2017-04-26 16:30 | カテゴリ:ミュージカル映画レポ

さて、実写版「美女と野獣」のレポ、今回はかなり前から話題になっている、同性愛と人種問題について考察してみました。

 

私の個人的な感想なので、こればっかりは人によって感じ方は違うと思いますが、まあ、同性愛も人種問題にも、普段比較的寛容な立場から書いてみました。

 

●同性愛問題ネタバレ考察

 

同性愛については、新設定ではあるけど、何が問題なのかわからないくらい、私的には自然だった。むしろこの方がいいよw ミュージカルの世界ではゲイが多いからそういう設定も多いし、ミュージカル王道だよ、この流れはw 私はこのキャラは新設定の方が深みが出て好き。

 

●人種問題ネタバレ考察

 

アンサンブルの人種がミックスで不自然。これは人種間恋愛がどうというより、普通に歴史モノとして不自然。それにミックスとか言ってもアジア系全然見なかった(日系のダンサーさんがいたらしいけどみつけられなかった。。)し、ミックスにした意味が作品から読み取れなかった。

 

意図があって歴史ものの王道から逸脱するなら、作中で理由が説明され然るべきだと思うんだけど、どうだろ?ファンタジーの理想郷の村だから?じゃなんで実在の地名が出てくるの?あの地名で一気にファンタジー感消えたよ。

 

言いたいことはわかるよ。寛容の世界。同性愛に関しては成功してたと私は思ったけど、人種問題はどうかな。。こうするなら設定を現代のフランスにして、魔法の鏡をスカイプにして欲しかったなw それなら、あの人種の割合も超納得どころか、良くやった!って思うかなw。

 

てかさ、美女と野獣のあの村を現代にして、城だけ魔法で時間が止まった世界ってことにしても、お話成り立つよね、きっと。もしかして、そこまで考えさせるのが、人種ミックスの意義だったのか?(いや私妄想しすぎだからw)

 

●マイノリティ要素についてさらに考察

 

人種やゲイ要素を取り込んだ実写版美女と野獣。寛容の精神を入れたかった気持ちはわかるよ。けど、ガストンが「異なる存在」である野獣を殺すよう、デマゴーグとして人々を焚きつける醜さを強調した方が、深みが出たのでは?今の世の中に蔓延する、よそ者vs扇動者の構図こそ風刺対象にすべきかと。

 

最近こういうテーマに敏感な私でも、ガストンがデマゴーグには見えなかった(ただの声のでかいハンサム兄ちゃんw)から、そういう風刺の意図はなかったと感じた。焚き付けられた民衆の怖さも感じなかったし。だってお城の戦いのあとの村人のめでたしめでたし感w さっきまで殺す言うてたやんw

 

あと、同性愛に嫌悪感を示したガストンは因果応報だけど、人種間恋愛は全然OKなんだ。野獣や同性愛が嫌いな人は、人種間恋愛はもっと違和感示すタイプかと思った。てか、三人娘あたりを人種混合にして欲しかった。で、みんなガストンとイチャイチャしたら人種天国徹底してるよね。

 

ウィーンミュージカルの世界では少なくとも、今の世界の排他的でデマゴーグ的風潮に疑問を呈する作品を作ってるし(ドンカミッロとかメサイヤロックスとか)、少なくともマイノリティを取り上げて違和感煽るなら、そこに意味や主張が欲しい。マイノリティキャラを沢山出した理由が読み取れないので、出しっぱなし感ある。

 

歴史モノで人種混合といえば、ウィーン再演版モーツァルト!の男爵夫人だけど、あれは全く違和感なかった。斬新な現代演出と、今でも着れるモダンなドレスの中に、細心の注意を払って配置してたのがよーく見て取れたから、逆に肌の色の違いは芸術には関係ない、というアピールになってた。

 

「異なるものvs扇動された民衆」、ってテーマで見ると、オペラ座の怪人の「怪人を捕まえろ♪」の所とか、日本版JCSの裁判の時に殺せと怒鳴る民衆とかあって、美女と野獣のMob Songもその代表的なものだと思ってたのに、実写版だと、ただの横恋慕に村人を巻き込んだけじゃんw

 

というわけで、マイノリティを出すからには、出しっぱなしではなく、そこに何らかの主張が欲しいと思った「美女と野獣」でした。それが、ルフウでは成功している(というか、ルフウの性格付け自体が物語を深くしている)と思ったけど、人種ミックスは宙ぶらりんだったなー、と感じたのでshチア。

 

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2017-04-24 16:30 | カテゴリ:ミュージカル映画レポ

ウィーンで一足先に、3/30に実写版「美女と野獣」見てきました。後ほどネタバレしまくりレポもアップしますが、とりあえず今回は、極力ネタバレ無しで行きます。けど、もしかしたらちょっとネタバレしちゃってるかもしれないので、まっさらな状態で見たい人は、映画見終わってから読んでくださいねー。

 

あ、それと、ちょっと宣伝になっちゃいますが、うちのショップ「ウィーン・ミュージカル・ワールド」で、美女と野獣の各バージョン、各国語版CD絶賛お取り扱い中です!

 

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●全体の感想

 

実写版美女と野獣、ざっくり感想を言うと、「前半舞台との違いが気になってヤキモキしたけど、後半新設定とか出てきて引き込まれた!」って感じ。最後は結末わかってても鉄板で泣かせに来るねー。作品に思い入れありすぎて、あれ?ってツッコみたいとこも結構あったけどw

 

しかしこの映画のメインターゲットは誰なんだ?アニメ版見て、舞台見てない人?完全初見の人?舞台も見た人?私の印象では、ライト層向けな気がするんだけど。舞台にどっぷりだと、前半そこでなぜそうなる?!って結構気になるよ。後半はおお!そう来たか!ってなるから不思議。

 

あと、3Dで見た方が良さげな演出が多々。逆に3Dじゃないと「うーこれ3Dならこう見えるだろうに!」ってなるw スタッフロールで協賛スワロフスキーって書いてて、すぐに絶対あそこだwって分かったよw だめだ、どこまで書くのがネタバレなんだろうw

 

 

●キャラ別感想

 

個人的にビーストはアップ少なめシルエット多めで、動物っぽい予期できない超人的動きで神秘性を出してほしいんだが、映画では直立&顔のアップ多めであまり怖くなかった。舞台では、遠くてよく見えないからこその、未知のものへの怖さが強調されてたな。舞台また見たいなー!!!愛せぬならば!!

 

ベルはなんていうか、思い入れありすぎて私には語れないw ハーマイオニw 設定がほんの少し違って(ビーストの設定もほんの少し違う)、ほんの些細な違いなんだけど、弱めの伏線的な感じにはなってるのかな。必要な設定かは分からないけど(個人的には削った設定の方が好き)。

 

ガストンやばい。好みすぎるww ずっとニヤニヤしてた。もっと見てたかったw 夢に出てきてほしいw 王子はなんか最後顔出た時、お客さん結構笑ってたwあれはファンの人かな?私は普通におーって思ったけど。

 

ルミエールがユアン・マクレガーで、コグスワースがイアン・マッケランで、ポット夫人がエマ・トンプソンで期待してる人!私はそんな人になんと声をかければいいのか。。疑わず、希望を捨てないで、って言えばいいのかなw ユアンくんのキラッキラの笑顔に癒された♪

 

映画見ながら「スーパー・ルフウタイム」と言う新語を思いつき、ルフウが何かする度に心の中でつぶやくと楽しいw 映画や舞台と一番キャラが違ったけど、これはこれで私はよかったと思う。監督なんでこんなにルフウに思い入れあるの?ルフウは完全にキャラとして救ってもらったね。

 

新キャラは、キャラの立つ脇役が増えて、旧来のキャラにとっても、よかった。舞台版が好きな人なら、新キャラたち作ってくれてありがとう!って感じかもw

 

あと英語版の歌声について。役者さん本人が歌ってるんだよね。独仏伊語はセリフと歌別の人が多いから気になった。エルサみたいに超上手い忘れられない歌声!みたいなのは、あったかなぁ。。みんな上手かったけど、うおーって感じにはならなかったから、本職のミュー歌手が吹き替えた方がいいのかも。

 

●新曲旧曲ネタバレ

 

曲新曲が入った代わりに、舞台版で増えた曲は全カット。これは個人的にマイナス。映画館から出てきて「わが家」と「愛せぬならば」をずっと歌って帰った。舞台版ファンからすると、歌飛ばしたら気持ちが宙に浮いてついて行かない。あんな名曲なのに削るなんて、権利関係の問題?

