2013-06-04 05:22 | カテゴリ:オペラ
観劇は4月22日だったと思うんですが、またもやずいぶんずれ込んでしまいました。。

チャイコフスキーのオペラ、Eugen Onegin「エフゲニー・オネーギン」を見てきました。今回の目玉は、なんと言ってもウィーンで一番有名な歌姫、アナ・ネトレプコ!

オペラに興味がなくても、アナ・ネトレプコトとロランド・ヴィラソンを知らない人はいないくらいのスーパースターの一人。私は一度大晦日のオペラ座の「こうもり」で、旦那さんのアーウィン・シュロットとゲスト出演したのを聞いたっきりで、オペラで聞くのは初めて。

ヴィラソンのほうは「愛の妙薬」で見て、もう彼の歌声の波動のすごさに朦朧となりかけたんだった。ネトレプコはそれほどのショックは感じなかったけど、艶のある歌声と細かい演技がやっぱりすばらしい。

席は2. Roge 4辺りの2列目で、かなり角度が悪くて見えにくかったけど、立てば十分見えたので、お値段の割に十分楽しめました♪

●あらすじ

いやあ、こんなに読んでてむかむか来るあらすじも珍しいよね。(爆)

ロシアの田舎娘のタチアーナは、恋に恋する娘さん。姉の婚約者レンスキーの隣人、オネーギンに一目ぼれして、ラブレターを書きますが(このラブレターで1場!タチアーナ独壇場ですばらしい!)、モテモテ自由人オネーギンは「俺は身を固めるつもりはない」といって、冷たく断ります。

オネーギンはモテモテなのを言いことに、友人レンスキーの婚約者(タチアーナの姉)とパーティーで踊りまくり、タチアーナは悲しむわ、レンスキーは怒り狂うわ。結局レンスキーとオネーギンは決闘をすることになります。

決闘でレンスキーは死に(それも、演出ではレンスキーが銃をそらした瞬間にオネーギンが撃つという悪っぷり)、オネーギンはなんだか「俺の人生は最悪だ!」みたいな歌を歌って幕。(←自業自得だよ!とつっこみたくなるw)

最後の3幕は、26年後。田舎娘だったタチアーナは、都会の金持ちと結婚し、愛されて豪華な生活を送っている。一方、退屈しのぎにふらふらと旅から旅へとさまよっていたオネーギンは、旅にも飽きて帰ってきて、女王様のような気品を身に付けたタチアーナと出会う。

今度こそ俺の女だ!と確信したオネーギンは、手練手管を使って惚れさせようとがんばる。タチアーナもオネーギンが好きだったことを思い出すが、相当エモーショナルなやり取りの後で、タチアーナが「私はもう、夫との人生がありますので、邪魔しに来ないでください」ときっぱり。オネーギンは再び「俺の人生は呪われている!」と嘆き悲しみ、幕(←だからあんたが一番悪いんだってばw)

●つぶやきまとめ

それでは、観劇直後のつぶやきまとめですー。


オペラ「エフゲニー・オネーギン」あらすじ読んだ。見事に自業自得としか言いようがない。オペラのあらすじって、読み終わったら苦笑することが多いわ。だからといってオペラ凄くいいこともあるのが不思議。

というわけで、アナ・ネトレプコのエフゲニー・オネーギンに来てますーーーー!!!ネトレプコのオペラは初めてー!(大晦日のこうもりで歌ってくれたけど。)堪能してきますー!ドキドキするー。

オペラ「オネーギン」。ネトレプコすごいなぁ。感情移入とか表情とかがとてもいい。もちろん歌も。手紙の歌の感情の移り変わりが素晴らしかった!それ以外のみなさんも素晴らしい!死んじゃったけどレンスキー、ブラボー!オネーギンは悪い奴過ぎる。。

オネーギンがほんとに嫌なやつ過ぎて、オペラ史上一番悪い男なんじゃないだろうか。自分の好き勝手に生きて、色んな人を気まぐれに傷つけて、最後にやっぱりこの女がいい!って言って、既に結婚している自分が振った女に猛アタック。振られてザマミロw

ネトレプコすごい良かったー!なんだろう、Villazonみたいに声が人間離れしてるとかそういうわけではないんだけど、艶があって表情豊か。演技も細かくて、結構好みなんだよね。前半の田舎娘っぷりと、ラストの上流奥様の差がすばらしい。上流奥様の演技の流し目が流石!

レンスキー役(テノール)がすばらしかった!かわいそすぎる。。それも、レンスキーとオネーギンが雪合戦しながら登場するトコ、2人とも全然タイプの違うイケメンで、なんかホストクラブかと思ったw。レンスキーは純粋なほんとにいい男。彼女オネーギンに取られてかわいそうー。

オネーギンは白髪長髪の不良中年風バリトン。自由人というか、結婚とかに縛られないモテモテ男で、こんな男に惚れたタチアナが男見る目なかったのかな。。しかし26年後に再び出会って愛し合うとか。。

昨日のMusical Meets Opera4で当日飛び入り代役だったNobert Ernstが出演しててびっくり!フランス語で歌う変なスターみたいな人。一曲だけなのにインパクト強かったわ(笑)。まさにMusical Meets Operaな体験した感じw

演出は白黒でシンプルながら、効果的でなかなか良かった。ロシアだからってひたすら雪降ってたけどw。氷の様に半透明なブロックを積み重ねたセットが秀逸。パーティーのシーンがよかった。最後のシーンだけ、ガラス張りの床に大階段と超豪華風。アクロバティックな男達も見てて楽しかった♪




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2013-04-15 09:48 | カテゴリ:オペラ
パルジファルを見て、ワーグナーのオランダ人以降の10作品のうち、8個を見た事になるので(トリスタンとジークフリート以外)、ここで見た作品の感想を一言でまとめておきます。長文書きの私にしては、一言感想は逆に難しい(笑)。


オランダ人:オランダ人の絵に一目ぼれして命まで差し出すセンタ激しすぎ(笑)。

ローエングリン:喧嘩売ってる巨大アヒルの演出にプンプン。

ターンホイザー:精神病院の演出が応えた。。

マイスタージンガー:豪勢なタイトルなのに、単なる歌合戦のお話だったw。

パルシファル:主人公アホな野生児過ぎw。オス!おら、パルシファル!w。

ラインの黄金:岩人間ゴロゴロ。

ワルキューレ:ワーグナー最高峰!オペラ最高峰!深い!超号泣!!

神々の黄昏:三幕最高!オケだけでも泣ける泣ける!

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夜のオペラ座。ひょろ撮影。

って、こんな適当な感想。。(笑)けど、ワルキューレは話が深すぎて、もうどう考えても、これはオペラと言うより哲学。ほんと、ものすごい圧倒されたよ。。

ワーグナーは音楽もぐんぐん引っ張られて思いっきりハマってしまうし、何より内容がものすごく濃くて深いので、見ながら頭フル回転!字幕は読めば読むほど哲学的で、考えるのが超楽しい!ワーグナーを見る時は、オペラを見る気持ちとはまた違って、なんだか、難解な古典文学に挑戦してるような知的興奮があるわー。

IMG_6718.jpg
オペラ座内部。ひょろ撮影。

しかし、ワーグナーは現代演出に蹂躙されてることもあるので、要注意。国立オペラ座のリングやオランダ人、パルジファルなど、は象徴的な現代演出だけど嫌味なところはなくて、結構スムーズに受け入れられる。

その反面、ローエングリンを筆頭に、観客にけんかを売っているような演出があることも確か。ローエングリンはもう、笑うしかないwww。白鳥の代わりに巨大なゴムアヒルwwww.子供のおもちゃのような新居の家www極めつけは、ハリボテで赤子の王子ww

ローエングリンはこの演出が初演された数年前、批評もあまりに酷くてウィーン中大騒ぎww。フォルクスオーパーのこうもりで、「独房はローエングリンの演出家のために空けてあるよ」というアドリブ台詞が飛び出したほどww

あと、タンホイザーは精神病院を舞台にしていて、結構見ててキツかった。。

ワルキューレは逆に、あの巨大な馬のセットがめちゃくちゃかっこいい!!!神々の黄昏の大好きな3幕は、巨大なセリを使ったスケールの大きい演出が鳥肌物!ワーグナーの音楽にハマる演出は、ほんとすばらしいよねー!

というわけで、あとトリスタンとジークフリート、焦らず見にいける機会を待ちたいと思います。フォルクスオーパーで、リング4作品まとめ舞台をやってるので、そのうち見に行きたいなー。


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2013-04-13 09:38 | カテゴリ:オペラ
ワーグナーのオペラ「パルジファル」Parsifalをウィーンの国立オペラ座で見て来ました。結構オペラ久しぶり。ワーグナーはさすがに、長時間立見は厳しいので、できれば座って見たいところ。

特にパルジファルは5時間!けど、終わってみたらあまり長さは感じず、集中して見れたと思う。やっぱりワーグナーは内容が濃いから、長くても考えながら見てしまうから、時間が経つのが早いわー。

こないだ一眼で撮影した、豪華なオペラ座内部の写真の写真をどうぞ!

IMG_6702.jpg

それでは、観劇後のつぶやきをまとめておきますー。

オペラ「パルシファル」見てきた。 5時間の超大作!ストーリーが難解で頭使ったー。残念ながらヨナス・カウフマンは病気で代役。キャストはみんな良かったー!指揮のヴェルサーメスト氏も飄々と良かった。

オランダ人以後のワーグナー10作品のうち、トリスタンとジークフリート以外の8つ見たことに。パルシファルが最長。座って見れて良かった(笑)。2rang,loge4左だったので、多少見切れたけど、三幕は前列に座れてラッキー。

難解な作品で、ストーリーも宗教がかってたり、聖杯伝説に基づいてたりで、哲学的。考えれば考えるほど解釈が色々で面白い!もちろんアーサー王の聖杯探求の荒野の城や不治の傷の王など、モチーフが重なってるので、知れば知るほど奥が深い!

一幕、二幕はワーグナーらしくテキスト沢山、内容盛り沢山、字幕読んでは発見の連続で長さを感じさせない。三幕はなんか音楽が多くて歌詞が少なく、急にテンポが落ちる。魂の救済もあれだけ引っ張った割に、サラッと流されたりで、多少消化不良。

一幕は最後の晩餐、三幕はKarfreitag(聖金曜日、イースター直前の金曜日で、キリストが磔にされた日)の話なので、聖金曜日前日の今日にシーズン初日なのは狙ってやったのね。今年はワーグナー記念の年だし。

一幕はなんと脱衣所が舞台(笑)。不治の傷を負った王様が温泉に入るんだけど、騎士たちも半裸で出てきて服の着せあいっことかw。パーシヴァルが白鳥虐めるとか、無垢な英雄か?色々でアホ過ぎな主人公w野生児なのね。部下のおじさんが出ずっぱりで頑張ってた。

一幕後半は王の城。死にかけ先王と血まみれ王がすたボロ。最後の晩餐的に、騎士たちがパンとワインで晩餐。聖なる槍(ロンギヌス)に不治の傷を負わされた王は、キリストと重ねてる?巨大セリを多用した、迫力の人海演出。

二幕はスキンヘッドの悪役Kringsorの館。独裁者的な演出がよかった。悪女Kundryは神を笑った罰で、聖杯探求者を誘惑しては探求できなくさせるのが仕事。パーシヴァルが攻めて来ると大量の女達が誘惑大会wここのコーラス迫力だったー!Kundryの歌も感情的ですごい!

