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2009-05-01 01:18 | カテゴリ:フォルクスオーパーVolksoper作品
さて、ここで質問です。ウィーン人の一番大好きなミュージカルとはなんでしょう?エリザベート?レベッカ?それともオペラ座の怪人?いえいえ。その答えはなんと、アナテフカ(屋根の上のバイオリン弾き)なんです!!!次点がJCSかな。いやあ、古いねーー渋いねーー。やっぱり、エリザやレベッカは新しい世代のミュージカルなので、おじさんおばさん世代から支持されている作品は古いものが多いのです。それも、アナテフカのテヴィエのぶつぶつ言いつつ皮肉な態度はまさにウィーン人。そりゃ、気に入るはずだわ。。

というわけで、アナテフカ見てきました。いや、もう、号泣。最近ミュージカル見てここまで最初から最後まで泣きまくったのもめずらしいわ。。(ガイズアンドドールズで嗚咽して泣いた曲はあったけど一曲だったし)とりあえず、25年の結婚生活の後で愛し合っていると気が付く曲(Do You Love Me? )は絶対泣くとわかってたので、事前にティッシュを用意してたけど、その曲にたどり着くまでに使い切ってしまいそうだったよ。。あぶないあぶない。

ストーリーは、ロシア(ウクライナ)のユダヤ人が住む寒村アナテフカのお話。貧しい牛乳屋のテヴィエには、妻との間に5人の娘がいる。長女はしきたりに法って決められた結婚相手(金持ちだがかなり年上の肉屋)との結婚を嫌がり、愛する仕立て屋との結婚の許可をテヴィエに求める。ユダヤのしきたりと娘の希望の間で迷うが、テヴィエは許可する。(妻には、悪夢に妻の祖母が登場し予言したと言って言いくるめる)

次に、次女が町にやってきた共産主義者の青年に恋をする。テヴィエは再び拒否するが、最後は認める。次女はキエフで逮捕されシベリアに送られた彼を追ってアナテフカを後にする。三女は町に駐留するロシア兵の青年と恋に落ちるが、ユダヤ人ではない相手との結婚を今度は断固拒否するテヴィエ。しきたりがどんどん崩れていく。そんな中、ロシア政府がアナテフカの撤去を決定し、ユダヤ人たちは3日で村を後にする命令が下される。テヴィエたちはアメリカにいる親戚を頼って出国する。最後まで三女の顔を見ようとしないテヴィエだが、別れる直前に「神のご加護を」とつぶやく。

泣いた曲リスト
・夕食の祈り(他の家でもろうそくが付いてる!)
・肉屋とテヴェエが結婚の件で同意した後、酒場で踊るシーン。歌じゃなくて、ユダヤ人のイェーデッシュのダンスとロシア兵のダンスが交互に交じり合っているのがいい!
・サンライズ・サンセット:ここは、泣くと言うか、結婚式のシーンなのにこんな暗い曲であることに泣いた。。それに、ダンスシーンすばらしすぎる!!!
・テヴィエが次女の結婚に反対するシーン。もう、父親に反対されるとか辛すぎ。。そして、結局許される。もう、号泣。。。
・25年たって愛していると言う歌:あかん、もう嗚咽して泣いた。。やばい。。この曲すごすぎ。。
・次女の旅立ち:あかん。。。もう、涙が止まらない。。。。愛する男を追ってシベリアに行く娘を見送る父親とか。。。号泣。。。
・ロシア兵と駆け落ちする娘に断固反対するシーン。今回は許可しないので、きつい。。。
・そして、アナテフカを去るときに娘につぶやく、Gott beschutze euch....ああーーーー。。泣けるよ!!!!!!!!!!

