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2019-06-05 07:30 | カテゴリ:エリザベート Elisabeth

以前こちらの記事で、今年の7月にシェーンブルン宮殿の野外ステージで、「エリザベート」がコンサート形式で上演されるとご紹介しました。



ちょっと発表から時間が経ってしまいましたが、この公演の全出演者をまとめておきます。


エリザベート:Pia Douwes
トート:Mark Seibert
ルキーニ:David Jakobs

フランツ・ヨーゼフ:Viktor Gernot

ルドルフ:Lukas Perman
ゾフィー:Daniela Ziegler
ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ:Patrica Nessy
マックス:Hans Neblung


アンサンブル:

Anja BACKUS | Eva Maria BENDER | Steffi IRMEN | Denise JASTRAUNIG | Charlotte KATZER | Marle MARTENS | Melanie ORTNER-STASSEN | Franziska SCHUSTER

Ivo GIACOMOZZI | Robert David MARX | Andreas NÜTZL | Martin RÖNNEBECK | Michael SOUSCHEK | Stefan TOLNAI | Wolfgang TÜRKS | Maximilian VOGEL


このうち、シシィ役とトート役は先に発表されていましたが、こうやって全て揃ってみると圧巻ですね!


なにより、初演シシィと初演フランツ・ヨーゼフの往年の名コンビが揃うのはとてもレアな機会です。特にフランツ・ヨーゼフ役のViktor Gernotは、オーストリアではとても有名な歌手でコメディアンですが、有名になりすぎたため、最近はミュージカルの舞台には立っていませんので、ウィーンの観客にとっても一生に一度のチャンスになります。


トート役のマーク・ザイベルトやルドルフ役のルカス・ペルマンは、来日したこともあり、日本のファンの皆さんにもおなじみですね。ルカスは再演と再再演でルドルフ役を務め、マークは再再演のトート役でした。また、ルドヴィカのDaniela Zieglerも再再演に出演していました。


また、アンサンブルの面々も豪華!Marle Martensは、再再演のエリザベートでシシィ役セカンドを務めていましたし、Franziska Schusterは再演モーツァルト!のコンスタンツェ役です。Robert David Marxは、再演のフランスヨーゼフのセカンドとして、ファンの間で人気があった上、ゴンドレクール役は独特の威圧感がありました。


というわけで、全キャスト発表されてみると、今回のコンサートの様子が目に浮かんできます。初演、再演、再再演の同窓会のような、素晴らしいコンサートになることと思います。


なお、ウィーンミュージカル専門店「ウィーン・ミュージカル・ワールド」では、このコンサートのチケット購入代行サービスも承っております。



このエリザベートのシェーンブルン宮殿野外コンサートのチケットも、まだほんの少しですが残っていますので、興味のある方はぜひこちらからのぞいてみてください。


「エリザベート」シェーンブルン宮殿野外コンサート チケット予約サービス


宝塚で上演が決まった、ウィーンミュージカルI AM FROM AUSTRIAの二回目観劇レポ後半です。(前半のレポはこちら

参考:過去の観劇レポや訳詞を含む、I AM FROM AUSTRIA関連の記事は、こちらのカテゴリからどうぞ。

●キャスト比較

2019-03-07 191947
プレビューの時にそこまでキャラ立ちしてなかった人も、かなり最初からぶっ飛ばしてて、面白かった。特にマネージャー!あの沸点の低い演技力すごい!あれだけイライラさせて、最後のSchleich di! がめっちゃスカッとする!!(ウィーン弁なのでネタバレしてないよねw)おまけに歌上手い!