パーシヴァルはKundryに誘惑されてキスしちゃってから、王の苦境を理解する。王も似たように誘惑されて、聖なる槍を手放しちゃって刺されたんだよね。自業自得故のいえない傷。無知な野生児だったパーシヴァルはここで知識と同情を得る。

スキンヘッドが投げた槍を空中キャッチする演出がどうなるかと思ったら、スキンヘッドが光る槍を投げるふり→暗転→パーシヴァルが似た別の槍を掲げる、の流れで、槍を投げたことにしてた。子供騙しすぎて笑ったw

三幕は音楽が長くて内容薄い。前半が、今日は聖金曜日で荒地にお花が咲いたね、後半が先王の死から王や悪女、騎士たちの救済。間のオケの低音迫力!救済のところはなんか消化不良気味。聖杯も引っ張った割に、二つに割れたゴムの植木鉢だし、よく意図がわからん。。

ワーグナーが宗教祝祭劇にしたかったらしく、一幕後は拍手禁止(バイロイトとウィーンのみの伝統)。拍手がかなりあったけど、ワグネリアンが激しくシーシー言って拍手禁止をアピールしてた。別にいいじゃん。。エリザのHassだってそこまで厳しくないんだし。

かなり特別な公演だったので、客席にセレブもちらほら。国民議会議長(女性)、往年のフィギュアスケーター、ORF社長など。入口階段では、総監督のドミニク・マイイェー(カタカナではこんな感じで呼ばれてる(笑))が常連に挨拶してたわ。

しかし、パーシヴァルのお話はいろんなバージョンや説があって奥が深いー。ローエングリンはパーシヴァルの息子だしね。聖杯を見つけたのもガラハッドじゃなくてパーシヴァルと言う本もあるし。


IMG_6719.jpg

Parsifal
Richard Wagner

Franz Welser-Möst | Dirigent
Christine Mielitz | Regie
Stefan Mayer | Bühne
Stefan Mayer | Kostüme
Simone Monu | Kostümassistenz
Katja Schindowski | Bühnenbildassistenz

Tomasz Konieczny | Amfortas
Kwangchul Youn | Gurnemanz
Christian Elsner | Parsifal
Evelyn Herlitzius | Kundry
Andreas Hörl | Titurel
Wolfgang Bankl | Klingsor
Stephanie Houtzeel | 1. Knappe
Ulrike Helzel | 2. Knappe
Wolfram Igor Derntl | 3. Knappe
Marian Talaba | 4. Knappe
Benedikt Kobel | 1. Gralsritter
Janusz Monarcha | 2. Gralsritter
Ileana Tonca | Erstes Blumenmädchen 1.Gruppe
Olga Bezsmertna | Zweites Blumenmädchen 1.Gruppe
Margarita Gritskova | Drittes Blumenmädchen 1.Gruppe
Anita Hartig | Erstes Blumenmädchen 2.Gruppe
Caroline Wenborne | Zweites Blumenmädchen 2.Gruppe
Zoryana Kushpler | Drittes Blumenmädchen 2.Gruppe
Monika Bohinec | Stimme von oben



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2012-12-31 09:42 | カテゴリ:オペラ
(いつ行ったんだっけ。。手元に記録がないけど、12月前半の週末だった気が。。(汗))

急にチケットをもらえたので、ラ・ボエーム3回目見てきました。既に2回見てるしいいかなー、と思ったんですが、一番好きなオペラだし、好きな歌手がこの作品で歌うのは見たことなかったので、まあ、久々だし、行こうかなーと軽い気持ちで観劇。ウィーンに戻ってまだ二日目だし、調子もまだ戻ってないので、当日寒すぎてふらふらになったりしてましたが、なんとかオペラ座までこぎつけた。

この作品は、なんと言っても舞台美術がありえないくらい美しい!4幕あるんですが、幕が開くごとにため息が。それも、2幕は特に最高に美しく、客席もため息や拍手であふれかえる。

あと、ミュージカルファン的に嬉しいのはもちろん、これがレントの原作ってことね。役目もロドルフォとかマルチェロって呼ばずに、ロジャーやマークって呼んじゃうしねw。レントと同じく、ロジャーとマークとコリンズとエンジェルが仲良くじゃれてるのが楽しい♪それに、やっぱりオペラからミュージカルにした時にどこをどう変えたのか、なぜ変えたのかを考えながら見ると面白い。詩人のロドルフォ→シンガーソングライターのロジャー、画家のマルチェロ→映像作家のマーク、歌手のムゼッタ→パフォーマーのモーリーン、お針子のミミ→ストリッパーのミミwみたいにね。

あと、レントに登場した「ムゼッタのワルツ」がやっぱり一番好きかも。他にも、ミミとロドルフォの初対面の曲とか有名な曲はいっぱいあるんだけど、やっぱりムゼッタのワルツが明るくてハッピーエンドで好きだわー。

この作品2幕が好き過ぎて、1幕と2幕見たらもう帰ってもいいくらいいい気分。3幕と4幕は暗いからね。。2幕は、あの史上最も美しい舞台美術に、人海演出、沢山の子供たち、クリスマスマーケット、本物のロバが引く荷車、上の段には教会帰りの女性たちや、兵隊のラッパパレード。もう、幕が開いた瞬間だけじゃなくて、音楽にあわせた演出の切り替えや人の波が美しすぎる。おまけに、ムゼッタのワルツの最後でマルチェロとムゼッタ仲直りするしw

そういえば、1幕のロドルフォとミミの初対面のシーンも、Could you light my candleの歌と丸かぶりだよねー。鍵落とすとか、月の光とか、手を触るとか。ほんとこのシーン好きー。

●キャスト編

オペラ歌手のレポを書くのもおこがましいほどオペラ歴少ないんですが(30-50回くらい?)、今日はキャスト目当てでもあったので、ちょっとだけ。。

大好きなAdrian Eroedが一番好きな役のマルチェロだったのー。レントで好きな歌手がマークやると思ったら、急にワクワクしない?(笑)

Adrianは歌がそつない上、演技が細かい!オペラ歌手なのに、舞台上で誰も見てないようなところで細かい演技するのが見てて楽しいの!表情もいいし、動きが面白い!

今日なんて、1幕でロドルフォの原稿を燃やして暖を取るところ、暖まったストーブの側面にへばりついて、めちゃくちゃ暖かそうにしてるんだもんー。手をこすったりするだけじゃなくて、足の裏をへばりつけたりw。表情も「もう天国じゃ」ってうっとりしてるの。オペラでここまでリアルな演技とか最高じゃない?(笑)

あと、大好きなムゼッタのワルツ。前半はムゼッタソロで、後半はマルチェロも一緒に歌うの!この部分がもう盛り上がりまくりで、思わず客席で悶絶wオペラってミュージカルほど悶絶することが少ないんだけど(ミュージカルは一作品何回悶絶することかw)、ここは思いっきりうっとり聞いてました。

さて、Adrian Eroed以外だけど、女性陣がよかった!!ミミがすごくよくて大満足。確か1回目のラボエームのミミが有名な人だったんだけど、その人より今回の方がよかったー!大音量は思いっきり出すし、死ぬところのささやくような歌声も響く響く!

ムゼッタはムゼッタのワルツくらいだけど、これまた大げさなくらいのモテモテ演技が好感度大。3幕のマルチェロとの大喧嘩も、声はほとんど出さないのに(ミミとロドルフォが歌ってるから)、演技でめちゃくちゃ怒ってモノ投げつけたりして、激しくて笑ったw。それに負けないマルチェロもw

ロドルフォは、1幕のラブソングですごいブラボーだったんだけど、個人的にはミミほど声量がなかった気が。目をつぶって聞いても、オーケストラの大音量(こちらはすばらしく文句なし!)のほうがよく聞こえて、キーンとしたテノールはそれほど響いてこなかったかな。あと、オケより少しテンポが速い出だしが多かった気が。

そういえば、指揮者はウェルザーメスト氏で、別によく見てるから珍しいわけじゃないけど、結構久々で懐かしかった。盛り上げるところはどかーんと盛り上げてて、結構好みの演奏。彼はもうちょっとさらっと淡白なのかと思ってたわ。

さて、エンジェルとコリンズ。エンジェルは長髪イタリア系の目立つルックスwコリンズは白髪の太ったおっちゃんwしかし二人は仲良しw。

いや、ラボエーム3回目だけど毎回キャストが全然違って、この男4人組のルックスも演技も、毎回全然違うのがめちゃくちゃ面白い。前回はエンジェルとコリンズは若くてアジア系。ロドルフォとマルチェロはおっさん、って感じだったなあ。

今回はロドルフォとマルチェロは若くて二人とも似た雰囲気。エンジェルがラテン系優男でコリンズは丸いおっちゃん。こんなに全然雰囲気が違う4人でも、1幕や4幕でじゃれあってたら、すごい仲良さそうでほほえましいわー。

コリンズのコートの歌(4幕)は相変わらず好きーー。今日の人も感情深く、じっくりと丁寧に歌ってくれたので、なきそうになったわー。この歌、レント的には、コリンズがコートを取られて、それをエンジェルが買い戻すシーンと重なるのよねー。

で、ラスト。時差ぼけで4時起きな上、幕間でシャンパン飲んでしまったので、立たないと見えない席なのに座ってうとうと観劇。話は知ってるので、舞台見えなくても全然問題ないんですが、死にかけミミのささやくような美声にうっとりしながら目をつぶって聞いていたら、いきなり静寂が訪れて、びっくりして目を開けたら、ミミ死んでたw

けど、ちょうど死角でミミが死んでるのかよく見えなかったので、他キャスト見てると、ほんと死んだのかよく分からないしwっていうか、ロドルフォ自身が分かってなかったしw。

で、死んだの?もう?って思ってる間に、ロドルフォのミーーーーーーミーーーーーの絶叫になるわけ。ああーーーー!!!絶対ここ泣くーー!!!!絶叫が。。。ああ。。。。。

これで、あっけなく幕って言うのも、なんか悲しいよねー。しかし、今回ミミが死んだ瞬間を見逃したおかげで、ロドルフォの「え?死んだの?いや、違うだろ」的な動揺を一緒に体験できて、貴重だったかも。

●まとめ

というわけで、オペラとしてはかなり好きなこの作品。好きなキャストが好きな役をしてくれて、他のキャストの組み合わせも楽しめ、おまけにとてもドラマチックなミミも見れて、大満足でした!オペラ座に着くまでが劇寒だったけどw。

La Boheme
|Giacomo Puccini

Franz Welser-Most | Dirigent
Franco Zeffirelli | Regie
Franco Zeffirelli | Buhnenbild
Marcel Escoffier | Kostume

Piotr Beczala | Rodolfo
Anita Hartig | Mimi
Adrian Erod | Marcello
Valentina Nafornita | Musetta
Alessio Arduini | Schaunard
Dan Paul Dumitrescu | Colline
Alfred ?ramek | Benoit
Alfred ?ramek | Alcindoro
N.N. | Parpignol
N.N. | Sergeant
N.N. | Zollwachter
N.N. | Obstverkaufer
2012-06-18 06:38 | カテゴリ:オペラ
見たいと思った頃にはもう売り切れてた公演。売り切れだと更に見たくなるけど、もう諦めきってたところ、急にチケットが天から降ってきました(笑)。

夫の両親が、そんないい公演とは知らずに予約してて、それとは知らずにチケットくれたの!(爆)それも、最終公演じゃないですかーー!!

というわけで、当日の昼ごろチケットもらって、そのままオペラ座にGO!

●あらすじ

なんだか、ヨーロッパのロイヤルファミリーの痴話げんかって、オペラで好まれるネタなんだろうか。よくあるよねー。ドン・カルロスとか。

エリザベス1世が臣下のロベルト・デヴリューに惚れてるのに、ロベルトはサラに惚れてて、サラはノッティンガム公の妻、という、出口のない四角関係。

ストーリーはひたすら、エリザベス一世がロベルトに「私のこと好きなの?!嫌いなら(別容疑で)死刑!」ロベルトはサラとラブラブ、ノッティンガム公はまさか親友(ロベルト)とサラがラブラブとは知らずいいヤツ、って感じ。で、途中でサラがロベルトにあげた青いスカーフから、ノッティンガム公に浮気がばれて、最後にはエリザベス1世がロベルトにあげた指輪から、ロベルトが好きなのがサラだとばれる。

それでもエリザベス1世は、死刑を取りやめようとするが(気まぐれ。。)、時既に遅く、ロベルトは死刑。エリザベス1世はショックを受けて王位を降りる、と言うお話。

史実完璧無視なんですが、その辺はいいんですかねw。それも、皇室やら政治やら絡んでくるのに、登場人物少なすぎw。ドン・カルロス的にツッコミどころ満載なんですが、その辺はストーリーを尊重するのが大人のオペラの見方なのかしらw。とにかく、甲斐さんが、私の第二の故郷のノッティンガム公なのでうれしかったよw。

あと、イギリスのお話なのにみんなイタリア語だし、エリザベス1世はエリザベッタってww。そのくせ、ノッティンガムはノッティンガムなんだねw。

●全体の感想

すばらしかったー。あらすじ読んでたら、超退屈になりそうなストーリーなんだけど、もう主要4人がすばらしくて、全く飽きさせない迫力!!ひたすら4人が交代ばんこに歌うだけなんですが、もうどれもこれもすばらしい!!ソロもデュエットももう、最高!!!

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演出はほぼずっとこのまま。(オペラ座サイトより)

衣装は久々にクラシック。演出も激しく主張はしてないけど、きっちりしてて、嫌味のない感じでした。劇場のボックス席のような書割が、新鮮だけど効果的。10人のエリザベス1世の影武者と、最後のガラスの張りぼてエリザベス1世にはびびったけど。最後あれなんだったんだ。。ずっとセット一個だけでやってきたのに、最後の最後であれどどーんってww(Logeの後ろだったので、全体の演出が見えてないので、知らない動きがあったかもですが。。)

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張りぼてエリザベス1世(オペラ座サイトより)。前には髪をかきむしってカツラを取ったグルヴェローヴァ。

●キャスト編

・グルヴェローヴァ@エリザベス1世

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グルヴェローヴァのエリザベス1世(オペラ座ウェブサイトより)

そしてなにより、グルヴェローヴァ様!!前ルクレッツィア・ボルジア(コンサート形式)聞いてるので2回目なんですが、役柄も違うし、すごかったー。60歳超えてるとは思えない声のパワーと聞かせっぷり!

特に1幕は、もうグルヴェローヴァの独壇場!最初っからぶっ飛ばしソロ2曲!そして、甲斐さんノッティンガム公ソロ!ロベルトさんタイトルロールなのに、影薄いwww(後半しっかり歌います)

いやあ、ほんと1幕すばらしかった。1幕だけでも既にずいぶん大満足。グルヴェローヴァって、普通に歌声も尋常じゃないけど、小さい声がものすごい響くのと、コロラトゥーラが絶妙なのねー。あと、60歳超えてるとは思えない声の艶!!!