 

「わが家」はこの作品で一番好きな曲なので、ほんとこの気持ちをどうすれば。。けど、インストで出てくるので、その時はじっくり味わいましょう。新曲の印象はそこまで強くない。削った曲とものすごく似た曲があって、さらに意味不明w

 

●盛り上がったシーン

 

実写版美女と野獣で私が一番盛り上がったのは、ビーアワゲスト♪でもガストン♪でもなく、Mob Songだわw ガストンが超カッコよかったし、あの辺になってやっと話にエンジンかかってきたからかな。てか、この話で魅力的なキャラは、一位ガストン二位ルフウw (個人の意見ですw)

 

某最近の人気ディズニー映画にそっくりの新設定があって、これみんな似てるってわかるよね。。サウンド・オブ・ミュージックっぽい一シーンにニヤリw お城も中世も大好きなので、これでもかとお城や村が映るのは至福の時でした♪

 

美女と野獣のチップって何歳なんだろう?と思ってたら、実写版ではうちの5歳児と同じくらいに見えて、過去に感じたことのない感情が。。ってことは私はポット夫人と同世代?って気づいてビビったw 私はポット夫人みたいに落ち着いて大人っぽい母親ではないなーw


最後のシーン!私がまだドイツ語ゼロだったころ、ウィーンでロングランしてた伝説の「美女と野獣」見た時、最後の決めセリフだけは理解しなくては!と、見る直前にIch liebe dichだけ憶えて観劇したんだよね。その事思い出して泣いたよ!ウィーンで20年経ってまたこの作品見てるー!って。

 

●どのバージョンを見てる前提?

 

実写版美女と野獣のレビューをちゃんと読んでから見たい人は、IMDBの英語のレビューを読んでみてはいかがでしょう?アニメだけ見て舞台見てない人が書いたのがほとんどだけど、全体の感じはわかると思う。私の感じたこと、結構みんな書いてた。

 

実写版美女と野獣、レビューを読んで回ったけど、舞台版を見た人のレビューが少なすぎる。。世間的にはアニメ→実写の人が圧倒的に多い模様。これ舞台見た人と見てない人の感想は結構違うかも。方向性は似てるけど、度合いが違う感じかな。舞台版が名作すぎると再確認。

 

●まとめ

 

まだまだ言い出いことはいっぱいありますが、とりあえず極力ネタバレ無しのレポはここまでにしておきます。

 

映画見終わった方は、これから怒涛の勢いでアップされる、美女と野獣映画レポ(ガッツリネタバレ版)をお楽しみに!

 

 

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2017-04-03 16:58 | カテゴリ:映画

2/11「この世界の片隅に」鑑賞レポのつぶやきをまとめています。目次としては

 

1.観劇直後の感想+ウィーン人の反応

2.この映画を招聘したアニメイベントの様子

3.数日たって消化してから書いた、長めの感想

4.関連記事、リンク、裏話など   ←イマココ

 

って感じになります。

 

 

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<裏話>

 

この映画関連の(ツイッターの)通知がものすごくて驚いてるわけですが、最初のツイートが監督さんにRTされたと、映画見てる間に友達が教えてくれました。まだ映画の余韻が残る中、映画館から出てきたら衝撃の現実ニュースw 感想つぶやくにもちょっと手が震えるけど、なるべく平常心で通常運転。。

 

<関連リンクとか動画とか>

 

教えてもらったこの記事!「この世界の片隅に」がオーストリアで上映されたことも、アキバパスのことも触れてある!

 

「この世界の片隅に」20億円突破、23カ国配給へ - 映画 : 日刊スポーツ

 

 

これも教えて貰った超良記事。「この世界の片隅に」における監督の役割と、クラウドファンディングの本当の目的について。世の中の仕組みってすごい。

 

映画「この世界の片隅に」製作プロセスの秘密 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

クラウドファンディングは映画作成の資金集めとしては焼け石に水の規模だが、出資者を集めるためのパイロットフィルム作成のためには非常に有効。金額が目標のほぼ倍に達したという事実も合わせて、出資者から資金を集めることができた。ビジネス感覚がすごい。

 

 

あとこれは、「この世界の片隅に」を見終わったあとの人に見てほしいんだけど、監督や原作者のインタビューを含む紹介映像。片渕監督ってどんなお仕事したのかな?って疑問に、いろんな角度から答えてくれる。

 

ビデオのタイトルをここに入力します

 

最後に、このアニメフェスが作成した、この映画のトレイラー(独語字幕付き)をもう一度ご紹介しておきますー。

 

ビデオのタイトルをここに入力します

 

と言うわけで、4回にわたってお届けした、「この世界の片隅に」をウィーンで見てみた感想でしたー。またウィーンで上映されることがあれば、積極的に現地人に宣伝していきますー。



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2017-03-30 16:58 | カテゴリ:映画

2/11「この世界の片隅に」鑑賞レポのつぶやきをまとめています。目次としては

 

1.観劇直後の感想+ウィーン人の反応

2.この映画を招聘したアニメイベントの様子

3.数日たって消化してから書いた、長めの感想  ←イマココ

4.関連記事、リンク、裏話など

 

って感じになります。

 

一応ネタばれないように書きましたが、よーく考えたらネタバレしてる可能性もあるので、完全にネタバレ嫌な人は読まない方が安全かも。

 

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<落ち着いて映画の感想、と言うか、個人的に感じたポイント>

 

「この世界の片隅に」を見て24時間。やっとボコボコ沸騰していた感情が落ち着いてきた。少し感じたことをネタバレ無しで振り返ってみる。まだ一度しか見てないし、後半は心と頭フル回転しても、全然全てを見切れていないので、とりあえず一回目に見た感想ってことで。

 

前半のほのぼの系で感じたことをつらつらと。

 

①広島弁が私の記憶より柔らかい!出張で一時期しょっちゅう行ってたのに、あの時聞き慣れていた広島弁より、神戸弁に近かったり、岡山の友達に似てたりして、とても懐かしい感じがした。そして街も出張でよく知ってるから、色々思い出すわ。。

 

②一番最初の音楽が有名なクリスマスソングなので、なんでクリスマス?ああ、歳末セール!みたいな仕込みに既にやられた!感。英独語圏ではみんな知ってる歌なので、異国の風景に知ってる歌ということで、海外でもみんな気になるシーンなんじゃないかな。ツカミとして素晴らしいシーンだと思った。

 

③なんか子供時代の日本は、30年位前の日本と変わらないくらいなんじゃない?駄菓子屋があって、文房具屋があって、みたいな。普通に知ってる風景で、とても入り込みやすかった。そして、だからこそ後半が、自分の知ってる世界が変わっていくようで、自分のことのように感じた。

 

④家事すごすぎる!!!冷蔵庫ないし、毎回火を起こしてるし、水は冷たいし!毎日キャンプしてるようなもんだわ、現代人からしたら。毎日食卓にご飯を乗せることが、どれだけ大変だったか。そのくせ、行く所に行けばアイスクリームもあったとか、ギャップがすごいな。。

 

⑤迷い込んだ先の地区の建築が、一時期好きでよく調べてた特徴めちゃくちゃ入ってて、歴史の現地調査が大好きな性分としては、かなりテンション上がった。二階の窓とか、入り口の柱とか、丸い玄関窓とか、おー!本当に使われてて、当時こんなにきれいだったんだー!って感動。

 

<全体の感想とか衝撃とか>

 

そして、全体の感想。色んな人が色んなシーンで衝撃を受けたり、印象深かったりするだろうし、それは個人の経験から来ることも多いんだろうな。誰しも経験したことのある何かを、沢山内包している映画だからこそ、突然の涙に襲われるのかもしれない。

 

①映画の何気ないシーンを見ていたら、突然「あ、やばい」と思うのと同時に涙がだー、ということが多くて、事前に予測できないのかどうしてなのか本当に謎。今から泣かせるからハンカチ用意ーみたいな感じじゃなくて、唐突に来るから、なんか記憶や感情を直接刺激してるのか?ホント不思議。

 

②私が一番ガツンと来たのは、山から見下ろした焼け野原。すごく個人的なことだけど、神戸の震災の日の朝、ちょうどあのくらいの高台から瀬戸内海の方を見下ろしたときの光景が重なって突然涙がダーっと。。街が破壊される理由は全く違っても、日常が一度に消え去る衝撃は同じ。全く他人事じゃない。

 

③見終わったあとで、「喪失に対する無感情」について長く考えてた。あったものがなくなるって、普通はショックだったり、悲しかったり、逆にホッとしたりするものだけど、この映画では、普通にあったものがふと消えたときの心情がものすごく不安定。

 

心配、不安、涙なんかがあれば、喪失にオチが付いて次に進めるんだけど、後半になるにつれて、大きな喪失があったはずなのにみんな話題にしなかったり、別のことで忙しかったりして、普通はショックであるはずの喪失が宙に浮いている。

 

作中の喪失は多くの場合、それが喪失かどうかの確認すらできないまま、いつの間にか失われている。喪失はタイミングを失い、重さを失う。消化できない感情が腹の中に溜まっていく。それが、あのため息と一緒に出せなかったものなんじゃないかな。

