に出るのか!!」とちょっと知り合いが選挙に出るみたいで、感慨深いくらい(笑)

 

大学の教授とかもやってたんだっけ?とにかく、落ち着いていて、知的で、けどいつも少数党のトップで、頑張ってるけど政権に食い込めるわけでも無くて、環境とかやっていることは素晴らしいけど、政治の前には悲しいことに優先度が低くて、報われないけど頑張ってるなーというイメージ。

 

ケチがつくとすれば、兵役をしてない事と、チェーンスモーカーで選ばれたら大統領府でもタバコを吸うと言ってることかな。兵役に関しては、大統領になったら司令官として兵役に就く用意があると言っているらしいが。

 

あと、移民問題では、本人が「移民の子」と言っているので、移民寄り。本人はオーストリア国籍を持って生まれてきているが、祖先を辿ればロシア→エストニア→ドイツ→オーストリアと流れてきたとのこと。極右FPOeと対抗できるのはこの人かなー。

 

vdb4

 

ポスターはドカーンと「HEIMAT(故郷、祖国)」そして小さく「協力が必要です」とある。そして背景は緑の森。

 

極右FPOeでもHeimat(故郷、祖国)と言う単語を使っているし、どちらかと言うと右的な意味合いで使われることが多いけど、Van der Bellenが言うとHeimatは「我が故郷」というより「うちのいなか」みたいな意味に取れるのが面白い。

 

そして「うちのいなかはみんないっしょにがんばらんとなー」みたいな感じのスローガンに読めるのは私だけ?(笑)

 

いや、先に言っておくと、私Van der Bellenに結構好意的。政権に食い込めないという意味では報われなかったけど、知的で、経験も積んでいて、おまけに政治的にかなりニュートラルな緑の党ってことで、「よきかなよきかな」な大統領には合っているのではないかと勝手に思っている。単に元々、緑の党は悪くはないと思うけど、投票するほどでもなかったのが、ちょっと悪かったなーと思ってるだけかもしれませんが。。

 

なので、わざと右的な、外国人や移民に対置する「Heimat」の定義をずらして、緑の党的なつまり「アルプスと川の国、自然の美しいオーストリア」を前面に出したうえで、「みんなで協力してこの苦境を乗り越えていきましょう」みたいな感じは、悪くないなーと思うわけですよ。

 

 

・Andreas Kohl(OeVP)

 

候補者

年齢

所属党

兵役もしくは社会奉仕歴

結婚歴

職業

月収

Khol
    Andreas, Dr.

74

ÖVP(国民党←保守)

なし(持病のため),

1回

年金生活者

10,029 ユーロ

 

保守党の候補はKohl氏。政治家出身候補では最も年上。親が南チロル出身だったりして、保守だなーと言う感じ。インパクトに微妙に欠ける気がするけど、どうだろう?

 

bundespraesidenten-wahl-plakate-khol

 

ポスターは「経験が強みになる」。今のご時世、「祖国」「安全」「オーストリアのために」みたいなキーワードが争点になる中、全然関係ないこと言ってるw 経験でそれでどうするの?と何度もポスター見てはツッコんでみたりw

 

あとOeVP、ある時期から候補者の名前に学位を入れ始めたのがほんと感じ悪い―!OeVP一時期嫌いじゃなかったけど、これで結構えーって感じになったよ。。だって、GrissだってVan der BellenだってDr.の称号持ってるし、Van der Bellenなんて大学教授だよ!だけど、選挙ポスターに書いてないし。。

 

いや、オーストリアって称号の国なんですよ。だから、手紙とかにも学位Dr(博士)とかMag(修士)の称号が付いて送られてくる。けど、選挙ポスターに書くと、偉そうで感じ悪いよー。

 

・Richard Lugner

 

候補者

年齢

所属党

兵役もしくは社会奉仕歴

結婚歴

職業

月収

Lugner
    Richard., Ing.