アンサンブルに、Martin Berger(お偉いさんと警察)、Martin Parsching(キャスト表で見逃してたのに舞台上で見つけてしまったw)、Prohazkaさん(パパママ馴れ初めソングの酔っ払いw彼の見た幻だったのか、あの二人w)の好きな三人がいて、やっぱりウィーンミュージカルだなーと古巣に帰ってきた感じ。

・サッカー選手

サッカー選手が前回は細マッチョ(本物の元サッカー選手)、今回は巨大マッチョ(サッカーと言うよりプロレスラーw)だったんだが、かなり印象が変わった。最初の人(Fabio)は小さくて身軽でラテン系で、サッカー技の見どころも多くて(さすが本物)、女性より男性サッカーファンに人気っぽい。

今回の人(Karim)はとにかく筋肉が巨大で、ゴリラ系で、女性にキャーキャー言われるタイプ(後ろの席のおばさん大興奮w)。体は重く、ダンスをさせるとドシンドシンw ボクシング系の振り付けが似合う。2人ともそんなに演技がうまい訳では無いんだが、体格でこんなに印象が変わるとは。

Felixのウィーン弁独壇場の最後のIch habe kein Wort verstandenで、Fabioはほうほうと聞いてあげてるに、Karimは 眉間にしわ寄せて必死で聞こうとして、わからなくて、は?って顔してる。Karinの演技好きだけど、セリフはFabioの方が自然で好き。脇役だけどなんか見ちゃうw

ああ、Karimは俺の筋肉を見よ!って感じなのが、Fabioは筋肉より俺の名声!って感じか。だから第一印象はKarim圧倒的だけど、世界的選手の余裕みたいなのはFabioの方があったな。どちらにしても、Josiが凹んでるのかわいいw


・Josi Edler

別キャストといえば、Josi(Goergeを思わせるジョージでは絶対ない。ジョズィって感じ)はルカスとOliverと両方見たわけだけど、サッカー選手ほどの印象の違いはなかったかな。まあ役のキャラ立ちあまりしてないしね。ルカスは飄々とした御曹司って感じで、あんまり悩んでなさそう。

落ち込む時もあるけど、全体的にサラッとしてるし、どこかにいつも超越した御曹司っぽさが漂う。Oliverはもっと普通の若者っぽいというか、頭くしゃくしゃにして「僕はダメなやつかもしれない。。」感が伝わってくる。取り柄は普通の善人であること(それが一番大事なんだが)で、御曹司らしくない。

まあどっちにしても、なんでこの2人好きあってるの?っていうのは思うんだけど(脚本的に。。パパママの方がしっくりくる)、そんな中でこのカップルは、ルカスはスターと御曹司感があるけど、Oliverはスターと一般人感が強い。「普通の善人オーストリア人の代表」的な感じ。

Oliverのくしゃくしゃの髪と、顔が丸くて背が高いのにすらっとして見えない(筋トレもしてない)のが、普通の学生的なイメージになるのかな。演技力もOliverの方が王子系以外もこなしてきてるしね。ルカスはシュッとした髪型、筋トレによるスーツ映えと姿勢の良さに、染み付いた王子オーラがある。

私は、御曹司っぽいルカスも、普通の兄ちゃんっぽいOliverもどっちも好きだなー。キャラ立ちして、もう少し変人な役だと面白かったけど(ほかのキャラが濃いのでw)それは脚本の問題だしね。まあ、スターと付き合う身分違いな悩みみたいなのは、一般人Oliverの方が感じるかな。


・パパママ

パパの演技が控えめながらすごくしみじみしてて、伏線の作り方もすごく上手くて完全にしてやられたし、歌めっちゃ上手いし、控えめなのに多方面に愛があるし(特にルカスとの親子愛が。。)、「よきオーストリア人」、「こうありたい落ち着いた男性」って感じで、すごく好き。

ママも婿養子を取ったバリバリ経営者で、ストレス抱え気味なんだけど、本当はこちらも「よきオーストリア人」で共感できる。なんか、こんな夫婦になりたいと思うと、なんか泣けてきてしまった。馴れ初めもアレはアレで(宝塚での再現は無理w)最後はいい話だし。歳をとって、あんな夫婦になれたらな。

・おばあちゃん

おばあちゃんパワー炸裂w ほんと、あれは宝塚でも持ちネタの半分は使えると思うw あれだけほらだと思わせといて、苗字がアレだしねw(この苗字ネタは多分変えないと日本じゃ通じないかも?ウィーンですら「それ誰?」って旦那さんに聞いてる観客いたし。さすがに旦那さんは知ってたw)