というわけで、泣きまくりでした。けど、暗い話じゃなくて、ユーモアがたっぷりあって、かなりくすっとするシーンも沢山だし、派手なダンスシーン(ロシア兵のコサックとイェーディッシュダンス、悪夢のシーン(爆笑!)、結婚式の披露宴、ボトルのダンス、噂話の曲など)が結構あるので、かなり楽しめます。

曲は、すごく印象に残って、誰でも知ってる曲が4,5曲ある。Tradition、If I were a rich man, Sunrise, Sunset (gestern, heute, heute, morgen)、Anatevkaなど。どれも名曲ぞろい!!!その反面、若者チームのソロやデュエットはちょっと迫力が少ないか。。あまり記憶にないんだよね。。

あ、あと、悪夢のシーンは最高!!!!!テヴィエが嘘の悪夢を奥さんに話して、娘の結婚相手を変えさせるんだけど、もう、口からでまかせの悪夢をそのまま舞台上で再現するから爆笑!それにすごい迫力!ベッドがど真ん中にあって、悪夢の精ダンサーズがくねくね踊るんですが、途中でせりから巨大な緑の4本指が!!!そして、ベッドの下では目が!!!!これだけなのに、緑の巨人に見えてすばらしい演出!!!!普通に怖いし、悪夢ダンサーズがいい感じだし!!!!もう、この演出でVolksoperの根性を感じた!!!

演出と言えば、この作品はベースとなるセットが悲しいくらい美しいんだよね。。。遠近法を利用して、ぼろぼろの小屋を並べて、奥に低い太陽を配置した構図。見ただけで、アナテフカの貧しさ、寒さ、生活の厳しさが伝わってくる。幕が開いた瞬間に、この作品はいける!って思う瞬間ってあるよねー。

舞台を見て、ちょっとわからなかったのは、次女と三女の結婚相手の違い。共産主義者とロシア兵(警察)だったら、どっちもどっちじゃない?よそ者だし。この質問をロシア人の友達にしてみたら、共産主義者のほうが警察よりずっとましらしい。警察は賄賂まみれでひどい腐敗が進んでいるので、誰も警察に関わろうとはしない。一方、共産主義者はインテリと思われていたので、帝政時代にもある程度は受け入れられていた。あと、後で気が付いたけど、この共産主義者、もしかしたらユダヤ人だったのかも。テヴィエの娘たちの家庭教師をしていたときに、ユダヤの歴史教えてたよね?ううむ。

キャストは、ほとんど前回と同じだった気がするけど。テヴィエは以前はもっと丸いおじいちゃんで、今回は比較的若い感じでハンサムなおじさんだった。ハンサムすぎてテヴィエらしくないかな、と思ってたけど、屈み加減で歩く感じとかはなかなかよかったわ。ほんとテヴィエの性格は演技難しいよなー、と思った。基本的にペシミストだけどユーモアがある感じ。神様と会話する辺りがほんと独特でいいーー!!

神様と会話すると言えば、プロデューサーズでマックスが神様にI want Dollars!とか叫んでたけど、きっとこのパロディなのか、ユダヤ人の特性なのか(笑)。。っていうかさ、プロデューサーズ見てからアナテフカ見たら、ものすごいプロデューサーズがこの作品をパロってるのがよくわかるよ。。。まず、バイオリン弾き。アナテフカでは始終バイオリン弾き(オケから来たはず。めちゃめちゃソロがすばらしい)が舞台上で名演奏を聞かせてくれる。時々トランペット、アコーディオンも混じって、イェーデッシュのバンドが出来上がり♪プロデューサーズのほうではバイオリン弾きは盲目だったけど、この作品をパロってるとしか思えん。。それもKing of broadway♪のイェーディッシュのダンスそのままだし!!!(前も書いたけど、ビアリストクというのはポーランド系ユダヤ人の名前なので、マックスはユダヤ人。)

っていうかさ!!!最近すごい自分がイェーディッシュ音楽やダンスが好きなのがわかってきた。明るくて暗いのー。ダンスシーンとか盛り上がる割りに、悲しげなのーーー。ダンスがちょっとハンガリーダンスにも似てる気がする。ステップとか(ブーツばちーんはないけど)。ちょっとイェーディッシュのコンサートとか行ってみようかな。