 

④喪失だけじゃなくて、獲得に関しても無関心になってたとも思える。なんか突然家に人が増えてたり、その人がまた突然どっかいなくなったりしてた。なんか人が増えたり減ったりしてるけど、いちいち喜ぶのも悲しむのもめんどくさい。その事自体が異常かどうかもわからない。

 

火を消す前のあの目の表情が忘れられない。もう喪失に無関心になっていたはずなのに、あそこだけは感情が戻ってきた。約束があったから。あと、サギのシーンも。抑えていた感情が思い出したように戻ってくる。「あの世界」と「この世界」を行ったり来たり。

 

⑥「この世界」のヒントは作中2,3回出てくる。彼女は「この世界」に住むことが他の人より得意だったはずのに、やっぱり今振り返ると、一番ひどい時期は「あの世界」にいることのほうが多かったのかも。「この世界」に生きることができることがどれだけ幸運なことか、改めて気付かされる。

 

⑦この映画、日本人だけでなく、世界中の人に見てもらいたいし、世界中で共感を得る力のある作品だと思う。誰が見ても笑える場面は一緒だし、誰が見てもどこかに共感できる映画。特に、「喪失に対する無感情」は、昨今のテロが多発しているご時世には、既に身をもって感じている人も多いと思う。

 

テロの初期にはひどくショックを受けていたのが、段々感覚が麻痺して、あまり気持ちを揺さぶられないようにしている人は、私だけじゃないと思う。喪失が日常になった世界に一歩足を踏み入れかけているって気付かされると、ふと、悪い魔法から醒めたような感覚に陥る。

 

<感想まとめ>

 

とりあえず一回見ただけだし、多分私が気がついてない深い意味がまだ沢山あるんだと思うけど、とりあえず一回見たレポということで書いてみました。見た人の数だけ、考えたことや衝撃を受けたことはあると思う。私が感じたことは、他の人は感じないかも知れないし、経験によって感想も違うんだろうなー 。

 

リピーターの方のレポの方が内容は濃いと思うから、私独自の視点みたいなのを書いてみた。リピートもいいけど、一回目の衝撃は格別。記録できてよかった。けど、書いたらまた追加の気になることが出てきたわ。。

 

人生の数だけ感想もある、って思うと、ほんと奥の深い映画だよ。。そして、今回はちょっと後半重めに考えてみたけど、ほのぼのさ、笑いどころ、きれいだった所もたくさんあって楽しく見れたし、もし次見たら、楽しいとこまとめでもしてみたいくらい。DVD早く発売されないかなー。

 

(4.関連記事、リンク、裏話など   に続きます。)



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2017-03-28 16:56 | カテゴリ:映画

2/11「この世界の片隅に」鑑賞レポのつぶやきをまとめています。目次としては

 

1.観劇直後の感想+ウィーン人の反応

2.この映画を招聘したアニメイベントの様子 ←イマココ

3.数日たって消化してから書いた、長めの感想 

4.関連記事、リンク、裏話など

 

って感じになります。

 

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<今回この映画を招聘したアニメフェスイベントのレポ>

 

今回ウィーンでこの映画を取り上げた、日本アニメ映画祭について。ミレニアムシティの映画館の3室を一日借り切って、日本アニメ映画を終日上映する企画で、ドイツ約十都市を経てウィーンまで来たイベントです。

 

AKIBA PASS FESTIVAL 2017: In this Corner of the World

 

海外のアニメ関連のイベントに参加するのは初めてなので、ちょっと一人で行くのは怖いかなーと、若干こわごわ行ってみました。 

 

チケットは一日パスか映画1作品ずつの普通のチケットか選ぶって感じだから、一日入り浸って映画見まくる人もかなりいた印象。普通の映画見に来る人エリアからパネルで区切ってあって、アキバパスエリアだけ雰囲気が違う感じ。

 

以下の写真は映画館ごとの上映スケジュール。

 

 

客層は、思ったほどコスプレは多くなくて、期待してただけに少し残念。初音ミクな人(写真)が一人いただけ。けど、よく見たら日本語やアニメ系Tシャツらバッグの人が半分位はいて、みんな細かいところでアニメ愛、日本愛をアピール。物販はこのテーブルのみ。人が多くて商品見えなかった。

 

 

「この世界の片隅に」への扉は写真の左。アキバパスエリアに日本アニメのポスターがいくつかあったけど、「この世界の片隅に」のはなくて残念!左にアキバパスと書いたエコバッグ持ってる人がいるけど、多分この人は一日券買った人。かなりこのカバン下げてる人いたので、一日券組みが多かったのでは、と思った次第です。

 

 

客層は、ミュージカル界隈と違っててかなりビビったw 男女比半々。女性はオシャレな芸術系(多分サブカル映画好き)と、アニメ好き(アニメTシャツ着てる)が半分ずつ。男性はアニメ好き(アニメTシャツ)と日本好き(日本語Tシャツ)が8割で、残りは日本好きの彼女に連れられてきた人って感じかなー。

 

あと、はっきり日本人とわかったのは、私と知人の二人だけでした。後は、ほぼ大多数が現地人と言う印象。そもそもアジア系の見た目の人がすごく少なかったけど、もしかしたらその中に日本人が混じってたかも。けど、日本人っぽく感じられた人はほとんどいなかった。

 

映画自体の客層は、早めから映画館の扉の前で待ってる人たちは多分一日券組のアニメ好き&日本好きっぽい。開場後に入ってくる人たちは、アニメTシャツ率が下がってたので、一回券で見に来たサブカル映画好きかな。

 

もう一つ気になったのは、映画前の宣伝映像。日本のアニメやゲーム、関連イベントのCMが流れるんだが、めちゃくちゃ激しいのが混じってた。映画自体の年齢は6歳以上と記載されてるのに、CMの映像は確実に18歳以上だよ。主催者はCMはスポンサーだから変えられないのかな。。 これ、小学生の子供連れて行った人は、この映画でトラウマになるわ。

 

「この世界の片隅に」英語タイトルはIn this Corner of the Worldですが、独語題は字幕によるとIn meinem Winkel der Welt。「この世界の私の片隅にて」って感じの直訳かな。英独どちらも日本語と少しズレるけど、最大限頑張ってるのは伝わる。

 

映画の前に主催者の、この作品愛にあふれた挨拶があった。そして、「この世界の片隅に」の独語版DVDとブルーレイが発売されると言ってた。絶対買わなきゃ。あんなに私とウィーン人の笑いが一致したのは、きっと字幕が素晴らしかったからに違いない。次は字幕もチェックしながら観たいな。

 

(3.数日たって消化してから書いた、長めの感想  に続きます)



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2017-03-25 16:56 | カテゴリ:映画

ウィーンでは、2月に1回、3月に2回「この世界の片隅に」が上演されました。以下の記事は、2月のアニメフェスで上演された時のものです。その後、Tricky Womenと言う女性アニメ映画祭でも上映されましたが、私は病気で見に行けませんでした。。行った友人の話ですと、満席だったそうです。ぜひリピートしたかった!!

 

それでは、2/11「この世界の片隅に」鑑賞レポのつぶやきをまとめておきます。目次としては

 

1.観劇直後の感想+ウィーン人の反応

2.この映画を招聘したアニメフェスの様子

3.数日たって消化してから書いた、長めの感想 

4.関連記事、リンク、裏話など

 

って感じになります。

 

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それではいきます!

 

<鑑賞前>

 

ウィーンで「この世界の片隅に」を見る唯一のチャンス。ミレニアムシティの映画館に来てます。アキバパスという日本アニメ映画紹介イベントの一環で、映画好き、アニメ好き、日本好きのウィーン人が集まってる印象。日本人っぽい人全然いないよ。

 

↑このツイートが、映画見てる間に監督の方にRTされ、映画館出てきたらすごいRT数に。。(笑)

 

<鑑賞後+ウィーン人の反応>

 

「この世界の片隅に」見て、頭の中も心の中もいっぱいで、次の予定もあるのに現実に戻れず、幸せなキャパオーバーを持て余し中。。

 

作品の感想はいろんな人が書いてるので、ウィーン人の反応だけ先に書いておきます。客席の反応は、驚いたことに、独語字幕を読んで笑った人と私の笑いどころ全く一緒!