もう、字幕も舞台も見ずに、目をつぶって聞いてたんですが、艶がすごい!なんていうか、固く卵白あわ立てたメレンゲに砂糖を加えたら艶々になるでしょ?その艶々でふわふわの卵白の上で飛び跳ねてる感じなのー。

しかし、音程が完璧にあってるわけじゃなかったところもあって、そろそろやっぱりお年なのかしら?と思ってたら、帰ってインタビュー記事読んだら、あれはわざとらしい。感情の起伏の激しい役なので、音は完璧に合わないほうが自然だ、と言う考えみたいね。

2,3幕は、1幕に比べて多少エネルギーは落ちたけど、やっぱり演技も含めて迫力!演技的には、2、3幕はどんどん狂気になってくるからねー。しかし、あのお年で、あれだけ歌って、あれだけテンション保てるってすごいわー。

最後は、赤い髪をかきむしって、カツラをむしりとる狂気っぷり。帰ってORFIIIでやってた、2010年のミュンヘンの同じ作品でも、カツラむしりとってました(笑)。

そうそう、衣装がすごくて、まさにエリザベス1世なんですが(エリがものすごいエリザベスw)、動くと衣擦れの音がわっさわっさすごかったw。あと、首飾りが話が進むたびに増えてたのは意味があるのか?最後はそれをむしりとってしまったので、意味があったっぽい。しかし、久々にクラシックな衣装で嬉しかったかも。高そうな衣装なのに、影武者10人も同じ衣装だから大変ねー(笑)。

・甲斐さん@ノッティンガム公

いやあーーーー!すばらしかったーーー!!!大満足ーーー!!!

もう5,6年前から、甲斐さんが出演していたのは見ていたんですが、「日本人みたいだ、がんばれー」と他人事だと思ってたんです。それが、あれよあれよと思う間に、本人にお会いできてしまうとは!それも、結構おしゃべりまでしちゃって(それも私はアホなことばっかりしゃべってww)、光栄です!直接お会いしても、カジュアルな服装までかっこよくて、声がすごい深くて、素敵な方でした♪

お会いしたのは2週間ほど前のコーラスの時だったんですが、そのときに「もうチケットないですよねー、見たいんですけど。」って言ったら、本人の口から「もう売り切れですねえ」って言われてた所だったの!見に行くって分かってたら直接言ったのにー!

しかし、5,6年前に見た時は、日本人という名前以外に、イマイチ印象に残ってなかった甲斐さん(あまり大きな役でもなかったしね)。それからほんと長いこと見てなかったんだけど、久々にみたら、ものすごいうまくてびっくりした(爆)。ものすごい迫力の声量!声の表情が伝わってくる!

それも、こないだお会いしたからとか、贔屓目で言ってるんじゃなくて、ほんと、すごく声に迫力があって、すばらしかったの!グルヴェローヴァのすごいソロの後で、甲斐さんのソロだったんだけど、見劣りするどころか、ほんとよかったのー!

演技も、サラのことを歌って「私の天使の心に入り込めない」って悩んでたり、次の曲でロベルトの命乞いするよ!っていう歌がまたいい人!!(オーアミーゴオーアミーゴってww)2幕最後で、妻と親友に裏切られて、急にブラックモードになるのもいい感じだ!青いスカーフ見た瞬間のショックな表情がかわいそう!

けど、ショック受けて爪先立ちになった瞬間気がついたんだけど、ヒールの靴はいてるよ!ロベルトさんもヒールの靴なので、エリザベス時代のファッションなんだね。けど、男の人がヒールで、前につんのめってるのを見るのはちょっと笑えたw。

しかし甲斐さんが歌うと、「これは安心して聞けるぞ」って思える。喩えて言うと、濃い味わい深いエスプレッソって気分だった。安定して最初から最後まで、安定のクオリティでした。

・ロベルト

1幕ちょっと迫力足りない?グルヴェローヴァの相手役にしてはちょっと声小さい?と思ったけど、2,3幕はどんどん盛り返して、死刑直前のソロとかすばらしかったー!

しかし、あほな役過ぎる。。ちゃんと不倫(プラトニックだけど)なら、隠し通せよ!って思っちゃうよ。ばれたらやばいことなんてわかってるでしょうに。。みんな無駄に正直すぎるよ。。特にロベルトさん。。

・サラ

これまた、1幕はちょっと声小さい?と思ったけど、その後ちゃんと出てたので、皆さんバランスよかったー。特に、グルヴェローヴァが後半少しエネルギー減ってた感じだったので、ロベルトとサラが右肩上がりでちょうどよかったかな。いつもなんか嘆いてた。ノッティンガム公みたいないい旦那さんいるのにね。。

●まとめ

どうやら、今日が最終公演だったらしい!超ラッキー!!!だからあんなにカテコが長かったのか!!!Danke Edita(グルヴェローヴァ)って書いた垂れ幕まであったよ!

DSC00006.jpg
カテコ写真(ひょろ撮影)

もう、カテコ長すぎて、私のいた2Rang左では、私だけだった。甲斐さん見てくれたかな(笑)。かなり大きな声で叫んでたんだけどなー。(笑)

この日はグルヴェローヴァのサイン会もあったんだけど、あまりに胸が張って痛かったので、直帰しました。

しかし、ほんとにいいものを聞かせてもらいました。甲斐さんもグルヴェローヴァも聞けてよかったー♪また日曜日にお会いしましょう♪

(このレポ、本人も読むのかな。。(笑))

Evelino Pido | Dirigent
Silviu Purcarete | Regie
Helmut Sturmer | Ausstattung

Edita Gruberova | Elisabetta I., Konigin von England
Eijiro Kai | Duca di Nottingham, Herzog von Nottingham
Nadia Krasteva | Sara, seine Frau
Jose Bros | Roberto Devereux, Graf von Essex
Peter Jelosits | Lord Cecil
Marcus Pelz | Sir Gualtiero Raleigh


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2012-06-17 06:15 | カテゴリ:オペラ
突然チケットをいただいて、久々にオペラに行ってきました。ミュージカルでも見たいのが山ほどあるんですが、Elina Garanca(エリーナ・ガランチャ)初めてなのよー。

作品はモーツァルトの晩年のオペラ「皇帝ティトーの慈悲」La Clemenza di Tito。内容見る限り、歴史ものじゃなくてどちらかというと愛と嫉妬の泥沼系(笑)。

演出は現代演出で、ストーリーも泥沼なので、ガランチャ以外はあまり期待せず行ったんですが、すばらしかった!!!!!

歌手もよかったけど、一番気に入ったのは、演出!!!!もう、私の好みドンぴしゃで、現代演出でも、こんな演出なら大歓迎!もう絶対この演出家お気に入りリストに加えるぞ!

●あらすじ

ティトーはポンペイの地震の頃のローマ皇帝。被災者救済に奔走した、慈悲深いことで有名な皇帝。

モーツァルトはこの作品をオーストリア皇帝レオポルド1世の即位に捧げたらしいんですが、説教臭いほど、もろ「慈悲深い皇帝であれ」というメッセージ。こんなの皇帝が見たら、微妙な気持ちだろうなあw

ストーリーは、ティトーVS政敵ヴィッテリアにに巻き込まれた、ティトーの親友でヴィッテリアに惚れてるセストの悩み。ヴィッテリアは父に渡るはずだった皇位についているティトーを嫉妬し、自分がティトーと結婚して皇后になろうとするが、ティトーは別の人と結婚予定で、さらに嫉妬。ティトーをやっつけてやる!とクーデターを起こし、自分に惚れているセストを傀儡の首謀者にさせます。

セストは悩みますが、クーデターでティトーを暗殺。しかし、2幕に入って、ティトーは生き延びたことがわかります。ティトーは親友が反逆罪を犯したことを知り苦しみます。本人を前に、友人として話を聞こうとしますが、セストは愛するヴィッテリアをかばって、真の首謀者を隠します。彼の死刑執行所にサインがされ、議会での尋問が始まります。セストの妹とその恋人がヴィッテリアに真実を話すよう説得に行き、セストの尋問の場でヴィッテリアはとうとう、首謀者が自分であることを告白します。ティトーは二人を許し、ローマ帝国は慈悲による支配が続きます。


●キャスト編

・セスト

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ラブラブのセストとヴィッテリア

タイトルロールはティトーですが、主役は悩めるいい男、セストみたいなもんです。おまけに、主要キャストは女二人男四人の合計6人ながら、男二人はズボン役(元々セストはカストラート、セストの妹の恋人アンニオはズボン役)。半分宝塚の世界です。

おまけに、ふつうオペラのズボン役は明らかに不自然な男装が多いんですが、ガランチャのセスト役はあまりにかっこよすぎて、まさに宝塚!もう、男前すぎて惚れそうww。ガランチャって元々かっこいいしゅっとした顔だし、手足の動きもまさに男!ラブシーンも遠慮なしに女に触る触るww

最初は、誰が何役かわからないかなあ、と思ってたんですが、明らかに飛び抜けて歌がうまいので、一瞬でこの男前さんがガランチャだとわかってしまうわー。男がソプラノ歌ってるのに、なんて男前なんだ。。

そして、もちろん歌がすばらしい!結構たくさんかっこいい聞かせどころのソロがあって、どれも歌が飛び抜けてすばらしい。それに演技がいい!曲の途中で決心したり気分を変えたりするのがわかりやすくて、私の好みの「歌いながらの演技」がきっちりできてる。特に、惚れてるヴィッテリアから、親友のティトーを裏切るクーデターの首謀者になるよう頼まれ、親友か好きな人かを選ばなくてはならなくて悩んで、結局好きな人の願いを聞いてやって「わかったよ!俺は裏切り者だ!」って開き直るところが迫力!!

そのあとで、クーデターのシーンは演出もいいんだけど、壁の方から黒いジャケットの黒いパーカーをかぶったまま、舞台奥から刺客を刺しながらやってくるところとか、宝塚男役顔負けのクールなかっこよさ!

あともう一曲、前半ですばらしい気持ちのこもったソロがあったなあ。結構しっかり長い聞かせどころのソロが3、4曲あって、ガランチャの歌声と演技と男前っぷりを楽しむのには最高の舞台でした。

・ティトー

La_Clemenza_di_Tito_36819_SCHADE.jpg

アツイ皇帝!

このMichael Schadeという人、今まで何度か舞台で見て、名前が変わってるし(Schadeって、いじめられそうな名字だけどいいのかな。。)、歌がうまいのに端役なので覚えてたんだった。

この人も演技がすごくいい!!親友に裏切られて暗殺されそうになって、起こって悩む様子、けど、元は慈悲深い皇帝だから、親友を許すべきか悩む演技。で、結局親友が裏切った本当の理由を黙っているので、話すように説得しようとするけど、結局打ち明けてもらえず、再び怒る様子。あと、「慈悲の心」の象徴の美しい女性に抱きつかれて悩む様子。あー。演出もすばらしいけど、それにしっかりついて行ってる演技もすばらしいー。ほんと、熱血熱いいいヤツ皇帝と、親友に裏切られて悩む姿のギャップがよかったよー。

・ヴィッテリア

ガランチャ@セストとのデュエットとかがあると、さすがにかすんじゃうんですが(声量からして違う)、悪女の演技もすばらしいし、歌はガランチャと比べなければとてもよかった。後半の、自分が黒幕であることを打ち明けるかどうかの悩むところ(アンニオとかに迫られて)もすごくリアル。

・アンニオ

もう一人の男装のアンニオは、ふっくらした人でズボン役丸わかりだったんですが、歌はめちゃうまくて、いい人でよかったです♪ほんと、今回はズボン役が二人とも歌がうまいー。アンニオはセストの親友で、セストの妹とつきあってるんだけど、セストの妹と一緒に、悪女のヴィッテリアに黒幕が自分であることを話さないと、セストが処刑されると説得にいくシーンが、すごくいい。なんか、ストーリーが自然なので、無理がない感じで。

・セストの妹(アンニオの恋人)

この人も歌うまかったー。それに、ほっそりして、黒いドレスがよく似合う。最初はちょっとセクシーすぎる演技&衣装かと思ったけど、ホントはいい人で、アンニオとお似合いでした。

●演出

で、この舞台で何が一番よかったって、ガランチャのセストも、ほかのみなさんの演技も歌もよかったんだけど、一番気に入ったのは演出!!私の好みドンぴしゃで、この演出家今後もチェック!

何がよかったって、何か意味がありそうな小道具やセットは、全部それぞれにちゃんと意味があるってこと。少し考えないと意味が分からないけど、しっかり考えたらちゃんと裏に考えがあるのがすごい!

私がイラっとくる演出は、何か意味があるかのように大がかりにしておいて、結局意味がないっていうやつ。ローエングリンとか!!(爆)とにかく、大がかりで謎名演出で観客を煙に巻いておいて、結局「意味はないんだよね」って言われたら、ほんと、ブーイングもの。最近現代演出ではそんなのばっかりだったので、もうほんと、いい加減にしてほしかったんだけど、今回は違う!