83

なし

なし
(兵役義務のない年に生まれた)

5回

(大富豪の老人で、とっかえひっかえ若いセクシーなこと結婚することで有名)

年金生活者

3,200 ユーロ(大富豪なのに。。)

 

最後は記念受験枠w 政治家でも法律家でもない、実業家の大富豪のおじいちゃん。単にカネと時間があったから、立候補して人生の思い出にしてみた、みたいな感じ?

 

まず結婚歴が5回とか笑うしかないよねw。この人はお騒がせ大富豪としてしょっちゅう新聞に載ってるし、女性絡みのエピソードも多過ぎて、何を書けばいいのやら。オペラ座舞踏会に毎年スキャンダラスでセクシーな女性を招待して話題を作るとか、若いモデルみたいなセクシー女性ととっかえひっかえ結婚するとか、色んな彼女を作って動物のニックネームで呼ぶとか、そんな感じ。

 

一度どこかの劇場で見たことがあるけど、その時も金髪で露出多すぎなセクシー姉ちゃんと一緒に、テレビ局の取材を私の目の前で受けてた。そうそう、バーデンのJCSだったわ。

 

1998年の大統領選に出て惨敗したらしいので、今回も記念受験だね。

 

選挙ポスターは「なし」なので、代わりに顔写真をどうぞ。

 

richard-lugner

 

そういえばそもそも、大統領選の候補になるための票(?)が足りるかギリギリまでわからなくて、やっぱり足りたってことで、公示の日にみんな苦笑してたの思い出したわ。

 

 

〇まとめ

 

と言うわけで、オーストリア大統領選の独断的候補紹介でした。

 

一応事実とポスター紹介が趣旨ですが、もちろん私の政治的考えや好感度が出てしまった記事になってます。政治についてニュートラルに書いてもつまらないので、こんな感じになっちゃいましたが、まあ、言いたいことを軽く書いたって感じで。私も勉強不足だし、色々認識や記憶が間違ってたらすみません。。

 

選挙がどんな結果になるのかわからないし、私の意見も変わると思うので、この記事は今の瞬間を固めた感じだと思ってください。また1年後に書いたら全然違う記事になるかもー。

 

関連記事:

オーストリア選挙戦VS面白匿名ポスター

 


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2015-09-21 06:39 | カテゴリ:欧州難民流入問題・移民政策

欧州難民流入問題についてのつぶやきまとめがしばらく続きます。

 

難民問題は欧州難民流入問題・移民政策カテゴリにまとめています。

 

・個人でできることは?

 

難民関連の国際機関をざっと見てきたけど、個人レベルで何ができるか?もちろんオーストリアにいたら選択肢は多い。もう駅の物資は足りてるけど、赤十字でもカリタスでも、ネットバンキングで寄付してしまえば完了!チャリティコンサートに行ってもいいし、難民通訳などのボランティアをしてもいい。

 

今回の難民流入に関して、ドイツはとばっちりの自然災害の被害者みたいなものなので、個人的には、気の毒なドイツの国家に寄付金をあげたいくらいの気分。国に寄付金って無理だよね。。けどホント難民受けて入れてない国は(特にシリア隣国)、少なくともドイツにお金くらい渡すべきだと思うんだけどね

 

ドイツはギリシャもあんなに助けてたのに、また今度も、自分は悪くないのに、他人のためにすごい犠牲払ってる。今ドイツがキレたら世界終わるよ。

 

・寄付先もよく選ぼう

 

さて、ドイツに寄付できないからどこに寄付するか。日本にいたら、さっき挙げた国連専門機関の日本寄付金集めNPOに寄付するくらいしか方法がない気がする。国連UNHCR協会や日本ユニセフ協会みたいなやつね。ただこれらの協会に寄付するときにいくつか注意点(震災の時にも結構言われたよね)。

 

