2016-12-19 16:37 | カテゴリ:クリスマス

前回の記事で、ウィーンのクリスマスツリー(生木)の買い方をご紹介しました。

 

●クリスマスツリーはどうやって持って帰るの?

 

クリスマスツリーやさんには、必ず大きなメガホンのような謎の大きな道具が置いてあります。今回はそれを使った、ツリーの包みかたを見せてもらいました。

 

まず、このメガホンの大きいほうに、木の幹から先に突っ込みます。

 

 

下が、反対側から見た感じ。メガホンの細い方には、ネットがかけられています。

 

 

このネットと木を一緒に持って引っ張ると。。

 

 

こんな風に木が包まれて出てきます。

 

 

こうやって包まれた木を、自宅まで持って帰るわけです。クリスマスイブが近づくと、自分の身長より大きな木を持って帰る、スーツ姿の男性もよく見かけます。

 

我が家のツリーはこんな感じに包んでもらいました。ネットの真ん中に穴をあけて、手をずぼっとツッコむと、ちょうど幹を握って持つことができ、思ったより持ちやすいです。

 

 

グラーベンでは、既に包まれたものも売っていました。

 

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●ツリーはどうやって立てるの?

 

ツリーを立てるための道具は、とってもシンプルです。これが我が家にあるKreuz(十字架)と呼ばれる、ツリーを立てる道具です。40cm程の木を組み合わせて、真ん中が丸くくりぬいてあるだけです。

 

 

最初にツリーを買ったときに、ツリーやさんで10ユーロで買って、その後はずっとこれを使っています。おそらくオーストリアのほぼ全ての家庭に常備してあると思います。

 

ツリーやさんで買うツリーは、このくりぬかれた丸の形に幹が削られているので、持ち帰って簡単に差し込んで立てることができます。ツリーの幹の太さが規格化されているなんて、合理的ですよね!

 

と言うわけで、簡単に押し込んで立てることができました。しっかり押し込めば、バランスを崩すこともほとんどありませんし、何よりKreuzが全く目立たないが便利でいいですよね。

 

 

アメリカなどでツリーのスカートを別売しているのを見たことがありますが、こうやってKreuzで立っている方が、自然な感じがして私は好きです。

 

後は飾り付けるだけ。我が家は子供の工作を飾るので、お見せできる代物ではないですが(笑)、伝統的なオーストリアのツリーは、火を点けたキャンドルと、藁の飾りが主役です。

 

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飾りとしてはとてもシンプルで素朴ですが、キャンドルの火でガラッと雰囲気が変わります。

 

詳しくは、阪急交通社の記事を読んでみてくださいね。

【オーストリア】オーストリアのクリスマスツリーよもやま話 | 海外現地情報ブログ | 阪急交通社

 

●ツリーはいつまで飾るの?

 

オーストリアでは普通クリスマスツリーは1月6日のエピファニー(三聖王の祝日)まで飾る伝統となっています。その頃には同じく街角に、ツリー捨て場が特設されます。

 

12月24日に初披露され、1月6日で役割を終えるオーストリアのクリスマスツリー。こんなに短い命なのに、やっぱりオーストリア人にとってはとても大事な買い物なのですね。

 

 

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クリスマスCD「世界中の楽しいクリスマス」Froehliche Weihnacht ueberall

 

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2016-12-17 16:38 | カテゴリ:クリスマス

ウィーンでは、60%以上の家庭が、クリスマスに生木のツリーを購入します。今回は、そんなツリーをどこでどうやって購入して持ち帰るのかを、ご紹介しますね。

 

●クリスマスツリーはいつどこで買えるの?

 

ウィーンのクリスマスツリーの販売は、クリスマス2週間前から解禁されます。今年は12月12日が解禁日でした。

 

解禁日になると、ウィーンの街角や駅前に、生木ツリーやさんが木を並べるので、気分が盛り上がります。

 

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グラーベンがこんな感じ。

 

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ウィーンの街のど真ん中なのに、森みたいです(笑)

 

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ツリーに埋もれているペスト記念塔w

 

売り出すのがクリスマス二週間前と決まっているのは、クリスマスイブに本物のキャンドルに火を灯すからです。既に枯れたり乾燥したりしてると、木に燃え移ったら一気に燃えるので、できるだけ切り立ての生木の方が被害は少ないということです。とは言っても、やっぱり本物の火を灯す時は、必ず横に水の入ったバケツを置くようにしています。

 

●ツリーの種類は?