すべての変わった点にちゃんと意味があって、それがストーリーに一致してるの。

まあ、私が演出の意味深さに感動して大喜びしてたけど、一緒に行った人は一つとして意味が読み切れてなかったみたいなので、演出の裏の意味を読みとれるかどうかは、私と演出家との相性もあるかもねー。

というわけで、気に入った演出をリストアップ

・ものすごいスタイルのいいセクシー衣装の通行人

舞台を見てびっくりしたんですが、人間とは思えないくらい美人で足が長くてスタイルのいい女性たちが、舞台上に少なくても10人くらい。どう考えてもオペラ歌手じゃないし、ダンサーでもないし、コーラスでもない。言うなれば、エキストラの通行人的な役割で、大道具とか書き割りを移動したりしてるくらい。

ほとんどの場面で通行人としてたったりしゃべったりしてるんだけど、あまりにスタイルよすぎて美人すぎて、意図的にきれいな人を連れてきたとしか思えないよ!しばらく意味を考えていて思い至ったんだけど、これは、この国が慈悲深い皇帝によって治められているおかげで幸せに、慈悲深く暮らしている一般のローマ市民を大言してるんだろうなー。

あとで、同じ国立オペラ座専属歌手の甲斐さん(本人は稽古を見たらしい)に聞いてみたら、やっぱりプロのモデルさんを雇ってるんだって!そりゃ、人間離れしてるわけだわ。同行者(男)は、モデルさんたちが舞台上にいるときは、私からオペラグラス奪い取って見てたし(笑)。まあ、私も私で男前なガランチャオペラグラスでガン見だったしw

・コーラスと譜面代

コーラスのみなさんは40人くらい(?)いて、見た目は黒い服着たふつうのおじさんおばさんが譜面台持参で登場するんですが、これがまた、演出のおかげでしっかり役割を持ってるわけなんです。

一応、さっき紹介したモデル通行人も一般のローマ人役なんですが、コーラスも同じく普通のローマ人。モデルさんたちが、「幸せなローマ人」を体現してる一方で、コーラスの人たちは「ティトーを支持・賛美するローマ人」的な役割。

譜面台を持って一列に並んで歌うわけなんですが、その手前にティトーが「やあやあみなさん」的な身振りで登場すると、あら不思議、何でもないコーラスのみなさんが、急にティトーを讃美するみなさんに見える!

このコーラス、目立つ出番は三回。最初はティトー登場シーン。先ほど言ったみたいに、ティトー登場を讃美する役割で、「民衆に指示されて行う皇帝」というのがわかりやすくなっています。

二つ目の出番は、2幕クーデターの後。クーデターの後は譜面台があちこちに散らばってひどいことになってるんですが(クーデター後の惨状については後ほど詳しく。。)、これを拾い上げて、譜面をおいて、歌い出す様は、まさに復興のシンボル。ほんと、このクーデター後の復興演出はすばらしい!

LaClemenza_di_Tito.jpg

三つ目の出番は、セストの裁判のシーン。舞台奥にいすが一列に並べられ、上には石のブロックがおいてある。裁判が始まると、コーラスのみなさん(元老員的役割)が石を持って椅子に座り、その後、舞台中程に横一列に並んでいる譜面台のところまで前にやってくる。ヴィッテリアが黒幕であることがわかると、コーラスは石をほっぽりだして退場、という流れ。

ここで、コーラスが石を持ってるのも意味深い。石=セストの処刑に対する賛成票という意味がある。ヴィッテリアが黒幕であることが発覚するとセストは無罪になるので、石は用なしになる、というわけ。

・下記割りの壁が動くだけで部屋の移動

普通はソファーや机と言ったセットを動かすことで、部屋が変わったことを示すけど、この舞台では、ソファーや椅子はベッドの位置はそのままで、書き割りを傾けるだけで場所が変わったように見えるのがすごい。

特に2幕。最初はクーデター後の混乱。それを徐々に片づけて、ティトーの執務室に。(書き割りはティトーの机二壁がある状態。)そこから反対側の書き割りを傾けてソファーにくっつけるだけで、ヴィッテリアの部屋に舞台が移る。大道具全然動かしてないのに、場所移動がわかるよ!

・クーデターの様子(スローで倒れていく通行人)

ヴィッテリアがクーデターを企てる様子が、ヴィッテリアが自室に入ってくる通行人に銃と防弾チョッキを手渡しているのでよくわかるんですが、(最後に傀儡首謀者セストに手渡す)、その後、この上を持った人たちが、例の「幸せなローマ人」であるモデルさんたちを銃で脅しながら、ゆっくりと右に向かって進んでいく。途中でスローモーションで銃殺される3人のモデルさんたち。奥にはグレーの落書きされた壁があり、宝塚スター張りのかっこいいガランチャ(黒いパーカーの帽子をかぶっている)が奥から刺客を返り討ちにしながら手前へ進んでくる。

この動きだけで、クーデターの進行状況がわかるし、民衆の驚きとか、セストの政治的立ち位置もよくわかる。ほんとかっこいい演出!

・クーデターの後片付け

しかし、演出がもっとすばらしかったのはクーデター後。暗殺されたと思っていたティトーが実は生きていて、町を復興していく。

休憩が終わって幕が開いた瞬間、客席からは失笑が漏れるほど、めちゃくちゃカオスにちらかりまくった舞台上。こんなめちゃくちゃな舞台見たことないわ!これから2幕始まるって言うのにどうやって片づけるのさ!って思ってたけど、これがまた効果的に片づけられるんだよねえ。

まずは、男のエキストラが奥のずだ袋の片づけ。次にコーラスのみなさんがやってきて、譜面台と譜面を拾って歌い出す。次に、残りのエキストラが前に散らばっていた椅子をそろえて、床のゴミとかさっさと片づけていく。このエキストラさんたちの半分くらいはモデルさんたちなんだけど、蛍光オレンジの掃除人のベスト着てるwモデルさんたち、何着ても似合うわwー。

この片づけが話が進むにつれて進んでいくので、町の復興が進んでるってよくわかるのねー。

・「慈悲の心」さん

この演出はよかった!ティトーが、親友のセストが裏切って自分を暗殺しようとしてたことがわかり、ショックを受けて歌うんだけど、そんな親友を死刑にするか、許すかで迷うのね。この、怒りと許しが交互にやってくる歌もすばらしかったんだけど、なぜか途中で秘書的に、モデルさんの一人らしき女性が出入りして、ワインを持ってきたりしてるのへ。端から見たら、こんなまじめなシーンで余計な人物が出入りするなー!ってかんじなんだけど、考えてみたら意味があるのー。

この女性、ティトーに抱きついたりしがみついたりして、結構うっとうしいんだけど(それも、ティトーはされるがまま)、抱きつくタイミングがあるの!ティトーが許しの心を抱いたときには抱きついて、ティトーが「やっぱり死刑だ!」って起こって歌うときには離れてるの。

つまり、ティトーが許しの慈悲の優しい心になったときには女性が抱きついてる、ってことは、この女性はティトーの優しさの部分を体現してるんだよね。こうやってみると、すごい意味があっておもしろいー。ちなみに、同行者は意味が分からなくて、この女話に関係ないのにうろちょろしててうっとうしい。。ティトーエロ親父だし。。と思ったらしい。普通そう思うわね。。

・「花嫁」

アンニオと彼女が、ヴィッテリアに自分が黒幕であることを明かし、セストを処刑から救うように説得するシーン。ヴィッテリアは徐々に罪悪感が芽生え、二人が去った後には、自分が真実をあかして、罪をかぶったセストを救うか、このまま黙っていてティトーと結婚するかを悩むシーン。

そんなとき、左側の扉から、花嫁の衣装を着たモデルが二人唐突に登場。これも、意味を考えたら納得!花嫁は、ティトーと結婚した自分の姿を現していて、結局ヴィットリアは真実を明かしてセストを救うことを決め、右の扉から退出します。

・セストの「裏切り者」の紙とかぶりもの

ティトーがセストに本当のことを話すように説得するが、セストはヴィッテリアをかばって、自分が罪をかぶります。ティトーはそんなセストに怒り、セストの体に「裏切り者」「暗殺者」と書いた紙を貼り付け、「裏切り者」と書いた紙の帽子をかぶせます。一見結構笑える演出なんですが、私はこれが結構好きでした。ティトーが「裁く者」として貼り付けたレッテルを、甘んじて受けるセスト、という絵はなかなかみる者があります。

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なんとオトコマエのセスト!!!

そして、セストが引き立てられていった後、「俺は皇帝として、親友として正しいことをしたのだろううか」と悩むティトーは、残された紙を、今度は自分に張り付け、自分が裏切り者の紙の帽子をかぶります。ううむ!演出うまい!

ティトーが自ら張りつけた裏切り者のレッテルは、「慈悲深い皇帝としての自分」「セストの親友としての自分」を裏切った、という意味と捕らえたら、この一見笑える演出も意味を持ってきます。

●まとめ

というわけで、ティトー、本当に演出がドンぴしゃ好みでした!しかし、みんながみんな私みたいに感じるわけでもなく、同じ演出をみても、何の意味も見いだせなかった人もいるようなので、本当にこれは、演出家と感性が似ているか、っていうことなんじゃないかな。

後、すっかり書くの忘れてたけど、モーツァルトの作品なんです。聞きやすくて耳に優しい曲が多かったけど、セストやヴィッテラ、悩むティトーなど、感情の盛り上がりがストレートに伝わってきました。

しかし、セストの男前っぷりと迫力の演技、ティトーの感情のアップダウンの表現、「悪い女」を演じきったヴィッテリア、「いい人」まっしぐらのアンニオと彼女、モデルの通行人、コーラスのみなさんなど、みんなすばらしかったです。一人として無駄な人は舞台上には立っていないし、一つとして無駄な小道具はなかった、すばらしい舞台でした!!

ガランチャももちろんすばらしかったけど、演出がこんなに好きになるとは思わなかったわー。同じ演出家の作品、またみてみようかなー。


LA CLEMENZA DI TITO
Sonntag, 27. Mai 2012 | 19:00 | in italienischer Sprache

4. Auffuhrung in dieser Inszenierung

Louis Langree | Dirigent
Jurgen Flimm | Regie
George Tsypin | Buhne
Birgit Hutter | Kostume
Wolfgang Goebbel | Licht
Martin Schebesta | Chorleitung

Michael Schade | Tito
Juliane Banse | Vitellia
El?na Garan?a | Sesto
Chen Reiss | Servilia
Serena Malfi | Annio
Adam Plachetka | Publio

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2012-06-03 01:24 | カテゴリ:オペラ
ワーグナーのワルキューレ見て、大いに興奮して大いに語っております。未だかつて、オペラでこれほど号泣したことがあっただろうか!!オペラというより哲学!ヴォータンの業の深さに、ものすごい語ってしまいました。。

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オペラ「ワルキューレ」①客席編、あらすじ編
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2012-02-07 23:31 | カテゴリ:オペラ
オペラ座は超久しぶりーー!!一年ぶりくらいか?妊娠中に立ち見もLogeの安い席もかなり腰にきつかったので、ずっとオペラ座には行けてなかったのだ。

で、今回、もらったチケットでファウスト。席は2.Rang左の6番ボックス一番後ろ。舞台は左側半分見切れます。けど、演出にそれほど見るものがなかったので、別にいいかな(爆)。

ストーリーは、ファウスト第一部。大昔に読んだけど、すっかり忘れてたー。第二部が延々とどろどろしてたのしか覚えてないわ。。

作曲はグノー。フランス語です。結構聞き取りやすかった。

あらすじ。老年のファウストが人生に絶望して自殺を思いとどまっていると、悪魔メフィストが現れ、若さと交換に死後の魂を要求する。2幕で若者になったファウストは、お目当てのマルグレーテを誘惑し3幕で散々口説いてゲット。実はマルグレーテは兵隊の兄ヴァレンティンがいて、娘がファウストと結ばれたと知って怒り狂うが、ファウストに決闘で殺される(というか、メフィストがずるしてやっつける)。マルグレーテはファウストの子を産み、自らの手で殺して錯乱し、牢屋に入れられる。ファウストは彼女を逃がそうとするが、最後に彼女は神に祈り、魂は救済される。

私的解釈では、ファウストは老人になっても盛んで、けど誰も相手にしてもらえないから無茶して、マルグレーテをあの手この手で誘惑して自分のものにして、一夜を共にしたら捨てちゃって、みんなを不幸にして逃げちゃう最低な男なんですけど。こんな下世話な話も、オペラになればなんか感動的なのが不思議。

演出は、舞台上に巨大な白い板のようなものがあるだけでシンプル。1幕は前幕前だし、2幕はちょっと木があるだけだし(その木に十字架と聖水入れがあり、3幕でマルグレーテがファウストの誘惑に負けたら、十字架が傾く)、5幕は牢屋の枠が降りてくるだけ。

コーラスがいっぱいいるので、結構人海系で、見た目もコーラスの歌声も迫力。特に4幕の兵士のコーラスがすばらしかった!2幕のお祭りの歌は、ワルツを踊ってくるくる回ろう、って言ってる割に、回ってるのは二組だけで微妙でした。皆さん歌専門だと踊らないのねー。

Faust-Szene-1.jpg

衣装はどちらかといえば、クラシック。メフィストが黒い服で中だけ赤なのがなかなかよかった。黒いジャケットでボタンとシャツと手袋と靴下が赤とか。私もインナーが赤で上が黒だったから、まさにメフィスト衣装ww(靴下も赤だったww)。

有名な歌「清らかな住まい」(ファウストソロ。バイオリンがすばらしい!)や「金の子牛の歌」(メフィストソロ)、「宝石の歌」(マルグレーテソロ)なんかも聞けてよかったし、ラストのマルグレーテの救済の歌もすばらしかったーー!ヴァレンティンの妹思いの歌とかすばらしかったーー!!