注意点1。この手の国連寄付金集めNPOは、国連と冠しているけど組織としては別で、先進国に窓口を持って、本体国連機関のための募金広報活動を行う非営利団体。寄付金から人件費や広報費が引かれ、残りがユニセフなど国連専門機関本体に行き、任意拠出金と合わせて各プロジェクトの予算となります。

 

つまり、寄付した内の幾らかは、駅とかで「UNHCRにご協力お願いします!」とかやってる人たちの人件費になるわけで、全額国連に渡るわけではありません。それはまあ、広報と募金集めが目的の非営利団体なんだから当たり前。25%は広報人件費と、本体機関との間で取り決められています。

 

日本ユニセフ協会は80%強を、日本UNHCR協会は75%ぴったりを、本体に送っています。ちなみにそれぞれの年間募金額は、日本ユニセフ協会が130億円くらい、日本UNHCR協会は80億円くらいとかなり差がある。本体機関の予算としてはほぼ同じ600億円なのに、知名度の差かな。

 

注意点2。これらの日本窓口に寄付した場合、国やプロジェクトを指定することができない。寄付したお金は全てまとめて本体機関に送られるので、基本的には「ドイツにおけるシリア難民の援助に使ってください」と言っても、実現はしない。(そもそも圧倒的に途上国で使われる)

 

なので、シリア難民を救うためにアップアップで頑張っているUNHCRに、今回1万円を日本UNHCR協会に寄付しても、7千5百円がUNHCR本体に送られ、そこから大きな予算プールに入れられてしまい、結局自分のお金はどこに役に立ったのかピンと来ない事になる。

 

それでもUNHCRやユニセフの活動に賛同して、プロジェクトを選ばずに寄付するなら、もちろん寄付は素晴らしいことです。偽善とか、額が少ないとかごちゃごちゃ考えず、お金があって活動内容に賛同したら、スパッと寄付するのがかっこいいと思う。税金控除も受けられるし(笑)。

 

・赤十字のへ寄付方法

 

今挙げた先進国向け寄付金集めNPOを持っている国連専門機関とは異なり、赤十字はもうちょっとプラグマティック。震災の時にもまずは赤十字社!って言われてたけど、今回調べてもそう思った。赤十字社は、寄付の時点で人件費や運営費に回すか、地域やプロジェクトを指定して寄付するかを選べます。

 

国内の義援金だったら寄付したものは全て現地に送られるし、海外でもその地域の赤十字社による救援活動に使われます。現時点では「中東人道危機救援金」という名前で、シリア難民も含めた救援活動を支援できます。今年の4月にスタートして、4ヶ月で1200万円ほどが集まっているようです。

 

ちなみにオーストリア赤十字社では、もっと選べる海外の救援活動の種類が多く、南スーダンやエボラ、ウクライナなどの様々な寄付目的が挙げられ、1ユーロから寄付できるようになっています。日本のサイトより、お買い物気分で気軽に寄付先を選んで、1分もあれば寄付が完了してしまう感じ。

 

ちょっとオーストリアと日本の赤十字社の寄付のシステムを見比べてみたんですが、オーストリアのはホーム画面から「寄付する」→「Xユーロオンライン寄付」→クレジットカードナンバー入力画面で、三クリックで寄付できてしまいます。寄付を考えなおしてる時間はありませんw

 

日本の赤十字社は、寄付する→インターネットで寄付→中東人道危機救援金に寄付→ログインして寄付→金額と支払方法の選択→クレジットカード番号の入力と、たらい回し。おまけに最低金額もオーストリアは1ユーロ、日本は2000円。もっと一瞬で手軽に寄付できるようになったらいいのになー。

 

というわけで、なんだか話が色んな方に飛んだけど、難民を援助する国連機関とお金の関係、そのお金の出処(国家、個人)と使われ方のお話でした。一応開発畑の人ではありますが、難民や緊急援助はそれほど専門ではないので、間違ってるところがあったらすみません。。

 

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