 

何度か独語字幕付き日本映画をウィーンで見てきたけど、私だけ笑うことが多かったり、字幕組だけ笑うことも時々あって、作品中私とウィーン人の笑うタイミングが全く一緒って今までで初めて。これは地味にすごいこと。

 

今回は1人で行って、誰ともしゃべらず映画館を後にしたので(キャパオーバーすぎて周りを気にする余裕なかった。。)、感想とか聞く相手はいなかったんだけど、エンドロール中の周りの人達のため息というか、ため息は吐いたけどまだお腹の中に残ってるこれをどうしよう、みたいな空気は感じたなー。

 

最後の家の屋根の時の周りの「お。。。おわり。。。どうしよう。。」的な空気、わかるかなぁ。。まだ人の顔見てまともに現実に戻ることが出来ない、できれば真っ暗な中でほっといて欲しい、みたいな。。ウィーン人はエンドロール始まると普通立つんだけど、立ったのに通路で最後まで見てる人多数。

 

始まる前、この日本アニメ映画祭を主催した独人男性から一言挨拶があった。「《この世界の片隅に》はこの映画祭のハイライトだ。去年見た一番の映画。《君の名は》は予算的に手が届かなかったけどまた見る機会あると思う。この映画をこの映画祭で、こんなに沢山の人に紹介できて、とても嬉しい」と。

 

<次の用事(ライブ)に行かないといけないので、一旦まとめ>

 

なんか通知がすごいし、なにかすごいことが起きてると小耳に挟んだけど(監督さんにRTされた話ね)、次の用事があるので一旦離れますー。気持ち切り替えられないよ。。

 

今日は映画にライブにと盛りだくさんで、よくこんなに待ち望んだイベントが重なるもんだけど、どちらもビッグイベントすぎてゆっくり書けないので、週明けまでおあずけ。。今日はインプット多すぎて、あまり深く考えてたら眠れなくなりそう。。

 

「この世界の片隅に」関連通知がすごい。。けど今日は多分何も続きはつぶやけない。ふっとしたときに場面が浮かんできて、混沌としてたインプットが、頭の中でいくつかのテーマにカテゴライズされてきた感じはある。今考えてるのは、「喪失に対する無感動」について。このテーマだけで1日考えられる。

 

最後に、このアニメフェスが作成した、この映画のトレイラー(独語字幕付き)をご紹介。

 

 

  (続きます。次は、2.この映画を招聘したアニメフェスの様子 をお届けします)

 

 



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2015-12-05 07:10 | カテゴリ:ウィーンを舞台にした映画

さて、しばらく映画「黄金のアデーレ」と実際にウィーンで起きた「アデーレ騒ぎ」について比較してまとめています。

 

「アデーレ事件」関連記事はクリムトの歴史カテゴリからどうぞ。この記事だけ、「オーストリアを舞台にした映画」カテゴリに入れています。

 

話は少し変わりますが、映画に登場するオーストリアを調べるのが趣味な私としては、街角で知ってる景色が出てくると、一応気になる。

 

 

ビデオのタイトルをここに入力します

日本語版「黄金のアデーレ」トレイラー

 

ウィーンへやってくるところで、ホーフブルクの新宮が映る。「ウェルカム・トゥ・オーストリア」と話しかけられるシーンは、オペラ座横のアルカディアのあるところだね。

 

結婚式の場面は、ユダヤ人の結婚式だー。屋根の上のバイオリン弾きもこれだねー!

 

内装の撮影は、パレ・アウアースペルクかー。ゲイの舞踏会Rosenballで何度か入ったな。コンチータに遭遇したのもここw

 

あとは、昔のアデーレの絵が飾ってあったベルヴェデーレを再現してある(涙)

 

しかし、ウィーン市庁舎にナチスの旗垂らさせたって、どんだけ傷をえぐるんだ、このロケハンは。

 

しかし、オーストリアよくこの映画のロケ許したな。。自分が悪者になる映画のロケ。。

 

こちらが、ロケのレポ

Vienna with a Woman in Gold | Association of Film Commissioners International

ウィーンでは2014年の5月に3週間撮影したそうな。

 

ロケ写真いっぱい!こういうのワクワクする!

"Woman in Gold" in Vienna - News Archive - News & Press - VIENNA FILM COMMISSION

 

ロケ現場は以下の通り

St. Ulrichs-, Juden- und Rooseveltplatz, the City Hall, the Semperdepot, the Academy of Fine Arts, Kaiserwiese, Hotel Sacher, the Konzerthaus, the Opera House, Palais Auersberg and the Belvedere.

 

まあ、ユダヤ人地区ってことで2区も多いですねー。よく見たら、市庁舎はあの正面の所にナチの旗を掲げたわけじゃなく、横の通りと中庭みたい。あーよかった。この場面、トレイラーでも出てきます。

 

ロケ写真、上のサイトから引用します。

 

市庁舎の横の道。一般人いっぱい見てる。。結構オーストリア人にとってはトラウマだな。。

 

これも市庁舎ですが、中庭なので、一般人には見られません。あーよかった。

 

 

これ、トレイラーで見える階段の新旧のシーンね。

 

これも階段のシーン。

 

ベルヴェデーレは外せません。

 

お馴染みカフェ・ザッハ前。オペラ座横のシーンかな。

 

まあ、ホロコースト記念碑のユーデンプラッツも入れないわけにはいかないでしょうね。

 

なぜかプラーターも

 

ロケ当時の新聞記事。

"The Woman in Gold": Mirren, Reynolds, Brühl und Holmes drehen in Wien - KURIER.at

 

ウィーン側の受け入れは、おおむね好意的だったそうです。当初は3,4日のロケの予定が、あまりにウィーンの場面が重要な為、できるだけ長く撮影することになったとか。

 

出演者の中にジョナサン・プライスがいる。あと、ケイティ・ホームズがウィーンで撮影したみたいだけど(弁護士の妻役なのになぜ?)、トム・クルーズも一緒に来たりしたんだろうか。彼のミッションインポッシブルのロケ時期も結構近かった気がする。

 

 

 

グスタフ・クリムトCD

 

グスタフ・クリムトDVD

 

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2015-03-07 07:29 | カテゴリ:映画

メアリーポピンズ絡みで「ウォルト・ディズニーの約束」Saving Mr Banksを見てみました。

 

感想つぶやきをまとめておきます。

 

==

 

ちょこちょこ見てた「ウォルト・ディズニーの約束」やっと見終わった。いい映画だったなー。見てよかった。特にメアリー・ポピンズブームの今がタイムリー。

 

けど、これタイトルはSaving Mr Banksじゃないと、映画に期待するものが全然違うんじゃない?

 

第一、メアリー・ポピンズ知らずにこの映画見ても、三分の一くらいしか楽しめないんじゃないかな?あれだけ歌がいっぱい出てきたら、MP知らなかったら退屈じゃない?逆にMPの歌歌えるレベルなら、もう嬉しすぎるよね。2ペンスとか凧の歌とか聞こえてきただけで泣けるし。

 

トム・ハンクスとエマ・トンプソンとコリン・ファレルと運転手の人が素晴らしすぎ。トム・ハンクスもコリン・ファレルもそんなに好きじゃなかったけど、見直した。

 

トム・ハンクスは目の吊り上がったメイクしてて、イメージ変わったー。あの話し方も印象的。コリン・ファレルも存在感抜群!

 

あと、地味に作詞作曲兄弟がいい味出してたwあんな風にミュージカルって作曲したりするのねー。

 

デザイン画とか色々、作品のイメージを決める会議の内部が見れて面白かった。おじさんが子役の声やったり、楽しそうだな。あんなミュージカル作成現場に携われるなんて、一度経験してみたい!

 

しかし、MP映画も舞台も見てたから、初見でも小ネタわかったしクスッてできたけど、見てなかったり忘れてたりしたら見逃してたかもしれなくて、勿体なくなるところだったわ。

 

小ネタかなり色々面白かった。そしてペンギン!やっぱり重要でしょ!(笑)メリーゴーランド、桜の木などのモチーフも。

 

それでも、原作手元にあるけどまだ読めてない。原作→映画→Saving Mr Banks→舞台の順番で見たらよかったんだが、映画→舞台→Saving Mr Banks→原作の順番だとちょっとカオスかも。昔原作読んだ感じでは、映画の方が好きだった記憶があるけど。

 

正直ミュージカルなディズニー映画は好きだけど、ディズニーランドはそんなに燃えない(着ぐるみが苦手w)私としては、ディズニーランドに行って冷めてるトラヴァース夫人は結構共感できた。ディズニーランドに連れて行ってもらって気持ちが変わるのかと思ったら、きっかけはそれじゃなかったのね。

 

映画のバンクス氏とゴフ氏(パパ)はずいぶんイメージ違うけど、あの映画の堅物バンクス氏、結構好きだな。凧があそこまで重要アイテムだとは。映画はもちろんラスト凧だからいいけど、舞台は凧はそこまで重要じゃないのがもったいないな。原作読んでみなきゃだけど。

 

舞台の凧は2幕始めに軽く凧揚げする以外は、2幕後半バンクス氏が床に落ちてるのを拾ったりするんだったけど、どの場面だったかあまり覚えてない。銀行行く前だよね?で、帰って来てから子供部屋で家族4人集まって、凧をじゃじゃーんって出すだけだっけ?で、最後はMPが去っておしまい。うーむ。