さて、話がそれたけど、他のキャストは、次女がガイズアンドドールズやマイフェアレディでヒロインやってるJohanna。こんな脇役はめずらしい。。長女、次女よりかなり目立ってる。他のキャストもほんといい上、VolksoperはVBWと違ってお金を湯水のごとく使った人海系演出ができるから嬉しいねえ。ダンスシーンはクラシックバレエのダンサーたちだし、美しい!ほんと、贅沢だよねー。

というわけで、脈絡のないレポですが、とりあえず書き上げてしまいたかったので、ここまでにしておきますー。また何度でも見たい作品です。

Musical numbers
[edit] Act I

* Prologue: Tradition ― Tevye and the Company
* Matchmaker ― Tzeitel, Hodel and Chava
* If I Were a Rich Man ― Tevye
* Sabbath Prayer ― Tevye, Golde and the Company
* To Life ― Tevye, Lazar Wolf and the Company
* Tevye's Monologue ― Tevye
* Miracle of Miracles ― Motel
* Tevye's Dream ― Tevye, Golde, Grandma Tzeitel, Fruma Sarah and the Company
* Sunrise, Sunset ― Tevye, Golde, Perchik, Hodel and the Company
* The Bottle Dance ― Instrumental


[edit] Act II

* Now I Have Everything ― Perchik and Hodel
* Tevye's Rebuttal ― Tevye
* Do You Love Me? ― Tevye and Golde
* The Rumor ― Yente and villagers
* Far From the Home I Love ― Hodel
* Chaveleh (Little Bird) ― Tevye
* Anatevka ― The Company
* The Leave Tak

『屋根の上のバイオリン弾き』という題名は、昔ローマ皇帝ネロによるユダヤ人の大虐殺があった時、逃げまどう群衆の中で、ひとり屋根の上でバイオリンを弾く男がいたという故事を描いたシャガールの絵にヒントを得たもの。ユダヤ人の不屈の魂の象徴。

* RegieMatthias Davids
* B?hnenbildMathias Fischer-Dieskau
* Kost?meJudith Peter
* ChoreographieMelissa King
* DramaturgieBirgit Meyer
*
* DirigentMichael Tomaschek
* GoldeSigrid Martikke
* ZeitelMartina Dorak
* HodelJohanna Arrouas
* ChavaDagmar Bernhard
* JenteGuggi L?winger
* SchandelSusanne Litschauer
* Oma ZeitelSusanne Litschauer
* Frumah SarahSulie Girardi
* Zwei FrauenBrigitte Herget
* Zwei FrauenJohanna Holzner
* TevjeAdi Hirschal
* Mottel KamzoilRobert Maszl
* Perchik, StudentNicolaus Hagg
* Lazar WolfGerhard Ernst
* FedjaMartin Bermoser
* MotschachHubertus Reim
* Der RabbiThomas Markus
* MendelJoseph Prammer
* AwramFrederick Greene
* NachumChristoph Velisek
* Der WachtmeisterAlfred Werner
* SachaOtoniel Gonzaga
* Der Fiedler auf dem DachGregory Rogers
2009-04-09 01:23 | カテゴリ:フォルクスオーパーVolksoper作品
フォルクスオーパーは最近、ものすごいミュージカルに力を入れてるなあ。数えてみたら、フォルクスオーパーで見たミュージカルは6作品目。WSS、SoM、ラカージュ、アナテフカ(屋根の上のバイオリン弾き)、マイフェアレディとガイズアンドドールズだね。それも、VBWモノとは違った視点からの取り組みで、最近の作品をVBWが取り上げる一方で、フォルクスオーパーは古い作品を取り上げてくれるので、ミュージカルファンとしては新作もリバイバルも見れてなんて贅沢♪