ただ、気になったのは、5幕でファウストがメフィストに連れられて酒池肉林なシーンがあって、有名なダンスシーンがあるらしいので、楽しみにしてたんですが、気がついたらすっ飛ばされて牢獄になってました。プログラムのあらすじにすら、酒池肉林→幻影で牢獄マルグレーテを見て助けに行くって書いてあるのに。。残念。。。

しかし、個人的には、ファウスト博士は結構好き勝手やって何でもあり、後は野となれ山となれ!ってイメージだったんですが、今回のJonas Kaufmannの若ファウストは結構ヘタレ、口説くのだけやたら上手で(それも一回は失敗しかける)、好き好き言う割りに好きな女性放置したり、飽きたのかと思ったらやっぱり好きとか言って、結構ダメダメ君?男として、見た目がかっこいいのに、あまりに優柔不断で、見ててイライラ(爆)

●キャスト編

キャストはどれもこれもすばらしかった!!!まずは、メインのJonas Kaufmann。私は初見。なんとなく名前から太ったおじさんを連想してたんですがw、かっこいいにいちゃんだよ!!!結構顔好みかも(笑)。特に老けメイクした1幕の老年ファウストがかっこよかった。若ファウストもよかったけど。歌もすばらしいーーー!!!こりゃいいねえ。今後も注目しておこう!

で、大好きなAdrian Eroed。オペラ座で一番よく見てて、コンスタントにすきなのはやっぱりAdrianだわー。演技がミュージカルっぽいのが好きなんだと思う(笑)。歌も危なげないし、歌ってるときの表情の変化がオペラオペラしてないのがいいー。今回だって、脇役なのに、なんか、妹に裏切られる悲哀みたいなのがかわいそうだったー。おまけに最後妹に、お前のせいだ!って呪って死ぬし。。(涙)

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メフィストは衣装かっこよかったけど、すごい背が高くておなかも大きい迫力のおじさん。見た目メフィストそのままで、結構怖いわー。ヴォータンとかやるらしいので、ぴったりかも。歌は私はよかったと思ったけど、拍手はそんなになかったなあ。

マルグレーテはものすごいよかったーーー!!!前半あまり見せ場がないんですが、ラスト!!!ラストの錯乱してからがすばらしかったー!演技もよかったしーー!!

しかし、舞台の左半分見えてなかったので、最初シーベル(ヴァレンティン友人の男。今回は男装の女性がやってた)がマルグレーテだと思い込んでて、何でこの人スーツなんだろう?って思ってたww。意味もなく男を男装の女性にしたりすると、見てて混乱するからやめてほしい。。


ちなみに、ヴァレンティンとヴァーグナー以外はみんなRollendebut(このオペラ座でこの役ではデビュー)でした。

2.1.2012
  Alain Altinoglu | Dirigent
Nicolas Joel | Inszenierungskonzept
Stephane Roche | Regie
Andreas Reinhardt | Bühnenbildkonzept
Kristina Siegel | Bühne
Etsuko Tsuri | Bühnenbildassistenz

Jonas Kaufmann | Le Docteur Faust
Albert Dohmen | Méphistophélès
Adrian Eröd | Valentin
Inva Mula | Marguerite
Hans Peter Kammerer | Wagner
Juliette Mars | Siébel
Monika Bohinec | Marthe


●まとめ
というわけで、ファウスト。演出がシンプルで、ストーリーがゆっくりだったけど(ミュージカルのテンポに慣れてたら、ほとんどのオペラはゆっくりだね)、歌手の皆さんはみんなすばらしく、人海系のシーンもあって、かなり楽しめたと思います。


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2007-12-22 03:09 | カテゴリ:オペラ
●演出

ああ。もう、あらすじで相当語ってますが、演出もなかなかでした。ウィーンの国立オペラ座は、リング4部作を新演出するという大プロジェクトををやっていて、「ワルキューレ」がその第一作目なのです。新演出って言うからには、やっぱり期待するじゃないですか!ちなみに、プレミアが12月2日で、私が見た日が5,6公演の最終日でした。

作品は3幕なので、演出も3種類のみ。1幕はフンディングの城ということで、舞台中央に巨大な木の柱(剣が突き刺さっている)があり、周りを食事用の四角いテーブルで囲ってあるだけの簡素なセット。奥の壁に狼の白いシルエットが映し出されるのが暗示的。

2幕は森の中のように、舞台奥には木が何本も立ち並び、舞台手前には子供用の簡素な鉄製ベッドが4台ほど置いてあり、それぞれに赤ちゃんの人形がおいてある。(真ん中のベッドではあとでジークリンデが休む)前半はフリッカとヴォータン、後半はジークムント、ジークリンデとブリュンヒルデが登場する。

3幕目は1,2幕に比べたら豪華で、3方を白い壁で囲まれた部屋の中に9頭の巨大な馬の像がまるで生きているように配置されている。前半で8人のワルキューレたちが登場するが、まったく同じ衣装(白いスカートに黒い髪で手とスカートがちで汚れている)が8人もいて走り回っているとかなり圧巻。ワルキューレ強し。。。。ブリュンヒルデが業火に閉じ込められるシーンは圧巻。どういう照明技術科はいくら考えても分からないのだが、最初は一頭の馬に火が燃えるような照明が当たり、徐々に他の馬に広がっていく。そして、少しずつ3面の壁の下から火が広がり、今度は壁の上から火が流れ落ちてくるようになり、最後は火が壁を嘗め回すようにぐるぐると回転しだす。レベッカのように本物の火は使っていないが、「魔法によって火に取り囲まれて守られる」という演出としては非常に迫力だった。

●音楽

ワーグナーの作詞ばっかり褒め称えてましたが、音楽もすばらしい。。。。まず、ジークリンデとジークムントが出会って、ジークリンデが水を持ってくるところで、既に二人の間で愛が芽生えたのが音楽で分かるのーーーー!!!!!お互い気にはなっているけど、今あったばかりで戸惑ってる感じが、すべて音楽になってるのーー!!!もう、歌手が歌わなくても音楽が語ってるーー!!!!!

そして、フンディングとジークリンデとジークムントが舞台上にいるシーンの音楽がもう、絶妙すぎる。。。フンディングがちょっとよそを見た隙に目を合わせて心を通い合わせる二人!!!!フンディングがちょっとだけ振り返ると、知らなかったふりをする。これは演技力との相互作用だと思うけど、フンディングの振り返るときの音楽と演技がもう、これしかない!って感じなの!!!!!!歌わなくても語るオペラ!!!!!!!!!!!!ワーグナー!!!!!!!あんたすごいって!!!!!

そして、何をおいてもワルキューレのテーマ!!!!!!!!!ジャジャジャジャーーージャ、ジャジャジャジャーーーージャ♪ってやつねーーー!!!!!もう、胸も高まるワルキューレのメロディー!!!!!!!!!かっこよすぎるーーー!!!!!爽快すぎる!!!!!!!!これがまた、まともに2回くらい出てくるわけですよ!!!!!!!!!1それも、舞台上は男前(笑)ブリュンヒルデやら8人のワルキューレやらがもう、勇ましく仁王立ちしてるわけですよ!!!!!!かっこいい!!!!!!!!!!1

それに、このテーマは他の曲の間に挟まって、思い出したように登場する。もう、こういうのを聞くだけでも、心が躍るよ。。。もう、「オランダ人」でも体感したけど、このワーグナーのテーマの繰り返しってすごい効くわ。。。。。私、こういうのに弱いのかも。もう、帰り道もワルキューレのテーマ口ずさみまくりだったしね。。。。。

●歌手&指揮

さて、残すは、キャスト編ですね。もう、今回文句のつけようが泣くすばらしかったので、誰から褒めようかと迷うところなんですが、やっぱり出番と演技の深さから言って、やっぱり一番はヴォータンだねえ。。。。出番が一番多い上、3幕の最後とか歌う部分も多いし、怒り狂ったり、尻に敷かれたり、絶望したり、最愛の息子や娘と別れたり、もう、演技の幅も、オペラとは思えないくらいたくさん必要!それに槍振り回したり、魔法使ったりするし、神で威厳がありつつ、娘の前ではもろいし、もう、そりゃあ複雑な役なのです。。。。なんだかんだ言っても一番泣かせてくれるし。。。。そんな超難役ヴォータン。Juha Uusitaloが見た目も歌も演技ももう、完璧以上にこなしてくれました。本当に、本当に、すばらしいヴォータンを見せてもらって、散々泣かせてもらって大満足です。パパにしたいヴォータンだよー。

そして、二番目に頑張ってたのはブリュンヒルデだねーーーー。もう、見た目からして完璧。険しい顔に長い金髪。青いスカートに金ぴかのよろいの胸当て。こんな姿で仁王立ちされたら、もうかっこよすぎてやばいって。。。。それに、顔は男前(笑)なのに、表情が豊かで、父親やジークリンデの前ではすごく柔らかな表情をするの!!!!!おまけに歌もまあ、あんなにたくさん歌があるのによく歌えると思うくらい、完璧なのです。もう、マジで惚れそうだわ。。。。姉貴!!!!!!

三番目はねえ。。。出番から言ってジークムントっぽいんですが、歌的にはジークリンデのNina Stemmeがよかったわーーーー!!!!!!女性の声では彼女が一番出てたと思う。もう、すごい大音量のソプラノなのーーーー!!!!!!か弱い乙女っぽい役なんだけど、内に秘めた情熱みたいなのが伝わってきて、ブリュンヒルデとは違う意味で強い女だわー。それに、顔に見覚えがあると思ったら、「オランダ人」のヒロインだった。あの時は結構狂った役立ったけど、今回はかなり常識的な役で、色々と幅があるんだなーと思った。

4番目はジークムンドですね。Johan Botha はトスカで見てるんですが、トスカのときはめちゃめちゃうまいと思ったけど、今回は回りもうまかったので(特にヴォータンが。。)微妙にかすんでました。かなり体が大きい、いかにもオペラ歌手体型なので、勇士に見えるか心配してたんですが、体型がヴォータンに似てて、さすが親子だと。。(爆)しかし、オペラ歌手体型でもやっぱり恋をしてると説得力があるのは演技力かなあ、それとも音楽がいいのかなあ。。

あとは、フンディングがかなり渋くてかっこよかったです。1幕だけなのはもったいないくらいーーー!!!!ジークムントが大きいけど、フンディングは細めなので対比的にもよかったし。ほんと、衣装もかっこいいし、きっと振り返ったときの疑うような横顔がかっこいいわーーーー。

最後はフリッカ。夫を尻に敷く女王様って感じでした。緑の葉っぱみたいなコートを脱ぐと、セクシーな服だったのにびっくり。言ってることは正しいけど、ぜんぜんヴォータンのことを考えてないところが、結構イメージどおり。歌もかなりうまかったです。

この作品、この6人と8人のワルキューレしか登場しないので、人海系とは程遠いんですが、それでも私の好みに思いっきりハマったので、やっぱり何かすごい特別なものがあるんだろうなあ。。。しかし、どの歌手もものすごい声量と演技力で、ウィーンのオペラが世界一っていうのも、泣く子も黙る勢いで納得。結構最近残念なのも見てきてるだけに、やっぱり、こういう気合の入った作品をちゃんと見ないとなー、って思った。

さて、指揮ですが、小沢征爾に変わって音楽監督になったMoest氏が指揮でした。ブラボーとかすごかったけど、指揮もすごかった。。。やわらかく、きらびやかなワーグナーでした。

●まとめ

なんだか、3幕で泣きながら「芸術ってあるんだ。。。」ってふと思った。すべての要素が完璧な完成度で、100%安心して見れて、それでいて見る者を哲学的に考えさせることができて、号泣を誘う。ちょっぴりオツムにちょっぴりハートにどころではなく、オツムにもハートにもガッツーンと爆弾を食らったようは衝撃的な作品でした。

本当に、こんな最高の作品を最高の席で見れたことがあまりにも幸せで、このチケットを譲ってくださった方には感謝してもしきれません。もしこの作品を見れていなかったら、、と思うと悔やんでも悔やみきれなかったと思うし、ワーグナーのすばらしさ、歌手や指揮の完成度の高さも目の当たりにできなかったと思う。おそらく今年最高の舞台を見ることができたし、何より、ワーグナーが自分の好みだって再確認できてよかったよーーー!!!!!私の中では一気にワルキューレはラ・ボエームと並ぶお気に入りオペラになったよ!!

この調子で他の指輪作品も制覇していこうー!!あらすじよりも深いものがオペラ座にいけると分かる!と思うと、普通のオペラを見に行くより楽しみー!!!ああ、本当に、ウィーンに住んでいて幸せだよ。。。。
2007-12-22 03:08 | カテゴリ:オペラ
さてーー!!!!満を持してワルキューレレポだーーーーーーーーー!!!!私の中での好きなオペラランキングをひっくり返す天変地異だよーーーー!!!!!!5時間耐えたツワモノだけが語れるワーグナー!!!!!!!ワーグナー万歳!!!!!!!指輪万歳!!!!!!!!!!!!