●その他ちょっと気づいた事とか、ちょっとだけネタバレとか

この作品で2人の呼び方がSieからdu(タメ)になるタイミングを見てたんだけど、一幕は金庫事件を経てもずっとSie。夜の散歩を経て、二幕始まりからDuになった。やはり夜の散歩とJosiの秘密(keine Heimat)が転機だね。

(ネタバレ)今回はパパママの関係性に共感してしまった。浮気疑惑からの、ミッドライフクライシスからの、どうしようもない馴れ初めを経ての、ネタばらし。いい夫婦じゃないか。。伏線に隙がなくて、しっかり落ち着くところに落ち着くのがいい。

(ネタバレ)あの最大の見どころのシーン、「明るいw」「雪w」ってところで笑ってしまったw 現実との区別がついてない証拠だ。しかし、山がシルエットだと思ったら実物なのは、ほんとびっくりした。あんな前の席でも、映写だと思ってた。

オペラ座舞踏会は先週金曜だったので、この話自体先週あったことのような気すらするw これ、ほんとにオペラ座舞踏会の夜の公演は、どうしてたんだろうw なんかアドリブでもあったのかなw

●まとめ

というわけで、2度目のI AM FROM AUSTRIA、宝塚上演記念観劇でした!

これで、ほぼ見たかったセカンドも制覇したし、かなり満足です!!あとは宝塚でどんな仕上がりになるのか、年末まで楽しみです!

宝塚で上演が決まった、ウィーンミュージカルI AM FROM AUSTRIAですが、やっと二回目の観劇に行くことができました!

参考:過去の観劇レポや訳詞を含む、I AM FROM AUSTRIA関連の記事は、こちらのカテゴリからどうぞ。

観劇してから結構時間が経ってしまいましたが、見たのは3月8日です。当日のツイートをまとめておきます。

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I AM FROM AUSTRIA見てきた!産後初観劇!それもなかなか出かけづらいので、ゲスト(ショップのお客様)の観劇に合わせて、家族に対して「お仕事観劇」ムードをかもし出しつつ、行かせてもらった。本当に観劇に飢えてたから、生き返ったよ。。やはりミュージカルは命の泉だ。。


今回はラストミニッツ狙いが成功して、3列目ど真ん中99ユーロの席を22ユーロでゲット。前回は三階席一番後ろだったから、真逆。すごくいい席だったけど、すごい見上げるので首痛いw あと、お客さんの反応や紙吹雪が見れないので、やっぱり私は最後列が好きかもw 最後のオケ演奏は生音聴けてよかった!

なんと言っても、派手派手で満足感すごい!!色々ツッコミどころはあるのに、最後はもうお腹いっぱいで劇場をあとにするのが、まさに宝塚的w この幸福感!劇場に来て良かった感!ダンスシーンがどれも派手で、おまけに振り付けが好みで(キム・ダディほんと好き。。)、畳みかけてくる!

●前回との違い

今回はJosiがOliver Arno!! なんと言うタイミング!ほかは全員ファーストで、前見逃したファーストのママも見れた!しかし、サッカー選手が全然違うすごいムキムキで、どうやら最初のファースト(元サッカー選手)の後釜らしい。いやあすごいムキムキだった。。けど、オチの信憑性は前の人の方があったかもw

前見た時と違うところで泣けた。。前は愛国心や、オーストリア人がこの作品をどう観るか、みたいな所で泣けたけど、今回はパパママの関係性で泣いた。。あと、若い方のカップルは別にいいかな、と思ってたら、OliverのHerzの歌とBergwerk(鉱山)の歌にやられた。。彼の声好きすぎる。。

そして極めつけは、最後の短いI am from AustriaのOliverソロ!めっっっっちゃ良かった!!やっぱり彼の歌い方好き。。ほんと一フレーズだけど、涙。やはりオーストリア人にとって、この歌は特別だよね。。

●宝塚的にどう?