というわけで、見てきました、ガイズアンドドールズ。初見の作品なので、前の晩に急いで予習したんですが、ストーリーは宝塚向けの楽しく華やかな作品。宝塚では大地真央版とシブジュン版があるのねー。シブジュンのやつ、何で私見てないんだろう?CD(BWリバイバル、ネイサンレイン版)聞いてみたら、意外に聞いたことがある曲が多くてびっくり。やっぱり往年の作品は色々引用されてるのかしら。宝塚のショーとかで使われてた気がする。

しかし、最近のフォルクスオーパーでは珍しく、さて、チケット買おうかと思ってみたらほぼ売り切れじゃないですか!立ち見売り切れとか、ラカージュ以来だよ!!!どうやら、始まったばかりでものすごい人気作品らしい。立ち見がないので、1Loge左の見切れる4ユーロ席と、同行者に同じLogeの22ユーロ席を買いました。最後の2枚のチケットだったよ。。フォルクスオーパーのLogeは初めてなので下見も兼ねて。。

しかし、見終わってみた感想。これは売り切れるわ!!!超楽しいし、キャストがすごいし!!!もう、底抜けに楽しい!!!!!しかし、ものすごいプライベートなことなんですが、この作品をこのタイミングで見るとは、何かものすごい偶然が働いたような気がする。。。

っていうか、キャストすごいよ!!!!まず、ネイサン役にはフォルクスオーパーの音楽監督(だったと思う。最近就任して、すごいがんばってる!)Robert Mayer!!!!!ミュージカル的にはWeberischenのセシリア・ウェーバーでおばさん役で出てて、VBWとも関係あり。そして、アデレイドはSigrid Hauser。VBWのHabsburgischenでPutzfrauをやってた人。おばちゃんなんだけど、踊り子の役をかわいらしく演じててびっくり。歌も迫力があってうまいし。VBWの舞台に出てないミュージカル役者でも、すごい人はいっぱいいいるのだ!!

そして、サラ(救世軍のお堅い女の子)がイライザ@マイフェアレディ、エポ@グラーツレミズ、鳥さん@Lustige NibelungenのJohanna Arrouas!!この人、かわいいし細いしすごい歌うまいし、フォルクスオーパーのミュージカルのスターだよ!!!さらに!一番びっくりしたのはスカイの人!!!出てきた瞬間Falcoそっくり!と思ったんですが、気のせいかと思ってキャスト表見たら、Herrigって!!!!Axel Herrigだよ!!!!Falco Meets AmadeusでFalco役やってた人だよ!!!!そりゃ、似てて当たり前だよ!!!しかし、Falco役やってないHerrigはちょっと不思議な感じ。けど、演技うまいし、歌もOK!!!!!!Falco役ばっかりやってたら幅が広がらないから、色々な舞台に出てるんだろうけど、がんばってるので応援したいよ!!!役柄もスカイにぴったりの悪っぽい感じがいい!!!

ストーリーは、ギャンブラーのスカイが賭けに勝つために救世軍のお堅い娘サラをモノにしようとして引っ掛けてるうちに、本当に二人が恋に落ちるお話と、スカイと賭けをした相手のネイサンが14年越しの婚約者でダンサーのアデレードとどうやって落ちつくか、というお話をうまくくっつけたもの。いや、正直、アデレードに感情移入しまくって、「風邪を引く」歌では、楽しい歌のはずが、嗚咽して号泣。泣く作品と思ってなかったので、ハンカチもティッシュも切らしてて、大変なことに。。

いや、正直、まさか私の個人的な状況をぴったり表す歌はないかなあ、とミュージカルCDをあさっていたわけですが、このタイミングでこの歌にめぐり合うとは!!!どんな悩みに対してもカバーする歌はあるわけですね。ミュージカルってすごいわ。。トイレに行きたくてしかたがない歌とか、あるわけないよな、と思って探してみたら、ほんとにあったりとかさ(ユーリンタウン)。

ほんと、底抜けに楽しいお話で、ダンスシーンも迫力!VBWの最近の作品より、ダンサーをふんだんに使った人海系振り付けで、こういうときにはオペラ座とかの方が人数に物を言わせれるから得だなあ、と思った。振り付けはTeleringのインド人、Nair。元々ダンサーなんですが、CMで顔が売れすぎたので、舞台には出ずに振り付け一筋の模様。しかし、この人の振り付けはすごく好きなので、見てて楽しかったよ!