20. Dezember 2007

DIE WALKÜRE
(6. Aufführung in dieser Inszenierung)

Dirigent: Franz Welser-Möst
Inszenierung: Sven Eric-Bechtolf
Bühne: Rolf Glittenberg
Kostüme: Marianne Glittenberg
Video: fettFilm

Siegmund: Johan Botha
Hunding: Ain Anger
Wotan: Juha Uusitalo
Sieglinde: Nina Stemme
Brünnhilde: Eva Johansson
Fricka: Michaela Schuster
Helmwige: Amanda Mace
Gerhilde: Caroline Wenborne^
Ortlinde: Alexandra Reinprecht
Waltraute: Aura Twarowska
Siegrune: Sophie Marilley
Grimgerde: Daniela Denschlag
Schwertleite: Zoryana Kushpler
Roßweiße: Cornelia Salje

というわけで、とりあえず急いでアップしたつぶやき日記から引用します。

===
ワーグナーすごすぎるーーー!!ワーグナーーー!!!!!!うおーーーー!!!!!もう、号泣。5時間終わったら膝の上ティッシュだらけ。それも178ユーロの席(フランツヨーゼフ席)がただで!!!!!!こんな体験をさせていただいた見知らぬ方、本当にありがとうございます!!!!!!!

ほんと、やばいわ。ワーグナー信者になりそうだ。ほんとうにすごかった。。。。すばらしかった。。。芸術ってあるんだわ。。。それも、物語が深い深い!あらすじとぜんぜんちゃうやん!!!!主人公はヴォータンやん!!!!ブリュンヒルトかっこいいけど、ヴォータンがかわいそすぎる!!!!!!!!!!
===

さて、どこから始めたらいいのやら。。とりあえず、ものすごい衝撃でした。もう、ワーグナーがすごいのか、オペラ座がすごいのか、歌手がすごいのか、指揮者がすごいのか、全然分からないくらい、すべてがすごかった。。。。あらすじ読んで全然予期してなかったんですが、もう三幕は号泣した。こんなにオペラで泣いた事はないと思うし、普通にレミズ見るくらい泣いた。。。。ラ・ボエームより泣いたよ。。。。

本当に、何もかもが筆舌に尽くしがたくすばらしい公演だったんだけど、やっぱりあえて言うとワーグナーのストーリーに一番感動したかな。この物語の深さ、業の深さが半端じゃない。とにかく深い深い。もう哲学に近いよ、と思ってるうちに、ワーグナー信者になりそうな自分がいてやばいやばい。これ以上ハマるもの増やしたら大変なんだってば。。

●客席編

それでは、話を最初に戻して、何で私がこのすばらしい公演を見ることが出来たかというお話から。。いや、元はといえばマイミクさん(けいさん)の元旅仲間(自転車を売ってあげた人)の上司という、まったく見知らぬ方がこのワルキューレと翌日のボリスの公演のチケットを日本から購入してました。ところが、仕事の都合でウィーンに来られなくなったために、部下の自転車を売るのに一肌脱いだ私のところに舞い込んできたわけです。

正直、この時期めちゃめちゃ予定が立て込んでるので、チケットを2枚もいただいても見に行けるか自信が無かったんですが、チケットの内容見て目の色変わったって!!!まず、チケット一枚ずつ!!!!!日本からわざわざ来て、チケット一枚で見る人って,よっぽどのオペラファンだよ!!!そんな詳しい人が厳選して選んだ公演なんだから、絶対すごいに違いない!!!!!それも、席が半端なくいい!!!!!!!!!もう、いつも2.5ユーロ立ち見の私には絶対手が出ない最高級の席!!!!!!!!

そして何より、公演がワルキューレ!!!!!!ワーグナーのリング!!!!うおーーー!!!!!ニーベルンゲンファンの私にやっとチャンスがめぐってきたーーー!!!!!!!自転車売った恩がこんなところで返してもらえるとはーーーー!!!めぐり合わせ様万歳!!!!!

いや、ニーベルンゲンについては存分にマニアックな下調べして、ドイツ語圏の人よりよっぽど詳しいし、ずーっとオペラも見に行きたかったんですが、ワーグナーのリング4部作はやっぱり敷居が高くて。。。なにせ、1公演5時間ですよ。。。立ち見で5時間はきついものが。。。。って言うか、ワーグナーなんでそんなに長いのを4つも作るのさーーー!!!!!なので、まず、ワーグナーを座って見れるって事だけでも、すごいことなのだ!!!!いすがあるなんて、なんて贅沢な。。。。

で、当日なおなおさんたちとカフェ・モーツァルトでお茶したあとオペラ座にチケット受け取りに。受け取ってみて手が震えたって。。。いや、忙しくてちゃんと見てなかったんですが、チケットには。。「Mittelloge 178ユーロ」の文字が。。。。。。うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!178ユーロ!!!!!!!!!!!!!私の普段の立ち見の71倍の値段!!!!!!!!!!!!それも、これ、私はただで譲っていただいてしまってるし。。。もう、見知らぬオペラファンのご紳士(もうこの時点で私のイメージはカイザーひげにシルクハットのジェントルマン)のご好意に感謝感激。。。。少なくとも、長い立ち見生活に耐えてきた私の手元に来て、チケットも幸せだといいけど。。私は幸せです。。。

そして、席に案内されてみた。正直Mittellogeってどこかよく分からなかったんですが、行ってみたら驚愕の事実が!!!!!!!!!!!!なんと、ここ、インペリアルの席じゃないですかーーーー!!!!!!!!!!!!場所で言うと下の立ち見の頭上で、オペラ座では一番いい席。ハプスブルグ家時代にはフランツヨーゼフやエリザベートが座ってた席っすよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!もう、自分がUnderdressedじゃないか、急に気になって気になって。。。普段は普通に仕事終わってスーツでオペラ座に来るので、立ち見の観光客よりはちゃんとしたカッコしてるんですが、インペリアルボックスじゃあ、比べるものが違うし。。。まず、周りの人はみんな60歳以上の老夫婦。178ユーロのチケット2枚ポーンと買えるような年金生活なのか、一年に一回の楽しみなのか、皆さん真剣におしゃれしてます。どう考えても私が一番若いって言う時点で目立ちまくりだ。。。

席はMittellogeの最後列4列目なんですが、他のLogeと違って段差があるのでオケから舞台まで難なく見れます。さすがだ。。さすがすぎる。。。いつも来てるオペラ座とは思えないよ。。。。横目で立ち見の時に駆け上がる階段を懐かしげにチラ見する私。。。インペリアルボックスに上がるには、(行ったことある人は見たことあると思うけど)あの、超豪華階段!!!!!!!!!!!もう、登る階段からして格が違います。はあ。。。。もうため息しか出ない。。。

●あらすじ

さて、席について熱弁を振るってしまいましたが、ここからは作品について。ネットで色々とあらすじ調べてたんですが、正直言って、見てたら全然あらすじと違った。。っていうか、あらすじの100倍くらい深かった。。。

とりあえず、見に行く前にまとめていたあらすじはこんな感じ。

(ラインの黄金からの続き)
ヴォータン(なんかの神)とフリッカ(その妻で婚礼の神)の娘達はワルキューレ(戦乙女)と呼ばれ、戦いで死んだ天使を空飛ぶ馬かなにかで天井に運ぶ役割がある。ブリュンヒルト(なんかワーグナー的にはちょっと名前が違うけどさ)はその中の一人でヴォータンの愛娘。

一幕
ジークリンデはフンディングの妻だが、一夜の宿を求めてやってきたジークムントが自分の双子の兄であることを知らずに関係を持ち、2人は愛し合う。一方、フンディングにとってはジークムントは敵。一夜の宿は貸してやるが、朝になったら戦いを挑むことに。フンディングを睡眠薬で眠らせたジークリンデは、ジークムントに木に突き刺さった伝説の剣について語る。ジークムントはこの剣(実は突き刺したのは父親のヴォータン)を引き抜き、自分の生い立ちを話すと、ジークリンデが生き別れた双子の妹であることが分かる。

二幕
婚礼の絆が破られたことを知った婚礼の神フリッカが契約の神ヴォータンに怒り、ヴォータンの娘ブリュンヒルトにジークムントを殺させようとするが、ブリュンヒルトは愛し合う2人に同情し逃がしてやる。ジークムントは結局ヴォータン(妻の尻に敷かれてるしw)に殺され、寝取られフンディングも死ぬ。

三幕
ブリュンヒルトはジークムントの子を宿しているジークリンデを逃がすが、父ヴォータンの怒りに触れブリュンヒルト自身は眠りにつかされ、目を覚ました男のものになる運命に。眠るブリュンヒルトの周りには火が燃え盛り、勇敢な戦士だけがブリュンヒルトにたどり着けることになった。(ジークフリートに続く)

* 序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold):2時間40分
* 第1夜 『ワルキューレ』(Die Walküre):3時間50分
* 第2夜 『ジークフリート』(Siegfried):4時間
* 第3夜 『神々の黄昏』(Götterdämmerung):4時間30分

なんていうかさー。さっぱり書いちゃったらこういうあらすじなんだけど、全然違うんだよー。大事なのはヴォータンなんだよーーー!!!!!主役はヴォータン!!!!!そして、ブリュンヒルデ!!!!!!!!!もう、名前を思い出すだけで泣きそうだよ。。。。

まず、人物関係がややこしいんですが、ヴォータンは一番偉い神。いろんな人間や女神と関係を持っていて子供がたくさんいるんですが、本妻は婚礼の神フリッカ。大地の女神で最も賢いエルダとの間に生まれたのが愛娘ブリュンヒルデ。また、狼の姿をして人間に生ませたのが双子のジークムントとジークリンデ。また、母親不明の8人の娘とブリュンヒルデの9人でワルキューレを結成させ、人間界の戦で死んだ戦士を天国に運ばせている。

実は、このお話の前に「ラインの黄金」という序章があるんですが、ここでヴォータンは巨人兄弟に世界を統治するお城ヴァルハラを建てさせ、その報酬としてラインの黄金と指輪を贈ることを約束している。指輪に代表されるラインの黄金は、元はといえば小人アルベルヒがラインの乙女から呪いと引き換えに手に入れたもの。この呪いというのが厄介で、「指輪を手にするものは愛を手に入れることは出来ない」というもの。アルベルヒは「愛」を捨て、王としてニーベルング族を支配する。ヴォータンはこのアルベルヒから指輪と黄金を奪い、巨人に与える。指輪を手に入れた巨人兄弟は殺し合いを始め片方が死んでしまう。

そして、「ワルキューレ」のあとに続くジークフリートと神々の黄昏で、ジークムントとジークリンデの間に生まれた子供がジークフリートになることがわかるんですねー。巨人を倒したジークフリートは指輪を手に入れ、それをブリュンヒルデに与える。アルベルヒの息子のハーゲンが狙ってるわけですが、ブリュンヒルデが最後は指輪をラインの乙女に返すわけですね。

つまり、指輪の動きはラインの乙女→アルベリヒ→ヴォータン→巨人→ジークフリート→ブリュンヒルデ→ラインの乙女ってことですね。で、「ワルキューレ」の時点では巨人が持ってる状態で、物語の表面には登場しませんが、登場人物の行動の動機付けとしては非常に重要な役割を担っています。

さて、ここまで指輪の背景を説明したところで、ワルキューレの本題に入ります。1幕は双子の兄妹のジークムントとジークリンデが二つの禁忌(不倫と近親相姦)を犯して愛し合います。ちょっと、そんな不道徳な話、オペラで大丈夫か?と思うところですが、この不道徳な生まれの子供が非常に重要になるわけです。ジークムント自身は、自分の父親は狼だと思っていて(実は狼の皮をかぶったヴォータンだったのだが。。)、いわく付きの剣を残したのも自分の父親とは気が付いていない。ちなみに、フンディングやジークリンデに自己紹介したときも最初は偽名(?)を名乗っているので、ジークリンデも気が付かなかった。

この二つの禁忌を犯したことは、実はヴォータンの計画通り。ヴォータンはどうしても指輪を取り戻したいが、「契約に従って」ヴァルハラを完成させた巨人たちに上げてしまったので、自分で取り戻すわけには行かない。せっかく最高位の神なのに、契約に縛られて自由に行動できないことを嘆くヴォータン。ヴォータンの魂胆は、自分のために指輪を取り返してくれる勇士を探すこと。しかし、その勇士は自分の応援を受けたものであってはならない(自分の味方は自分の契約に縛られるから)ため、自分の意思でヴォータンのために指輪を取ってきてくれる人物が必要である。ヴォータンは自分の息子であるジークムントこそ、その使命を果たしてくれると期待して見守り、こっそり自分の剣も与えた。

あとは、ジークムントが指輪を取りに行くだけ。。というところになって、婚礼の女神である妻のフリッカが現れ、二つの禁忌を犯したジークムントは生かしておけない、と怒る。神々の世界の常識としてはフリッカの言うことがもっともであり、ヴォータンが指輪どうこう言うのは自分勝手になるため、またもや「契約」に縛られて身動きの取れないヴォータンは、嫌々ながらもフリッカの言うとおりにするしかない。でも、納得のいかないヴォータンは、愛娘でワルキューレのブリュンヒルデを呼んで、自分の本心を語る。

実はヴォータンは神々の契約だけではなく、指輪の契約にも縛られていた。この指輪の契約は、アルベリヒとラインの乙女たちが交わしたもので、指輪の所有者(もしくは触れたもの)は「愛」を捨てなければならないというもの。ヴォータンも巨人に指輪を渡す前に指輪に触れているので、この契約に縛られ、「愛」を奪われる運命にある。ヴォータンは自分の息子であるジークムントをじっと見守り、愛してきた。ところが、彼はよりによって自分の娘であるジークリンデと禁忌を犯し、ヴォータンは二人とも殺さないといけない状況に追いやられる。自分の愛する息子(と娘)を殺す命令を出さなければならないとは、なんと不幸な運命。最高位の神であっても、契約に縛られるばかりで、まったく自由ではない!と嘆くヴォータン。