 

ツリーには二種類あります。モミTanneとトウヒFichteです。

 

クリスマスツリーと言えばモミの木だと皆さん思ってると思いますが、モミじゃないツリーもあるんです。

 

トウヒはモミに比べると少しお値段がお安くなっています。枝にトゲがあることがあり、アドベントクランツ製作では避けられることが多いですが、ツリーとしてはモミの次に人気があります。

 

トウヒはモミに比べて日持ちがしにくく、早く葉っぱが落ちるので、こちらでツリーを披露するクリスマスイブ直前に買うことが推奨されています。

 

あまり値段が変わらなければ、モミを買った方が後片付けとかが楽そうですが、あまりこだわりがなければトウヒでも全然大丈夫だと思いますよ。

 

●クリスマスツリーのお値段は?

 

我が家では、毎年上の子の身長と同じ高さのツリーを買うことにしてるんですが、今年は120cmで28ユーロでした。

 

グラーベンでは、220m越えの巨大ツリーも沢山ありましたが、値段を見てみたら180ユーロとかでした!2週間飾るだけのツリーに2万円以上と言うのはかなりの散財ですね!しかし、やはり大きなツリーだと気持ちが盛り上がるのもよくわかります。

 

次回の記事では、そんなツリーの持ち帰り方と立て方をご紹介します。

 

ウィーンのクリスマスツリーについてはこちらの記事も読んでみてください。ツリーの飾り方などについて書いています。

 

【オーストリア】オーストリアのクリスマスツリーよもやま話 | 海外現地情報ブログ | 阪急交通社

 

 

ウィーンミュージカルとクリスマスと言えば。。

 

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2014-12-21 01:10 | カテゴリ:クリスマス

●Christkind


さて、サンタクロースの出自のお話はここまでにして、オーストリアで12月24日にプレゼントを運んできてくれるChristkind(赤ちゃんのキリスト)のお話をしましょう。


宗教改革によって聖人の存在が疑問視されていたため、プロテスタントの世界では聖ニコラウスに代わるクリスマスのキャラを求めていました。そこで作り出されたのがChristkindです。

 

クリスマスにプレゼントを配るのは聖ニコラウスに代わって、突然、赤ちゃんの姿をしたキリストとなったのです。(聖ニコラウスはどちらにしても12月6日に小さなプレゼントをくれる習慣として別に残りました。)

 

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クリストキントのイメージ

 

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クリスマスマーケットなどのオープニングでは、きれいなお姉さんがクリストキントを演じることが多いです。

 

また、ウィーンで有名なクリスマスマーケットも、ドイツ語ではクリストキンドルマルクト(Christkindlmarkt)といいます。


●Weihnachtsmann(クリスマスおじさん)

 

聖ニコラウスの伝承を元にして出来上がり、オランダ人とイギリス人を通してアメリカに渡り、コカ・コーラの宣伝で有名になったサンタクロースは、ヨーロッパに逆輸入されるまでになりました。


現在、オーストリアでは、Weihnachtsmann(クリスマスおじさん)とは、サンタクロースを指すことがほとんどです。

 

ただ、今でもオーストリアでは伝統的に、プレゼントを持ってくるのはクリストキントであり、サンタクロースは「キャラとしているだけ」の存在のようです。

 

例えば、クリスマスマーケットに行けば、サンタクロースの柄のツリーのデコレーションなどが並んでいますが、実際にクリスマスマーケットの開会を宣言したり「仕事」をするのは、クリストキントと決まっています。


 

 

 

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『我々はクリストキントを信じる』と言う標語と共に、サンタクロースにダメダメマークが付いています。多くのオーストリア人は、この気分です。

 

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かというと、きれいなお姉さんのクリストキントと、サンタクロースが仲良くしてることもあります(笑)。

 