宝塚での上演が決まった後の初観劇ということで、ちょっと宝塚の舞台に載せた時の雰囲気を想像しながら見ちゃいました。というか、この場面や振り付け残せる?」みたいな感じで突っ込んでますw。

宝塚に向いてるなー、と思ったのは、ダンスシーンの派手さと多さ、女性が男性の服で踊るシーンの多さ(警察とサッカーとお金のタンゴ)、脇役のキャラ立ちなど。逆にどうするの?と思ったのが、ムキムキとオチ、パパママの馴れ初めの歌、山羊w、パンツw(ネタバレでまともに書けないw)。

エマ・カーターの本名が、Adele Waldvogelってだけで笑いが起きるんだが、これも宝塚じゃウケないよね。。Adeleといえば、オペレッタの「こうもり」とかの連想だし、苗字は「森の鳥」って意味。田舎くさいw

まだまだレポに、これ宝塚だったらできるかな?みたいなことも書いてあるので、実際のどのくらいウィーン要素が残るのか、ちょっと楽しみ。

●ダンスと振り付け

ダンスシーンは沢山あって、最初のシッケリアからNix ist fix(Josiソロ)の連続ダンスには度肝を抜かれる。そこから、Bussi Bussi (これ「キスキス」って訳されるのかw)を経てブロンドになるんだが、かなりいろんな曲調が混じってる。っていうか、今思ったらブロンドってGo Westのオマージュ風w

今回前から見てて、ブロンドの振り付けの奇抜さとテンポの良さはかなり気に入った。よく見たらさすがよく考えられてる。閉じ込められてからの、魔法的な窓の透過(Josiは出れないw)、バービーとケンのダンス、最後はコーラスラインのオマージュ的写真を顔に掲げる振り付け。Josiが透過できる様子も、魔法っぽい。日本版でキム・ダディの振り付けってことは無いとは思うけど、あのアイデア(ケーキポッポとバービーとコーラスライン)残ってほしいな。。

マッチョマッチョはサッカーの曲で、これも映写でトリック再現できるかなw 画面の端っこの方で、アルゼンチン国旗(水色白水色)「Pablo Garcia」VS オーストリア国旗(赤白赤)「Josi Edler」って書いてて、サッカーの点数になってたの笑ったw Josi負けすぎw そして、ダンサー全員が男性ストリップの定番、長ズボン一気脱ぎしたのには圧巻!

ムキムキ、男性ストリップ、ゲイ要素は、キム・ダディらしいな!と思うよ。ほんと、好みドンピシャw それ以外でも、ほんと彼女の振り付けは大好き。ぜひ細かい動きに注目して見て欲しい。曲のテーマをわかりやすくコミカルに取り入れる天才。アイデア満載。

Strada del solは、宝塚ではきれいにまとめるんだろうな、上品なバレエ風にw ウィーン版のあのえげつなさがいいのにw 引くほどやりすぎだからこそ、最後いいの?心広いねw ってなるのがねw ちなみに、イタリアの海岸は、オーストリア人の定番の夏の旅行先です。突然イタリア出てくるのはそういうわけ。

で、一幕最後のHaben Sie Wien bei Nacht gesehen(「夜のウィーンを見たことあるか」的な和訳になるかな)、かっこいい歌だよね。。後半の黒服の振り付けがまたカッコイイ。めっちゃわかりにくいけど、Felixの動きに注目。ほんと一幕ダンスシーン多い!どれも好き!

2幕の警察の歌(Razzia)めっちゃ好きw これはこなれればこなれるほど面白いw それもMartin BergerとProhazkaさんとか最高でしょw (前も書いたけど、Martin Berger刑事といえば、キャッチミーだよね!!)ここの振り付け超面白い(注射しながらラリラリダンスw)。主役出ないのに見どころw

スポーツの歌はサッカーと似てるけど、やはり振り付けのアイデアがすごい。っていうか、宝塚はほんとにウィーンとは違う振り付けでやるの?振り付け変わったら、かなりイメージ変わると思うんだが。ここの報道側にMartin BergerもParschingもいて、めっちゃ楽しいw

2幕のかっこいいシーンといえば、Tango Korrupti(「腐敗のタンゴ」)。これは絶対宝塚映えする。フェンドリッヒのアップテンポな曲は、ロックより、サンバ、ルンバ、タンゴなど、オーストリア人ならみんな踊れる社交ダンスのラテンのリズムのものが多いし、これも踊りやすそう。