ダンス的にすごく良かったシーンは、一番最初と最後の町のシーン(いろんな人がいて、いかさま師とかスリとか、見てて楽しい!)、ハバナのシーン(ダンスがいい!そして、チェゲバラがいる。。(笑))、2幕の夢で舟をこぐシーン(やっぱり大量の男が舞台上にいて歌ってるとすごい迫力!それも、座ってる振り付けなので制限があるはずなのに、すごい躍動感!)かな。あと、アデレイドのホットボックスのキャバレーのシーンが2つあるんですが、1幕のほうがデアンデルの娘たちがミルクを運んでるのに、途中からストリップになって笑った!それも、脱ぎ終わった衣装が超セクシーで、ダンサーのお姉さんたちも綺麗なの!!!2幕のほうも(ミンクの歌ね)、やっぱりお約束でさっぱり脱ぐし!楽しい!

歌はみんな良かったけど、やっぱりSigrit Hauserのアデレイドが特別良かったかな。表情がすごい豊かなの。声も色んな技を使い分けて巧みだし、一番すごかったのは、どちらかというと太ったおばちゃんって感じの役者さんなのに、演技と声ですごくかわいいの!!!!さすが役者さん!!!もう、感情移入してたのもあるけどアデレイドが一番好き!!!!

もちろんサラのJohannaは細くてかわいいし、歌も危なげないし、もう完璧。Falcoのスカイwもイメージにぴったりだし、低い声もなかなかちゃんと出てた。2幕の地下の賭博上のシーン(Luck be a Lady♪)なんて、男性人全員VSスカイなのに、スカイ超かっこいいし!!!ネイサンのRobert Mayerは座長兼メインキャストだけど、ほんと安心して見れました。

その他のキャストでは、サラのパパが存在感薄いながらソロがんばってたし、シカゴのデブギャングは、声だけで爆笑。舟をこぐ歌を歌ったナイスリーナイスリー(ドイツ語名はSuperSuper)は端役のはずがめちゃめちゃ目立っててうまかった。あと、サラの上司(?)で救世軍の解体を命じるおばちゃんは、こないだVolkstheaterのこうもりでオルロフスキーをやったハスキーボイスのおばちゃんだよ!!!舟をこぐ歌で踊り狂ってて爆笑w。

オケもすごくよかった!!ボックス席だったのでオケの真上だったんですが音がすごくいい!!!指揮者のおじちゃんも生き生きしてて楽しそうだし、オーバーチュアとかでしっかり聞かせてくれたので嬉しいね!

なんだか、もっとたくさん感想書きたいけど、とりあえずこのあたりでまとめておくか。。とにかく、振り付け、演出、役者、オケと全部そろった楽しい舞台でした!!!!またリピートしたいけど、チケット取れないだろうな。。そして、再演したらもうファーストキャストじゃないだろうしな。。ファーストキャストでもう一度見れたらなあ。。。マーロン・ブランドーとフランク・シナトラで映画化されたのがあるらしい。探してみてみよう!