●まとめ


なんか調べてるうちにやたら長くなってしまいましたが、本当に奥の深い話です。もしかしたらここに書いたのは一説に過ぎず、他にも色々な説があるかもしれません。


今回調べていて面白かったのは、これだけの資料がありながら、クリスマスにプレゼントを贈る習慣とキリスト生誕とのつながりがないということです。プレゼントを送り始めたのは、聖ニコラウスで、こちらの方が有力な伝統でした。

 

(キリスト生誕後しばらくして、没薬、乳香、金の宝物を贈りににやってきた、東方の三賢者が、プレゼントの習慣の一端という説もあります。)

 

今では、キリストの誕生日をお祝いしてみんなでプレゼントを贈りあうと言うのが定説になっていますが、かろうじて存在するクリストキントの習慣ですら、後になってプロテスタントが勝手に作り上げた風習と言うことになっています。


それに、プロテスタントが必死で聖人伝説を否定しようとしても聖ニコラウスの伝統が残ってしまったオランダや、カトリックの国であるのにクリストキントの習慣があるオーストリアなど、宗教の影響にも耐えた土着の習慣があると言うことは興味深いことだと思いました。

 

また、このクリストキントの習慣は、ドイツ語圏ではオーストリアと南ドイツだけで、他のドイツではまた違うようです。言語圏と文化圏が一致しない面白い例ですね。

 

ヨーロッパの他国では、またクリスマスの祝い方が全く違います。またそのうち、ヨーロッパ各地でのクリスマスの祝い方を比較した記事も書いてみようと思っていますので、お楽しみに!

 

 

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2014-12-19 01:10 | カテゴリ:クリスマス

●サンタクロース


では、この聖ニコラウスの伝説がどうやって現在のサンタクロースになったのでしょうか?


・Father Christmas


まず、現在のサンタクロースの外見及び性格のモデルは、イギリスでのクリスマスキャラ、ファーザー・クリスマスと言われています。

 

ただし、このファーザー・クリスマスはキリスト教徒は関係のないイギリスの昔からの伝説に基づいたもので、もともとプレゼントとは無縁でした。

 

チャールズ・ディケンズのクリスマス・キャロルに登場する「現代のクリスマスの精霊」や、「ナルニア国物語・ライオンと魔女」の映画に登場するはこのファーザー・クリスマスです。赤い服を着ているわけではないようです。

 

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ディケンズのクリスマス・キャロルに登場するクリスマスの妖精は、ファーザークリスマスがモデル。

 

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ナルニアの映画に登場するファーザークリスマス。茶色い服を着ています。


サンタクロースとの類似点:
見た目〇 (太っちょ)

色×(服は茶色か緑が多い)
性格〇 (悪い子をお仕置きするダークサイドはない)
名前×
プレゼント× (ナルニアではプレゼントを上げていましたが、従来のファーザークリスマスは妖精です)

 

こちらのサイトで歴史的なファーザークリスマスの絵が見れます。赤より緑の服が圧倒的に多いですね。

Father Christmas Pictures


・オランダのジンタ・クラース


先ほど紹介したオランダのジンタ・クラース伝説がオランダ人移民とともにアメリカへ渡り、そこでサンタクロースとして定着したと言う説があります。

 

今のニューヨークは元の名前はニュー・アムステルダムと言う名前だったことからもわかるように、アメリカにはオランダ移民がたくさんいます。

 

18世紀ごろからアメリカでは、このオランダのジンタ・クラースを元にした物語などがたくさんかかれています。


サンタクロースとの類似点:
見た目× (聖ニコラウスはひょろっとしていて、サンタさんのようにふくよかではない。また、帽子には十字架が付いている。乗り物は馬)

色○(聖ニコラウスは赤バージョンと白バージョンがある)
性格×(ダークサイドあり)
名前〇
プレゼント〇


・19世紀クレメント・クラーク・ムーアとトマス・ナスト


ムーアは、聖ニコラウスの伝統を元に、The Night Before Christmasという詩で現在のものに近いサンタクロース像(ウィンク、煙突を入り口に使うなど)を作り上げました。

 

また風刺画家のナストが週刊誌に描きつづけ定着させたサンタクロースこそ、現在のサンタクロースに非常に近いものだったのです。

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Thomas Nastの描いたサンタクロース

 

また、ドイツ語圏では、19世紀にHeinrich Hoffmannが書いた子供向けの絵本にも、サンタクロース(Weihnachtsmann)が登場しています。

 