あとのダンスナンバーは、最後の曲かな。これはもうNYのラストみたいな感じw 幕が降りる時まで踊り狂う系で、ダンサーではないOliverのダンスが見れるチャンスですw なかなか素敵♪ ダンサーではない役者さん(Martin Parschingとか)の踊り見るの好きw 楽しそうなんだもん w

●色々特定
夜のウィーンのシーンがかっこよくて好き。ロケ地特定もした。まずオペラ座裏のソーセージスタンドBitzinger、背景は市庁舎、カールス教会、シュテファン大聖堂。次にクラブはU4、フィアカーの画面に王宮新宮、シュテファン大聖堂など。橋の下はDonaumarinaで、川の向こうにDCタワーが見える。

特定といえば、最後のオペラ座舞踏会の似顔絵は、モーツァルト、シシィ、FJ、フロイト、ファルコ、シュワルツネッガー、クリスティーナ・シュトゥルマー(ルカスの元カノw)、バーバラ・レッツ、ダグマ・コーラー(本人初日見に来てたw)、エルマイヤーだったかな。この演出は絶対日本ではないなw

下から見て初めて気がついたんだけど、舞台の周りの上の方に、オーストリアの州の紋章が並んでる!紋章的な視点で見てもなかなか面白い。双頭の鷲も、ウィーンの十字も出てくる。いろんな柱とかケーキとかが赤白なのも、国旗カラーでいいよね。

(キャスト編に続きます)

2019-05-07 16:21 | カテゴリ:美術館・博物館
息子の堅信式準備クラスの課外授業で、ウィーンのユダヤ博物館に行った時のレポ続きです。
展示物などの紹介はこちらからどうぞ。


●キリスト教徒から見た、ユダヤ教徒カルチャーショック

子供たちは、キリスト教のお祭りは知ってても、ユダヤのことは初耳。逆にガイドさんは、普通のオーストリア人なら常識のキリスト教の祭祀を知らない。このカルチャーギャップが異文化交流で、同じ国、同じ言語の人でも、ここまで見えてる世界が違うのか。。と驚いた。

カルチャーショックだったことをメモしておく。

①ガイドさんが「イースターに何を食べるの?」と聞いたら、子供たちが「タマゴ!チョコ!」と言う中、一人が「Essgrass(食べられる草)!」と言って、みんなわっと笑った。イースターネストに入れる食用の草なので、幼稚園児でも食べた事ある。

毎年スーパーに売ってるし、外国人の私でも知ってるこの食べられる草。ガイドのお姉さん(生粋のオーストリア人)は、びっくりして「そんなのあるの?どんな味?」って聞いてた。オーストリアに住んでても、イースターっぽいことも全くしたことないのか。

②キパの説明で、「ユダヤ人男性は、シナゴーグに行く時に何かを被っていないと失礼に当たる」と説明され、息子が「教会に入る時は帽子を取るのに?」と私にこっそり聞きに来た。「違う宗教は、習慣や考え方も違うのよ」って言ったら納得した。大人でも難しいこと。

③ユダヤの教典には「髪の角を切ってはならない」との謎の指示があり、学者達が長く議論した結果、「髪の角=もみあげの事だ!もみあげ切るの禁止!」となったから、厳格なユダヤ教徒はもみあげを伸ばしている。ただし、顎くらいまでに揃えて切ってる、みたいな話とか、子供には印象的だったみたいw

④私はちらっと見た美術品の十戒のモーゼに思いっきり二本の角がはえてて、「モーゼに角生やしたの、ユダヤ人かいw」ってなったw ユダヤの学者も大変だなぁw

⑤ イエズスもユダヤ人って話で、子供たちが「死んで復活したんだよ!」って言ったら、ガイドさん「うん。。死んで。。ねぇ。。」と言葉を濁したことw ユダヤ人って、そんな微妙な反応するんだw これは生で見れて貴重な体験w