Besetzung

* RegieHeinz Marecek
* BühnenbildSam Madwar
* KostümeIngrid Erb
* ChoreographieRamesh Nair
*
* DirigentMichael Tomaschek
* Super-SuperMarko Kathol
* BennyThomas Markus
* RustyStefan Cerny
* SarahJohanna Arrouas
* AgataDagmar Bernhard
* ArvideSándor Németh
* CorporalFrederick Greene
* CalvinHermann Lehr
* HarryNicolaus Hagg
* BranniganPeter Pikl
* NathanRobert Meyer
* Angie the OxJoseph Prammer
* AdelaideSigrid Hauser
* SkyAxel Herrig
* AnsagerChristoph Wagner-Trenkwitz
* Big JuleGerhard Ernst
* MarthaSusanne Litschauer
2005-06-19 00:34 | カテゴリ:フォルクスオーパーVolksoper作品
サウンド・オブ・ミュージックの本場、オーストリアで本物をドイツ語で見てきました。

ちなみに、前もどこかで書いたけど、オーストリア人はこの映画、ほとんど知りません。海外に詳しい、オープンな人くらいしか名前は知らないし、見たことある人は私の周りのオーストリア人では一人しかいません。(それも、私が強制的に見せた。。)というわけで、今回の公演はオーストリアで初演。多分ドイツ語バージョンも今回が初演のようです。(どこを探してもドイツ語の歌詞がなかったので。。)

それじゃ、前置きはここまでにして、感想いきます!

はっきりいって、大満足です。もう、言うことないくらいの大満足です。名作はやっぱり名作。時代を超えて語り継がれる作品です。

というわけで、今回の感想文は毒舌もなし、ムキムキもなしですが、こういうのもときどきはいいかな。

全体的には、子供たちがかわいすぎで1幕は半分くらい「かわい泣き」してました。マリアもかわいい!いや、そんなに若い役者さんじゃないと思うんだけど、演技がかわいい!それに、歌もうまい!一曲目の「サウンド・オブ・ミュージック」ではちょっと怪しかったものの、後は、完璧!音域ももちろんぴったりだし、演技をしながらちゃんと歌が歌えてる!それもとても楽しそう!

一幕で有名な歌が出まくったので、もう2幕は新しく出てくる曲はエーデルワイスしかないんじゃ・・と思ってたんだけど、結構2幕も新しい曲(映画にはない曲)が多くて、それはそれでよかったよ。

2幕はいろんな意味で感動。「かわい泣き」以外に「愛っていいなあ泣き」「この歌名曲だよ泣き」「よかったなあ泣き」「やっぱりお前はいいやつだよ泣き」など、終わったときには相当泣いてました。

映画と違うのは、まず言語。有名な映画なので、WSSのようにせりふはドイツ語、歌は英語なのかなと思ったんだけど、全部ドイツ語でした。まあ、オーストリアの話を英語でするのも本末転倒というか、実際にトラップ家の皆さんはドイツ語でしゃべってたわけで、それが正しいんだろうなあ。それに、ドイツ語のスタンダード訳がまだ存在してないので、多分、オーストリアで初公演をした記念にドイツ語の歌詞も作っちゃったんだと思います。

ほかも、ちょっとずつ違うシーンがありました。歌の順番も微妙に変えてあるし。my favorite things♪は、映画では子供たちが雷の夜に怖くなってマリアの部屋に来て、そのときにマリアが元気付けるために歌う歌なんだけど、舞台では修道院にいるときにすでに歌っていました。雷のシーンで歌うのは「小さな羊飼い♪(レイヨルレイヨルヨーってヨーデルする曲ね)」で、この曲は映画では、人形劇をしながら歌ってた気がする。
3曲くらい舞台用に新しく作った曲があったよう。あまり違和感なく入ってたし、よかったと思います。

あと、舞台版は子供たちとマリアが仲良くなるのが早っ!マリアがトラップ家に来て、その日のうちにドレミの歌♪を教えてあげて、速攻子供たち全員と仲良くなってる!確か映画では映画の半分くらいが子供と仲良くなるのに費やされて、一人ずつ仲良くなっていったって感じだったと思うんだけど、舞台では、反抗期で思春期のはずの長男ですら、えへへーという感じでドレミの歌にノリノリです。17歳って多感な年頃でドレミの歌程度に踊らされないと思うんだけどなあ。