 

Saving Mr Banksの映画見ても、トラヴァース夫人がそこまで映画版MPを気に入ってるとは思えないんだよね。あの映画見て、原作の続編の映画化は拒否し続けたらしいし、舞台化もイギリス人スタッフを使うように厳命したらしいし、そこまで出来に喜んでるわけでもなさそうかも。

 

けど、ウォルトが説得に押し掛けるところのシーンは素晴らしかった。あの場面でこの映画とMPの映画がすべて説明されてる。

 

あと、過去と現在と作成風景の3段構成が、個人的には結構好きだった。銀行の歌とパパの演説が重なるところがすごいよかった!けど舞台版は銀行の歌ないんだよね。。

 

あと、MPのモデルになったおばさん、セリフ一つ一つがMPそのままで、まじめなシーンなのに笑ったwSpit-Spot!とか有名なせりふオンパレードw

 

あとママの抱いてる赤ちゃんがうちの子と同じくらいで、苦労がしのばれたよ。。見た目がウィーン版のママと結構似てる。

 

舞台版MPのママは、映画みたいな活動家じゃなくて、元女優の主婦なの。で、調べたら、トラヴァース夫人も元女優。

 

トラヴァース夫人は父はアイルランド、母はスコットランド人で、オーストラリアに移住。父の死後22歳でイギリスへ戻り、叔母が育ての親なんだって。映画で、詩で賞を取ってたのも伏線だね。

 

あー。MP知ってれば知ってるほど、この映画色々小ネタや伏線があって面白い!もう一度最初から見直したいわ。そして原作読み終わったら、映画、舞台、原作、どれが一番好きか考えてみよう。

 

しかしディズニー映画ってどれもミュージカル的には大好きだけど、原作者になってって言われたら困ると思うわ。。だって、原作は枠組みになるくらいで、ストーリーは全然原作尊重してないんだもん。アナ雪でもリトル・マーメイドでもノートルダムでも。プーさんも原作の方が絵がかわいいし。

 

(ネタバレ)そうか、映画MPの前半の怖いパパは、守銭奴で厳しいウォルトのパパで、解雇されてからのパパはパメラ・トラヴァースのパパなのか。でもちろん、最後の凧揚げのパパは救われた二人のパパというわけ。

 

舞台MPでは厳しさも優しさも振れ幅が少なくて、キャラも薄いな。映画MPの方が極端で、パメラとウォルト二人の父親の両方を併せ持つMr Banksという側面がはっきりしていたと思う。

 

 

 

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2014-09-17 07:56 | カテゴリ:ミュージカル映画レポ

いつかやりたいなーと思っていたら、気分が乗ったので、レット・イット・ゴーのサビの部分を5か国語対訳にしてみました。

 

ドイツ語&英語&トルコ語版DVD
 

イタリア語以外は勉強したことある/話せる言葉なので、結構楽に訳せたかなー。イタリア語も読むのは楽だし、スペイン語と似てるので、半分くらいは自分で訳せた気がする。

 

なんだか、日本語の歌詞が文脈に沿ってなくて、ヒット曲用にストーリーと独立した訳になってしまっているっていう批判もよく聞くけど、それぞれの言語で、色々工夫や苦労してるんだなーって思いながら訳してました。

 

実は、一番訳しにくかったのは、原語としては一番できるはずの英語だったのも意外。「解き放つ」と訳してはみたけど、Let it goっていうフレーズ自体が訳しにくいのかな。

 

あとは、フランス語のLibérée, DélivréeがのDélivréeがDeliveredという意味じゃなくて、Releasedっていう意味なんだけど、「自由になった、配達された」って訳を間違えているサイトが多いなーと思った。

 

ドイツ語版はめっちゃ訳しやすかった。かっちりしてて明快。イタリア語は唯一英語にしてから日本語にしたけど、ラストの「寒さこそ私の我が家よ」って訳がなんだか素敵。スペイン語は「Libre soy, libre soy」のシャウトが、他の言語よりなんだか解放感があって好きだわー。

 

というわけで、五か国語対訳行きますー。

 

<日本語版>

 

ありのままの 姿見せるのよ

ありのままの 自分になるの

何も怖くない 風よ吹け

少しも寒くないわ

 

<英語版>

 

Let it go, let it go

Can't hold it back anymore

Let it go, let it go

Turn away and slam the door

I don't care

what they're going to say

Let the storm rage on.

The cold never

bothered me anyway

 

解き放つ、解き放つの

もう抑えられない

解き放つ、解き放つわ

背中を向けて扉を閉めるの

人の云うことなんて

気にしない

嵐が吹き荒れればいいわ

寒さはどうせ

気にならないのだから

 

<ドイツ語版>

 


ドイツ語版CD

 

Ich lass los, lass jetzt los.

Die Kraft sie ist grenzenlos.

Ich lass los, lass jetzt los.

Und ich schlag die Türen zu.

Es ist Zeit, nun bin ich bereit!

Und ein Sturm zieht auf.

Die Kälte, sie ist nun

ein Teil von mir.

 

自由になる、今自由になるの

力は無限大

自由になる、今自由になるわ

扉を閉めるの

時が来たわ、準備はできた

嵐がやってくる

寒さはもう私の一部。

 

<フランス語版>

 


フランス語版CD

 

Libérée, Délivrée

Je ne mentirai plus jamais

Libérée, Délivrée

C'est décidé, je m'en vais

J'ai laissé mon enfance en été

Perdue dans l'hiver

Le froid est pour moi,

Le prix de la liberté.

 

自由になって、解放されたの

もう嘘はつかない

自由になって、解放されたわ

もう決めた、行くことにする

子供時代は夏に置いてきた

冬に埋もれて

寒さは、自由の代償だわ。

 

<イタリア語版>

 

イタリア語版CD

 

D'ora in poi lascerò

che il cuore mi guidi in po',

scorderò quel che

so e da oggi cambierò!

Resto qui, non andrò più via,

sono sola ormai,

da oggi il freddo è casa mia!

 

今から出ていくわ

心が私を導く

慣れ親しんだもの忘れ

今日変わるの

ここに立って、留まるのよ

一人になったわ

寒さこそ私の我が家よ

 

<スペイン語版>

 

スペイン語
(ラテンアメリカ)版CD

 

Libre soy, libre soy

No puedo ocultarlo más

Libre soy, libre soy

Libertad sin vuelta atras

Qué más da, no me importa ya

Gran tormenta habrá

El frio es parte tambien de mí

 

自由、自由よ

もう隠れない

自由、自由よ

振り返らない自由な

もう誰も気にしないし

気にならない

大嵐が来るわ

寒さも私の一部なのよ

 

 

なかなか訳してて楽しかったです。

 

実は、この5か国語対訳は、ショップでアナ雪CDやDVDをお買い上げのお客様へのおまけチラシとして入れるつもりで作ったんですが、このおまけチラシの方には、上記の原語と日本語訳の他に、カタカナ版も付いています。

 

カタカナ版さえあれば、5か国語(日本語入れたら6か国語か。。)で歌えてしまうという、優れもの!今からアナ雪CD&DVD買った方はラッキーですね♪

 


フランス語&
英語版DVD

 


イタリア語&英語版DVD

 


スペイン語&ポルトガル語&英語版DVD

 


カラオケCD

 

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2014-07-17 00:07 | カテゴリ:ミュージカル映画レポ

「アナと雪の女王」各国語版をウィーン・ミュージカル専門店ウィーン・ミュージカル・ワールドにで取り扱うために色々調べているうちに、やたら各国語版タイトルに詳しくなってしまいました。今日はトリビア第三段です。

 

それぞれの国の言葉で、「アナと雪の女王」ってなんていうか知っていますか?アンデルセンの「雪の女王」を元にしたお話ということを踏まえて、考えてみてください。

 

まず英語版はFrozen。「凍ってしまって」といった感じのニュアンスでしょうか。

 

ドイツ語版はDie Eiskönigin - Völlig Unverfroren となります。直訳すると「氷の女王」で「完全凍解」という副題が付きますが、この副題がダブルミーニングで曲者です。

 

「完全にVoellig」と「溶けてしまった状態Unverfrohen」と単純に訳せそうですが、Unverfrorenという単語には、Verfroren(完全に凍ってしまった状態)の否定形(Un)という意味だけでなく、「大胆な、臆面もない」といった意味があり、そうなると、副題は「とっても大胆な」といった意味がダブルミーニングになるわけです。

 

副題に雪や氷から連想させる「完全凍解」とストーリーのワクワク感を想像させる「とっても大胆な」ダブルミーニングを持たせるなんて、なかなか奥が深いですね。

 

ちなみに、前作「塔の上のラプンツェル」も英題がTangled(もつれて)で、ドイツ語題がRapunzel – Neu verföhntと、似たような構成になっています。