⑥ 何かの説明の途中で、ガイドのお姉さん「私達はイエズスを信じてるわけではなく、神を信じてるから」ってハッキリ言った!うひゃー、それを、ユダヤ教とキリスト教の境目もよくわかってない小学生に言うかw めっちゃいいお姉さんなのに、そこはオブラートにくるまないんだw

ユダヤ教徒が、キリスト教徒のタマゴの子達に、相手の宗教を貶さずに話すのは難しいと思うけど、逆にここまでキリスト否定しておいて、なんのしこりも残さないなんて、慣れてるというか、双方大人だなぁ。文化が正面衝突したのに、それが当たり前過ぎて、誰も傷つかなかった、レアケースを見た感じ。

こんな感じで、私としては時々ヒヤヒヤものの発言も飛び出したわけですが、引率の人は意外にも大満足。キリスト教の土台となったユダヤ教のことを知って、キリスト教についての知識もついた、ということらしい。私は一歩引いて、文化交流として見たら、すごく得るものが多かった。

子供たちにとっては、内容も濃かったし、キリスト教のこともまだ半分くらいしか知らないのに、さらに難解な知らない文化や宗教について、どこまで理解したかな。少なくとも、似てるけど違う文化圏があって、宗教によって常識も違うってことは、体験できたんじゃないかな。

あと、子供たちが「違う宗教だから、考え方や常識、日々の生活パターンが違う」ってことを、比較的スルッと受け入れてることは感慨深い。自分の常識が、他の人とは違っても構わない。相手には相手の事情があり、それをリスペクトする、みたいなことが、既に身についているのは素晴らしいと思った。

キリスト教(カトリック)の、こういう「ひとはひと、自分は自分」「相手は自分とは違うけど、否定はしない」ってところ、悪くないなぁ。それを、子供への教育でもちゃんとしてるから、ほかの宗教や文化を否定しない姿勢が、子供の頃から身についてる。(まあこれは、うちの教会の方針もあるとは思うけど。。影響力の大きかった前の神父様が、まさにこういう考えの人だったからね。けど、宗教として、ほかの宗教や文化を否定しない、という要素は、とても大事だと思う)

●この博物館の展示

ユダヤ教って閉ざされてて、ユダヤ人以外お呼びじゃない雰囲気あるけど、実はキリスト教徒はルーツを理解したくて、ユダヤ教に興味がある。信じるつもりは無いけど、知識として理解したい。ユダヤ教側はそういうキリスト教徒の親近感をあまり理解してないから、展示の説明も不親切。

この博物館は1994年のオープン以来、そんな閉ざされたユダヤ人コミュニティのための博物館だったんだが、新しい館長が「時代は変わった。開かれた博物館を作り、非ユダヤ人の持つ不安感や偏見をなくすと同時に、ユダヤ人の過去のトラウマに囚われない展示をしたい」と、2011年に改装後再オープン。

特に通りに面したカフェは、ユダヤ料理を出すオシャレなオープンテラスカフェで、ふらっと立ち寄って異文化を味わえる場所になってる。個人的にまだ展示の説明は少ないとは思ったけど、一応展示品の説明の冊子は置いてある。「これはこんなふうに使うんだよ」って、初心者向け展示も欲しかったけどね。

なんていうか、ユダヤ人のホロコーストとかの気持ちはわかるけど、それより旧約聖書に書かれてることを、ユダヤ人はどう理解して、どんな生活習慣やミサをしてるのかっていう、ホロコースト以外の部分の方が知りたいんだよね。キリスト教が生まれる背景にどんな思想があったのかとか。

ユダヤ教は興味深いし、知れば知るほどキリスト教の理解も深まる。けど、ユダヤ人は内輪で固まって、なかなかその世界を見せてくれない。排他的だから、周囲はなんとなく「あの人たち固まって何してるの」的な感情を持つのは悪循環。この博物館のように、オープンさを意識するのも大事だと思う。

私はユダヤ人の友達も結構いるし、エルサレムでユダヤのミサ(ゆるい宗派だけど)に参加したこともある。ユダヤの集会やお祭りに誘われたら嬉しい。かなり厳格なユダヤ教徒の友人に、夕食会に招待されて、6つのお皿の説明を受けたのを、昨日の博物館で思い出した。少しでも体験すると、身近に感じる。