でも、舞台でよかったのは、全体が大きく三つに分かれていて、子供たちと仲良くなる部分、トラップ大佐とのラブストーリーが展開する部分、オーストリアがドイツに併合された政治的問題について語られる部分が、順番に繰り広げられるのがわかりやすくてよかったよ。映画だとこの三つの大きなストーリーの枠組みが同時進行なので、舞台のほうがシンプルになっててわかりやすいと思った。

●キャスト

マリアは、冒頭でも書いたけどかわいい!なんか、わかりやすい性格で歌もうまいし演技もうまいし、こういうマリアだったら、お母さんになってもらってもいいなあという感じ。トラップ大佐が好きになるのも結構わかります。

子供たちはもう、かわいいの一言!特に長女のルイーザの歌が飛びぬけてうまい!プロだろ!と思った。長男は前も書いたけど、思春期のはずなのにいい子でお坊ちゃま。ほかの子もかわいい!ウィーン少年合唱団から子供をつれてくれば楽だろうにと思ったんだけど、ちっちゃい子供役は女の子が多いのね。

あと、7人いるとドからシまで一人ずつ担当できるのがいいね。最後のコンサートのシーンで全員デアンデル(オーストリアの民族衣装)を着て出てきたのがかわいかった!

今回の一番の注目はトラップ大佐。渋!!!おじさま!!!もう、歌いだす前から、この声はいい!と目をつけていたのですが、まず、顔が渋い!声も渋い!演技や態度も渋い!いやあ、こんなおじ様なら素敵。。と目をきらきらさせながら追っていたわけですが、マリアと恋に落ちてからは結構でれでれしたので、渋さがだいなしです。でも、恋に落ちたから歌うようになって、その渋い美声を聞かせてくれるので、やっぱりトラップ大佐万歳です。コンサートのシーンでエーデルワイスを歌いながらむせび泣くところは、私も号泣でした。

あとの役は、一番偉いシスター役の人が絶唱!climb every mountain♪(すべての山に登れ)は私の大好きな歌なので、シスターが絶唱したときは涙がだーっと。。やっぱり、この歌は名曲だよ。。

トラップ家の執事さんは、めんどくさそーなウィーン訛りだったので、客席が受けてたよ。(ザルツブルグ訛りじゃあないのはよくわからないけど、その辺は突っ込まずにおきましょう)

●演出

舞台装置がまたいい!修道院のシーンで、ステンドグラスのように見せる照明や、I am sixteen, going on seventeen♪で月に山の陰が落ちている様子が細かくていい!特にモダンな演出や奇抜なセットを使っているわけでもなく、スタンダードにわかりやすく演出してくれて、結果的にそれが一番よかった。WSS見たときはモダンな演出がかえって失敗したけど、SoMはオーソドックスにやってくれてよかった。。

トラップ大佐とマリアの結婚式のシーンでは、二人を中心に子供たちが周りを囲む立ち位置が絵としてもとてもいい!あと、なんと言ってもよかったのは、一番最後の山を越えていくシーン。映画では、実際にアルプスの峰を歩いているシーンで終わるんだけど、舞台上でどうするのかと思いきや、奥に山の峰のセットが組まれ、トラップ家9人が手をつないでシルエットになっていく様子でとてもうまく表現されていました。(そのとき、シスターがすべての山に登れ♪を前景で熱唱していて号泣)

あと、コンサートのシーンでは、ナチスに見張られているという設定なので、客席にナチスの兵隊さんが入ってきて、見張るような位置に立ったので、監視下にあるという感じの演出がよくできていました。私は立ち見だったので、自分の目の前に兵隊さん役の人が立っていてちょっと、おちょくりたくなったけどやめときました。トラップ一家が逃げたときには、警察犬まで登場し、舞台を走っていたのがかわいかったよ。