そして、自由でなければ指輪を取り戻すことは出来ない。ヴォータンは、婚姻と近親忌避の二つの「契約」から自由な恋愛をしたジークムントこそ自由な勇士であり、指輪を取り戻すことが出来ると考えていたのに、その希望もフリッカの激怒でもろくも崩れ去る。それも、最愛の息子を失わなければならないのは、指輪の呪いでもある。ヴォータンはワルキューレであるブリュンヒルデに、フンディングとジークムントの戦いは(ジークムントが剣を持っているにもかかわらず)フンディングに勝利させるように、と命じるが、父親の苦悩を知ってしまったブリュンヒルデは命令の正当性に疑問を抱き、執行をためらう。

フンディングとの戦の前に森をさまようジークムントとジークリンデを目撃したブリュンヒルデは、二人の愛し合う様に心を打たれる。戦死する男の前にだけ姿を現すブリュンヒルデは、ジークムントに(ジークリンデは眠っている)「勇士としてヴァルハラに迎える」というが、ジークムントはジークリンデのいないヴァルハラには行かず、地獄に落ちると言い切る。ブリュンヒルデは二人の愛に感動し、二人を殺さず救う決意をする。(この決意には、あとになってもう一つの理由があったことがわかる。)それを知ったヴォータンは、自らの槍で最愛の息子ジークムントを刺し殺し(涙)、フンディングも息の根を止める。(2幕)

ジークムントは救えなかったが、彼の子供を宿したジークリンデを逃がしたブリュンヒルデは、他の8人のワルキューレたちがいるところ(ワルキューレの溜まり場?)に戻る。最初は死ぬと言い張っていたジークリンデだが、子供がいることが分かると生き抜くことを決意してヴォータンの手の届かない森へと逃げる。残ったブリュンヒルデは、命令に背いたことで怒り狂ったヴォータンがこちらに向かってきていることを知り、ワルキューレたちに助けを求めて姿を隠してもらうが、ヴォータンに見抜かれて父親と対面する。

ヴォータンは怒り狂い、ブリュンヒルデをワルキューレから解任し、神性を奪い、その辺に放置して、彼女の眠りを覚ました最初の男の妻になるという罰を与える。「私の真の思惑を唯一理解していたお前が、なぜ裏切ったのだ!」と問い詰めるヴォータンに、ブリュンヒルデは「あなたの思惑の一番深いところを理解していたからこそ、あなたが縛られて出来なかったことを私が実現しようとしたのです」と答えるブリュンヒルデ。ヴォータンは正気に返り、最愛の娘がどれだけ自分のために行動してくれていたかを理解する。契約に縛られて、自分のしたいことを自由に出来ない父親に代わって、ブリュンヒルデがヴォータンの本当の目的(ジークムントとジークリンデの命を救うこと)を達成しようとしていたのだ。

しかし、契約は守られなければならないし、ブリュンヒルデは罰せられなければならない。最愛の息子を殺さなければならなかったばかりか、最愛の娘にも今生の別れを告げなければならなくなったヴォータン。もう夕食の時に杯を持ってきてもらうことも、背中を預けて共に戦うことも出来なくなる。神と人間の関係になってしまうため、もう一生会うこともかなわない。愛するものと引き裂かれていくのは、すべて指輪の呪い。ブリュンヒルでも父親の苦悩を理解していたからこそ、父親を愛していたからこそ起こした行動で、父親の怒りと混乱を招いてしまい、嘆き悲しむ。

最後の願いとして、ブリュンヒルデは自分の眠りを覚ますのは、せめて最強の勇士だけにしてくれるようにと父親にお願いする。ヴォータンは、もう二度と会うことの出来ない最愛の娘の最後のわがままを聞いてやり、ブリュンヒルデが眠る岩の周りを魔法の火で囲んで、この火を乗り越えることが出来た勇者だけが、ブリュンヒルデを得ることが出来るようにした。この言葉を最後に立ち上がり、手をつないで舞台奥へ進む二人。3歩進んだ時点で、ブリュンヒルデだけが地面に倒れ、眠りに入る。最愛の娘を失ったヴォータンは、絶望と失意のうちに舞台奥へと消えていく。(幕)

実は、次のお話でこの眠りに付いたブリュンヒルデを起こすのがジークムントとジークリンデの息子のジークフリート(名付け親もブリュンヒルデ)。ヴォータンが言ったように、禁忌の子で、それゆえにすべての契約から自由な者。ヴォータンはジークムントがその勇士だと考えていたが、実際に指輪を奪うのはジークフリート。ヴォータンの言った通りの人物が誕生して、話は続いていく。

と、あらすじって言ったって、ヴォータンの呪いや契約を説明しないとまったく話が説明できてないじゃないのー。一番大事なのはヴォータンの「愛」を捨てなければならない呪いであり、最高位の神でありながら契約に縛られて、「自由」を捨てなければならない立場であることなんだよ!!!!!!!だからこそ、最愛の息子を殺したときのヴォータンの横顔に泣けるんだよ!!!!!!!そして、最愛の娘ブリュンヒルデとの今生の別れでもう、号泣なんだよーーーーーーーー!!!!!!!!ほんと、この父娘は理解しあって愛し合っていたんだよーーーーーーーー!!!!!!それが、指輪の呪いですべて失ったんだよーーーー!!!!!!!もう、3幕のヴォータンとブリュンヒルデの対決シーンは、めちゃめちゃ長いんですが、せりふ一つ一つに深い意味があって、登場人物は二人だけだけどストーリーにテンポと流れがあるので、全然長いと感じないどころか、もう、ブリュンヒルデいかないでーー!!!!!って思うともう号泣号泣。ヴォータンの業の深さに目もくらみそう。。。

正直言って、指輪ってただの神話&歴史物語だと思ってたので、こんなに「愛」や「自由」がテーマになってるとは思わなかった。。。「愛」に対立する「指輪の呪い(=支配)」、「自由」に対立する「契約」という概念が普遍的で哲学的。オペラ見ながらここまで考えさせられたのは初めてだよ。。。ラ・ボエームでも号泣したけどあの時は悲恋で泣いたけど、今回はほんと、業の深さ、父娘愛の深さ、どうしようもない運命の悲しさみたいなところで号泣した。どっちかって言うと、レミズで泣くときみたいな感じなので、自分でもびっくりしたよ。。これ、オペラでしょ?何でこんなに深いの?って。。

しかし、本当に指輪4部作が全部こんなに哲学的で深いんだったら、ものすごいハマるわ、これは。。。。上っ面だけで繰り返しが多くて冗長な普通のオペラの歌詞と違って、この練り上げられた文学的な歌詞!!!!!ワーグナーは作詞も作曲も自分でやったんでしょ?!ほんとすごいわ。。。ここまでの長さの物語を飽きさせずぐいぐい引っ張っていくだけじゃなくて、終わったあとも考えさせられるし。。。。ワーグナーのすごさを身をもって体験してしまった。。。これは別世界だ。。。。。。
2007-12-22 00:15 | カテゴリ:オペラ
ううむ。先に昨日のワルキューレレポを書くつもりだったんだけど、ちょっと、昨日と今日の差が激しすぎたので、先に今日の文のレポを書いて吐き出してしまってから、のんびりとワルキューレの余韻に浸りたいなあ、と思って、先にボリスレポ行きます。

BORIS GODUNOW
(11. Aufführung in dieser Inszenierung)

Dirigent: Sebastian Weigle
Inszenierung
und Ausstattung: Yannis Kokkos
Chorleitung: Thomas Lang

Boris Godunow: Ferruccio Furlanetto
Fjodor: Roxana Constantinescu
Xenia: Laura Tatulescu
Amme: Zoryana Kushpler
Schuiskij: Jorma Silvasti
Andreej Schtschelkalow: Eijiro Kai
Pimen: Robert Holl
Grigori Otrepjew: Marian Talaba
Marina Mnischek: Elisabeth Kulman
Warlaam: Janusz Monarcha
Missail: Peter Jelosits
Schenkenwirtin: Aura Twarowska
Hauptmann: Alfred Šramek
Rangoni: Boaz Daniel
Gottesnarr: Heinz Zednik
Nikititsch: Alexandru Moisiuc
Leibbojar:
Lowitzki: Marcus Pelz
Tschernjakowski: Alfred Šramek
Chruschtschow:
Mitjuch: Clemens Unterreiner


チケット入手経路はワルキューレと同じなので、ワルキューレレポ参照。今回はもとは157ユーロチケットで、Parkett2列目9番。オケに手が届きそう。昨日よりもおしゃれしてロングドレスなど着て行ったんですが、カテゴリーB公演ということで、お客さんのおしゃれ度は絶対昨日の方が高かった!!!!カテゴリーによってドレスコードも微妙に違うのか!

さて、聞いたこともないオペラだったんですが、プーシキンの戯曲を下にロシア人作曲家Modest Mussorgskiが作曲した作品で、読み方はボリス・ゴドゥノフ。4幕物で休憩は間1回。上演時間は3時間半で、全ロシア語。ロシア語オペラって始めてだわー。正直ロシアのツァーリの話?くらいしか知らなかったんですが、あらすじはこんな感じ。

http://www.petits-pois.com/Opera/opera_godunov.php

●あらすじ

皇帝イワンが死に、無政府状態だったロシア。皇帝候補者のボリスが帝位に付くが、ボリスはイワンの息子で皇太子のディミートリを12歳の時に暗殺した疑惑がかかっている。このことを年代記に記したロシア正教の老僧ピーメンは、若き修道僧グリゴリーに自分が目撃した暗殺について語る。グリゴリーは暗殺された皇太子が生きていたら自分と同い年であることを聞いて衝撃を受け、そのまま修道院を脱走し、リトアニアに逃げる(このとき、仲間を逮捕させようとしたり、結構ずるいこともするし。。)。

ボリスは帝位に付いたものの過去の自分の行いに苦しめられている。政敵シュイスキーが現れ、ポーランドで殺されたはずのディミートリが反乱を起こし、ボリスを廃位するつもりだと主張していることを告げる。ボリスは自分の過去の亡霊に取り付かれ、取り乱す。

ポーランドでは、貴族の娘マリーナとディミートリを騙るグレゴリーがダークなラブラブを繰り広げている。野心的なマリーナは、とっととツァーリになりな!皇帝になる男じゃないと興味はないわ!と言い放ち、グレゴリーは「おう!そんなに権力者に興味があるなら、俺が皇帝になってからお前が許しを乞いに来ても無視してやる!そうなっては遅いからな!」とかいって、愛してるんだかなんだか分からない会話に。結局最後は抱き合ったので、和解したんでしょう。ちなみに、ポーランドはカトリックなので僧ランゴニーがディミートリを抱きこんでロシアをカトリック化しようとたくらんでいる。(ロシア正教の老僧が賢者なのに対してカトリックの僧ランゴニーはめちゃめちゃ世俗的。。)

一方、自分が殺したはずのディミートリが攻めてきていると知ったボリスは錯乱し、息子のフョードルに皇位を譲って息絶える。ディミートリがロシアに攻め込み、ツァーリになる。

実は、ボリスが死ぬ前に、「聖愚者」という登場人物が現れて、ボリスが子供のディミートリを暗殺したことをみんなの前で暴くシーンがあるはずなんですが、なぜか私が見たバージョンではこのシーンが完全にカットされてました。正直、この「聖愚者」を見てみたかったので、このシーンがカットされてるのはショックだった。。。どうやらロシア的考えでは、知能の低い人にこそ神が宿るらしく、「聖愚者」の発言は真実を告げていると考えられているらしいです。この「聖愚者」らしき人物は最後の最後にちょろっと出てきますが、物足りなさ過ぎる。。

●全体の感想

さて、前置きが長かったですが、感想は。。。。ううむ。。。。昨日のワルキューレがすばらしすぎて、今日のボリスは普段どおりっていうか、普通すぎた。。。まず、馬鹿長い上に、台詞に繰り返しが多くて、長くしてる意味ないし。。ワルキューレは更に長いけど、台詞一つ一つの意味が深いし、削る台詞がないほど内容が濃いんだよー。でも、普通のオペラって字幕チラッと見たら当分舞台見てられるくらい内容薄いよね?ほんと、一場一場長くて疲れた。。。

長くて冗長でも、演出が見所があったり、ストーリーや音楽が楽しかったりしたら飽きずに見れるんですが、今回は演出がもう現代的で一番私が苦手なタイプ。。あの、ナブコタイプのモノトーンでセットもいったいどこだか分からないようなやつで。。せっかくロシアのお話なんだから、コサックとかロシアっぽい衣装にして欲しかったのに、みんな背広だしさ。。。つまんねーーーー!!!!!!!!そして、ストーリーも音楽もひたすら暗い。。。男ばっかりだからソプラノも聞けないし、みんな悩みまくってるし、竹を割ったような性格のヤツなんていないし、もう、お前ら悩んでないて恋でもしてろ!!!って感じなんですがねえ。。。女キャラが一人しかいないんじゃ無理だよねえ。。。

あ、でも、くすっと笑って面白かったのはディミートリ(グリゴリー)とマリーナの真っ黒ラブソングだね。もう、腹黒すぎる。特にマリーナが。。。皇帝にならないんだったら結婚しない!とか言ってさ。。で、腹黒すぎて捨てられかけるといきなり「愛してる」とか言い出すし、ディミートリのほうも好きだとか言ってたくせに「俺が皇帝になったらお前は奴隷扱いして馬鹿にしてやる!」とか言い放題。よう結婚する前からこんなに言いたい放題できるねえ。。で、裏でカトリック布教してやれ、とほくそえむ僧がまた悪いやつでさ。。いいやつはいないのか、このストーリーは。。昨日はワルキューレで皆さんの実直さに心洗われたのに、ボリスはみんな腹黒すぎる。。。

さて、ここまで結構散々書いて来ましたが、一つだけこの作品ですばらしいことが!!!!!!!タイトルロールのボリス役のFerruccio Furlanettoがもう、熱演!!!!!主役がバスってあまりないんだけど、(ロシア人はバス歌手をよく出しているため)、この作品は珍しくバスが主役。それもFerruccio Furlanettoさんは声もものすごく通るし、何より演技がすばらしいーーー!!!!!!!!もう、取り乱したり錯乱したり大変な役なんですが、もうすごいのーーー!!!!!この人見るためだけに前の席でよかったーー!!!って思ったーーー!!!