ユダヤのことはユダヤ人だけが知ってて、ユダヤ人だけで祝うんじゃなくて、もう少し開かれてて、外部の人と一緒に楽しめたら、偏見とか恐怖感とかも減るんじゃないかな。この博物館の物々しい警備と、オープンテラスのカフェの対比を見て、その両極を見た感じがする。閉鎖性とオープンさは共存できる。

ちょっとこの博物館に行ってから、ウィーンとユダヤの関係とかに興味をもって、ユダヤ人が多く住んでいた2区を歩き回って、ユダヤ教の名残を探してみる街歩きを始めました。ネタがたまったらまたまとめてブログ記事にしますね。

あと、ウィーンのユダヤ人スポットとして、Judenplatzにある方の博物館があるけど、こちらは中世のシナゴーグ遺跡を見学できるので、今回の博物館(ユダヤ人の文化と生活を展示してある)とはまた違う感じです。

というわけで、二回にわたって、Dorotheergasseにあるユダヤ博物館のレポと、カルチャーショックについて書いてみました。あまり行く機会はないかもしれないけど、ウィーンの歴史の一端を担った文化です。ウィーンという場所を深く知りたければ、避けては通れない場所だと感じました。

そして、ここに行ったことでさらに興味が広がり、あそこもここも行かなきゃ‥となったので、やっぱりウィーンは底なし沼ですw
2019-05-04 16:06 | カテゴリ:美術館・博物館
ウィーン旧市街にあるユダヤ博物館。気にはなってたけど、優先度が低くて足を運んでなかった博物館ですが、長男の堅信式準備クラスの課外授業で行くことになり、親の付き添いとして参加してみました。25人の小学生と2人の引率、5人の親で、子供向けのガイドツアーを受けました。ものすごい勉強になった!行ってよかった!

この堅信式クラスが博物館に行くのは、今回が初めての試み。元々修道院附属ホスチア工場見学の予定が、夕方は「沈黙の時間」で、製造をしてはならない決まりがあり断念。苦肉の策で、夜もやってるユダヤ博物館になったんだとか。個人的には、シュテファン大聖堂の聖具室もいいかな、と思った。

●ユダヤ博物館って・・

ユダヤ博物館って、だいたいどこでもユダヤ人のための博物館なので、ユダヤ教や文化のことを中立的に知りたい、私みたいな非ユダヤ人が行っても、何も学べないのがいつも困ってた。展示物がすごいのはわかるけど、用途がわからないとつらまない。説明もユダヤ人前提なので、初心者向けの解説皆無。

ウィーンのユダヤ博物館の展示も、展示品はあるけど説明がなく、一人で来てても何もわからないところだった。ガイドさんが展示物や用途を解説してくれて、ユダヤ教の祭祀に使われる用具や食べ物についてめっちゃ詳しくなった。これで、ロウソク立てや王冠や指のついた棒の意味がわかるようになったよ。

●ウィーンのユダヤ博物館外観など

昨日訪れた、夜のユダヤ博物館。ドロテウムの左横という好立地。Palais Eskelesという元貴族の館で、ドロテウムの所有の建物を使わせてもらっている。モーツァルトが晩年に演奏した建物はこの一軒横で、向かいはサラストロのモデルになった人物がいたフリーメイソンのグランドロッジ跡地。




わかるかな、これ。この博物館の前だけ、補導の縁石に、車両避けのポールが立っていた。平和な通りなのに、必ず警備員が立っている。ウィーンにあるユダヤ系の建物は、周囲から浮くほど警備が厳重。


ウィーンのユダヤ教関連施設の警備が厳重な理由は、こちらのツイートからどうぞ。

●子供向けガイドツアーの解説

内部に入って、4階へ直行。夕方ということもあり、ほかの階はユダヤ関係のイベントで使用されていました。

ガイドさんはまず子供たちを集めて、「ユダヤって聞いて何を連想する?」と聞いたら、一人の子が「イエズスと関係ある」と答えた。次に「ユダヤのお祭りって知ってる?」という質問には、子供たちは口々に「イースター!クリスマス!」と答え、ガイドさんは、予想してたとはいえ、苦笑w