少し難をいうと、I am 16 going on 17♪では、有名なあずまやのシーンなので、できればセットにあずまやを組んでほしかったなあ。。あと、ドレミの歌のシーンでは映画では歌を歌いながらザルツブルグの町に繰り出していくので、その様子も演出できればよかったかなあと思ったけど、まあ、仕方ないかな。

●オーストリア人の反応

やっぱり、自分の国が舞台になった世界的ミュージカル。オーストリア人の反応は気になるところです。

まず第一に、観客はSoM初心者がほとんどだ!日本でSoMをやると、みんなストーリーはもう知ってるので、お!ここが映画と違うな!という視点で見るんだろうけど、オーストリアのお客さんは普通に始めてみる感覚でウケてる!たとえば、トラップ大佐が最初に子供を呼ぶのに笛を吹くのは、一度映画見た人なら別に「そんなシーンもあったなあ」程度のシーンなのに、オーストリア人はびっくりのムードが!いや、これは世界的には驚くところじゃないって。。

一番気になったのは、オーストリアがドイツに併合されたあとナチスの兵隊さんたちが「ハイル・ヒトラー」というところ。実は、オーストリアは「ハイル・ヒトラー」と言ったり、ナチスのポーズ(手を高く差し上げるポーズ)をしたり、ハーケンクロイツ(ナチスのマーク)を掲げたりすることは、法律的に禁止されています。(舞台上ではOKらしいけど)それだけ、ナチスとオーストリア併合の過去はオーストリア人に黒い影を落としているということでしょう。

なので、舞台上で役者が「ハイル・ヒトラー」といったときに、日本人の観客なら「ああ、そういう時代だったからなあ。」程度で軽く流すところですが、オーストリア人はまるで悪魔でも見るような反応をしました。客席は不吉な感じでざわざわとして、みんな落ち着きがなくなりました。コンサートのシーンでは、もちろんナチスをたたえるためのコンサートという名目なので、舞台上には大きなハーケンクロイツの旗がかかっています。これも、舞台のセットとして軽く流せるところが、オーストリア人はかなり抵抗があったようです。

同行したオーストリア人に感想を聞くと、「子供たちがかわいかった!」とか「おもしろかった!」とか言う代わりに、「トラップ大佐みたいないい人(=反ナチス)もいたんだね。」といっていました。ちょうど第二次世界大戦前(中)にオーストリアがドイツに併合されたときは、オーストリア人の1/3くらいはなぜか併合に賛成していました。これは今のオーストリア人からしたら屈辱でしかないわけで、絶対に併合に反対していたトラップ大佐がヒーローのように見えたようです。これは、SoMを娯楽としてしか見ていなかった私にとって結構衝撃でした。楽しいミュージカルの裏に、ここまで身近な政治的時代背景を読み取り、さらにその問題が今まで続いているとなると、このミュージカルは私たちが受け取るよりも重い物としてオーストリア人の心に響いたようです。

エーデルワイスをソロで歌うトラップ大佐が、途中で涙で詰まって歌えなくなってしまったとき、客席のオーストリア人は皆、トラップ大佐と同じ気持ちになっていたのではないかと思います。

でも、このミュージカルが名作なのは、こういう政治的背景があっても、やっぱり歌を歌う楽しいシーンや、ジョークを忘れないトラップ一家の様子が暗さを感じられず明るく描かれているところだと思います。オーストリア人にしかわからないジョークも取り混ぜてあり、観客のほとんどがSoM初体験だったと思いますが、相当満足していたようです。

私が映画で何度見ても号泣してしまうシーンに、コンサート会場から修道院を抜けて逃げ出すときに、ナチスの兵隊さん(長女の元恋人、I am sixteen going on seventeen♪の歌を歌った相方)が、見逃してくれるところがあります。こんな絶望的な世の中でも、みんなが悪いわけじゃないんだなあと思わせる、希望の持てるシーンです。

やっぱり、このミュージカルは何度見ても感動する、長く愛される名作だなあと、本場オーストリアで見て改めて思いました。