 

ラプンツェルの副題、Neu verföhntっていうのも実はダブルミーニングで、verföhntはそれ自体で英語のTangled(もつれてしまった)という意味がありますが、Neu (Newly) が付くことで、本来のföhnen(ドライヤーで乾かす)の意味が浮き出してきて、「髪を乾かしたばかりの」という意味にもなります。

 

つまり、ラプンツェルの副題は、Tangled(英題と同じ「もつれてしまった」という意味)と、「髪を乾かしたばかりのラプンツッェル」というのダブルミーニングになっているわけですね。

 

こんな副題の凝った言葉遊びは、ドイツ語版だけに見られる特徴です。英語版も過去分詞一単語で、ぱっと見では原作タイトルが分からないという仕掛けはありますが、そこまで複雑ではないですよね。

 

「アナと雪の女王」ドイツ語版サウンドトラックCD Die Eiskönigin - Völlig Unverfroren

 

「アナと雪の女王」ドイツ語&英語&トルコ語版DVD Die Eiskönigin - Völlig Unverfroren

 

かなりドイツ語のダブルミーニングで脱線しましたが、残りの言語のタイトルを一気にご紹介します。

 

フランス語では、結構そのままLa Reine des Neiges (雪の女王)となっています。

 

「アナと雪の女王」フランス語版サウンドトラックCD La Reine des Neiges

 

イタリア語はIl Regno di Ghiaccio 。氷の王国、という意味です。

 

「アナと雪の女王」イタリア語版サウンドトラックCD Il Regno di Ghiaccio

 

オランダ語版は、Frozenのままで、オランダでのタイトルは作っていません。

 

「アナと雪の女王」オランダ語版サウンドトラックCD

 

スペイン語、ポルトガル語は、ヨーロッパのスペイン、ポルトガル版と、南米のスペイン語圏、ブラジルとの二種類ずつあるのが興味深いです。

 

スペインのスペイン語:El reino del hielo

ラテンアメリカのスペイン語:Frozen: Una aventura congelada

 

ポルトガルのポルトガル語:Frozen - O Reino do Gelo

ブラジルのポルトガル語:Frozen - Uma Aventura Congelante

 

「アナと雪の女王」スペイン語(ラテンアメリカ)版サウンドトラックCD Frozen: Una aventura congelada

 

「アナと雪の女王」スペイン語&ポルトガル語&英語版DVD El reino del hielo

 

スペイン語とポルトガル語で言語は違うとはいえ、ヨーロッパの2国はよく似ていますね。日本語に直すとどちらも「氷の王国」です。一方、ラテンアメリカでは、スペイン語もポルトガル語も「凍った冒険」となっています。

 

こうやって見ていると、前半は「雪」より「氷」派の訳題が優勢で、後半は「女王」派と「王国」派どちらもあるといった感じですね。

 

というわけで、いろいろ調べているうちに少し賢くなってしまった気がします(笑)

 

 

「アナと雪の女王」各国語版聴き比べには、「アナと雪の女王」カテゴリへどうぞ!

 

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2014-07-15 00:04 | カテゴリ:ミュージカル映画レポ

ウィーン・ミュージカル専門店ウィーン・ミュージカル・ワールド「アナと雪の女王」各国語版CDとDVD を入荷する準備中に知った、色々なトリビアをご紹介します。

 

 

今日は、どの国で何語を収録するか?という話題です。

 

日本で購入できるDVDは、日本語版と英語版の音声と字幕が含まれていると思います。

 

ヨーロッパでも、多くの国では、自国語と英語の音声と字幕をつける場合が多いのですが、今回面白い発見がありました。

 

ドイツ語版DVDは、ドイツ語と英語の他に、トルコ語が収録されているんです。これは、ドイツ語圏にトルコからの移民が多く、需要が多いからです。隣国でもないトルコの音声を含めてしまうなんて、太っ腹ですね♪

 

「アナと雪の女王」ドイツ語&英語&トルコ語版DVD Die Eiskönigin - Völlig Unverfroren

 

そして、スペインのスペイン語版DVDには、ポルトガル語とカタルーニャ語が収録されています。ポルトガルは隣国ですので、わざわざポルトガル語でDVDを製造するより、スペインと同じ市場で売ってしまったほうが経済的と言うのはわかります。

 

「アナと雪の女王」スペイン語&ポルトガル語&英語版DVD El reino del hielo

 

カタルーニャ語と言うのは、スペイン東部のカタルーニャ地方(バレンシア地方の近く)で話されている言語で、スペインではバスク語、ガリシア語と共に地方公用語となっています。

 

その中でもカタルーニャ語だけが収録されているのですが、スペイン国内や、主にカタルーニャ地方とその周辺でとても有力な言語であるために、採用されたと考えられます(特別に補助金を出して、カタルーニャ語のソフトウェアなどを作らせる場合もあるほど、普及に力を入れている言語です)。

 

こうやって見ていくと、DVDの収録言語でも、お国柄が出るんですねー。

 

 

しかし、カタルーニャ語版の音声が収録されてるくらいなら、オーストリア方言のドイツ語で1バージョン作って欲しかったなー、なんて思ったりしてしまいます(笑)。

 

オーストリアの映画の吹き替えは、9割以上がドイツで、ドイツ人の俳優が吹き替えた、標準ドイツ語のものが使われていて、わざわざオーストリアのドイツ語で吹き替えなおすことはほとんどありません。

 

けれど、オーストリアのドイツ語吹き替えという試みもないわけではなく、私が知っている中では、映画「ベイブ」(あの子豚が歌うお話です)は、オーストリアで放送されるときは、オーストリアのドイツ語で吹き替えられていて、とても微笑ましいです。

 

<大陸によって異なる言語と配役>

 

また、ヨーロッパのスペイン語ラテンアメリカのスペイン語は発音や単語が微妙に異なることで知られていますが、この映画に関しては、全く別の役者が全く別のセリフを吹き替えています。それだけでなく、映画の訳題、歌のタイトルまで全く異なるという徹底のしようです。

 

「アナと雪の女王」スペイン語(ラテンアメリカ)版サウンドトラックCD Frozen: Una aventura congelada

 

 

「アナと雪の女王」スペイン語&ポルトガル語&英語版DVD El reino del hielo

 

フランス語も、フランスのフランス語とカナダのケベックのフランス語では多少異なります。こちらは映画タイトルや曲名はそのままで、吹き替えの役者だけ別になっています。

 

各国語版だけでなく、同じ言語間での聞き比べまで出来てしまうという、なかなか奥の深い「アナと雪の女王」。みなさんも興味のある言語で聞いて、一緒に歌ってみませんか?

 

「アナと雪の女王」各国語版聴き比べには、「アナと雪の女王」カテゴリへどうぞ!

 

 

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2014-07-13 00:08 | カテゴリ:ミュージカル映画レポ

前回の記事で、ウィーン・ミュージカル専門店ウィーン・ミュージカル・ワールド「アナと雪の女王」各国語版CDとDVDが入荷したお話を書きましたが、その準備中に知った色々なトリビアをご紹介します。

 

 

当ショップでは、全キャストアルバムに配役と役者名を並べて明記すること、全収録曲名を明記することを心がけています。

 

特に前者の役名と出演者情報の併記は、世界中どこのミュージカルCDショップやデータベースを探しても見つからない情報で、当ショップ独自でまとめたものです。(出演者名を並べただけの情報は簡単に見つかりますが、役名と対応するように表記されたデータベースは、自称ミュージカルCDマニアの私が調べたところでも、他にありません。)

 

こんな情報誰が必要なの?って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身があればいいなあ、と思っていたデータベースなので、ミュージカルCDマニアの方で、「こんな情報が欲しかった!」っていう方もいらっしゃるかもしれません。

 

というわけで、今回も各国語版の出演者情報をそれぞれの言語で掘り出して併記するのに苦労しましたが、CD紹介もこれで充実しました!

 

 

特に「アナ雪」は、国によってはセリフと歌の役者が異なることもあり、調べるのは結構大変でした。。日本語版や英語版、フランス語版、イタリア語版、オランダ語版は、セリフと歌が同じ役者ですが、ドイツ語版とスペイン語版は、セリフと歌の役者が異なります

 

 

<ドイツ語版とフランス語版出演者ご紹介>

 

では、声の出演者の過去の出演作品ご紹介します。どこかで聞いたことがある声かもしれませんよ!