パサハ(過越)やハヌカなどの、イースターやクリスマスと少し関係のあるお祭りの話になり、パサハは出エジプトを記念した祭りで、キリストもこれを祝いにエルサレムに来てて磔になった。イーストの入ってないパンを食べるのは、出エジプトの時に、急いで焼いたパンを発酵させる暇がなかったから。

堅信式を控えた子供たちは、ホスチアに興味がある。前回みんなでパン焼いたから、このぺたんこパンの謂れの話は、出エジプト→最後の晩餐と繋がってることがわかって、ユダヤ教からキリスト教の流れがわかりやすい。あと、断食の習慣はユダヤ教にもある話もあった。

●展示物

展示室は四角くて、真ん中の金庫のようなガラスケースに、祭祀用の器具が並んでいる感じ。


シナゴーグにある祭祀用の器具が展示してある。



見せてもらった展示物を箇条書きにしていきます。
・7,8,9本のキャンドル立て(7本のは天地創造から、8本のキャンドルはハヌカで使い、9本目は火を灯す時に使う)

・二本の筒についた王冠と鈴(ユダヤの教典トラーは巻物で、その両端につける)


・指のついた棒(経典の指示棒)
・6つのくぼみのある皿(過越を記念した食事に使う。チコリなどの苦いサラダ、涙を思わせる塩水、ドライフルーツなどをいれる)

・金属の盾(昔のエルサレムの神殿の神官が胸に入れていた金属板を摸し、教典や祭祀が書いてある)
・家型の容器(サバトが終わった土曜の夕方に匂いを嗅ぐ)

この辺りの祭祀グッズが大小、素材や形も色々で並んでいる。おそらく、過去の金持ちユダヤ人の所有の品で、寄贈されたりしたんじゃないかな。


他にも、ガラガラ音のなるおもちゃとか、お香をたく容器など、キリスト教と関係のある用具も置いてあったが、ユダヤ教では用途が全く異なるのも興味深い。ガラガラ(Ratschen)はプリムというお祭りで、エステル女王の機転により処刑された大臣ハマンの名を聞いたらガチャガチャ鳴らすもの。

お香をたく容器は、ユダヤ教では「永遠の(神の)光」とされ、ロウソクをともし続ける。キリスト教でも「永遠の光」はあるが、キリスト処刑から復活の2日間(KarfreitagとKarsamstag)だけは消される。

ガイドツアーの終わりには、この器具の使い方や意味を全部教えてもらった。次から世界のどこに行っても、ユダヤ博物館を楽しめるぞ。

(続きますー)

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2019-04-29 16:12 | カテゴリ:ウィーン
もう2年近く探している、ウィーン旧市街にあるトルコ包囲の砲弾ですが、やっと三つ全部見つけることができたので、まとめておきます。

注:ドイツ語ではTürkische Belagerung(トルコ包囲)というので、当ブログでもよくこの表現を使いますが、日本の世界史で習う用語としては「ウィーン包囲」です。
また、トルコ包囲は第一次(1529年)と第二次(1683年)の二度あります。今回の記事でも、両方のトルコ包囲が登場します。

まずはこちらの三つの玉。これは、ウィーン最古のレストラン「グリーヒェンバイスル」の入り口に飾ってあります。


「1529年にここは『金の鷲亭』という食事処があり、市壁の一部となっていました。1963年の修復時にこの三つの玉が発見され、この建物の過去を示すため、ここに掲示します」

ただし、この玉が本当に当時のものだったかは疑問視されていて、第二次トルコ包囲の時のものだったという説もあります。

また、グリーヒェンバイスルについては、こちらの記事をどうぞ。



次の二つは、第二次トルコ包囲のものです。

一つは観光地からは少し引っ込んだところにある、Sterngasseの一角にあります。

これは、旧市街で最大の砲弾であるだけでなく、唯一のオリジナルとわかっているものです。