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Heinrich Hoffmannの本に登場するWeihnachtsmann

 

・コカコーラ


1931年のコカコーラによるクリスマス・キャンペーンの宣伝により、ムーアとナストが作り上げたサンタクロース像が世界中に知れ渡り、今のサンタクロースが爆発的に広まりました。

 

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コーラを飲むサンタクロース

 


・今までの歴史を図解すると以下のとおり


史実としての聖ニコラウス(善悪両面、プレゼント)

↓→→→→→→→→→
↓             ↓  
聖ニコラウス(善) 従者(悪、クランプスなど)

オランダ版聖ニコラウス、アメリカへ渡る

サンタクロース(改名)

サンタクロース性格、見た目が変わる (善人、ふくよか、赤い服)

サンタクロース、コカコーラで爆発的に有名に

 

(続きます。次は、オーストリアでクリスマスプレゼントを持ってくるのは誰?論争)

 

 

 

 

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2014-12-17 01:10 | カテゴリ:クリスマス

オーストリアには伝統的にサンタクロースはいません。

代わりにいるのは聖ニコラウス(オーストリアでの通称はニコロ)とChristkind(クリストキント。直訳は「赤ちゃんのキリスト」)です。

 

聖ニコラウスはKrampusクランプスといわれる鬼(?)といっしょに12月6日にやってきて、いい子にはお菓子などを置いていってくれます。

 

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聖ニコラウスとクランプスのチョコレート。12月始めにはこのチョコがスーパーに出回ります。


Christkindは12月24日にやってきて、モミの木の下にプレゼントを置いていってくれます。 (オーストリアではプレゼントタイムはイブの夜です。これは、一日は前の晩から始まるとされていたことに由来します)


私がオランダでクリスマスを祝った時にも、聖ニコラウス(ジンタ・クラース (Sinter Klaas))、とブラック・ピートと呼ばれる悪魔みたいなのが12月6日に登場し、お菓子を配って回っていました。(12月25日は一応プレゼントをあげる習慣はあります)


遠く離れたカトリックのオーストリアと、プロテスタントのオランダで同じ聖ニコラウスが登場するのにはわけがありそうです。というわけで、クリスマスを前にクリスマスの伝説について調べてみました。


●聖ニコラウス


・歴史


実際に歴史上に存在した聖ニコラウスは、4世紀に小アジア (トルコ辺り)のミラ (Myra) の司教でした。325年のニケーア公会議に出席したと記録されています。亡くなったのは12月6日だったので、その日が聖ニコラウスの日とされています。

・伝説


数々の伝説が残っている聖ニコラウスですが、いちばん有名なのはクリスマスのいわれになった、靴下の物語です。


貧しくて持参金がないためお嫁にいけない3人の娘を持つ父親の家に、聖ニコラウスが金貨をそれぞれの娘たちのために順番に投げ込んであげたために、みんな娘たちがお嫁にいけた、と言うお話です。

 

この金貨が吊ってあった靴下に入ったため、アメリカなどではプレゼントは靴下に入れることになっています。

 

また、現在のオーストリアのニコロの日(12月6日)は、子供の靴に小さなプレゼント(みかんやネクタリンなどのフルーツ、チョコレート、小さなおもちゃ)を入れて、玄関の外に置いておく習慣があり、こちらも聖ニコラウスの伝説をなぞっています。


・伝説からクリスマスまで


13世紀にフランスの尼僧が、聖ニコラウスの日(12月6日)の前日、貧しい人に贈物を残す習慣を始めました。それから徐々に、聖ニコラウスの日には贈物を贈ることに関連付けられたと言われています。


・ダークサイド


元々、さまざまな活動の守護聖人として善の部分を担っていた聖ニコラウスですが、次第に善悪両面(いい子にはご褒美を、悪い子には罰を)の役割を果たすようになったと言われています。


時代が下るとこれらのしつけの役割は聖ニコラウスの仲間(従者)に移っていき、聖ニコラウスはいい子に贈り物をする、従者は悪い子にお仕置きをするということになったようです。