 

英語版のエルサのイディナ・メンゼルは、レントのモリーンやウィキッドのエルファバなどの役で出演していたことは、今回の映画で初めて知った方もいらっしゃるかもしれません。

 

ドイツ語版のエルサ(歌)はもエルファバ役者だったり、エリザベートでシシィを演じたこともあるWillemijn Verkaikで、ドイツ語圏ミュージカルに詳しい方は、名前を見たことがあるかもしれませんね。。

 

また上記の、ドイツ語版エルサの歌を担当するWillemijn Verkaikは元々オランダ人ですので、オランダ語版「アナ雪」では、歌とセリフどちらも担当しています。一人で二ヶ国語で演じているなんて素敵ですね。

 

 

こちらの25国語版レット・イット・ゴーでは、英語版、フランス語版に続いてドイツ語、オランダ語となっていますが、、このドイツ語とオランダ語が同一人物の声です。

 

「アナと雪の女王」ドイツ語版サウンドトラックCD Die Eiskönigin - Völlig Unverfroren

 

「アナと雪の女王」オランダ語版サウンドトラックCD

 

「アナと雪の女王」ドイツ語&英語&トルコ語版DVD Die Eiskönigin - Völlig Unverfroren

 

フランス語版のエルサは、ロミオ&ジュリエットでジュリエット役をやっていたこともありますが、残念ながら彼女の歌声はロミオ&ジュリエットのCD等には収録されていないようです。フランス版のドラキュラ(ワイルドホーン作品ではなくDracula: L'Amour Plus Fort Que La Mortという別作品)のCDでは、彼女の声を聞くことができます。

 

「アナと雪の女王」フランス語版サウンドトラックCD La Reine des Neiges

 

「アナと雪の女王」フランス語&英語版DVD La Reine des Neiges

 

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2011-06-03 19:38 | カテゴリ:ウィーンを舞台にした映画
ジャンル:海外情報 テーマ:ヨーロッパ
さて、もう気になりだしてから10ヶ月ほど経ってしまってますが、やっと行ってまいりました。ドナウ溺死者無名墓地Frieldhof der Namenloesnのレポです。

この無名墓地、映画Before Sunrise(邦題「恋人までの距離(ディスタンス)」のロケ地のひとつなんです。映画で初めて知って、とても雰囲気のあるいい墓地なので行ってみたかったところの一つです。

去年8月ごろに書いたBefore Sunriseのレポ群でも、一番興味を持って書いてたのがこの無名墓地。
映画Before Sunrise
http://wienok.blog119.fc2.com/blog-entry-130.html
Before Sunriseの無名墓地
http://wienok.blog119.fc2.com/blog-entry-129.html
Before Sunriseの台詞集
http://wienok.blog119.fc2.com/blog-entry-128.html
Before Sunriseロケ地情報
http://wienok.blog119.fc2.com/blog-entry-127.html

墓地の歴史なんかは、上記の無名墓地レポをどうぞ。日本語ソースないので、オフィシャルサイトを要約したりしてまとめてます。

簡単に説明すると、この無名墓地は、1845年から1940年の間にドナウの港周辺で見つかった人たちのお墓です。ドナウで溺死した人たちが、水中の渦に巻き込まれてこのあたりによく浮かんでいたのを、有志の墓守Joseph Fuchsさんが地元の家具屋に頼んで棺桶を作ってもらい、一人ひとり丁寧に埋葬した墓地です。後にこのFuchsさんは地道な功績を認められ、ウィーン市から勲章を受けています。うーん。こういう話好きだなあ。それにウィーン人も好きそうな話だ。。

で、ちょうど日曜午後にポコッと時間が空いたので、同行者に頼んで付いてきてもらった。カーナビに住所を入力すると、思ったより遠いことが発覚。映画では確か、トラム→U4と乗り継ぎしてたと思うんだが、実際の場所は11区の一番端っこ。空港のすぐ近くなので、地下鉄なんて通ってないし、公共の交通機関じゃ辿りつけない。かろうじて76Aというバスが走ってるけど、バス降りてからまだ相当歩かないと無理だとおもう。どうやって映画の二人はあんなに速く(それも間違った交通機関でww)ここまでたどり着いたんだろうww。映画のからくりだねwww。。。

この辺りはウィーン郊外の工業地帯で、大きなロジ倉庫や下水処理場なんかがある。ナビに従って車を走らせても、さびれた工場の敷地内を通ったりして、不安になるくらい人里はなれたところ。その先を行くと、Alberner Hafenというドナウの港にたどり着く。ここは河で漁業をする人たちの組合があって、おそらく漁業従事者以外はほとんど用がないのでは。漁師さんたちの魚をとる網と小屋と小さな食堂しかない、ものすごく静かなところに、Frieldhof der Namenloesnの標識はある。同行のウィーン人も、こんな所はもちろん初めて。

この墓地には1900年までの無名遺体を埋葬した第一の墓地と、それ以降1940年まで使われた第二の墓地がある。第一の墓地はなんども水没し、今は木の板で覆われていて、どこがお墓でどこが通路なのかもはっきりしない。ただ一本、Namenloseと書かれた鉄の十字架が草の中に立ちすくんでいる。

DSC06074.jpg

第二の無名墓地のほうが、この映画に登場した墓地。チャペルが入っている太った円柱の塔が見えたときは、映画そのままで結構興奮した。

映画と同じように向かって右側の階段を降りる(この階段のそばにウサギがいたんだよ!よく考えるとオーストリアの自然のウサギは茶色なので、なんであんなところに白黒のウサギがいたのか謎なんだが。。)。

DSC06069.jpg
チャペルの塔

DSC06039.jpg
チャペルの中を覗いて

DSC06038.jpg
Joseph Fuchsさんの勲章のことが書いてある

DSC06040.jpg
チャペルの建造に関して

そして、チャペルを十分調べてから、無名墓地の入り口に向かう。だんだん興奮してきた。ちょっと怖いけど。

DSC06067.jpg
無名墓地入り口。Frieldhof der Namenloesnと左側にある。

ちょうど映画の時期も6月だったので、草ぼうぼうっぷりが映画そのままで既視感がすごい。

どれも黒い鉄の十字架に白い字で名前が記してあり(無名墓地という名ではあるけど、三分の一くらいは名前が分かっている)、草は高く生えてはいるがちゃんと整備されている印象をうける。所々お花やろうそくが供えてあったり、子供のお墓はおもちゃやぬいぐるみがかけてあったりする。

DSC06052.jpg

DSC06055.jpg
Namenlos(無名死者)と書かれた十字架

DSC06051.jpg
手前のぬいぐるみがかかった十字架はSepperlという子供のお墓。

DSC06066.jpg
入り口のろうそく

とても静かで、落ち着いた静粛な気分になる。訪ねてくる人は全くいないわけではなく、時々サイクリングがてら来る人がいる模様。ウィーン人にとっては、一応名前は聞いたことがあるので、機会があれば来てみたかったと思っている場所、という位置づけのよう。

小さい小さい墓地なので、10分もあれば十分見て回れる。それにしても静かだ。ウィーン市内で、それも工業地帯の奥にあるとは信じられない静けさ。

天気がいいので少し散歩してみたくなり、駐車場の向こうの原っぱを歩いてみる。ここも牧草地と漁師の小屋しかない、耳が痛くなるくらい静かな場所。ドナウの川の流れが変わるまでは、この辺りは溺死者が浮かぶエリアだったのね。。今は、ドナウのこちら側も、対岸に見えるドナウインゼル側も、川魚を採る網くらいしか人工のものは見えない。この漁師さんたちが、今でも毎年一回、無名墓地の埋葬者を祭って船を出す日があるんだとか。こういう所で魚を採っていたら、この墓地のことがやっぱり身近に感じるんだろうね。

しかし、ちょっとこの静けさは私の中でずいぶん堪えた。ウィーンの郊外や田舎は色々行ったし、お気に入りの散歩道もあるけど、ここみたいに開けていて、人がほとんどいなくて、耳が痛くなるくらい静かなところは見たことがない。墓地だけじゃなく、この辺りの空気には、なんだか人を静粛な気持ちにさせる何かがある気がする。とてもなんとなくだけど、アウシュヴィッツ(ビルケナウの方)の静けさと少し共通する点がある気がした。
2010-08-05 18:23 | カテゴリ:ウィーンを舞台にした映画
ジャンル:海外情報 テーマ:ヨーロッパ
(なんだか調べながら書いたので、とりとめがないですが、最後のほうにちゃんとまとめてますー。)

ロケ地に行ったブログまとめ。

僕が覗いた、恋人までの距離(ディスタンス)
http://you16kafka.exblog.jp/12529755/

ほとんど定番の場所ですが、最後の写真(翌朝に二人がふらふらと歩いてくる路地)が!よくこんなところ見つけたなあ!