確かに、キャストはそんなに悪くなかったんだよー。ボリスがめちゃめちゃよかったけど、二番面重要なディミートリ(グリゴリー)のテノールも非常に高音がよく通ってたし、腹黒ヒロインマリーナのソプラノも演技もよかったーー!!あと、ロシア正教の老僧のバスがオールドデュトロノミーみたいでまたよかった。

ただ、ほんと、これだけは許せなかったのが、せっかく前から2列目なのに、席の運が悪すぎたこと。。隣のおばちゃんがMarika Lichter風で、もう、鼻息がうるさいうるさい!!!!1幕の間中すぴーすぴー言ってるの!!!!!!!もう、こんなに誰かの息の根を止めたいと思ったことはなかったね。。相当うるさかったらしく、私の周りの人もみんなしきりに本人に気づかせようとしてるんだけど、鈍感なおばちゃんは全然自分の鼻息が迷惑だってことに気が付いてないし。。私ももう、あからさまに左の耳は指で耳栓してました。何でオペラ見に来て耳ふさがなあかんねん。。。(涙)後半は同行のおばさんが注意したらしく、ちゃんと鼻かんですぴーすぴーは静かになってましたが、時々、こういう音楽を楽しめない人がオペラに来てるって言うのは残念だよね。。

さて、最後に、2列目の音響ですが、一番上の立ち見より音量が大きくなるのが当然と思ってたんですが、思ったより違いはなくてびっくり。なんで2列目と一番上で音が変わらないんだろうー?そういう設計なの???ほんと、音響的には上の立ち見の方が実は好きかも。やっぱり2列目だとオケに近いので、楽器にかき消されて歌手の声が届いてこないことがある。立ち見だと声も楽器の音も交じり合って聞こえてくるから耳に心地いいかも。けど、うまい歌手はオケが大音量だろうがなんだろうがしっかり突き抜けて聞こえてくるので、今回のボリス役の歌手のうまさは際立ってたわ。。。

オケや指揮者も近かったのでちょくちょく見てたんですが、こういうのはやっぱり近い席がいいねえー。チェロのお兄ちゃんが二人で暇な時に目配せして遊んでたり、チューバの人がほとんど出番なくて、端っこで暇そうにしてたりして、見てて面白かったよ。でも、やっぱり昨日のワルキューレの完璧さから比べると、今回はオケと歌手がずれたりとか結構あったなあ。っていうか、普段は結構このボリスくらいのレベルで作品を見ることが多いので(ウィーンとはいえ作品によってレベルの差は結構あるのです)、そう考えると、昨日のワルキューレの完成度の高さがやっぱりぴか一だったんだわ。。。。

というわけで、地味目にボリスレポでした。
2007-12-21 15:38 | カテゴリ:オペラ
レポはあとでちゃんと上げますー。っていうか、上げないわけには行かないものすごい体験をしてしまったーーー!ワーグナーすごすぎるーーー!!ワーグナーーー!!!!!!うおーーーー!!!!!もう、号泣。5時間終わったら膝の上ティッシュだらけ。それも178ユーロの席(フランツヨーゼフ席)がただで!!!!!!こんな体験をさせていただいた見知らぬ方、本当にありがとうございます!!!!!!!

ほんと、やばいわ。ワーグナー信者になりそうだ。ほんとうにすごかった。。。。すばらしかった。。。芸術ってあるんだわ。。。それも、物語が深い深い!あらすじとぜんぜんちゃうやん!!!!主人公はヴォータンやん!!!!ブリュンヒルトかっこいいけど、ヴォータンがかわいそすぎる!!!!!!!!!!

ちょっとつぶやきはこの辺で止めときます。。あとでつぶやきも含めてレポにします。。やはり3連続観劇だとレポが追いつかん。。。

自分メモ

20. Dezember 2007

DIE WALKÜRE
(6. Aufführung in dieser Inszenierung)

Dirigent: Franz Welser-Möst
Inszenierung: Sven Eric-Bechtolf
Bühne: Rolf Glittenberg
Kostüme: Marianne Glittenberg
Video: fettFilm

Siegmund: Johan Botha
Hunding: Ain Anger
Wotan: Juha Uusitalo
Sieglinde: Nina Stemme
Brünnhilde: Eva Johansson
Fricka: Michaela Schuster
Helmwige: Amanda Mace
Gerhilde: Caroline Wenborne^
Ortlinde: Alexandra Reinprecht
Waltraute: Aura Twarowska
Siegrune: Sophie Marilley
Grimgerde: Daniela Denschlag
Schwertleite: Zoryana Kushpler
Roßweiße: Cornelia Salje


BORIS GODUNOW
(11. Aufführung in dieser Inszenierung)

Dirigent: Sebastian Weigle
Inszenierung
und Ausstattung: Yannis Kokkos
Chorleitung: Thomas Lang

Boris Godunow: Ferruccio Furlanetto
Fjodor: Roxana Constantinescu
Xenia: Laura Tatulescu
Amme: Zoryana Kushpler
Schuiskij: Jorma Silvasti
Andreej Schtschelkalow: Eijiro Kai
Pimen: Robert Holl
Grigori Otrepjew: Marian Talaba
Marina Mnischek: Elisabeth Kulman
Warlaam: Janusz Monarcha
Missail: Peter Jelosits
Schenkenwirtin: Aura Twarowska
Hauptmann: Alfred Šramek
Rangoni: Boaz Daniel
Gottesnarr: Heinz Zednik
Nikititsch: Alexandru Moisiuc
Leibbojar:
Lowitzki: Marcus Pelz
Tschernjakowski: Alfred Šramek
Chruschtschow:
Mitjuch: Clemens Unterreiner
2005-11-21 19:41 | カテゴリ:オペラ
土曜にオペラ座で椿姫(La Traviata, Verdi)を見てきました。

当日の午後にいきなり友達が「オペラ座にラ・トラビアータを見に行くけど、来る?」って!遠隔地にいたのでダッシュでウィーンまで戻ってきて、何とか間に合ったよ。。

●チケット購入編

TadWの出待ちしてたので(爆)立ち見の列に並ぶのがちょっと遅れた。。けど、友達が18時から並んでいてくれたので、列に入り込めてよかったよ。。

●ウィーン国立オペラ座の座席の仕組み

1.平土間(日本でいう1階席)
Parkett(前半分)とParterre(後ろ半分)に分かれています。一番高い席で、公演によって220-157ユーロ。平土間の後ろ部分にはParterrestehplatzの立見席あります。

2.Loge(2階席の高さ)
ボックス席になっています。各ボックス5人座れますが、サイドのボックスでは一番前でなければ舞台は半分くらいしか見えません。
一度すごく安いLogeの後ろの席で、いすの上によじ登って見た記憶が。。

3.Balkon(3階席の高さ)
Mitte(中央)部分のみ座る席があり、両サイドにはBalkonstehplatzの立見席があります。

4.Galerie(4階席の高さ)
これもMitte(中央)のみ座る席があり、両サイドにはGaleriestehplatzの立見席があります。

●立見席について

立ち見の種類は3種類。
・Parterrstehplatzは平土間後ろの立見席で、1万円払ってる人たちの真後ろの席です。ありえないくらいよく見えます。3.5ユーロ。

・BalkonstehplatzはBalkon(3階席の高さ)のサイドにあります。眺めは、一番後ろの列だと舞台の半分くらい。ただしオケがよく見える!値段は2ユーロ。

・GaleriestehplatzはGalerie(4階席の高さ)のサイドにあります。まだここから見たことがないので景色はよくわからないけど、友達によると音はすごくいいらしい!これも2ユーロ。

立見席の買い方は、オペラ座向かって左側の立ち見の列に並びます。(外に並ぶこともあるので注意!)

開演80分前から立見席の販売が始まります。
500席くらいあるらしく、列の後ろのほうでもちゃんと購入できるそうです。

よく立ち見を買う友達によると、開演90分前から並べば、大体Parterrestehplatzが買えるそうです。今回は有名作品の上、土曜日だったので、Balkonstehplatzだったけど。。

●作品タイトル編

まず、情けないことに、ラ・トラビアータが椿姫だと知らなかった私!!!!もう、それだけでも情けなさすぎです。ごめんなさい、ヴェルディ、ごめんなさい、デュマ息子。。

だって!!こちらではラ・トラビアータっていうんだもん!!それに私オペラ詳しくないんだもん!!!それに、当日見に行くことになったので下準備全然してなかったんだもん!!ただ、ラ・トラビアータは有名でみんな見に行きたがってるって知ってたので、見たかったの。

劇場で友達としゃべっていて、Kameliendamen(「カメリア(花の名前)の女」)というデュマJrの原作ってことまではわかってたのに!!そこまでヒントもらって椿姫ってわからない私もどうかしてるよ!!!

ちなみに、イタリア語の題名「La Traviata」は、「道を踏み外した女」という意味で、第3幕でヒロインが自らをそう呼ぶことから付けられたそうです。
2005-06-06 23:01 | カテゴリ:オペラ
このオペラは、ヴェルディの作品なんだけど、あまり有名じゃないと思う。少なくとも、オペラファンじゃなければ知らなさそうな作品です。

これが、結構面白かった!ストーリーは、スペインのフェリペ2世とイザベラ王妃(コロンブスのスポンサーだった人ね)とその次の王様、カルロス1 世について。(ドン・カルロスとは王子時代のカルロス1世のこと)登場人物は歴史的人物だけど、ストーリーは完璧フィクションで、カルロスとイザベラは好きあっていたのに、イザベラは政略結婚で父王フェリペと結婚させられる恋愛悲劇です。

こんな歴史的有名人が恋に悩んでいる!エリザベスの襟のイザベラ王妃があんなことや、おひげのフェリペ二世がこんなことを!と、歴史の教科書で見た有名人がみんな悩んでるのを見て、「たいへんだなあ」と思う話でした。

あまり有名なオペラじゃないし、期待してなかったんだけど、とても面白かった!5時間という長さじゃなければ、もう一度見たのに。。それに、フランス語で上演されるオペラも初めてだったのでわくわく。「ノン!!ジャメーー♪」とか「ジュテェェェェーム♪」とかオペラで歌うとなんか楽しいし。

一幕が終わって(一幕だけでも2時間以上!)、幕間でフォアイエに出てくると、なんと、マイクを持ったジャーナリストのような人が、テレビカメラに向かってしゃべってるではありませんか!ドイツ語、英語、フランス語で、「グーテンアーベント・オイロパ!(こんばんわ、ヨーロッパ!)」みたいなのりなの。パパラッチみたいなカメラマンがいっぱいいるし!で、テレビのインタビューかと思ってみてても、マイクにテレビ局のロゴがない!それに、オペラ座内のスクリーンにテレビカメラの内容が映し出されてる!

「さあ、皆さん、世紀の瞬間です!本物のフェリペ二世とイザベラ王妃、それにカルロス王子がお出ましになります!民衆の皆様、拍手喝采でお出迎えください!」というマイクを持った人の声。続いて、虐げられて鎖につながれた民衆(カトリックの王様によって逮捕されたプロテスタントの人たち)とフェリペ、イザベラ、カルロス役の役者の皆さんがオペラ座入り口から登場!そのまま、階段を通って舞台まで上がっていかれました。

なんと、幕間も演出のうちだったのです!オペラを見に来た私たちが、15世紀のスペインの民衆になったつもりで、王と王妃の登場に喝采し、そのまま舞台は次のシーンである、プロテストタンと処刑シーンへ移っていきました。

結局、ゲストの時間の関係で最後までは見れなかったんだけど、5時間のオペラを飽きさせずに見せるってすごいなあと、舞台のすばらしさと演出の巧みさに改めて感動しました。(長すぎるので、短くしたイタリア語バージョンの同名オペラもあります)

オペラって、よっぽど見たい!っていう作品じゃないとついつい先延ばしにして、結局見ないことが多いんだけど、ゲストが来るとこういう楽しみがあっていいね!