従者にも色々な種類があり、オランダのブラック・ピート(Zwarte Piet)やオーストリア、ハンガリー、一部クロアチアなどのクランプス(Krampus)、オーストリアのKnecht Ruprecht(従者ルプレヒト)が上げられます。

 

この従者の特徴は黒人、半分やぎ、ひげもじゃなど、怖いイメージがあり、子供を連れ去ったり、ムチ(小枝)でお仕置きしたりします。また、オーストリアの山間部ではPerchtenという鬼のような存在も別にいます。

 

・クランプス、従者ルプレヒト、Perchten

 

聖ニコラウスと一緒に12月6日にやってくるのは、オーストリアではクランプス(鎖か木の枝を持っている)がメジャーです。この習慣は、ハプスブルク領内(ハンガリー、チェコ、ルーマニア辺りまで)まで広がっています。

 

同じく聖ニコラウスの仲間の従者ルプレヒトは、あまりメジャーではありませんが、オランダのブラック・ピートと同じものと考えられます。共通する特徴としては、黒っぽい姿、ご褒美の入った袋を下げて来る、など。

 

また、この時期にオーストリアのアルプスの方で行われるPerchtenlauf(ケルトの伝統で、鬼のような恰好をした若者の行列)はKrampusumzug(クランプスの行列)と言い換えられることも多く、ここでもPerchtenとクランプスの類似(取り違え?)が見られます。

 

クランプス、従者ルプレヒト、そしてケルトの習慣に基づくPerchtenは、どれも鬼のような姿(ルプレヒトは人間ですがちょっと小汚い)で、小枝を使って悪い子にお仕置きをするキャラクターとして知られていますが、その違いは色々と入り組んでいますので、また別の機会に書くことにします。


・オランダでは。。


名前はジンタ・クラース (Sinter Klaas)と発音し、見た目はおじいさんだが、サンタクロースのような衣装ではなく、司教様がかぶるような先のとがった高い帽子をかぶっています。いい子にはチョコレートなどのお菓子をくれます。聖ニコラウスと似た名前ですし、やることも同じで、帽子も聖人のそれです。


いっしょに来るのはブラック・ピート(Zwarte Piet)と呼ばれる黒人の子供で、白い大きな袋を下げている。悪い子はこの袋に取り込んで連れて行かれてしまう。


また、ジンタ・クラースはトナカイではなく馬に乗ってくるか、馬に引かせたそりに乗ってきます。

 

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オランダのジンタ・クラースとブラック・ピート


・オーストリアでは。。

聖ニコラウスの愛称はニコロ(Nikolo)で、見た目はオランダ版と同じで司教様がかぶるような帽子をかぶっていて、いい子にはお菓子をくれます。


いっしょに来るのはクランプス(Krampus)と呼ばれる角が生えた黒い鬼で、これがブラック・ピートと違うところ。なまはげみたいなお面をして、怖いです。(ブラック・ピートは見た目結構かわいい)

 

通常 クランプスはチェーンか小枝の鞭を持っている鬼として描かれていて、悪い子にはムチ(枝)でお仕置きするそうです。

 

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オーストリアで典型的な聖ニコラウスとクランプス。

 

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私が12月6日にクリスマスマーケットで見かけた聖ニコラウスとクランプス。聖ニコラウスは赤バージョンと白バージョンがありますが、帽子に十字架が付いていてヒゲもじゃである点は共通しています。


また、ニコロはKnecht Ruprecht(従者ルプレヒト)といっしょに来ると言われることもあります。このルプレヒトは黒い衣装を着た白ヒゲのひょろっとしたおじいさんでクランプスとは見た目が全然違います。また、子供をムチ(枝)でお仕置きするのではなく、枝を子供たちに配って回ります。(どちらか一方にすればいいのに。。)

 

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聖ニコラウスとルプレヒト。私の感覚では、ウィーン周辺ではクランプスの方が圧倒的にルプレヒトより遭遇率は高いです


参考:
Nikolaus von Myra
http://de.wikipedia.org/wiki/Nikolaus_von_Myra
Knecht Ruprecht
http://de.wikipedia.org/wiki/Knecht_Ruprecht
Krampus
http://de.wikipedia.org/wiki/Krampus

 

(続きます。次回はサンタクロース誕生の歴史のお話です)

 

 

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