ウィーンで「BEFORE SUNRISE」のロケ地巡りしてみたよ?☆
http://go.travel.mag2.com/e/mag2/traveler/le-fabuleux-destin/album/10436006/

これまたほとんど定番ですが、教会の入り口が写っている!公園はStadtparkなのかなあ。背景にギリシャ神殿みたいなのが見えたので、ブルクガーテンだと思ったのだが。。

無名墓地レポ
http://blogs.yahoo.co.jp/wienergasse/21702547.html

日本人で行った人いるんだー。すごいなあ。あまりあの地域は環境よくないのだが。。(苦笑)

しかし、やっぱり、木枠の路地と電話をするカフェはどこかわからないなあ。日本語以外のソースも当たってみよう。


はい。次は英語やドイツ語のソース。

ここがさすがに結構ちゃんとしてる。

Before Sunrise filming locations
http://www.travbuddy.com/travel-blogs/41395/Before-Sunrise-filming-locations-2

やっぱり、教会はMaria am Gestadeでキマリだね。この写真では内部の写真もあるわけですが、映画のままかどうかこの写真じゃよくわからないね。。

Moelker Bastionというのは、二人がぶらぶら散歩してたところですが、ちょうど写真の右端にシューベルトの絵が写ってるでしょ?これが私のよく行くレストラン。

いい写真が多いけど、新しい発見はあまりないかな。

Before Sunrise - Wien für Verliebte im Freizeitstress
http://tylers-kneipe.de/archive/2005/12/17/before_sunrise__wien_fuer_verl

おおーー!!!ここは新しい発見が!レコード屋が!そうそう、Alt & Neuという名前だったわ。Plattenladen "Teuchtler - Alt & Neu"というのが正式名称らしい。写真もなかなかいい。


そして!!!!やっと真打発見!!!それも、以外私が日参しているミュージカルサイトに情報が。なんという灯台下暗し。。(っていうか、何でミュージカル情報サイトに映画のロケ地情報が。。(苦笑))

ここ(http://www.kultur-channel.at/die-before-sunrise-tour-auf-den-spuren-von-ethan-hawke-julie-delpy/)をスタート地点に、Before Sunriseツアーのオフィシャルサイト(http://www.afterimage.at/index.php?option=com_content&task=view&id=143&Itemid=254)を発見。

そして、こちらがロケ地まとめ(http://www.afterimage.at/index.php?option=com_content&task=view&id=145&Itemid=267)。PDF版は地図もあって便利!
http://www.afterimage.at/index.php?option=com_content&task=view&id=152&Itemid=266

というわけで、わかったことー。

・西駅はプラットフォーム7(今工事中だからどうなったのかな)
・これはもう有名な話だけど、演劇青年に出会ったのはZollamtsteg
・レコード屋Plattenladen "Teuchtler - Alt & Neu"の住所はWindmühlgasse 10, 1060
・教会はMaria am Gestade。住所はSalvatorgasse 12, 1010
・詩人に会ったドナウカナルは、アウガルテンとSalztorbrückeの間。
・最初に入ったバーはArenaの近くだった!!っていうか、映画見たときに「お、Arena映った」って思ったんだった!!
・私がよく行くレストラン、シューベルト何たらは、Mölkersteigにある。
・やっぱりSpittelbergだ!
・電話してたカフェはなんと、Cafe Sperl。有名どころじゃんー。
・Club Roxyが赤ワインをもらったところ。場所はなんとOperngasse。すごいど真ん中だねえ。
・最後にねっころがってたところがHotel im Palais Schwarzenbergってなってるんですが、ここに芝生があるの?ううむ。。住所はSchwarzenbergplatz 9。

このサイトでほとんどの疑問が解決した気がするー。しかし、未解決の疑問がまだいくつか。。

・最後にねっころがってた所だけは現地を見に行って見ないと何ともいえないねえ。。
・上の日本人のレポにあった、翌朝ぶらぶら手をつないで歩いていた路地の場所もわからない。
・木枠の路地はやっぱり一番難しいか。。ここは誰も見つけた人がいなさげだぞ。。

しかし、このツアー、今年の6月に実際行われてたらしい。そして、写真が上がっている。かなり面白い。。

http://www.flickr.com/photos/kinountersternen/page3/

その他トリビア(http://www.duncanjdsmith.com/uploads/phjpri/viennabeforesunrise.pdf

・上記のMölkersteigにあるレストラン、シューベルト何たらの名前はDreimäderlhaus(三人の女の子の家)。シューベルトが三人の女の子を同時に口説いたんだとか(笑)
・クライネスカフェーはウィーンで一番小さいカフェ。オーナーHanno Pöschlは俳優でもあり、最初の電車のシーンで喧嘩する夫婦を演じている。
・クライネスカフェーのある広場はFranziskanerplatz。ここにはフランシスコ派の教会がある。また、修道院も隣接している(だから映画ではあんなところで修道士が出てきたのね)。また、中央にあるモーゼ像のオリジナルはナチスに溶かされた。
・Zollamtstegの橋はウィーン川にかかっている。設計はオットー・ワーグナー。
2010-08-05 14:07 | カテゴリ:ウィーンを舞台にした映画
ジャンル:海外情報 テーマ:ヨーロッパ
なんだか色々出て来ますが、今回は自分メモで気に入った台詞を集めてみた。

(木枠の上で。神について)
Celine: I believe if there's any kind of God it wouldn't be in any of us, not you or me but just this little space in between. If there's any kind of magic in this world it must be in the attempt of understanding someone sharing something. I know, it's almost impossible to succeed but who cares really? The answer must be in the attempt.

(ジェシーがセリーヌをウィーンで電車から降ろそうとする口説き文句)
Jesse: Alright, alright. Think of it like this: jump ahead, ten, twenty years, okay, and you're married. Only your marriage doesn't have that same energy that it used to have, y'know. You start to blame your husband. You start to think about all those guys you've met in your life and what might have happened if you'd picked up with one of them, right? Well, I'm one of those guys. That's me y'know, so think of this as time travel, from then, to now, to find out what you're missing out on. See, what this really could be is a gigantic favor to both you and your future husband to find out that you're not missing out on anything. I'm just as big a loser as he is, totally unmotivated, totally boring, and, uh, you made the right choice, and you're really happy.
Celine: Let me get my bag.

(木枠の上で。ジェシーが夫や父親になることについて)
Jesse: Sometimes I dream about being a good father and a good husband. And sometimes it feels really close. But then other times it seems silly like it would ruin my whole life. And it's not just a fear of commitment or that I'm incapable of caring or loving because... I can. It's just that, if I'm totally honest with myself I think I'd rather die knowing that I was really good at something. That I had excelled in some way than that I'd just been in a nice, caring relationship.

(親子関係について)
Jesse: Everybody's parents fucked them up. Rich kids parents gave them too much. Poor kids, not enough. You know, too much attention, not enough attention. They either left them or they stuck around and taught them the wrong things.

(人生の難しさについて)
Jesse: I don't know, I think that if I could just accept the fact that my life is supposed to be difficult. You know, that's what to be expected, then I might not get so pissed-off about it and I'll just be glad when something nice happens.

(人間の魂のかけらの大きさについて)
Jesse: OK, well this was my thought: 50,000 years ago, there are not even a million people on the planet. 10,000 years ago, there's, like, two million people on the planet. Now there's between five and six billion people on the planet, right? Now, if we all have our own, like, individual, unique soul, right, where do they all come from? You know, are modern souls only a fraction of the original souls? 'Cause if they are, that represents a 5,000 to 1 split of each soul in the last 50,000 years, which is, like, a blip in the Earth's time. You know, so at best we're like these tiny fractions of people, you know, walking... I mean, is that why we're so scattered? You know, is that why we're all so specialized?

(時間と余暇について)
Jesse: You know what drives me crazy? It's all these people talking about how great technology is, and how it saves all this time. But, what good is saved time, if nobody uses it? If it just turns into more busy work. You never hear somebody say, "With the time I've saved by using my word processor, I'm gonna go to a Zen monastery and hang out". I mean, you never hear that.

(愛と自己犠牲の自分勝手さについて)
Jesse: I kind of see this all love as this, escape for two people who don't know how to be alone. People always talk about how love is this totally unselfish, giving thing, but if you think about it, there's nothing more selfish.

(恋愛関係の永遠について)
Jesse: Why do you think everybody thinks relationships are supposed to last forever anyway?
Celine: Yeah, why. It's stupid.

(結婚について)
Jesse: Listen, if somebody gave me the choice right now, of to never see you again or to marry you, alright, I would marry you, alright. And maybe that's a lot of romantic bullshit, but people have gotten married for a lot less.
Celine: Actually, I think I had decided I wanted to sleep with you when we got off the train. But now that we've talked so much, I don't know anymore.
Celine: Why do I make everything so complicated?

(愛と相手を知ることについて)
Celine: When you talked earlier about after a few years how a couple would begin to hate each other by anticipating their reactions or getting tired of their mannerisms-I think it would be the opposite for me. I think I can really fall in love when I know everything about someone-the way he's going to part his hair, which shirt he's going to wear that day, knowing the exact story he'd tell in a given situation. I'm sure that's when I know I'm really in love.